目次
カードローンとは、無担保で金融機関からお金を借りて、分割にて返済することができる便利な仕組みですが、利用するためには金融機関が行う審査に通らなければなりません。
予定外の出費や、どうしても何かを購入したい時などに申し込むわけですが、意外と審査に通らなかったという話もよく聞きます。
なぜ、カードローン審査に落ちたのでしょうか。審査に落ちてしまったら、あきらめるしかないのでしょうか。
今回は、カードローン審査に落ちる理由とやるべき対策について解説していきます。
カードローン審査とは
カードローン審査とは、ローンの申し込みをする際に必要な個人情報などをもとに、申し込み者の信用度を調査するために行われるものです。
このカードローンを提供している金融機関は、銀行系と消費者金融系の大きく2つに分かれます。消費者金融系のカードローンは、「サラ金」とも呼ばれていたもので高金利による融資、強引な取り立てなどで問題になったこともありました。
現在では、法律により消費者金融のシステムが規制されている為、極端に無理な借金をしてしまったり、恐ろしい取り立てに合ったりすることはほとんどありません。
若干、危険な印象を持ってしまうカードローンですが、計画を立てて上手に活用すれば、いざという時には非常に役に立つ金融サービスの1つでもあります。
カードローンの特徴
近年では、緊急時に簡単にお金が借りれる方法として、無理のない範囲でカードローンを気軽に利用する人も増えてきています。
このカードローンの大きな特徴は、
- 無担保
- 保証人なし
- 手続きが簡単
- 融資がスピーディ
- 繰り返し利用できる
- 使途確認がない
- ATMやコンビニで借入ができる
というように、
気軽に手軽に、しかもスピーディに借入できるメリットがあります。
カードローンの種類
これらカードローンを提供している会社には、
- プロミス
- アイフル
- アコム
- レイク
- 楽天銀行カードローン
- 住友銀行カードローン
- 三菱UFJカードローン
などがあります。
借入可能金額や利息はそれぞれのカードローンによって異なりますが、総合的に見ると1万円~800万円の限度額、1.9%~18%の利息などから条件に合ったカードローンを探すことができます。
カードローン審査の基準
カードローンを申し込むと、融資ができるかどうかの審査が行われます。この審査の目的は、「返済能力があるのかどうか」を調査することにあります。
いくら気軽で簡単に借入できるカードローンとはいえ、返済能力のない者にお金を貸してしまったら、後々のトラブルになってしまいます。
貸す側は、「信用度」「返済可能額」を審査した上で、その申し込み者への融資の可否を判断する必要があるのです。
審査の必要性
では、なぜカードローン審査は必要なのかを考えてみましょう。
カードローン審査が必要なのは、
1990年代にかけて、これまでのカードローンや消費者金融による、個人の経済破綻が深刻化しており、社会的に深刻な問題となっていました。
- 高金利で膨れ上がる借金
- 執拗で威嚇的な取り立て
- 本人以外への取り立て通告
- 返済能力のない者への融資
以上のような理由から、
ほんの小さな借金はどんどん膨れ上がり、結局、月々の返済をするためにさらに借金を重ねる、借入額はどんどん増えていくといった状況、つまり借金地獄による家族崩壊、日常生活の破綻、解雇、夜逃げ、最悪の場合には命に関わる結果となるケースも見られていました。
以下がカードローンに関する法律です。
- 民法:第587条 債権・消費貸借契約
- 消費者契約法:公平なローン契約について
- 賃金業法: 過剰な貸し付けの禁止など
- 利息制限法:利息の制限
- 出資法:高金利の貸し付け対する処罰
以上のような法律によって、
以前よりも安全に、比較的低い金利にて借入ができると同時に、金融機関が融資を行う際の条件も厳しく取り締まられるようになっています。
近年では、返済能力のない消費者にお金を貸してトラブルとなるのは、金融機関の責任だと考えられる傾向にあるのです。
審査に落ちた理由
以上のように法律的な理由から、カードローン審査が必要となりますが、カードローン審査に落ちた理由とは具体的にどのような内容が考えられるのでしょうか。
入力情報からの判断
申し込みをするカードローンによって、判断の基準は異なりますが、まずは申し込みをする際に入力した内容から信用度が低いとされる可能性もあります。
- 氏名・生年月日
- 性別・配偶者の有無
- 子供・扶養家族の有無
などを記入したとします。
信用度は、
高齢者<若すぎる<30代~50代
独身<既婚<既婚子持ち<既婚子持ち・扶養家族
一人暮らし<家族と同居
といったように、家族や仕事に対する社会的責任が重い場合や、家族と同居など簡単に引っ越しができる(連絡不通になる)状態ではない方が評価が高くなります。
若すぎたり、一人暮らしの独身、賃貸などの要素が審査に落ちる原因となる場合があります。
住宅情報
