2万円台で日経平均が買える!?日経225型ETFの魅力とは

 

現在の株式市場で売買代金1位の銘柄は何かご存知でしょうか。ソフトバンク? それとも ソニー? 確かにそれらの個別株が1位になることもありますが、圧倒的に多いのが 実は1570日経レバレッジ型ETFなのです。

7月20日売買代金

出典 楽天証券

 

日経レバレッジ型ETFとは日経平均株価の2倍の値動きとなるETFです。

 

ETFは株や投資信託と似たところが多い金融商品ですが、ETFならではの魅力もあります。

ETFの中でも特に日経225型ETFについて焦点を当てて解説していきます。

ETFとは

 

ETFとは”Exchange Traded Funds”の略で上場投資信託と呼ばれています。特定の指数、例えば日経平均株価やTOPIXなど株価指数等の動きに連動する商品で、証券取引所に上場している投資信託です。

 

株価指数だけでなく、債券やREIT,通貨、商品の指数もあります。また、投資先も日本だけでなく、NYダウなどの米国株、中国株など海外にも投資できます。

 

いつでも売買できる

 

ETFは証券取引所に上場しているので、取引所時間内であれば、通常の株式と同じようにいつでも売買できます。

 

ETFのコスト

売買コスト

売買委託手数料 個別株を売買する際の手数料と同一に設定されています。

保有コスト

主に信託報酬です。ETFは通常の投資信託に比べ信託報酬が安いといわれています。ETFは、通常の投資信託と異なり、販売会社への手数料や事務費用(運用報告書等)が低いので、管理コストが安くなっているためです。

 

信託報酬とは

 

管理手数料とも呼ばれる投資信託の手数料です。保有している間、毎年かかる手数料で、運用会社が銘柄を組み入れて運用する時に発生する調査費用や人件費などにかかる費用のことです。長期投資の場合、常に必要となるこの手数料はかなりのコスト負担となります。

ETFは通常の投資信託に比べて信託報酬が低くなっていることが多いです。

その理由は次の3点です。

  1. ETFは、通常の投資信託と異なり、信託報酬のうち販売会社に支払う部分がない
  2. ETFは、インデックス運用なので、企業調査などのコストが少ない
  3. 現物拠出型のETFであれば、株式の売買を行う必要がないため、売買にかかるコストが少ない

銘柄数

 

ETFの銘柄数は年々増加し、現在では222銘柄となっています(7月20日現在)

出典 日本取引所グループ

 

 

売買状況

 

どんな投資家が取引しているかを調べたところ、外国人投資家が約60%を占め、現物株と同様最大の投資主体となっています。個人投資家約30% 証券会社などの自己売買部門が約6%となっています。

 

参考 ETF月間売買状況 

 

ETFのメリット・デメリット

メリット

売買しやすい

通常の投資信託と異なり、ETFは証券取引所に上場されています。取引時間中ならいつでも売買することができます。そして、リアルタイムで価格をチェックできます。

信用取引ができる

信用取引口座を開けば、買いだけでなく、価格の下落が見込まれるときは売りから入ることができます。

 

運用スタイルの一貫性

 

通常の投資信託では、インデックスファンドでも解約に備え現金が必要です。また、大量の追加設定があると、インデックス通りの組み入れを行うことが難しい場合もあります。一方、ETFは解約も追加設定もないので、常にインデックス通りの運用ができます。

 

デメリット

 

価格変動リスク

 

証券取引所で取引時間中ならいつでも売買できる利便性がありますが、日によっては大きく変動することもあるので注意が必要です。

 

流動性リスク

 

市場の需給によって、売買が成立しないリスクや予想される価格より著しく離れた価格で売買されるリスクがあります。

 

かい離するリスク

 

市場の急変時や運用によっては、連動を目指す指数の値動きからかい離するリスクがあります。

 

ETFと株式、投資信託との違い

ETFと株式との違い

 

分散投資

 

株式が特定の会社への投資であるのに対して、日経平均株価に連動するETFなら、日経平均株価に採用されている225銘柄に分散投資している効果があります。また、ニュースなどでよく目にする指数なので値動きもわかりやすく、初心者にもおすすめです。

 

例えば、日経平均株価採用銘柄ウエート上位3銘柄は9983ファーストリテイリング 9984ソフトバンク 6954ファナックです。最低単位の100株づつ買ったとしてもファーストリテイリングは約500万円、ソフトバンク約100万円、ファナック約200万円と、わずか3銘柄でも800万円前後の資金が必要となります(2018年7月20日現在)。

 

しかし、日経平均型ETFなら2万円前後で日経平均採用銘柄225銘柄を買い付けたのとほぼ同じ効果が期待できるのです。

 

ETFと投資信託との違い

 

銘柄数

 

