目次
まずは不動産投資の基礎的な知識から
「不動産投資の始め方が分からない!」
不動産投資は自己資金数百万円程度から、借入を行い不動産を運用する事によって、銀行預金や国債などの他の資産運用と比べた時に大きなリターンを期待出来ます。
魅力的な資産運用として注目されている不動産投資ですが「不動産を運用」と聞くとハードルが高いように、感じてしまう方も多いのではないでしょうか?
株式投資では、証券会社に口座を開設するだけで株式の売買を開始出来ますし、FXならFX業者の口座を開設するだけで、取引が可能です。
一方で、投資以外の目的で一般の方が、不動産を購入するのはマイホームぐらいなため、馴染みがなく不動産投資に際しては「物件の購入」や「融資の受け方」などの手順が、特に難しそうに感じてしまいます。
しかし、この記事では「不動産投資の概要」、「不動産投資の注意点」、「実際の不動産投資の流れ」などについてご紹介しているので、きっと「不動産投資のはじめ方」に関して疑問が解決するはずです。
まず、初めに不動産投資の概要についてご紹介させて頂きます。
不動産投資の概要
まず、押さえておきたいのは「不動産投資の概要」です。不動産投資についてシンプルにまとめると「不動産を運用し、利益を出す」事です。
具体的な投資対象は、資金力や地域・経験などによって異なりますが、初心者の個人投資家が、不動産投資の投資対象として選択肢に入ってくるのは「マンションのワンルーム」「アパート一棟」「一戸建て」の三種類だと言えます。
マンションのワンルーム
最も初心者の方が、始めに不動産投資の投資対象として検討しやすいのは「マンションのワンルーム」だと言えます。
なぜなら、マンションのワンルームは不動産投資の他の投資対象と比べた時に「自己資金が少なく済む」という特徴があるからです。(自己資金が数十~数百万円程度でも始められる)
マンションのワンルーム投資では、その名の通り「マンションの一室」を購入し、運用する事で利益を出していきます。そのため、マンションの一室を購入するだけなので、一軒家やアパート一棟と比べた時に物件を購入する際の資金が安く済むのです。
「資金が少なくても大丈夫」という点から不動産投資で多くの初心者の方が、マンションのワンルームに挑戦するケースが多いです。このような情報だけだと、マンションのワンルーム投資はメリットだけのように思えてしまいますが、実は自由度が低いというデメリットがあります。
というのも、マンションのワンルーム投資では、マンションの一室を購入するので、中古のワンルームを購入した際「改築・改装」を行いたいと思った時に、他の所有者や居住者との兼ね合いが必要になるケースがあります。
そのため「中古でも自分の思い通りの物件を持ちたい」という方には、不自由に感じてしまうかも知れません。
アパート一棟
アパート一棟というのも、初心者の方が不動産投資を行う際に、選択肢として入ってくる投資対象の1つでしょう。アパート一棟の不動産投資は、その名の通り「アパートを一棟ごと購入」し、運用する事で利益を出していく不動産投資です。
アパート一棟では、最低でも自己資金「500万円以上」が必要と言われており、経済的に余裕が無い方は、まず始めに「資金力」の観点から挑戦できない可能性のある投資対象です。
しかし、アパートを一棟ごと持てるので、空室が発生しても他の部屋で補えるため「安定性」に優れている事や、好きなように「改装・改築」を行う事が可能な投資対象でもあります。
資金力さえあれば、魅力的な投資対象になると言えます。
一戸建て
最後に、ご紹介したい不動産投資の投資対象は「一戸建て」です。
一戸建て投資の特徴は「ワンルームよりも高く」、「アパート一棟ごとよりも安い」という価格の観点から、バランスが保たれているタイプであるという事が挙げられます。