次に、判断材料となるものは、住宅情報から予想できる生活レベルです。
- 住所
- 住居形態
- 住居名義
- 家賃/住宅ローン負担額
- 居住年数
- 電話番号
- 電話番号名義
以上の内容から信用度が高い順に、
賃貸アパート<賃貸マンション<一戸建て賃貸<分譲マンション<一戸建て持ち家
公営住宅、社宅、寮などは比較的に家賃が安くなるため、評価が低くなる場合があります。
固定電話がない事も信用度を落とす原因となりがちです。
居住年数短い<居住年数長い
一カ所に長く住んでいる程、信用度が高いと考えられています。居住年数が短い賃貸アパートで固定電話なし、さらにその他の信用度の低い条件が重なった場合、審査に落ちる可能性が高いと言えます。
勤務先情報
勤務先情報も返済能力に対する信用度を左右する情報です。
- 社名
- 勤務先住所
- 勤務先電話番号
- 業種
- 職種
- 社員数
- 雇用形態
- 勤続年数
- 年収
- 収入形態
- 保険証の種類
などの上記の内容から、安定した収入があるかどうかが判断されます。
個人事業主<パート・アルバイト<派遣・契約社員<正社員<公務員
といった順番で信用度が高くなり、公務員が最も収入に安定性があり信用度が高いとされています。自営業やフリーランス、個人事業主などは収入が不安定で信用度が低くなる傾向にあります。
ただし、個人事業主でも弁護士、会計士、開業医など士業系の場合は評価は高くなります。
有限会社<株式会社<上場株式会社
の順番で信用度は高くなり、会社の資本金、従業員数、本社、支社などの会社の規模によって収入の安定性が判断されます。
勤続年数、年収は多ければ多いほど評価は高くなり、完全歩合制で収入を得ている場合は収入が不安定になりやすいと判断されます。
また、保険証の種類からも勤務先の規模や就業形態や収入の安定性が測られています。
公務員→共済保険
大手企業→組合保険
中小企業→社会保険
個人事業主・アルバイト・パート→国民健康保険
以上の順番で信用度が低下していきます。フリーランスで生計を立て始めて1年未満、収入は出来高制で国民健康保険に加入しているとなれば、信用度は低くなってしまいます。
これまでご説明した入力情報などから、収入の安定性を保証できる内容が得られずに、希望する金額に応じてカードローン審査落ちる場合もあるでしょう。
そして、もう1つ審査の重要な判断材料となるものに
「個人信用情報」というものがあります。
個人信用情報
個人信用情報とは信用情報とも呼ばれるもので、
信用情報機関には、
CIC
CREDIT INFORMATION CENTER 賃金業法指定信用情報機関
JICC
指定信用情報機関 株式会社日本信用情報機構
JBA
一般社団法人 全国銀行協会
これら3つの情報機関が主となって国内では個人や企業の信用情報を提供しています。
カードローン会社はそれぞれの個別のこの3つすべてまたは、いずれかの情報機関に加盟することで、個人の信用情報を共有することができるのです。
各信用情報機関は個別で情報を管理しておりますが、金銭に関わるトラブルがあった場合には、ブラックリストに名前が載ってしまい、すべての情報機関にてブラックリストだけは共有できるようになっています。
このようなシステムは CRIN(クリン)と呼ばれるものです。
例えば、
CICでブラックリストに載った場合には、JICCでもJBAでもブラックリストに載っていることが分かってしまうのです。
信用情報機関に情報を知られたくないと思っても、クレジットカード、キャシュカード、何らかの金融機関の利用がある場合には、それらの利用状況はいずれかの信用情報機関によって記録されていることになるのです。
ブラックリストに名前がある
上述した信用情報機関のブラックリスト(CRIN/クリン)に名前が載ってしまった場合には、返済能力がかなり低い、または皆無であると判断されてしまいます。
ブラックリストに名前が載る理由には、
- クレジットカードやその他ローン、キャッシングの返済が停滞、延滞している場合
- 自己破産や任意整理などの債務整理を行っている
- クレジットカードやその他ローンなどの多重申し込みをしている
- クレジットカードの現金化など特殊なサービスを利用している
- 携帯、通信サービスの支払いが停滞、延滞している場合
- 学費、奨学金、などの支払いが滞納している
- ごく稀に同姓同名の情報と混同されてしまった場合
などの理由が考えられます。
少額の延滞や、電話での支払いが遅れることを連絡している場合、2か月程度の延滞である場合などは、まだブラックリストの対象とはなりません。
数回に渡って、返済能力に疑問を持つような行為が重なるとブラックリストに名前が載ってしまいます。ブラックリストに一度名前が載ってしまうと、その後の利用状況によりますが、5年から長くて10年はリストから名前が消えないと言われています。
その間は、カードローンも利用できない、住宅ローン、自動車ローンも利用できない、クレジットカードも作れないという非常に不便な結果になってしまいます。
