あのアマゾンも実施している無人店舗が未来の店舗となるのか? 新しい店舗の形に挑む企業をいくつかご紹介!

ネット通販の王者アマゾンは2018年2月に、アメリカのシアトル市内にて、無人の店舗「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」を試験的にオープンしました。

スマホのQRコードを利用した自動決済にて、欲しい物をレジを通さずに買い物ができるしくみになります。

IT技術が発達した現代ならではの店舗の形となりますが、株式投資においては芽が出る前に手をつけておくことは、大きく稼ぐための必須条件でもあります。

まだ株式の投資経験が少ない人の中では、不確かなものへ投資をすることは不安でもあり、かといって、売れ筋ばかりを追いかけてしまっても利益が得づらいと実感している人も少なくないでしょう。

今回はあのアマゾンも開始している新しい店舗の形、無人販売についてご説明してみたいと思います。

大手アマゾンの試み

アマゾンの無人店舗、「アマゾン・ゴー」は人件費の削減と消費者の利便性に焦点をあてた新しいタイプの販売方法となり、IT技術を駆使したシステムとして現在注目されている将来有望と見られる業種の1つであります。

無人店舗・無人販売

Woman
無人販売って、田舎でよく見る無人の野菜販売のようなものなの?
Expert

発想は似たようなものですが、購入のシステムが全く異なり、IT技術を取り入れて自動決済を行う店舗になるのです。

お店に入って、商品を棚から摂った時点で自動的に課金されるシステムになっているのです。

Woman
その商品を棚に戻したらどうなるの?
Expert
心配ありません。商品を棚に戻すと自動的にキャンセルになるのです。

自動決済の流れ

  1. あらかじめアマゾンの会員であり、アマゾン・ゴーのアプリをスマホにダウンロードしておく必要があります。
  2. 消費者はアマゾンの店舗に入る時に、QRコードを入口でスキャンします。
  3. 店舗の棚から好きなものを取った時点で課金されます。
  4. 買い物が終わったらそのまま店を出ればいいだけです。
  5. 買い物のレシートはスマホで確認することができます。

というように、何とも前代未聞の店舗の形式であります。

ITテクノロジーを駆使した設備

このシステムを実現するために、最近注目されているAI(人工知能)と複数のセンサーが使われていて、綿密なプログラムによって消費者が確実に棚から取り上げたものだけが課金されるようになっています。

すでに入り口で身元(クレジットカード)が認証されているので、万引きをしようにも棚から商品を取る以上は、課金をさけることができないわけです。

アマゾンはこのシステムで特許を取得しており、今後は世界的な規模でこのスタイルの店舗が普及していくことを狙っているのです。

国内でもすでに、そのような動きを見せる企業がいくつかあり、今後の投資材料として注目されているものの1つであります。

これまでの店舗

では、ここで改めてこれまでの店舗のスタイルを大まかにまとめてみたいと思います。

  1. お店の中に商品が並んでいる。
  2. 商品をとって買い物カゴに入れる。
  3. レジに行って支払いをする。
  4. お店の中には必ず最低1人以上の店員がいる。

以上が基本的なスタイルになりますが、従来の店舗のメリットとデメリットを考えてみましょう。

これまでの店舗のメリット

  • レジで最後に集計するので、物を取ったり、戻したりしても安心できる
  • 店員に商品に関する質問や相談ができる
  • 仲のいい店員がいて会話を楽しむことができる
  • 基本的に身元(クレジットカード)を認証する必要がない
  • 店への出入りが何の操作をしなくとも気軽にできる

などと、かならずしもスマホやクレジットカードを使用せずに済む気楽さや、店員とのコミュニケーションが取れるメリットが大きいといえます。

これまでの店舗のデメリット

  • 万引きの可能性がある
  • 人件費がかかる
  • レジで待たされる可能性がある
  • 店員とのやり取りが面倒に思う人もいる
  • 最低でもスタッフが1人はいないと営業ができない

従来の店舗経営のデメリットを考えてみると、消費者側よりも経営者側へのデメリットが大きいようです。

今後の問題点と課題

そこでメリット、デメリットを考えた上で、これまでの店舗のスタイルが今後どのような問題点や課題があるのかをつきとめてみましょう。

まず第1に今後問題となるのは、人手不足の深刻化です。

出典:厚生労働省 H28年 国民生活基礎調査の概況

※上の図は3年ごとに厚生労働省が実施している国民生活の基礎調査となり、最も最近のものがH28年度版で報告されています。

児童(子供)のいない世帯の数はあきらかに増加傾向にあり、最近では全体の76%以上を上回っています。少子化傾向も高まっているようで1人、2人、3人以上の児童の数は年々減少しています。

