稼ぐ投資家はやっている!FXにおける多面的なメンタルコントロールの方法

非常に大切なのにやっかいな存在であるFXにおける「メンタル」についてのお話しです。

 

上手なメンタルコントロールは収益アップへの頼もしい強力な味方となっていきます。

 

しかし、まだFXに慣れてない方はもちろん、ルールを守ることやメンタルの重要性に気付くようになった方でも実際の行動となると、なかなか思い通りにならないというのが現実です。

 

メンタル強化、恐怖に打ち勝つ、欲望を抑える・・・と何度も何度も頭に叩き込んでも結果がなぜか伴いません。

 

そこで、このメンタルコントロールに関してその具体的な方法や、メンタル対策をよりスムーズに進められるよう大小さまざまな視点や考え方をご紹介していきます。

 

 

メンタルコントロールのやっかいさ

多くのトレーダーの心理

みなさんがFXを始められたキッカケは、お金を儲けたい、副収入を得たい、なんだか面白そうだなぁといった感じでしょうか?

 

例えばお金を儲けるためにFXをやっているとしますと、自分の口座資金がどんどん増加していくことで目標が達成されるわけです。

 

しかし取引を続けていくうちにその通りにならないことに段々と気が付いていきます。

 

ある人の場合は大変な努力家で人一倍責任感が強く、ほとんどの妥協や甘えを許さない性格で、「なぜお金が増えていかないんだ?」となった時、より強い情熱や責任感を覚え、険しい表情で取引画面と対峙していきます。

 

多くの人は、お金を増やしていくことは「攻め」や「プラス」といったものを何の疑問もなくイメージします。そして先のトレーダーのように自分自身をよりFXの世界へ埋没させようといった発想が強くなっていくものです。

 

休めない人情

9割以上の人がトータルで勝てない現状です。そしてそういった人達の心理状態や考え方は上記でお話しした通りのものです。

 

しかし、次の相場格言をご覧ください。

  • 休むも相場
  • つかぬ時はやめよ
  • 売るべし 買うべし 休むべし
  • 株を買うより時を買え

 

出典:日本証券業協会

 

これらは全て、あまり相場に入れ込むのは慎むべきといった意味や、ノーポジションでいることも大事であると説いた格言です。

 

長い投資の歴史の中の先人たちの知恵として、こういった格言が存在しています。おそらく具体的に統計や分析などを行ったのではないのかもしれません。

 

しかし相場は数値や一定のものさしで全てを理解できるものではないので、無理に戦略を練ることは敬遠すべきであり、また止める理由が無くても取引をやり続けるべきものではないのです。

 

この一見非科学的な発想にも思える撤退戦略をいかに受け入れられるか。

 

複雑怪奇なFXの理屈を何とか手に入れようと奮闘する日々の中では、とことんまで真実を追求してしまう意欲旺盛さはかえって仇(あだ)となり、FXで勝つことの本質からかえって遠ざかってしまいます。

 

Expert
真面目な人、完璧主義な人、情熱がある人ほどあきらめや退却、静観などを受け入れることができない傾向が覗え、注意が必要です。

 

 

負けを知ることも実は大切

「負け」のリサイクル

負けることは「負の履歴」だけで終わるものではありません。

 

負けを有効に活用する例としましては、

  • トレードスキルの検証に使う
  • 精神的な痛みの経験を以降のメンタル対策の材料とする
  • 資金管理・システムトレード等では逆に必須の行為 など

 

・トレードスキルの検証に使う

これは負けトレードに限ったものではありませんが、取引履歴全体から自分のトレード手法の分析を行うことで、トレードスキルの向上を図るものです。

 

負けた履歴を見たくないという気持ちも分かりますが、FXに限らずあらゆる分野の営みでこういった事後検証は行われているものです。

 

FXでは取引をすると自動的にトレード記録がFX会社側で作成されます。全ての取引のCSVデータ(エクセル形式の取引履歴ファイル)や、PDFファイルによる期間ごとの収支報告書も手に入ります。ぜひとも活用してみてください。

 

・精神的な痛みの経験を以降のメンタル対策の材料とする

失敗の記録は、ああいうポジションの取り方をするとあんな苦しい思いを味わうといった精神的な履歴にもなります。そして、メンタルの乱れからくるトレードの暴発を防止するために利用します。

