売上・コンバージョン改善/解説

マーケティングKPIとは?目標設定から指標の選び方まで解説

マーケティングKPIの決め方を、KGIからの分解、指標の選び方、計測の設計という順で解説します。施策別の代表的な指標、目標値の置き方、運用でつまずかないための注意点を整理します。

KPIは、目標の達成度を測るための中間指標です。設定すること自体は難しくありませんが、選び方を誤ると、数字は達成しているのに事業が伸びないという状態になります。この記事では、KGIからの分解の仕方、指標の選び方、目標値の置き方、運用時の注意点を順に解説します。

KGIとKPIの関係

KGIは最終目標です。売上、利益、契約件数など、事業として達成したい結果を指します。

KPIは、その途中で確認できる指標です。KGIは期末にならないと分かりませんが、KPIは途中で確認でき、遅れていれば手を打てます。

両者の関係は、KGIを分解するとKPIになるという構造です。売上をKGIとするなら、「訪問数 × 成約率 × 客単価」に分解でき、それぞれがKPIの候補になります。

分解せずにKGIだけを追うと、達成できなかったときに原因を特定できません。逆に、KPIだけを追ってKGIとの関係が切れていると、数字は動いても事業に貢献しません。

階層図。KGIを頂点に、KPIとその計測項目が並ぶ
KGIを分解するとKPIになります。つながりが切れると、数字は動いても事業が伸びません。 出典:Google アナリティクス ヘルプ「アナリティクスのディメンションと指標」(確認日 2026-08-20)

指標を選ぶ基準

候補となる数字は無数にあります。次の3つを満たすものを選びます。

KGIとつながっていること:その指標が動けば、最終目標も動く関係にあるか。訪問数が増えても成約が増えない構造なら、訪問数はKPIとして機能しません。

自分たちで動かせること:外部要因で決まる数字は、努力の対象になりません。

計測できること:測れない指標は運用できません。Googleアナリティクスの公式ヘルプが説明するように、データはディメンション(属性)と指標(数量的な測定値)で構成されます。設定したKPIが、この組み合わせで取得できるかを確認します。

確認リスト。KGIとつながる、自分で動かせる、計測できる
3つを満たさない指標は、運用しても判断に使えません。当社が用いている基準です。 出典:Google アナリティクス ヘルプ「キーイベントを作成または変更する」(確認日 2026-08-20)

施策別の代表的な指標

検索からの集客では、検索経由の訪問数、対象ページの表示回数、そこからの問い合わせ数が候補になります。順位そのものは、事業への貢献が見えにくいためKPIには向きません。

Web広告では、費用、クリック数、成果件数、成果1件あたりの費用が基本です。表示回数だけを追うと、費用対効果が見えなくなります。

SNSでは、投稿数、反応数、サイトへの流入数。フォロワー数は増減が緩やかで、施策の判断材料としては使いにくい指標です。

メールでは、配信数、開封率、クリック率、そこからの成果件数。

サイト改善では、対象ページの通過率、フォームの送信率。

いずれも、最終的に成果件数につながっているかを確認できる形にします。

目標値の置き方

数字を決めるとき、根拠のない目標を置くと運用されません。

過去の実績から置く:直近の数字を基準に、改善幅を設定します。最も現実的な方法です。

逆算して置く:必要な売上から、成約率と客単価を使って必要な問い合わせ数を求めます。事業計画と結びつくため、社内の合意が得やすくなります。

実績がない場合:最初の期間は目標を置かず、実測してから決めます。根拠のない数字を置くより、まず基準値を作るほうが有益です。

いずれの場合も、なぜその数字かを説明できる状態にしておきます。説明できない目標は、達成しても未達でも判断につながりません。

計測の設計

KPIを決めたら、取得できる状態を作ります。

Googleアナリティクスの公式ヘルプでは、重要な行動をキーイベントとして設定できると説明されています。問い合わせや資料請求をキーイベントにすれば、経路別の成果件数が取得できます。