つい先日、総務省が発表した人口動態調査によると、2018年1月1日時点では外国人の数は17万4千人増の249万7千人となり過去最多を更新しています。

特に若い世代が多く、20代は日本の同年代の総人口の5.8%を占めているといいます。東京都では20代の10人に1人が外国人だったということです。

近年では職業の多様化により、また気軽に転職できる現代の雰囲気によって、人手不足に悩む企業は少なくありません。

中でもコンビニの人手不足は深刻であり、ニッセイ基礎研究所が行った調査では「小売り業は外国人労働力がなければ成り立たない」という段階まで進んでいるのです。

セブンーイレブンで働く外国人は、全スタッフの7%を超えているとのことです。

かろうじて現在では、その外国人の増加が日本の人手不足を多少は解決してくれていますが、今後は何かしら対応策が必要になってくることは歴然としています。

そこで、おそらくこのアマゾンの始めた無人店舗が、国内の小売り業の人手不足を解決する手掛かりとなることが期待され始めているのです。

新しい店舗の形

そこで実際に、今後この無人店舗が普及していくと考えて、そのメリットとデメリットを考えてみたいと思います。

無人店舗のメリット

  • 人件費が大幅に節約できるので、利益率が高くなる
  • 店員が1人もいなくとも経営が可能で時間帯に幅が出てくる
  • 万引きが完全になくなり、無駄なロスを防げる
  • 現金を扱わないので安心できる
  • カード決済にすることで浪費を促進し、客単価を上げる可能性が高い
  • レジで支払ったり、並んだりする手間を省ける

さらにアマゾンが特許をとっているこの無人店舗システムの大きなメリットとは、消費者マーケティングも同時に行うことができるので、仕入れの管理や在庫の管理に役立てることが可能なのです。

また、AIとセンサ―によって各消費者の顔の写真をとったり、体形や服装、年齢などからアルゴリズムを検出し、より効果の高いマーケティング戦略が実現できます。

無人店舗のデメリット

  • アプリをダウンロードしたり、登録したりするのに手間がかかる
  • 新しいシステムであるため、違和感を感じて馴れるまでに時間がかかる
  • 現金決済を好む人からは敬遠されてしまう
  • その場で、商品について相談する人がいない
  • 人間味がなく味気ない買い物となり物足りなく思う人もいる
  • システムの使用料や管理料などの費用がかかる

このシステムにおいては、センサーで写真を撮ったり、現場の様子を映像で管理することが必須になってしまいます。詳細にわたって個人の容貌や買い物の内容などを記録されてしまうことを不快感に思う人もいるでしょう。

また、店員との会話を楽しみにしている消費者にとっては、無人の店舗は全く魅力的に映らない可能性もあります。

今後の展開と可能性

ただ、現実問題として経営者側の立ち場で行けばメリットの方が多く、今後の店舗のスタイルとして検討する人は増えてくるのではないかと思われます。

すべてをデータ化することで、利益率の高い営業が可能であるのと、たった1人でも一般的なコンビニのサイズくらいの店舗であれば、経営が可能だという大きなメリットがあります。

その結果、小売り業で人手がかからなくなった分を他の業種に人材を移行させていくことで国内のトータルの人手不足は少なからず、緩和されることが期待できます。

消費者側の立場に立ったとしても、コンビニを好む消費者であれば、「速さ」は何よりも大きな魅力となり得ます。最初の登録手続きさえ済ましておけば、あとはいつでも、ポンと物を掴んで店を出ていけるので簡単です。

スマホの利用がここまで当たり前になっていて、アプリでの決済に慣れ親しむ消費者が増えている現代では、思った以上に速いテンポで、今後普及が加速すると期待できる分野かもしれません。

今回アマゾンがこの新しい無人店舗を開始する以前から、すでに国内では類似した店舗のスタイルが徐々に動き始めています。

日本での無人店舗の動き

では国内の無人店舗の動きはどのように始まり、どのように展開していっているのか大まかな流れを追ってみたいと思います。

無人店舗の原型

冒頭でも軽く触れたように、田舎へ行くと野菜等を並べたテントのような無人店舗を見かけることがあります。お金を箱の中に入れて、野菜を購入する方法で、現在の無人店舗の原型とも言えるでしょう。

ただ、そのような無人店舗は田舎のみで成り立つ方法であり、どうしても限界があります。

他にも昔から公営の自然公園などで、鯉の餌や動物の餌などが、無人販売されていました。

20世紀における無人店舗

無人店舗の現代型が自動販売機です。

この自動販売機が、最も将来の無人店舗の形に近いスタイルだと見ることができます。お金を投入して商品を受け取るといシンプルなシステムで、今日でも至るところで見かけることができます。

最近は少なくなりましたが、タバコや電池の自動販売機が以前はよく置かれていました。その他、ホテルなどではシャンプーやコンディショナー、歯磨き、氷、おつまみなども自動販売機で売られていますね。

駅や空港でも飲料や食料品から衣類まで、さまざまなタイプの自動販売機が発達していきました。

ATMも無人店舗?