 

何度もその痛みを経験しないと改心できないこともありますが、心と体で繰り返し学習するのも大変ではありますが一つの方法です。

 

・資金管理・システムトレード等では逆に必須の行為

トレードスキルや相場状況から計画的に勝敗数を決めていたりシステムトレード(シストレ)による確固とした運用においては、完全に予定された敗北です。キッチリ負けを刻んでいくことが安定的な収益となります。

 

日ごろの「損切り」がお得な理由

普段から負けを当たり前の出来事のように許容することで、損失を小さなレベルに抑え長くトレードを行っていくことができます。

 

そして長く取引を行っていますと、その数多くのポジションの中で実はとんでもない相場変動の直前に建てられた爆弾ポジションというのがあります。

 

習慣的な損切りは、不測の事態を予想しなくても必然的にそれを避けることができます。エントリー段階で後の急騰急落を予想できないことは珍しくないので、非常に有効です。

 

しかし、「いつもこんな感じでやってるから今日も損切りしなくて大丈夫!」といった軽いノリでいますと、実は目の前のポジションが非常に危険な存在に変化することに気付く術もありません。

 

損失がだんだんと大きく膨らみ、いつものことだからという気持ちか、又はもはや損切りは耐えられないといった心境とともに、巨大な損失の塊りが現れるのです。

 

自分の相場分析を超える事態は誰にでも訪れるものです。負けを認めない、嫌なことは後回しといった姿勢でいますと、たった1回の負けで大損失や退場となってしまうこともあるのです(筆者も経験済み)。

 

 

ルール化は「習慣化」

ガマンは消耗品

FXで成績をあげていくためにトレード手法や資金管理等のルールを作成し、実際にそれを行動に移していくわけですが、この「ルール化」された行動パターンを長期に渡って守りぬくのは、なかなか難しいものです。

 

ルールを守れない要因としては、

  • 長時間に渡るトレードによるストレスの蓄積
  • 連敗が続いた場合の焦りや不安
  • 体力の消耗
  • 他者からはノーチェックな取引環境(一般個人トレーダーの場合)

 

他にも様々な要因が考えられますが、そもそもルールを守る上で欠かせないガマンや忍耐は、人間の固定的な人格・性格とは異なり、それに係るエネルギーは消耗されるものなのです。

 

つまり、適度にエネルギー補給や休息を行わないといけないものなのです。

 

出典:WIRED

 

このことから、トレードにおいても度重なる取引の繰り返しによる疲労・ストレス、チャンスが来るまでの待機状態やノーポジションの手持ちぶたさなどにより、限りある忍耐力はどんどん消耗されていきます。

 

そのまま何も手を打たずにFXを継続すれば、ルール度外視の危ないトレードに走ってしまうのも想像に難くありません。

 

ガマンから習慣化へ

消耗品である「ガマン」ですが、この言葉からはネガティブで重苦しい印象が伝わってきます。また、ルールを「守る」という言葉も、他から何かを強制され自分の意志ではないイメージがなんとなくあるのではないかと思います。

 

そこで、「ルールをガマンを持って守る」という意識から「習慣化する」という意識に変えることで、ルールを守ることに取り組みやすさを感じることができるようになります。

 

例えば、毎朝起きて歯を磨いたり、仕事に行くのに電車に乗ったり、コンビニのレジで順番を待ったりといった行為は、たとえ特に面白くない行動であっても、もはや日常の何気ないレベルの行動として、しっかり板に染みついているものです。

 

こういった行動におけるルールの順守率は、一般社会人の方でしたら非常に高いのではないのでしょうか?

 

日常行為のほとんどは、これまでに数えられない程繰り返し行われ、病気や怪我、天候の影響などがなければその実行において障害を感じるものではありません。

 

では、FXにおきましても、

  • トレードは1日3回まで
  • 利確は15pips以内を厳守
  • ポジションは最大3万通貨まで
  • 損切り後3時間以内のエントリー禁止 ・・・など

 

上記のような行動・ルールを何かFX特有のものとは考えず毎回同じく繰り返し実行すればいいわけです。

 

PC/スマホ作業のほとんどは、スポーツや絵を描くような手先の器用さや熟練のテクニックが必要となっているわけではもちろんありません。

 

なのであとはその行為に対する重いイメージを変えるだけなんです。発想・捉え方が大切で

 

