導線設計は、「トップから順に見てもらう」前提を捨てるところから始まります。多くの訪問者は、検索や広告から個別のページに直接来ます。この記事では、その前提での設計を整理します。
前提:入口はトップだけではない
検索から来る人は、そのページに直接着地します。 トップページを経由しません。
つまり、どのページも入口になりうるという前提で設計する必要があります。個別のページを開いた人が、そこで何を知り、次にどこへ行けるか。これが導線設計です。
まず、実際の入口を確認します。 アクセス解析で、どのページが入口になっているかを見ます。想定と違うことがよくあります。
設計の手順
第1段階:入口を把握する:どのページから来ているか。検索の管理ツールと解析ツールで確認します。
第2段階:入口ごとの状態を考える:そのページに来た人は、何を知りたくて来たか。どこまで知っているか。
第3段階:次に必要なものを決める:詳しい情報か、判断材料か、行動か。
第4段階:つなぐ:次のページへのリンクを置きます。
第5段階:計測する:実際に移動しているかを確認します。
入口ごとの設計
記事から来た人:情報を探している段階です。いきなり申し込みを求めても進みません。 関連する記事、より詳しい説明、サービスの案内へつなぎます。
サービスページから来た人:検討している段階です。判断材料(料金、条件、範囲、事例)と、問い合わせへの導線が必要です。
会社情報から来た人:信頼できるか確認しています。実績、体制、方針。
広告から来た人:広告で見た内容を探しています。そこで期待した内容が、上部で確認できる状態にします。
既存顧客・紹介から来た人:すでに信頼があります。条件と手続きを先に示すほうが親切です。
リンクの張り方
Google 検索セントラルは「リンクに関するベスト プラクティス」を公開しています。人にも機械にも伝わる形にするための推奨が示されています。
クロールできる形式にする:通常、リンクが href 属性を持つ <a> HTML 要素である場合のみ、Googleはリンクをクロールできるとされています。その他のフォーマットのリンクのほとんどは解析されず、クローラーにより抽出されないと説明されています。
href 属性のない要素や、スクリプトのイベントでリンクとして機能するタグからは、URLを信頼できる形で抽出できないと明記されています。なお、JavaScriptを使ってリンクを動的に挿入する場合でも、この形式が使われていればクロール可能になるとされています。
リンクの文言(アンカー テキスト)を書く:このテキストはユーザーやGoogleに対して、リンク先のページについての情報を伝えると説明されています。空のリンクテキストは悪い例として挙げられています。
画像をリンクにする場合:Googleは img 要素の alt 属性をアンカー テキストとして使用するため、画像の説明となる代替テキストを追加するよう案内されています。
「こちら」だけのリンクは、人にとっても何があるか分かりません。 リンク先の内容が分かる文言にします。
行き止まりをなくす
次に行く先が示されていないページが、最も多い問題です。
記事の終わり:関連する記事、サービスの案内、問い合わせ。
サービスの説明の終わり:料金、事例、問い合わせ。
料金ページの終わり:問い合わせ、よくある質問。
よくある質問の終わり:問い合わせ。
送信完了の画面:ここも行き止まりになりがちです。 関連する情報や、次に見てほしいページを示します。
確認の方法は単純です。 各ページを開いて、そこから次にどこへ行けるかを数えます。 ゼロなら行き止まりです。
導線を増やしすぎない
選択肢が多いと、選ばれません。
1ページに主要な導線は1〜2つ:最も進んでほしい先を決めます。
同じ導線を繰り返す:長いページでは、複数箇所に同じ行き先を置きます。別々の行き先を並べるのとは違います。
関連リンクは絞る:関連記事を大量に並べても、選ばれません。
メニューを整理する:項目が多いと、探すのが難しくなります。
計測する
移動しているかを確認します。 設計しただけでは、機能しているか分かりません。
Google アナリティクスのヘルプでは、キーイベントの設定について説明されています。イベントによっては、キーイベントとして測定する対象をそのままでは測定できない場合があるとされ、ページの表示を測るイベントをそのまま使うと、すべてのページビューがキーイベントとしてカウントされてしまうため、そのままではマークを付けられないと説明されています。
代わりに、既存のイベントを変更する、またはそれに基づいてイベントを新規作成することで、サイトの設定を変更しなくてもキーイベントとしてマークを付けられると案内されています。イベントを変更すると既存のイベントは上書きされるため注意が必要で、ページの表示を測るイベントは変更しないよう明記されています。
設定した後は、実際に操作して記録されるかを確認します。
見る指標
入口になっているページ:想定と合っているか。
次のページへの移動率:導線が機能しているか。
離脱している位置:どのページで終わっているか。
問い合わせに至った経路:どのページを通ってきたか。ここが最も重要な情報です。
経路ごとの成果:記事経由、サービスページ経由、広告経由。質も件数も違います。
よくある失敗
トップから順に見る前提で設計する:実際の入口と合いません。
行き止まりを放置する:そこで終わります。
導線を並べすぎる:選ばれません。
リンクの文言が「こちら」:何があるか分かりません。
計測せずに設計する:機能しているか判断できません。
記事からいきなり申し込みへつなぐ:段階が飛んでいます。
導線を記録して管理する
導線は、ページが増えるほど把握しにくくなります。 記録して管理します。
主要なページの一覧を作る:入口になっているページ、成果につながるページ。
各ページの行き先を書く:どこへつないでいるか。
行き止まりに印を付ける:次の行き先がないページ。
成果までの経路を書く:入口から問い合わせまで、何ページ経由するか。
更新のたびに見直す:新しいページを公開したら、どこからリンクするかを決めます。公開時にリンク元を作る手順を決めておきます。
表計算ソフト1枚で足ります。 記録がないと、行き止まりが増えていることに気づけません。
この記事のまとめ
導線設計は、どのページも入口になりうるという前提で行います。まず実際の入口を確認し、入口ごとに訪問者の状態を考え、次に必要なものを決めてつなぎます。
リンクは、href 属性を持つ <a> 要素にすること、リンク先の内容が分かる文言にすることが公式に推奨されています。画像をリンクにする場合は代替テキストが使われます。
行き止まりをなくし、導線は絞ります。設計したら計測し、問い合わせに至った経路を記録します。
出典と注記
リンクのクロール可能な形式、アンカー テキスト、画像リンクの代替テキストに関する記載は Google 検索セントラル「Google のリンクに関するベスト プラクティス」に基づきます。キーイベントの設定は Google アナリティクス ヘルプ「キーイベントを作成または変更する」に基づきます(いずれも確認日 2026年8月20日時点)。ドキュメントとヘルプは更新されるため、実務では最新の記載を確認してください。 入口ごとの設計と確認方法は当社が支援の現場で用いている整理です。成果を保証するものではありません。
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