ETFは約200銘柄であるのに対し、一般投資信託は約1万ファンド販売されています。

銘柄数では一般投資信託の方が有利なので、ETFの中でニーズに合う商品が見つからない場合も、一般投資信託なら見つかる可能性があります。

 

投資信託はインデックス型とアクティブ型にわけられます。

 

インデックス型とは・・・運用の目標とする指標がTOPIXや日経平均株価に連動している投資信託

 

アクティブ型とは・・・TOPIXや日経平均株価を上回る運用を目標とする投資信託

 

ETFはインデックス型に属します。

 

 

 

ETFは株と同様に売買できるので、リアルタイムに株価(基準価格)が変わります。

 

一方、通常の投資信託も基準価格が毎日変わるものの、リアルタイムではありません。

 

基準価格の変更が行われるのは1日1回となっています。

 

毎月取引するような場合(積立など)は販売手数料が安いインデックス投信が、比較的まとまった金額を購入し、取引回数が少ない場合はETFが有利となります。

 

ただし、最近は10万円以下は手数料無料の証券会社も増えています。

 

1回の取引で10万円以下の小額投資の積立ならETFでも売買手数料無料で可能になっています。

10万円以下手数料無料証券会社一覧

 

SBI証券 アクティブプラン 1日の約定代金合計額に応じて手数料が決まるアクティブプラン。10万円以下の手数料は、現物株・信用取引ともに0円になっています。

 

 

 

楽天証券 2017年9月1日から国内株式手数料「1日定額コース」に約定代金10万円まで無料を新設

 

松井証券 松井証券の株式手数料は、1日の約定代金合計に応じて決まる定額制です。売買回数に関係なく、1日の約定代金合計が10万円以下なら手数料は無料となっています。

 

ETF 投資信託 株式 比較表

 

ETF 投資信託 株式
上場・非上場 上場 非上場 上場
買付時間帯 取引所の取引時間 申込期間中の9時~15時 取引所の取引時間
取得価格 市場価格 1日1回算出される基準価額 市場価格
買付場所 証券会社 証券会社や銀行、郵便局など各金融機関 証券会社
買い方 証券会社を通じ、市場で指値/成行注文 販売会社を通じ基準価額をもとに購入価額を算出して購入 証券会社を通じ、市場で指値/成行注文
取得時の費用 売買委託手数料 販売委託手数料 売買委託手数料
信託報酬 あり 通常の投資信託より低い あり なし
分配金・配当 分配金は課税対象 普通分配金は課税対象 配当は課税対象

 

日経225型ETFと日経225先物との違い

取引時間

日経225型ETFの取引時間は通常の現物株と同じなので、9:00~11:30 12:30~15:00となっています。日経225先物は8:45~15:15 16:30~翌5:30 で特にナイトセッションがあるので日経225先物の方が長くなっています。

 

投資金額

日経225型ETFは2万円台で買えます(日経平均株価に連動)が、日経225先物は60万円前後、日経225ミニでも6万円前後(7月23日現在)となります。日経225先物型ETFの方が現物で買っても小額から買うことができます。

 

取引期限

 

日経225先物は限月取引なので決済期日が決まっている(日経225先物ラージでは3,6,9,12月第2金曜日)ので、短期間で決済しなければなりませんが、現物で日経225型ETFを買い付けた場合は長期で保有することができます。

 

配当金

日経平均型ETFでは配当金がでますが、日経225先物では配当はでません。

日経225型ETFの種類

日経平均株価型ETF

日経平均株価に連動するように作られたETFです

 

日経平均株価型ETF一覧

1320 ダイワ上場投信ー日経225

 

1321 日経225連動型上場投資信託

 

1330 上場インデックスファンド225

 

1346 MAXIS 日経225上場投信

 

日経レバレッジ型ETF

 

日経レバレッジ型ETFとは日経平均株価の2倍の値動きとなるETFで積極的に利益を狙えます。

 

例えば、日経平均株価が前日比で5%上昇すると、日経レバレッジ型ETFはおよそ10%上昇します。ただし、下落した場合も倍になるので注意が必要です。

 

現在、1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信は最も人気のあるETFです。

 

日経平均レバレッジ型ETF一覧

1358 上場インデックスファンド日経レバレッジ指数

1365 ダイワ上場投信ー日経平均レバレッジ・インデックス

1458 楽天ETFー日経レバレッジ指数連動型

1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信

1579 日経平均ブル型2倍上場投信

 

 

出典 SBI証券

 

 

 

日経インバース型ETF

 

インバース(INVERSE)とは、「逆の、反対の」という意味になります。例えば日経平均型インバースETFは、日経平均株価の日々の騰落の-1倍となるように計算された日経平均インバース・インデックスに連動することを目指すETFです。日経平均が100円下落すれば、日経平均型インバースは100円上昇することになります。

