現役FPおすすめの学資保険4選。学資保険ランキング【2024年】

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学資保険とは

学資保険とは、大学進学の際の入学金など、子どもの教育資金を積み立てることを目的とした貯蓄額の保険のことです。将来の学費を準備しながら、契約者(父、母などの保護者)に万が一のことが起きても教育資金が賄える商品として、長く愛用されてきました。

なお、学費を貯めるという本来の機能(主契約)に加え、様々なトラブルに備えるための保障が付帯できる商品が主流になっています。

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主な保障をまとめてみました。
保険料払込免除 契約者が万が一のことになった場合、それ以降の保険料が免除される
養育年金 契約者が万が一のことになった場合、まとまった保険金が受け取れる
医療保障 子どもが病気やケガをした場合、保険金が受け取れる
死亡保障 子どもが万が一の場合になった時、保険金が受け取れる

学資保険のメリット

メリットは

  1. 強制的に子どもの学費を貯められる
  2. 契約者である親に万が一のことがあれば保険料の支払いが免除される

の2つです。

1.強制的に子どもの学費を貯められる

詳しくは後述しますが、子どもが大学に進学する場合、一度にまとまったお金が必要になります。そのため、長期間にわたってコツコツ積み立てていかないと、なかなか希望する額を出すのは難しいかもしれません。

もちろん、学費を用意するためには、毎月貯金をして準備するという方法も使えます。しかし、貯金の場合はすぐに下せてしまうため、生活費が足りなくなったときの補填に使ってしまい、必要な時期までに目標額が貯められない人がいるのも事実です。

学資保険の場合、毎月一定額が引き落とされる(クレジットカードに請求される)上に、解約するのもATMからお金を引き出すようにはいきません。

ある程度の強制力を伴ってお金を貯められるので、「自分は貯金が苦手」と感じている人なら効果的な手段になるでしょう。

2.契約者である親に万が一のことがあれば保険料の支払いが免除される

現在出回っている学資保険は、契約者である親が死亡したり、高度障害状態に陥ったりした場合、保険料の支払いが免除されるものが主流です。祝い金や満期保険金はそのまま受け取れるので、進学のためのまとまったお金を確保できます。大学進学後はアルバイトをしたり、文部科学省の修学支援制度を使ったりする必要がありますが「経済的な事情で大学進学を諦める」という事態に陥る確率は減らせるでしょう。

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ご家族に万が一のことがあったことが原因で、大学への進学をあきらめなければいけない人はやはりまだ多いみたいです。古くからご家族を亡くされたお子さんの進学支援を行ってきたあしなが育英会が行った調査によれば、大学への進学を断念した高校生の53%が理由に挙げたのが「経済的理由」だったんですよ。

参照:遺児家庭の現状 | あしなが育英会とは | あしなが育英会

学資保険のデメリット

一方、デメリットは

  1. 保険料支払期間、保険期間によっては保険料が高額になる
  2. 満期返戻率が100%を割っているものもある

の2つです。

1.保険料支払期間、満期の時期によっては保険料が高額になる

学資保険の基本的な仕組みは「将来受け取りたい金額を決め、そこから保険料の支払いをする期間=保険料支払期間と保険金が降りる時期=満期の時期を決め、保険料を割り出す」です。そのため

  • 将来受け取りたい金額が高額である
  • 保険料の支払い開始時期から満期になるまでの時期が短い

場合は、保険料はどうしても高額になります。「保険料の支払いで、毎月赤字」ということになっては、本末転倒です。

そして、払えないからといって途中で解約したら、それまでに払った保険料は一部しか戻ってきません。

「自分たちに払えそうな保険料かどうか」をまずは考えましょう。

2.満期返戻率が100%を割っているものもある

従来の学資保険は、満期返戻率が100%を超えているものがほとんどでした。つまり、満期になれば払った保険料の合計額以上が受け取れていたということです。

しかし、近年は過去に例を見ないほどの低金利時代であるため、保険会社の運用成績も大変厳しくなっています。そのことが反映されてか、学資保険の中にも元本割れ=満期返戻率が100%を割ってしまうものが出てきました。つまり、満期になっても払った保険料が全額戻ってこないということです。