そして、「いつものごく当たり前の作業」という認識レベルに持っていくことで、一連の動作につきものの「ガマン」を感じにくくなり、ルールを守ることがコンビニのレジ待ちのごとく当然のことと思えるようになっていきます。

 

習慣化レベルに認識を変化させるまではある程度失敗を犯してしまうものではありますが、ルール順守より習慣化と捉える方が、気を負う程度も軽減され結果としてルール順守が達成されるようになっていきます。

 

 

トレードにあたっての取り組み

トレード前のメンタル対策

実際のトレードの場でのメンタル対策についてお話ししていきます。まずはトレード前にできることからいくつか挙げてみます。

 

・他の用事をまず先にやっておく

ちょっとした家事や外出の予定など、これらがトレード中気がかりになりますと冷静さが害されてきます。また、負けた後で行う所用は非常に憂鬱なものとなり、日常生活にも尾を引くこととなります。

 

・FXの原資は余裕資金であるのか

あまり金銭的に余裕がない状態で、光熱費の支払いが残っているなどといった場合は、生活を賭けた過剰なプレッシャーを受けることとなります。決してFXをやってはいけません

 

ちなみに2018年には仮想通貨取引において、お金の無い人たちがクレジットカードから資金を調達し返済に滞る事態がニュースにもなりました。

 

・イライラや疲れがないか確認する

イライラや精神的なストレスが濃い状態ですと、その鬱憤を発散させるような行動や、ルール手順を無視した行動になりやすくなります。もちろんこれは合理的なFX取引の在り方からは離れたものです。

 

体力的な疲れも取引を不安定なものにさせます。心身ともに健全な状態が望ましいです。

 

・損切りが精神的に容易にできるポジションサイズ(lot数)かを確認する

少ないlot数であれば損切りを容易に行うことができます。注意することとしましては、敗北が続きますと一発逆転を狙いlot数を増やしてしまうことです。

 

他には、うまくトレードを重ねていても当初の少ないlot数に物足りなくなり、やはりlot数を上げてしまうことです。lot数の変更は損切りや証拠金維持率を十分考慮して行うようにしましょう。

 

・トレードルールを作成・確認する

冷静なうちにトレードルールの作成とその確認を行います。下の当サイト記事や本項「ルール化は「習慣化」」を参考になさってください。

 

FXのやり方に困っている方にオススメする地味だけど大切な10種類の取引アイテム

 

まだトレードしてないのに・・・

ここまでは、まだ取引画面を見ていない状態で考えられるメンタルリスクとその対策法です。

 

実際にトレードをする前から、FXへの意識が沸き起こっただけでこれだけの項目が挙げられるわけです。

 

上記以外にも昨今の日本の異常気象による台風、落雷、強風や、夏場のジメジメした空気によるイライラ・うっとおしさも軽視できないメンタル阻害要因となります。

 

トレード中に行うこと

・なぜポジションを建てるのか理由を明確にする

エントリーする根拠はとても大切ですが、それは根拠が無くなった時すぐに損切りしやすくなるといった面も同時にあります。

 

ただし、急な相場変動時においてはその変動理由を明確に掴む余裕がないこともあり、大きな損失の回避を優先し状況分析は後で余裕をもって行うようにします。

 

・トレード中の感情をメモする

トレードノート・取引日誌などが存在しますが、特にメンタル対策としては「感情」にスポットを多くあてたノートやメモを取ることが大事です。

 

「感情メモの具体例」

相場がなかなかつかめず早くエントリーしたい気持ちでいっぱいになった
3回目の含み損発生、また負けるのか~負けたくないなぁ
レートが急にすごく下がった!どうしよう20万通貨も損切りできない
そろそろロスカット、これ以上下がるのはもうやめてくれ~
夕食後お腹がいっぱいで眠いからとりあえず何となくここでロング

 

トレード中は相場分析やニュースのチェック、感情の変化など色々と煩雑ではあります。

 

メモを取る際はこの例の中で赤字となっている感情や気分などの様子を中心に記述するのがポイントです。そういった気持ちになった要因やその時の状況とともに、本項で大切になってくる部分です。

 

メモはできるだけ多く詳細にとるのが理想ですが、最初はインパクトの強かったものだけでもかまいません。

 