また、マンションのワンルームと比べた時に、一戸建ての方が値を張るケースも少なくありませんが、ワンルーム投資よりも改装・改装が行いやすいですし、アパート一棟ごとのような安定性はないですが、アパート一棟よりも資金力は低く済みます。このような点から考えても、バランスがいい投資対象だと言えます。
しかし、一戸建ての特徴として栄えている地域(東京・名古屋・大阪)では、郊外への投資が中心的になり、中心地での物件購入はあまり現実的では無いことを押さえておきましょう。(中心地では、一人暮らしなどのニーズが多いため)
インカムゲインとキャピタルゲイン
先程、不動産投資の概要と投資対象についてご紹介させて頂きましたが「実際にどのように利益が出てくるのか?」については触れていません。
なので、これから不動産投資の「収益」という点について詳しくご紹介していきます。
不動産投資に限った話ではありませんが、投資には二種類の収益があります。投資の収益の種類は、1つ目に「インカムゲイン」2つ目に「キャピタルゲイン」です。
継続的な収益「インカムゲイン」
まず、ご紹介したい投資の収益は「インカムゲイン」です。
インカムゲインとは、資産が継続的・安定的に生み出す利益の事で「持っているだけで発生する収益」とイメージすると、分かりやすいと思います。
不動産投資では、このインカムゲインは「家賃収入」に当たります。なぜなら、所有している不動産に誰かを入居させれば、入居者が居る限り「家賃収入」が入ってきます。そのため、継続的・安定的に発生する利益だと言え、インカムゲインに当たります。
他の資産運用で例えると、株式投資や投資信託なら「配当金」ですし、国債や預金なら「利息」に当たります。
売却時の収益「キャピタルゲイン」
次に、ご紹介したいのは「キャピタルゲイン」です。
キャピタルゲインは、資産価値の変動によって発生する売却益の事で、不動産投資なら物件を売却した際に発生する収益を指しています。
例 不動産投資のキャピタルゲイン
2018年に、アパート一棟を6000万円で購入した。
2023年にそのアパートを8000万円で売却した。
=2000万円のキャピタルゲイン
株式投資・投資信託なら売買時に発生した収益であり、株式投資のデイトレードのような短期トレードは、常にキャピタルゲインを狙った投資方法だと言えます。
不動産投資を行う理由
先程、不動産投資の投資対象や不動産投資の収益などについてご紹介させて頂きましたが、これから「なぜ、不動産投資をする意味があるのか?」という点についてご紹介します。
まず、始めに挙げられる不動産投資をする理由・メリットは「税金」です。なぜ、不動産投資に税金に関するメリットがあるのでしょうか?
理由はいくつかありますが、最も大きいのは「減価償却」でしょう。減価償却というのは、手元から実際にお金が出ていくという訳ではないのに、費用(経費)に出来てしまうお金の事です。
脱税のように感じてしまいますが、国が認めている経費であり、しっかりと納税の際には費用として計上する事が可能です。
減価償却では「大きい買い物」を対象に、国が定めた耐久年数と共に、徐々に購入費用を経費として計上できるものです。
「2018年度に100万円の車を買った」
というケースでは、2018年度の会計処理で、100万円をすべて経費にする事は出来ません。
国が定めた償却率に従って、年々徐々に経費にしていくことになります。
不動産に関しても同様で、年々ゆっくりと経費に計上していく事になります。
不動産投資で、必要な支出である減価償却などの費用を経費として計上し、赤字にする事で「収入の圧縮」を行う事が可能であり、収入が高ければ高いほど、不動産投資による税金のメリットは大きくなります。
その他にも、東京・名古屋・大阪のような大都市では、不動産価格が上昇傾向にあり、他の資産運用と比較した時に安定しているというメリットもあります。
不動産投資の注意点はここ!