設計時の注意は3つです。定義を1つに揃えること。同じ「問い合わせ数」でも、フォーム送信か営業の受付かで数字が変わります。開始前の数字を残すこと。比較対象がなければ改善を判断できません。Web外の成果も扱うこと。電話や来店がある事業では、Web上の数字だけでは実態を見誤ります。

数を絞る

KPIは多いほど良いわけではありません。増やすほど、どれを優先するかが曖昧になります。

実務では、同時に見るのは3〜5個に留めます。最終成果に近いものを1〜2個、その手前の中間指標を2〜3個という構成が扱いやすくなります。

見る頻度も決めておきます。日次で確認するのは異常の検知だけ、判断は月次、施策の入れ替えは四半期という形にすると、日々の変動に振り回されません。

手順図。日次・週次・月次・四半期で見る目的が違う
頻度を決めておくと、日々の変動に振り回されません。当社の整理です。 出典:Google アナリティクス ヘルプ「アナリティクスのディメンションと指標」(確認日 2026-08-20)

運用でつまずく箇所

数字が達成されているのに事業が伸びない:KPIとKGIのつながりが切れています。指標の選び直しが必要です。

誰も見ていない:レポートを作るだけで終わっている状態です。判断に使う場面を決めます。

定義が人によって違う:レポートに計算式を書き添えると解決します。

目標が現実離れしている:達成不可能な数字は、達成を諦める理由になります。過去の実績から置き直します。

指標が多すぎる:優先順位を付け、数を減らします。

KPIを設定するときの手順

実際に設定する際は、次の順で進めます。

第一に、KGIを確認します。 事業として何を達成したいのか。売上なのか、利益なのか、契約件数なのか。ここが曖昧だと、以降がすべてぶれます。

第二に、KGIを分解します。 掛け算や足し算の形で、構成要素に分けます。分解の仕方は事業によって変わります。

第三に、要素の中から動かせるものを選びます。 自分たちの施策で変えられるものだけが、KPIの候補になります。

第四に、計測できるかを確認します。 候補が実際に取得できるかを、計測ツールで確かめます。取れない指標は、代わりになるものを探します。

第五に、目標値を置きます。 過去の実績か、KGIからの逆算で決めます。

この5段階を踏むと、KGIとつながった、動かせて測れる指標が残ります。

この記事のまとめ

KPIは、KGIを分解して得られる中間指標です。KGIとつながっていること、自分たちで動かせること、計測できることの3条件で選びます。

目標値は過去の実績か逆算で置き、根拠を説明できる状態にします。同時に見るのは3〜5個に絞り、判断は月次、入れ替えは四半期という頻度で運用します。数字は達成しているのに事業が伸びない場合、指標の選び方から見直します。

事業の段階によって変わる指標

同じ事業でも、段階によって見るべき指標は変わります。

立ち上げ期では、成果の絶対数より、仮説が正しいかの確認が重要です。問い合わせが少なくても、対象とした層から来ているかを見ます。率よりも、誰が反応したかという中身に注目します。

拡大期では、獲得数と単価が中心になります。どの経路を伸ばすかの判断に、経路別の成果と費用が必要です。

安定期では、既存顧客からの売上と、解約や離脱の状況が重要になります。新規獲得だけを追うと、全体の成長が止まっていることに気づけません。

段階が変わったのに指標を変えていない場合、判断がずれます。年に一度は、見ている指標が今の段階に合っているかを確認します。

レポートの作り方

KPIは、見る形が決まっていないと運用されません。

同じ様式を使い続ける:形式が変わると比較できなくなります。

計算式を書き添える:定義のずれを防ぎます。

前月・前年と並べる:単月の数字だけでは、良し悪しが判断できません。

施策の実施日を記録する:数字の動きと施策を突き合わせられます。

結論を先に書く:「増えた/減った、理由は、次にすること」の3行を先頭に置きます。

出典と注記

ディメンションと指標の説明、キーイベントの設定については Google アナリティクス ヘルプの記載に基づきます。指標の選び方や運用の頻度は、当社が支援の現場で用いている整理であり、公的に定められた基準ではありません。適した指標は事業の構造によって変わります。

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