CVR(コンバージョン率)は、サイトに来た人のうち、目的の行動をとった人の割合です。この記事では、上げるための手順を整理します。
段階ごとの数を並べる
まず、どこで人が減っているかを見ます。 割合だけを見ても、直す箇所は分かりません。
流入:サイトに来た人数。
該当ページの閲覧:サービスや料金のページを見た人数。
フォームの表示:問い合わせ画面まで進んだ人数。
入力の開始:実際に入力を始めた人数。
送信:完了した人数。
この5つを並べると、落ち込みが大きい箇所が見えます。 そこが改善の対象です。
Google アナリティクスのヘルプでは、推奨イベントについて、サイトやアプリに追加すると、より有益なレポートの生成に加え、さらに多くの機能や動作の測定を行えるとされ、これらのイベントはなんらかのコンテキストと組み合わせた場合にのみ意味をもつため、自動的に送信されることはないと説明されています。中間の行動を測るには、設定が必要です。
落ち込み1:該当ページまで来ない
入口と目的のページがつながっていません。
導線がない:記事やトップから、サービスや料金へのリンクがあるか。
言葉が違う:メニューの言葉が、社内の用語になっていないか。
入口が想定と違う:どのページから来ているかを確認します。想定と違うページが入口なら、そこからの導線を作ります。
落ち込み2:見ているがフォームまで進まない
判断材料が足りないか、行動への導線がありません。
料金:金額を出せない場合も、何で変わるかは書けます。 伏せると、そこで離脱されます。
対応範囲と条件:自分が対象かどうかを判断できるか。
手順と期間:申し込んだ後、何が起きるか。
実績と事例:確認できる事実だけを載せます。 確認できない数値や創作した体験談は使いません。
よくある質問:申し込み前の迷いを先回りします。
行動への導線:ページの終わりだけでなく、判断材料の直後にも置きます。
落ち込み3:フォームで止まる
多くのサイトで、ここが最も大きな落ち込みになります。
必須項目を減らす:入力が多いほど、途中でやめる人が増えます。 最初の接点で必要な情報だけにします。
入力しやすくする:スマートフォンでの入力を前提にします。全角と半角、ハイフンの有無を強制しないようにします。
エラーをその場で示す:どこが誤りか、どう直せばよいか。送信後にまとめてエラーが出る形は、離脱の原因になります。
入力内容を保持する:エラー時に全部消えると、やり直す人は多くありません。
送信後の画面を用意する:受け付けたことが分かる状態にします。
実際に送ってみる:届いていない状態で運用している例が、想像より多くあります。
落ち込み4:送信されるが成約しない
CVRの問題ではありませんが、事業としては同じです。
期待させすぎていないか:実態より良く見せると、商談で齟齬が出ます。
条件が明示されているか:対象外の人が申し込んでいる場合、条件の書き方を見直します。
流入の質:どの経路から来た人が成約しているか。経路ごとに分けて見ます。
返信の速さ:問い合わせから連絡までの時間。サイトの外ですが、成約率に直結します。
広告からの流入がある場合
Google 広告のヘルプでは、ランディング ページの改善について観点が示されています。
ユーザーが求めるものを提供すること、そして例として、「フランネル シャツ」で検索したユーザーに広告を表示したのであれば、ランディング ページもフランネル製品のページにするべきと説明されています。
また、広告とランディング ページで、メッセージに一貫性を持たせることも示されています。
さらに、広告の具体性を高めると、クリック率が下がる代わりにコンバージョン率が上がるケースもあるとされ、目標に応じて最適なパフォーマンスが得られるバランスを見つけるよう案内されています。
クリック数とCVRは、必ずしも同じ方向に動きません。 どちらを重視するかを先に決めます。
測り方の注意
割合だけを見ない:件数が少ないと、割合は大きく振れます。分母も一緒に見ます。
流入の質が変わると割合も変わる:広告を止めた、別の語で流入が増えた。サイトを直していなくても数値は動きます。
期間をそろえる:曜日や月による変動があります。
経路ごとに分ける:全体の平均は、判断の役に立たないことがあります。
短期で判断しない:判断の時期を、変更の時点で決めておきます。
直す順番
第1段階:動作の確認:フォームが届くか、計測が記録されるか。
第2段階:フォームの見直し:必須項目、エラー表示、送信後の画面。効果が出やすく、作業量も小さい領域です。
第3段階:判断材料の追加:料金、条件、範囲、事例。
第4段階:導線の整備:行動への導線の位置と文言。
第5段階:入口との一致:流入する語や広告と、内容が合っているか。
第6段階:表示と操作:スマートフォンでの見え方、表示の速さ。
やってはいけないこと
誇大な表現で行動を促す:申し込みは増えても、その後で問題になります。
判断材料を隠す:問い合わせ後に断られ、双方の時間を失います。
確認できない実績を載せる:出典と確認日を示せない数値は書きません。
割合だけを目標にする:流入を減らしても達成できてしまいます。件数と併せて見ます。
同時に複数を変える:効果を切り分けられません。
業種別の効きどころ
同じ改善でも、効き方は業種によって変わります。
問い合わせが中心:料金の目安と対応範囲の明示、フォームの項目削減。この2つで大きく変わることがあります。
来店が必要:電話番号と営業時間、地図、駐車場の有無。フォームより電話が使われる業種があります。
購入が完結する:配送と返品の条件、決済手段、在庫の表示。
検討期間が長い:資料請求など、負担の軽い接点を用意します。いきなり商談を求めないようにします。
専門性が高い:対応できる範囲と、できない範囲の明示。対象外の問い合わせが減り、双方の時間が節約できます。
改善が効かないとき
流入の質が合っていない可能性があります。 どれだけページを直しても、対象でない人が来ていれば成果になりません。
確認すること:どの語で流入しているか、広告の設定、想定している顧客と実際の訪問者のずれ。
この場合、直すのはページではなく流入側です。 狙う語、広告の設定、対象の条件。
この記事のまとめ
CVRの改善は、段階ごとの数を並べて、落ち込みが大きい箇所を特定するところから始めます。割合だけを見ても、直す箇所は分かりません。
多くのサイトでは、フォームでの落ち込みが最も大きくなります。必須項目を減らし、エラーをその場で示し、入力内容を保持し、送信後の画面を用意します。
判断材料(料金・条件・範囲・事例)の追加は、効果が出やすい改善です。広告からの流入がある場合は、広告とページの一貫性を確認します。件数と割合の両方を見て、短期で判断しないようにします。
出典と注記
推奨イベントの位置づけは Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] 推奨イベント」、広告とランディング ページの一貫性およびクリック率とコンバージョン率の関係は Google 広告 ヘルプ「品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法」に基づきます(いずれも確認日 2026年8月20日時点)。ヘルプは更新されるため、実務では最新の記載を確認してください。 段階の分け方と直す順番は当社が支援の現場で用いている整理です。成果を保証するものではありません。
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