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これから学資保険に入る場合は、少なくともその時点での満期返戻率が100%を超えているものを選びましょう。

学資保険を選ぶポイント

次に、学資保険を選ぶポイントについて考えてみましょう。

ポイントその1.加入目的を決める

最初に決めるべきなのは、加入目的です。純粋に子どもの学費を貯めたいのか、家族や子ども自身のトラブルに備えたいのかによって、選ぶべき学資保険は変わってきます。

ただし、学資保険で家族や子どものトラブルに備えるのは、あまりおすすめできません。毎月の保険料が高くなる上に、満期返戻率も低くなりがちです。

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ご家族が生命保険や医療保険に入っているなど、他に備える手段があるなら、学費を貯めることだけを目的にしていいと思います!

ポイントその2.貯蓄すべき目標金額を決める

どんな学資保険を使うかを決めたら、目標金額を設定しましょう。大学の学費をまかなうために学資保険を使う場合、大学に行くとどれだけお金がかかるのかを把握しておく必要があります。実際の学費は大学が国立なのか私立なのか、どんな系統の学部に行くかによって千差万別です。ここでは、文部科学省が行った私立大学の初年度納入金に関する調査の結果を紹介するので、参考にしてください。

区分 授業料 入学料 施設設備費 合計
文科系学部 785,581 229,997 151,344 1,166,922
理科系学部 1,105,616 254,309 185,038 1,544,963
医歯系学部 2,867,802 1,073,083 881,509 4,822,394
その他学部 958,445 258,747 234,644 1,451,836

出典:文部科学省 平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

ポイントその3.毎月の保険料を決める

目標額を決めたら、それをどうやってまかなうのか考えましょう。全額学資保険で、というなら、満期になった時に受け取れる保険金の額を目標額と同じにして、その上で保険料を逆算してください。あまりに保険料が高くなってしまうようなら、一部を学資保険でまかない、他は別の手段で、という代案も併せて考えましょう。

ポイントその4.子どもが何歳の時から学資保険に入るのか決める

  • 学資保険の種類
  • 目標額および保険料

以外にも考えるべきことがあります。それは「子どもが何歳の時から学資保険に入るのか」です。当然、早く入れば入るほど、毎月支払うべき保険料は安くなります。目安としては、小学校に上がる前までには始めておいたほうがいいでしょう。

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学資保険の中には、8歳や12歳など、ある程度大きくなってからでも入れるものはあります。ただし、0歳から6歳までと、小学校に入る前には入っておかないといけない商品もあるので、注意してください。

ポイントその5.受け取り方法を決める

学資保険の特徴として、保険金の受け取り方法がいくつか設けられていることが挙げられます。つまり

  • 大学進学の時に一括して受け取ってしまうのか
  • 中学、高校、大学進学のタイミングで分けて受け取るのか
  • 大学に進学した時点で一度まとまったお金を受け取り、その後は毎年一定金額を受け取るのか

など、さまざまなパターンがあるということです。どんなパターンがあるのかは保険会社によって異なるので、事前に確認しましょう。

ポイントその6.満期返戻率をチェックする

学資保険に加入する際に気を付けなくてはいけないのは、満期返戻率です。

つまり、保険料支払期間が終了するまでに払い込んだ保険料の金額が、最終的に受け取れる保険金の額を上回っているかどうかが重要になります。

既に触れた通り、近年はまれにみる低金利時代であるため、保険会社も思うような運用成果が挙げられていないのが実情です。当然、そのあおりを受けて満期返戻率が100%に満たない=元本割れする学資保険も出ています。

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今回の学資保険ランキングでは、保険会社が公式ホームページで満期返戻率が100%を超えていることを打ち出している商品を選んでいます。ただし、実際の満期返戻率は、契約者、被保険者(子ども)の契約日における年齢、契約者の性別、保険料払込方法により異なるので、正確な数値を知りたい場合は、保険会社の担当者に確認しましょう。