ちょっとしたことから刺激の強かったものまで多くの感情・気持ちを記録するのが大切です。

 

ただし、プレッシャーのないデモトレードでは感情メモの真価が発揮されません。リアルトレードでのメモ作業となります。

 

トレード後に行うこと

「感情メモの整理」

FXの何に対してどのようなストレスがたまるのか、メモ内容を以下のように整理します。

 

メンタルを悪化させる要因とその対策(例)

メンタル悪化要因 メンタルの状態 導かれる行動 対策
相場が分からない、エントリーサイン無し ガマンができない いいかげんなエントリー PC/スマホから離れる、気分転換する
ポジションサイズが大きい(損益変化が激しい) 動揺する、お金を失いたくない 損切りができない(逆行時) ポジションサイズを減らす
急騰・急落 動揺する、お金を失いたくない 損切りができない トータル損益など大きな視点を持つ
度重なる損切り お金を失いたくない ついに損切りができなくなる トータル損益など大きな視点を持つ、気分転換する
目標利益に届かない もっと稼ぎたい いいかげんなエントリー、損切りができない PC/スマホから離れる、気分転換する

 

 

 

ストレスや辛い思いを一括りにせず、このように整理し文字に起こすことで何が問題になっているのかを具体的に捉えることができます。

 

また、記録の積重ねによって、悪化要因やその後の心理状態に個人特有の傾向や発生頻度の差が見えてくるようにもなります。

 

ただし、上記の「悪化要因・メンタルの状態・行動・対策」は因果関係としては各行ごとに左から右へ進むことが多い一方、実はそれぞれが上下左右複雑に転移することもあり得ます(又はそのように思えることがあります)。

 

従って表のように整理・分類を行いつつも、一番大切な「自分の心」には最大限の意識を払い、メンタルの変化をシンプルに察知することも大切です。

 

 

生活の中でメンタルを鍛える

メンタルコントロールは非常に扱いにくいものなので、トレードにおける取組み以外に、様々な補助的手段を利用するのがスキルアップの秘訣です。

 

日常生活の中で取組む

メンタルを普段から良好に保ち、心の中をスッキリした状態でFXに取り組めるようにします。

 

  • 規則正しい生活
  • 早寝早起き
  • 適度な運動
  • FX以外の趣味や生活の充実

 

食事による方法

近年その健康効果が注目されているEPADHAといった栄養素は、生活習慣病への予防効果のみならず、うつ病や意識の改善、脳や神経などへの健康効果があります。

 

 

「EPA・DHAについて」

出典:ニッスイ

 

「EPAやDHAを多く含む食品」

  • いわし
  • さば
  • さんま
  • マグロ など(青魚が多い)

 

また、ナッツ類やチョコレート、オリーブオイルなども脳への栄養源や潤滑剤としてオススメです。その他、偏ったメニューや暴飲暴食を避けバランスの良い食事をとることは言うまでもありません。

 

座りっぱなしも良くない

FX取引中はPC等の前で長時間、デスクワーク状態となっています。この時の座りっぱなしの状態もメンタルや健康にいいものではありません。

 

座りっぱなしの状態を長く続けていますと、血流の滞り、疲労、めまいなどの原因となる他、座りっぱなしそのものが健やかな生活や適度な運動の真逆の行為でもあるため、やはりメンタルに悪い影響を及ぼすことになります。

 

適度な休憩やストレッチ、「休むも相場」を心がけましょう。

 

出典:TABI LABO

 

 

まとめ

繰り返しになりますが、FXにおけるメンタル対策は本当にやっかいなもの。その実行にあたっては、FXの枠を超え様々な角度から取組むことが大切です。

 

今回の内容を以下に整理しますと、

  • 取引を控えることに理由は無用
  • 負けることも大切、無理に損失を避けるべきではない
  • ルールの励行は「順守」ではなく「習慣化」
  • 感情メモをとり心の奥底を具体的に整理し対策を行う
  • 日常生活でもメンタル向上ができる

 

また、「欲、恐怖」の2つは投資における代表的な2大心理現象として多くの場面で出没します。FXにおける様々な心理現象もその多くがこの2つに集約されます。

 

メンタルコントロールは「欲、恐怖」をいかに操れるかとも言えます。

 

このことを意識しメンタルコントロールに励むことで、そのテクニックや理解がより一層深まっていくものとなります。

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