 

通常のETFでも売りから入ることで下落相場でも利益をだすことができますが、信用口座の開設が必要となります。買いでも下落相場で利益を狙えるインバースは現物株のみの投資家にとっては非常に役立つETFです。

日経インバース型ETF一覧

1456 ダイワ上場投信ー日経平均インバース・インデックス

1571 NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信

1580 日経平均ベア上場投信

 

日経ダブルインバース型ETF

 

ダブルインバース型ETFは日経平均が100円下落すれば、日経平均型インバースは200円上昇することになります。変動率がー2倍になるため、原資産(日経平均株価)の値動きとは反対に、より大きな利益が生じます。

日経ダブルインバース型ETF一覧

 

1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信

 

1360 日経平均ベア2倍上場投信

 

1459 楽天ETFー日経ダブルインバース指数連動型

 

 

その他の指数型ETF

 

TOPIX(東証株価指数)

 

TOPIXとは東証1部に上場されている約2,000銘柄を対象にして、東京証券取引所が算出・公表している株価指数です。日経平均株価と共に有名な株価指数です。

 

1968年1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化しています。

 

指数値 = (算出時の指数用時価総額 / 基準時価総額) × 基準値

 

TOPIX型ETF一覧

 

1305 ダイワ上場投信ートピックス

 

1306 TOPIX連動型上場投資信託

 

1308 上場インデックスファンドTOPIX

 

1348 MAXIS トピックス上場投信

 

JPX400

 

JPX400とは東京証券取引所に上場している企業(1部・2部・マザーズ・ジャスダック)の中から、投資家に魅力の高い銘柄400社を選定し、財務や経営が優秀な日本の株式市場をけん引する銘柄の動きを指数として発表したものです。指数は、2013年8月の最終営業日8月30日を起点として、この日を10,000として計算します。

JPX400型ETF一覧

1591 JPX日経インデックス400連動型上場投信

 

1592 上場インデックスファンドJPX日経インデックス400

 

1593 MAXIS JPX日経インデックス400上場投信

 

1599 ダイワ上場投信JPX日経400

 

取引例

 

短期投資

 

短期投資はレバレッジ型が向いています。その理由として

  1. 日経平均株価が上昇すると2倍の利益がでる。
  2. 短期的に大きな利益が見込める
  3. 小額で購入できる。
  4. 銘柄選定の必要がない

 

レバレッジ型ETFのデメリット

 

価格のかい離

レバレッジ型ETFは日々の騰落率で指数(日経平均株価)の2倍を目指す商品なので、長期で保有した場合は、必ずしも日経平均株価が2倍になったからといって、レバレッジ型ETFも2倍になるとは限らないということに注意が必要です。日経平均株価は2倍になったのに、レバレッジ型は1.5倍しか上昇しないということも起こり得るのです。

 

分配金

 

また、レバレッジ型ETFは分配方針として年に1回分配を行うことを定めていますが、分配金が支払われた実績がほとんどないので、分配金の支払いは期待できないといえます。

 

信用取引

 

レバレッジ型は売りからも入ることができます。ただし、信用取引口座が必要になります。信用取引を行うために必要な資金である委託保証金は30万円以上なので、ある程度まとまった資金が必要になります。

 

下落相場ではダブルインバースを買い付けるという取引手法も有効です。

 

 

以上のことから、レバレッジ型ETFは主にデイトレード、もしくは1週間程度までの短期トレードが向いている商品といえます。

 

長期投資

 

一般的な投資信託よりも信託報酬が低めなので、日経平均やTOPIXに連動するETF(レバッレジやダブルインバースは除く)は長期投資に向いています。

 

個別株に投資するよりも分散投資効果でリスクも低くなっています。

 

ただし、インデックスファンド(投資信託)では、分配金を再投資することができますが、ETFは税法上、株式ですので分配金は配当金として受け取ることになります。配当金には税金がかかるので、受け取るのは税引き後のお金となるので注意が必要です。複利の効果を損ねてしまいます。

 

インカムゲイン(配当)よりはキャピタルゲイン(値上がり益)を狙った方がいいといえます。

 

売買ポイントは日経225先物と考え方は同じです。

 

売買ポイントを見極める!日経225先物取引の実践的分析手法とは

 

 

まとめ

 

日経225型ETFといっても、通常のETFに加え、レバレッジ型、インバース型など様々な種類のETFがあります。短期で利益を狙いたいのか、それとも長期でじっくりと利益を狙いたのか、それぞれの投資スタイルにあったETFがあります。

 

短期投資ならレバレッジやダブルインバース

長期投資なら日経平均型

下落相場ならインバースやダブルインバース

このように小額から投資できて、戦略に応じて使い分けることができるのが日経225型ETFの魅力といえるでしょう。

 

 

 

 

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