現役FPがおすすめする学資保険ランキング

ここまで説明した内容を踏まえ、現役FPがおすすめする学資保険のランキングを作成してみました。

1位.ソニー生命の学資保険/ソニー生命

学資保険のことなら学資金準備スクエア|ソニー生命保険

保険料 15,788円
※保護者が30歳男性、子どもが0歳の場合。受取額資金の総額は200万円。Ⅲ型(大学進学後、18歳から22歳までの5年間で計200万円を受け取る。)を想定。
保険加入可能年齢 8歳または12歳まで
保険料払込期間 子どもが10歳までまたは18歳まで
出生前加入の可否 可※出生予定日の前日までの日数が140日以内(学資保険(無配当)Ⅲ型のみ91日以内)であれば、出生前加入特則を付加することで加入できる。

ソニー生命の学資保険商品をおすすめする理由

ソニー生命は、名前の通り大手家電メーカーのソニー系列の会社です。保険会社としても、顧客ロイヤリティ調査で1位を獲得するなど、経験を積んだコンサルタントによるきめ細かいサービスには定評があります。

ソニー生命の学資保険をおすすめする理由は

貯蓄機能を重視した商品設計になっている

ことです。公式ホームページの「よくある質問」には、このような質疑応答が掲載されています。

Q.子供の医療保険はついていますか?

A.ついていません。貯蓄性を重視するため、医療保険は省いています。
お子さまの医療費については、各自治体で医療費の助成制度等があり、その内容は異なります。特に小さなお子さまには多くの自治体で医療費が無料または低額となっております。

出典:よくあるご質問|学資保険のことなら学資金準備スクエア|ソニー生命保険

このような質疑応答を掲載していることからもわかるように、医療保障など「学費を貯めるのには関係ない」保障は一切つけていないのが、ソニー生命の学資保険の大きな特徴でしょう。そのかいもあってか、受取学資金の総額が200万円とした場合の満期返戻率が105.5%に達するなど、効率的に学費を貯めやすい商品になっています。

 

出典;学資保険の特長|学資保険のことなら学資金準備スクエア|ソニー生命保険

デメリットらしいデメリットはないのですが、あえて言うとしたら

対面販売方式をとっているので、直接ライフプランナー(担当者)と会って話さないといけない

ことです。オンラインでのビデオミーティングでも、指定された場所での待ち合わせでもいいのですが「担当者と全く顔を合わさずに加入する」ことはできません。「人と会って保険の話をするのは苦手」という人には、やや心理的なハードルは高いはずです。

2位.みらいのつばさ/フコク生命

学資保険みらいのつばさ/フコク生命 | フコク生命

保険料 14,354円
※保護者が30歳男性、子どもが0歳の場合。受取額資金の総額は200万円。J(ジャンプ)型を選択。保険料払込期間は11歳まで。
保険加入可能年齢 子どもが7歳になるまで
保険料払込期間 子どもが11歳、14歳、17歳になるまで
出生前加入の可否 可※出産予定日の140日前から可能

みらいのつばさをおすすめする理由

富国生命(通称は「フコク生命」)は、1923年に前身となる富国徴兵保険相互会社が設立された、非常に長い歴史を持つ保険会社の1つです。

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最近では人気キャラクターのハローキティを公式キャラクターにするなど、親しみやすいイメージ作りも心がけている会社なんですよ。

 

フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」も、先に紹介したソニー生命の学資保険と同じく、貯蓄性を高めることに注力した学資保険です。なお、学資金の受取方はS(ステップ)型とJ(ジャンプ型)から選べます。

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詳しくは次の図を見てもらった方がいいですが、簡単に言うとS(ステップ)型がこまめに学資金を受け取れるタイプ、J(ジャンプ)型がまとまって学資金を受け取れるタイプです。

出典:学資保険 みらいのつばさの特長 | フコク生命

J(ジャンプ型)の場合、105.5%という非常に高い満期返戻率を達成しています。そして、貯蓄性が高く、返戻率も高いこと以外のメリットとして「兄弟、姉妹で加入する場合は保険料が割引になる」ことが挙げられます。兄弟割引制度が設けられているので、契約者(保険料を払う人)が同じであるなどの条件を満たせば、毎月の保険料が割り引かれるのです。