カードローン審査は他社でも同じなのか
それは、申し込む金融機関や金額にもよりますし、審査に落ちた理由にもよります。
ブラックリストに何と書いてあるのか、また、ブラックリストに載っていないけれど返済能力が低いと判断されたのか、その理由によって他社の審査に受かる可能性もあると言えます。
なぜなら、申し込みOKとする基準はそれぞれ金融機関によって異なるからです。仮にアイフルではこの情報では融資はできないと判断しても、プロミスではこの情報ならぎりぎりOKとなる場合もあります。
却下された理由によっては、カードローン会社を変えることで、審査に通ることもあります。1つの審査に落ちてしまっても、他社でも試してみるといいでしょう。
カードローン審査への対策
すでに、カードローン審査に落ちてしまった方、または、これからの申し込みに不安を感じる方のために、カードローン審査に落ちないようにするための対策をご紹介します。
審査の厳しいカードローンを避ける
カードローンには銀行系カードローンと消費者金融系カードローンとありますが、銀行系は審査が厳しいものが多くなります。
また、利息率が低くなるほど審査は厳しくなっていきます。
利息率が高い消費者金融系カードローンは、比較的に審査が甘いと言われています。ただ、あまりにも簡単に融資をしてくれるからといって、軽はずみに無理のある借入をしてしまう可能性もあるので、注意して下さい。
申し込む時期を考える
ローンの支払いが残っている場合には、その金額があるために審査に通らなかった可能性があります。クレジットカードの利用可能残高が少ない場合も、返済能力を疑われてしまいます。
トータルでの毎月の支払額が減少してから申し込むと、審査に通る可能性は高くなります。
また、複数のカードローンに同時に申し込むことも落ちる原因となってしまいます。1つの審査が終わってから、次のカードローンに申し込むようにして下さい。
さらに短期間で申し込む数が多すぎる場合も、ネガティブな印象を与えてしまいます。3つくらい申し込んでダメだった場合は、しばらく期間をおいてから4つ目のカードローンに申し込む方が審査に通りやすくなるでしょう。
借入金額を減らす
例えば50万円の融資には応じてもらえなくとも、30万円に下げてみると審査に受かる可能性もあります。総収入に対する融資率は各金融機関で決まっています。
総収入を証明する必要がない、消費者金融もありますが、その他の情報からだいたいの収入を予測されてしまいます。金額を減らしてから、再度カードローンを申し込むことも1つの方法です。
返済能力を疑われてしまうということは、無理な借入をしようとしているのだと、自分でも認識することが大切です。
収入に応じた、計画性のある借入を心掛けることで、後々のトラブルを避けることになります。もう1度、借入金額をよく考えてみましょう。
信用できる履歴を作っておく
小さな金額のローンでも、延滞することなく完済した履歴を積み重ねておきましょう。
クレジットカードやその他ローンの利用が全くないことは、いいことでもありますが、金融機関が判断する材料がないことにも繋がります。
あえて、何かを購入する時に分割払いにするなどして、信用できる履歴をいくつか作っておくことも、いざという時に審査に通りやすくなります。
信用度の高くなる生活を目指そう
住居、仕事、その他の支払いなど、普段から信用性の高い生活を送るようにしましょう。
いつ、いかなる理由でまとまった現金を借入する必要があるかは誰にもわかりません。常識的に考えて、転居を繰り返す、仕事を転々とする、支払いを滞納するといった行為は金融会社だけでなく、周りの人に不信感を与えてしまいかねません。
将来のことを考えて、普段から良識のある態度で生活する、信用度を考慮して仕事を選ぶなどすることが、結局は後で自分を助けてくれることになります。そのような行為が自分の信用度をコツコツと積み上げてくれるのだと意識しておくことが大切です。
まとめ
カードローン審査に落ちてしまった時には、まず、本当にそのお金が必要なのかを考えることから始めましょう。
もし、本当に必要なのであれば、正確にいくら必要なのかを考えてみて下さい。
簡単にお金を借りてしまった為に、後悔することもあるかもしれません。逆に審査に落ちたことが、幸運だったと思える日が来るかもしれないのです。しかし、何かの深刻な理由で現金が即必要になることもあるでしょう。
本当に困っていて借入する必要がある時は、自分の経済状態をしっかりと吟味した上で借入金額を決めることで審査に通りやすくなります。必要な金額の一部をその他の方法で工面して借入額を減らすことも1つの方法です。
最近では派遣などで、日払いで即収入を得ることも可能です。勤務先の責任者に前借りを相談したり、前借りOKで就職できる仕事を探すこともできます。そして、もし可能であれば、身内や友達に相談してみる方法もあります。
本当に必要な金額と用途を問い直して、現実的で計画性のある借入で、カードローンの利点を上手に活かしていきましょう。