WordPressは、サイトの内容をブラウザ上で管理できるソフトウェアです。この記事では、公式サイトに書かれている内容を確認したうえで、導入の判断に必要な観点を整理します。
何であるか
WordPress.org の公式サイトには、WordPress started in 2003 when Mike Little and Matt Mullenweg created a fork of b2/cafelog. と記載されています。
そして、Today, WordPress is built on PHP and MariaDB, and licensed under the GPLv2. と説明されています。PHPとMariaDBの上に構築され、GPLv2 でライセンスされているということです。
ミッションとして、パブリッシングの民主化が掲げられています。また、素晴らしいソフトウェアは最小限の設定で動作し、アクセシビリティ、パフォーマンス、セキュリティ、使いやすさを重視すべきという考えが示されています。
技術的な経験が少ない人はそのまま使え、より詳しい方は驚くような方法でカスタマイズできるとも説明されています。
オープンソースであること
公式サイトでは、WordPress はオープンソースのソフトウェアであると明記されています。
GPL が提供する4つの自由として、次が挙げられています。どんな目的のためにでもプログラムを実行できる自由、プログラムの動作を研究し、好みの仕様に変更する自由、再頒布する自由、変更を加えた独自のバージョンの複製を他の人に頒布する自由。
この性質が、実務上の利点と負担の両方につながります。 自由に使えて費用がかからない一方、動作の責任は使う側にあります。
動作に必要な環境
公式の「必須要件」には、ホスト(サーバー)が以下をサポートしていることを推奨します。これらは、パフォーマンスとセキュリティにおける、安全で現代的な基準(ベースライン)です。 として、次が示されています。
PHP バージョン 8.3 以上。
データベース:MariaDB 10.11 以上、または MySQL 8.0 以上。
HTTPS:すべてのインストールに必須。
そして、最も堅牢で多機能なサーバーとしては Apache や Nginx を推奨するが、PHP と MySQL をサポートしているサーバーであればどんなサーバーでも動作すると説明されています。
古いバージョンについての注記もあります。 WordPress は PHP 7.4 以上および MySQL 5.5.5 以上でも動作はするが、これらのバージョンは公式のサポート終了(End Of Life)を迎えており、サイトがセキュリティの脆弱性にさらされる可能性があるとされ、アップグレードを強く推奨すると明記されています。
契約しているサーバーが要件を満たしているかは、導入前に確認します。 公式サイトには、サーバー会社へそのまま送れる確認用の文面も用意されています。
向いている場合
記事や情報を継続的に更新する:管理画面から編集できるため、更新のたびに依頼する必要がありません。
ページ数が多くなる見込みがある:一覧や分類の仕組みが標準で備わっています。
社内に更新できる人がいる:または育てられる状況にある。
拡張の必要が出る可能性がある:機能を追加できる仕組みがあります。
制作を依頼する場合も、扱える会社が多い:乗り換えの選択肢が広くなります。
向かない場合
ページ数が少なく、更新もほとんどない:会社案内が数ページなら、より簡単な方法で足ります。運用の負担のほうが大きくなります。
社内に管理できる人がいない:更新を止めると、安全上の問題につながります。
保守の予算を確保できない:無償のソフトウェアですが、運用は無償ではありません。
極端な速度が求められる:静的に生成する方式のほうが有利な場合があります。当サイトは静的生成で構築しています。
要件を満たすサーバーを用意できない:公式が推奨する環境を確認します。
運用で欠かせないこと
更新を止めない:公式が古いバージョンについて脆弱性の可能性を明記しているとおり、更新は安全性に直結します。本体、テーマ、プラグインのいずれも対象です。
バックアップを取る:更新や操作の誤りで内容が失われることがあります。復元できるかを、実際に試して確認します。
HTTPSで配信する:公式の必須要件に含まれています。
管理画面の保護:推測されやすい利用者名と単純なパスワードを避けます。
追加する機能を絞る:拡張を増やすほど、更新と不具合の対応が増えます。必要なものだけにします。
担当を決める:誰がいつ更新するか。決めていないと、誰もやりません。
判断の手順
第1段階:更新の頻度を見積もる:月にどのくらい内容を変えるか。ほとんど変えないなら、別の方法も検討します。
第2段階:社内で扱える人を確認する:更新する人、管理する人。
第3段階:保守の体制を決める:社内で行うか、依頼するか。依頼する場合の費用。
第4段階:サーバーの要件を確認する:公式が推奨する環境を満たすか。
第5段階:必要な機能を洗い出す:標準で足りるか、拡張が必要か。
第6段階:他の選択肢と比べる:作成サービス、静的生成、他のCMS。WordPressが唯一の選択肢ではありません。
よくある誤解
「無料だから費用がかからない」:ソフトウェア自体は無償ですが、サーバー、保守、更新の作業に費用と時間がかかります。
「入れれば検索で有利になる」:CMSの種類が順位を決めるわけではありません。内容と技術的な要件が満たされているかが前提です。
「設定すれば放置できる」:更新を止めると、安全上の問題につながります。
「拡張を増やせば便利になる」:増やすほど、更新と不具合の対応が増えます。
「専門知識がなくても全部できる」:日常の更新は難しくありませんが、サーバーや不具合への対応には知識が要ります。
他の選択肢との比較
WordPressが唯一の選択肢ではありません。 判断のために、他の方法も並べて考えます。
ホームページ作成サービス:サーバーの用意が不要で、画面上で編集できます。始めやすい一方、できることの範囲はサービスに依存します。
静的に生成する方式:あらかじめHTMLを生成して配信します。表示が速く、稼働中の仕組みが少ないため安全上の負担も小さくなります。 代わりに、更新に手順が要ります。当サイトはこの方式です。
他のCMS:用途を絞ったものもあります。扱える人がいるかが判断の分かれ目です。
判断の軸は3つです。 更新の頻度、社内で扱える範囲、保守にかけられる資源。機能の多さではありません。
この記事のまとめ
WordPressは、PHPとMariaDBの上に構築され、GPLv2 でライセンスされたオープンソースのソフトウェアです。公式サイトには、必須要件として PHP 8.3 以上、MariaDB 10.11 以上または MySQL 8.0 以上、HTTPS が示されています。
継続的に更新する、ページ数が多い、社内に扱える人がいる場合に向きます。更新がほとんどない、管理できる人がいない、保守の予算がない場合は、別の方法のほうが適することがあります。
運用では、更新を止めないこと、バックアップを取ること、拡張を絞ること、担当を決めることが欠かせません。無償のソフトウェアですが、運用は無償ではありません。
出典と注記
WordPress の成り立ち、技術構成、ライセンス、ミッション、オープンソースとしての性質は WordPress.org 日本語「このサイトについて」に基づきます。動作に必要な環境と古いバージョンに関する注記は同「必須要件」に基づきます(いずれも確認日 2026年8月20日時点)。要件と推奨環境は更新されるため、導入前に最新の記載を確認してください。 向き不向きの整理と判断の手順は当社が支援の現場で用いている考え方です。
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