最初にATMがこの世に誕生したのは、1965年のイギリス。といっても、当時はごくシンプルな引き出し機能だけだったそうです。

その後アメリカで本格的な出し入れや振り込みができる磁気カード式のATMが開発され、1970年代から日本にも普及し始めました。

日本では1971年に三井住友銀行がATMのサービスを開始し、利用が拡大されていきましたが、週休2日制の普及に応じて需要が高まっていったとのことです。

アコムやアイフルなどの金融サービスのATMも無人店舗の1つだと言えます。

21世紀の無人店舗

次に新しいタイプの無人店舗が登場し始めたのが、不動産業界です。

2010年に不動産仲介業の日本エージェントは、各商業施設に専用端末で物件検索が自由に行える無人店舗の設置を始めました。大幅な人件費や店舗の縮小化で経費の削減につなげました。

2016年11月にファミリーマートは、いれたてコーヒーやおにぎり、軽食、お菓子などのオフィス用自動販売機の発売を始めます。

同様にセブン-イレブン、江崎グリコなどもオフィス用自動販売機のサービスで追いかけていきます。

自販機は運営コストを抑えられるため、コンビニをはじめとする食品小売り業が企業や公共施設に向けて自販機の設置に力をそそぎはじめるのです。

2017年に深刻な人手不足の対応策として、大手コンビニ各社による無人レジが試験的に開始されました。

さらに飲食店などでは無人店舗のタッチパネルで注文でき、スマホ決済ができるサービスなどが展開されていきます。

2018年に入るとAIを導入した無人店舗も登場しはじめ、イオン、パナソニック、モノタロウ、ハウステンボス、スターバックス、森永製菓などと続々とこの無人店舗への参入が見られるようになりました。

参入する業種もクリーニング店、レンタカー店、工具店、旅行代理店と多岐に渡り、ふくおかファイナンシャルグループの熊本銀行では来店客がテレビ電話にて口座開設や各種手続きができるサービスを提供しています。

無人店舗関連株は

それでは、これから無人店舗や無人販売などで、活躍してくれそうな企業をいくつかご紹介したいと思います。

ローソン(2651)

皆さんもご存知のコンビニのローソンは、キャッシュレスに向けて全国1万4千店で非接触型のクレジットカードの決済をを可能にする方針です。

決済のキャッシュレス化が進むことで、無人レジや無人店舗への運営も効率よく開始できるといった可能性が期待されています。

※現在株価は6,500円前後。三菱商事と提携。「ローソン銀行」の設立を計画。

イオン(8267)

こちらもスーパーや食料品関係で有名な企業です。イオンの無人店舗の試みは中国の上海などでも進んでいます。

海外の金融関連やドラッグストア、不動産が好調でここ近年の売上高は大幅な上昇傾向にあります。

※現在の株価は2,200円前後。ネット通販にて生鮮食品の販売も行う。生鮮食品等の通販では先駆け。上海で研究開発センターを開設し、無人店舗のノウハウを開拓中。

アシード(9959)

飲料自販機にいれたてコーヒーや食品の自販機を組み合わせた「スマートストア」を推進しています。ベトナムやタイでも現地企業と提携し販売を強化していく計画です。

酒類、アルコール飲料、タバコ、その他嗜好品の自動販売機の提案も行っているのが特徴です。自社で飲料品の製造もしており今後の展開が注目されています。

※現在の株価は800円前後。オフィスビルや商業施設等の開発や賃貸案件等を有効的に活用・管理している。

アマゾン株の購入方法

アマゾン株は残念ながら、国内の株式取引所では取り扱っておらず、購入するとすればアメリカ株をアメリカの株式取引所から入手する必要があります。

国内の証券会社で、いくつかアメリカ株を取り扱っているところがありますので、参考までにご紹介しておきたいと思います。

ただ、外国株の取引きに対する手数料は割高となってしまいますので、いくつかの証券会社を比較してみましょう。

など・・・

※現在のアマゾンの株価は1,790ドル(20万円)前後です。取引は日本円からドルに換算されてからの支払いとなりますの、ドルを用意する必要はありません。

ドル高円安傾向の時には株価も上昇しており、通常よりも資金がかかってしまいます。購入のタイミングはしっかりと検討するようにしましょう。

アメリカ株は基本1株からの購入が可能ですが、証券会社によって最低取引量が異なりますので、確認しておきましょう。

まとめ

未来の新しい店舗の形である、無人店舗は意外にも、以前から私達の身近な生活のなかに存在していたのです。

自動販売機などは、あまりにも当たり前すぎていて、それが未来の店舗として展開するかもしれないなどとは思いもよらないことでもあります。

株式上場はしていませんが、東京都渋谷の600(ろっぴゃく)というスタートアップの企業は、自動販売機と冷凍もののショーケースを合体させたシステムで注目されています。

きっかけはその社長である久保氏の奥様が、住んでいるマンションの1階にいろいろ自販機があったら便利なのに・・・とつぶやいたことから始まったそうです。

そう言われてみると確かに、わざわざお店まで足を運ばなくとも、建物内やすぐ近所にそのような自販機があれば時間を問わず手軽に食品などが入手できます。

この機会に、今後の展開が楽しみな無人店舗関連株を、あなたも探しておきませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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