先程、不動産投資の基本的な部分についてご紹介させて頂きました。その際に、都市部での不動産投資が比較的安定した投資対象である事をご紹介させて頂きましたが、安定しているとは言っても、不動産投資は「投資」なので、もちろん成功があれば失敗もあります。
なので、これから不動産投資で失敗しないために、不動産投資の注意点を
- 小さな物件から
- 返済計画
- 収益計算
- 物件の見極め
という5つのポイントに分けて、ご紹介していきたいと思います。
初めは小さな物件から
不動産投資は、融資を受けて大きな額を投資するので、失敗した時のダメージが他の投資法と比べても、大きくなります。
そのため、まずはじめに不動産投資で注意したいのは「小さな物件」から始めるという事です。どんな投資でも言える事ですが、収益計算や計画、見積もりをどんなにしっかりと行っていても、最終的には「経験」というものが、投資を成功させる要素になる事があります。
「経験が重要」というのは不動産投資にも言え、はじめの内はもしも失敗したとしてもダメージが小さい投資対象に、投資すると小さな額で大きな経験を積むことが可能です。
大きな失敗で経験を積むよりも、小さな失敗で出来るだけ沢山の経験を積んだほうが、ダメージが少なく次からの投資にも繋がっていきます。
余裕を持った返済計画
不動産投資では、一般的に銀行などの金融機関から「融資」を受ける事で、自己資金に対してレバレッジを掛け、資産を運用する事が一般的です。
レバレッジを掛けて効率的に資産運用が可能というのは、不動産投資の大きなメリットではありますが、一方で無理な返済計画を立ててしまうと「運用が安定しない」というデメリットにも変わってしまうのです。
そのため、初心者の内は「失敗したとしても、自ら支払っていける返済計画」というのを、意識しながら返済計画を立てると、安定した不動産経営が可能になります。安定した不動産経営が行えているという事は「安定した資産運用」を行えているという事です。
どんな資産運用を選ぶとしても、無理な運用方法で元手が無くなってしまっては意味がありません。それに加えて、不動産投資に関しては「融資」を受けるので「自己資金」が「借金」に変わってしまうリスクもあります。
そのため「安定した運用」というのは、投資を成功させるための鍵になります。資産運用を安定させるという点から考えると「余裕を持った返済計画」というのは、投資を成功させるための重要な要素になってくるでしょう。
収益計算をしっかり学ぶ
不動産投資において「投資をして、一体どのくらい返ってくるのか?」という資産運用をする上で最も気になる事柄を、はっきりさせてくれるのが「収益計算」です。
不動産投資の収益計算にはいくつか種類がありますが、利回りを中心的に考えていくものが、最も利用される事が多いです。
利回りには主に三種類あり、
- 表面利回り
(年間収入 ÷ 物件価格) - 実質利回り
(収入-支出 ÷ 購入価格) - 想定利回り
(満室時収入 ÷ 購入価格)
が、主な計算式です。
あまりにも、高い利回りが表記されている物件は「想定利回り」で表記されているケースが多く、想定利回りはあくまでも満室時を前提とした収益なので、「都合のいい数字」とも言えます。(参考にできる利回りですが、想定利回りのみで良し悪しは判断できない)
すべての利回りを参考にしたいですが、特に投資家として注目したい利回りは「実質利回り」です。実質利回りは、収入から支出を引いた利回りを計算しているので「最後にいくら残るのか?」という点を、はっきりさせる事が可能な計算式です。
上記のような計算は、難しく感じてしまいそうですが、ここを見落としてしまってよくあるのが「大失敗はしてないけど、微妙に損をしている」という状況です。投資の目的である「利益」を計算する事が可能な「収益計算」を、しっかりと意識しておきましょう。
物件をしっかりと見極める
最後にご紹介したい不動産投資の注意点は「物件を見極める」という事です。
極端な話ですが、不動産投資では「物件」さえしっかりと選べば「大きな借金を背負ってしまう」のような大失敗を、ある程度避けることが可能です。逆に考えると、どんなにその他の要素がしっかりとしていても、入居者が入ってこない事には、収益を発生させる事は不可能です。
そのため、不動産投資の注意点として「物件の見極め」というのは、非常に重要な要素なのです。
不動産を探すというと一昔までは不動産業者を訪ねる事でしか、物件をリサーチする事は難しかったのですが、現在は楽待やホームズ等のサイトを活用する事で、インターネットを用いて自宅で自ら行えます。
