ランディングページ(LP)という言葉は、2つの意味で使われています。この違いを理解しないと、社内で話が噛み合いません。
2つの意味
広い意味:訪問者が最初に着地したページ。どのページでも、そこから入ってきたならランディングページです。アクセス解析ではこの意味で使われます。
狭い意味:1つの目的のために作られた、縦長の独立したページ。広告の受け皿として使われることが多い形です。制作や広告の現場では、こちらの意味で使われます。
この記事では、主に狭い意味のLPを扱います。 ただし、社内で話すときは、どちらの意味かを確認してから進めます。
ホームページとの違い
目的の数:ホームページは複数の目的(会社紹介、サービス説明、採用、問い合わせ)を持ちます。LPは1つに絞ります。
構造:ホームページは複数ページの集まりです。LPは1ページで完結します。
出口:ホームページは他のページへ回遊させます。LPは申し込みや問い合わせ以外の出口を減らします。
訪問者の状態:ホームページには、様々な段階の人が来ます。LPは、広告などで特定の関心を持った人が来ます。
評価の仕方:ホームページは全体の流入と成果を見ます。LPは1つの目的に対する達成率を見ます。
広告における位置づけ
Google 広告のヘルプでは、品質スコアについて説明されています。広告の品質の目安をスコアで表示する診断ツールとされ、キーワード単位で確認できると説明されています。
算出は3つの要素を総合して行われるとされ、そのひとつがランディング ページの利便性です。これは、ランディング ページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり有用であるかを示すと説明されています。
他の2つは、推定クリック率と広告の関連性です。各要素には「平均より上」「平均的」「平均より下」のいずれかのステータスが付き、ステータスが「平均的」または「平均より下」の要素がある場合、その部分に改善の余地があるかもしれないとされています。
ただし重要な注記があります。 ヘルプには、品質スコアはKPIではないため、最適化したり他のデータとともに集計したりするべきではないこと、品質スコアは広告オークションにおける評価材料にはなっておらず、あくまで診断ツールであることが明記されています。
つまり、スコアそのものを目標にするのではなく、どこに改善余地があるかを見るために使う指標です。
LPが向いている場面
広告の受け皿が必要:特定の商品やサービスに絞って集客する場合。
期間や対象が限定されている:キャンペーン、イベント、セミナー。
説明に順序が必要:理解してもらうまでに、順を追った説明が要る商材。
既存サイトの構造に収まらない:新しい取り組みで、既存の分類に当てはまらない場合。
LPが向かない場面
検索からの流入を狙う:1ページで複数の疑問に答えようとすると、内容が散らばります。検索向けには、疑問ごとにページを分けるほうが適します。
複数の商品を扱う:1つの目的に絞れないなら、LPの利点が出ません。
継続的に更新する:LPは一度作って運用する形が多く、頻繁な更新には向きません。
予算が限られ、広告を出さない:受け皿だけ作っても、人が来ません。LPは流入とセットです。
基本の構成
冒頭:誰の何を解決するのかを、一目で分かる形で示します。ここで伝わらなければ、以降は読まれません。
課題の提示:読み手が抱えている状況を言語化します。
解決の方法:何を提供するのか。
根拠:実績、事例、データ。確認できる事実だけを載せます。 確認できない数値や、創作した体験談は使いません。
具体的な内容:料金、対応範囲、条件、手順。判断材料がないと、申し込みには至りません。
よくある質問:不安を先回りして解消します。
申し込み・問い合わせ:途中にも複数配置します。 最後まで読まないと申し込めない構成にしません。
作る前に決めること
目的:問い合わせか、申し込みか、資料請求か。1つに絞ります。
対象:どんな状況の人に向けるか。
流入経路:どこから人を連れてくるか。広告なら、どの語で出すか。
成果の定義と目標:何件で成功とするか。
測り方:どう計測するか。計測できない状態で公開すると、改善の判断ができません。
これらが決まっていないまま制作に入ると、内容も判断もぶれます。
表示と操作の確認
Google 検索セントラルの「ページ エクスペリエンス」では、自己評価の観点が示されています。LPでも同じことが言えます。
ページの Core Web Vitals は良好な状態か。
ページは安全な方法で配信されているか。
コンテンツはモバイル デバイス上で適切に表示されているか。
メイン コンテンツとその他のコンテンツを簡単に区別できるように設計されているか。
煩わしいインタースティシャルの使用が避けられているか。
LPは画像が多くなりがちです。 表示が遅いと、読まれる前に離脱されます。
公開後にやること
実際に申し込んでみる:フォームが届くか、確認の表示が出るか。最も多い事故がここです。
流入と成果を分けて見る:来ている人数と、申し込んだ人数。どちらの問題かを切り分けます。
どこで離脱しているか見る:読まれている範囲を確認します。
1箇所ずつ直す:同時に複数を変えると、どれが効いたか分かりません。
広告と一緒に評価する:広告の設定とLPの内容がずれていると、成果につながりません。品質スコアの各要素のステータスも、改善余地の手がかりになります。
社内で決めておくこと
LPは、作った後に誰も触らなくなりやすいものです。運用の前提を決めておきます。
担当を決める:数値を見て、改善を判断する人。
見直しの周期を決める:広告と併用する場合、出稿の見直しと同じ周期にすると管理しやすくなります。
掲載内容の確認の周期を決める:料金、条件、対応範囲。変更があったら反映します。古い条件が残ったままのLPは、問い合わせ後のやり取りで問題になります。
終了の条件を決める:キャンペーン用のLPは、期間が終わったらどうするか。放置すると、終了した内容が公開され続けます。
記録を残す:いつ何を変えたか。変更と数値を突き合わせられるようにします。
この記事のまとめ
ランディングページには、訪問者が最初に着地したページという広い意味と、1つの目的のために作られた独立したページという狭い意味があります。社内で話すときは、どちらかを確認します。
ホームページとの違いは、目的の数、構造、出口、訪問者の状態、評価の仕方です。LPは広告の受け皿として使われることが多く、Google 広告では「ランディング ページの利便性」が品質スコアの構成要素とされています。ただし品質スコアは診断ツールであり、KPIとして扱うべきではないと明記されています。
作る前に、目的、対象、流入経路、成果の定義、測り方を決めます。公開後は、実際に申し込んで動作を確認します。
出典と注記
品質スコアの構成要素、ランディング ページの利便性、診断ツールとしての位置づけは Google 広告 ヘルプ「検索キャンペーンの品質スコアについて」に基づきます。表示と操作の自己評価の観点は Google 検索セントラル「ページ エクスペリエンスと Google 検索結果への影響」に基づきます(いずれも確認日 2026年8月20日時点)。ヘルプとドキュメントは更新されるため、実務では最新の記載を確認してください。 構成と判断の基準は当社が支援の現場で用いている整理です。成果を保証するものではありません。
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