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お子さんが2人以上いらっしゃる方は要チェックですね。


一方、デメリットとしては

満期保険金を受け取れるのは22歳である

ことです。つまり、22歳になるとまとまったお金が受け取れますが、実際にまとまったお金が必要なタイミングはもっと前=大学入学までに訪れているはずです。大学を卒業して社会人になる場合でも、大学院に進学したり、留学したりする場合でも、たしかにまとまったお金があった方が役には立ちますが「大学に入るまでに必要なお金を貯めたい」という人には、やや不向きかもしれません。

3位.つみたて学資/明治安田生命

「明治安田生命つみたて学資」|明治安田生命

保険料 15,910円※保護者が30歳男性、子どもが0歳の場合。受取額資金の総額は200万円。Ⅰ型を選択。保険料払込期間は10歳まで
保険加入可能年齢 子どもが6歳になるまで
保険料払込期間 子どもが10歳、15歳になるまで
出生前加入の可否 可※出産予定日の140日前から可能

つみたて学資をおすすめする理由

明治安田生命が販売している学資保険が、つみたて学資です。「つみたて」という名前からもわかるように、貯蓄性を重視した学資保険になっています。そのため、こちらのシミュレーションからもわかるように、高い返戻率を実現していることに定評がある商品です。

出典:「明治安田生命つみたて学資」|明治安田生命

返戻率が高いこと以外のメリットとしては、加入者専用の「24時間妊娠育児相談サービス」が利用できることでしょう。救急車を呼んだり、医療機関に行くほどではないにしても、なんだか様子がおかしい、という時にも活用できます。

出典:「明治安田生命つみたて学資」|明治安田生命

一方、デメリットがあるとしたら

子どもを授かった時点での年齢が高い場合、加入できないおそれがある

商品であることでしょう。公式ホームページにも、契約可能年齢として

被保険者(お子さま) 0歳 ~ 満 6歳 ご契約者 満18歳 ~ 満45歳
(被保険者が満2歳以上の場合、契約者は満40歳までです)

出典:「明治安田生命つみたて学資」|明治安田生命

とはっきり示されています。

つまり、事実上、契約者(親)が満38歳まででないと、加入できない学資保険であることには注意が必要です。

4位.ニッセイ学資保険 /日本生命

ニッセイ学資保険|日本生命保険相互会社

保険料 16,667円
※保護者が30歳男性、子どもが0歳の場合。受取額資金の総額は210万円。保険料払込期間は10歳まで、17歳から学資金の受給を開始するのを想定。
保険加入可能年齢 子どもが6歳まで
保険料払込期間 学資年金開始時、10年、5年から選べる
出生前加入の可否 可※出産予定日の140日前から

ニッセイ学資保険商品をおすすめする理由

ニッセイ学資保険は日本生命が販売している学資保険です。この保険のメリットとしては

  1. 17歳から学資金の受給を開始するプランも選べる
  2. 祖父母であっても孫の学費を用意するために使える商品である

ことが挙げられます。まず「17歳から学資金の受給を開始するプランも選べる」についてですが、いわゆる「早生まれ」の子どもであれば、18歳になるのを待たないうちに大学に合格し、入学金を払わなくてはいけない事態もあり得ます。タイミング的に、17歳のうちに受け取れた方が、金策に走り回らなくて済むはずです。

また「祖父母であっても孫の学費を用意するために使える商品である」についてですが、以下の図にもあるように、保険料払込期間が5年の商品であれば、最大で契約者が67歳までであれば加入できます。

出典:ニッセイ学資保険Q& A|日本生命保険相互会社

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例えば、60歳の男性の方が、0歳のお孫さんのために保険料払込期間5年、受取総額300万円とした場合、シミュレーションは以下のようになります。満期返戻率も105.1%と非常に高いですね。

出典:学資保険シミュレーション お客様のプラン|日本生命保険相互会社

一方、デメリットとして挙げられることは、オンラインでの加入はできず、営業担当者との面談が必須になることです。保険自体が決して安い買い物ではないので、合理的といえば合理的ですが「時間を割くのが煩わしい」という人には、デメリットに感じるでしょう。
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