不動産投資は、いい物件に出会える事が成功を握る大きな要素になっています。物件探しの際には、時間を掛けて「いい物件」に出会える努力をしましょう。
不動産投資の実際の流れ
これまで、不動産投資の概要や不動産投資の注意点などについてご紹介させて頂きました。薄っすら「不動産投資ってこんなもの?」というイメージは出来たと思います。
そのイメージをもっとはっきりさせるために、これから不動産投資の始め方の参考になるように「不動産投資の流れ」についてご紹介していきます。
まずは物件選び
はじめに「物件選び」を行います。
まずは、自身の「資金力」をはっきりさせましょう。投資出来る金額がどのくらいあるのか?という点が分かると、物件の価格の目安が立ちます。
物件選びでは、まず「誰が住むのか?」という基本的なターゲット層をはっきりさせておきましょう。そこから、物件の種類・立地をある程度絞り、物件を探します。
気になる物件があれば、取り敢えず「資料請求」を行いましょう。なぜなら、資料請求をする事で物件の細かな部分が分かりますし、何より資料請求には費用が掛からないので、デメリットがありません。
そして、物件が決まると事業計画をある程度立てたり、不動産会社に問い合わせたりします。(もっと細かな部分を問い合わせたり、不動産会社との兼ね合いが不可欠なので)
その後、しっかりと物件まで足を運び、物件が決まれば物件の購入へ手続きを勧めます。
主な流れ
- 資金力をはっきりさせる
- ターゲット層の絞り込み
- 資料請求
- 不動産会社への問い合せ
- 事業計画を考える
- 購入の手続き
審査を通す
次に、最も大きな難関とも言える審査を通します。
必要な書類は「源泉徴収票もしくは確定申告書」などの収入を証明出来る書類です。そこから、家族構成や資産状況・経歴などをまとめた申告書を作成し、購入する不動産の書類などを金融機関に提出します。
以降の流れは、金融機関や状況によって異なるので、なんとも言えないところですが、上記に関連する書類・情報が必要な事は押さえておきましょう。
改装等を終える
審査が通り、物件を購入すると「物件を所有」する事が出来ます。中古で購入した場合は、改装・改装などが必要になるケースがあるので、その工程が運用の前に必要になります。
改装や改築の際には「収支」のバランスをしっかりと考えてから行いましょう。なぜなら「改装や改築をしすぎて、支出を考えると後々損をした」というケースが少なからず存在するからです。
事業計画に沿った計画的な改装や改築を行い、入居者が入るまでの準備を済ませてしまいましょう。
物件を運用
上記のような手順が終了したら、物件を運用していく事が可能です。
様々な管理会社と面談や相談を行い、最も「この会社に任せたい!」と思える管理会社に業務を委託しましょう。管理会社の選択はかなり重要であり、その後の運用成績にも掛かってくる可能性があります。
なぜなら、管理会社には「PM業務」と「BM業務」を主に委託する事になりますが、特に財産・契約等の管理も行う「PM業務」は、お金に直結する部分であり「PMの業務の良し悪し」で「不動産経営の良し悪し」も決まってきます。
運用する前は特に気に留めない管理会社ですが、良い管理会社を見るける事は安心な不動産経営に繋がります。そのため、管理会社はしっかりと吟味しましょう。
まとめ
不動産の基礎的な知識
- 不動産投資は不動産を運用し、利益を出すこと
- 投資対象は「ワンルーム」「アパート一棟」「一戸建て」
- インカムゲインとキャピタルゲイン
- 不動産投資を行うメリットは「税金」「安定性」
不動産投資の注意点
- 初めは小さな物件から
- 返済計画は余裕をもたせる
- 収益計算をしっかりと押さえる
- 物件探しは慎重に行う
不動産投資の実際の流れ
- 物件選びからスタート
- 必要なものを揃えて、審査
- 改装等をして、入居者を迎える準備
- 管理会社に業務を委託して、運用スタート
不動産投資って、どこかハードルが高いイメージがあった方も少なくないと思いますが、この記事で「意外に、出来そうかも」と思って頂けたら幸いです。
不動産投資は経験する前、特に審査に関しては「どこに行けばいいのか分からない」、「どうしたらいいのか分からない」と感じてしまうかもしれませんが、不動産業者に聞いてみると、親切に案内してくれると思うので、「一歩が踏み出せない」という方は誰かに相談するのが良いと思います。