自作は、条件が合えば十分に成立します。 ただし、向かない場合もあります。この記事では、判断の基準と、自作する場合に外せない項目を整理します。
自作が向いている場合
ページ数が少ない:トップ、サービス、会社情報、問い合わせ程度。
更新が多い:自社で直せる状態のほうが、都度依頼するより早くなります。
予算が限られている:制作費を抑え、その分を運用や広告に回せます。
内容を自分で書ける:事業のことは、社内の人が最もよく知っています。
急いでいない:学ぶ時間を確保できる状態です。
自作が向かない場合
必要な機能が多い:予約、決済、会員管理、既存システムとの連携。
既存サイトからの移行がある:URLの対応関係とリダイレクトの設計が必要になります。ここを誤ると、それまでの評価と流入を失います。
社内に時間がない:兼務のまま始めると、途中で止まります。
信頼が事業の中心にある:見た目や文章の質が受注に直結する業種では、投資に見合う効果が出ます。
社内に更新できる人が残らない:作った人が退職すると、誰も触れなくなります。
選択肢の違い
ホームページ作成サービス:画面上で編集でき、サーバーの用意も含まれることが多い形です。始めやすく、更新もしやすい一方、できることの範囲はサービスに依存します。
CMS(内容を管理する仕組み):自由度が高く、拡張もできます。代わりに、サーバーの用意、初期設定、更新作業が自社の責任になります。 更新を止めると安全上の問題につながります。
HTMLを直接書く:仕組みへの依存がなく軽量ですが、更新のたびにファイルを編集する必要があります。ページ数が増えると管理しきれません。
判断の基準は、更新の頻度と、社内で扱える範囲です。 高機能なほどよいわけではありません。
自作でも先に決めること
自作でも、決める順番は依頼する場合と同じです。ここを飛ばすと、作り直しになります。
目的と成果:何のために作り、何が起きたら成功か。
必要なページ:目的から逆算します。
ドメイン:長く使うものです。事業の名称と一致させます。
載せる内容:デザインより先に原稿を用意します。
問い合わせまでの導線:どのページから、どこへ進むか。
内容の作り方
Googleの公式SEOスターターガイドでは、ユーザーが探している内容にページが答えているかが重要である旨が説明されています。
判断材料を入れる:料金の目安、対応範囲、手順、条件。検討している人が必要とする情報です。
確認できる事実だけを書く:実績、対応件数、取引先。確認できない数値は書かないという原則を、自作でも守ります。
自社の言葉で書く:既製の文章を流用すると、事業の説明になりません。自作の最大の利点は、現場を知っている人が書けることです。
写真は自分で撮る:実際の様子が伝わるほうが、既製の画像より信頼されます。
自作でも外せない確認項目
Google 検索セントラルの「ページ エクスペリエンス」では、自己評価の観点が示されています。自作でも確認できる項目です。
ページの Core Web Vitals は良好な状態か。
ページは安全な方法で配信されているか。
コンテンツはモバイル デバイス上で適切に表示されているか。
主要なコンテンツを妨害したり注意をそらしたりするほどの大量の広告を掲載することを回避できているか。
煩わしいインタースティシャルの使用が避けられているか。
メイン コンテンツとその他のコンテンツを簡単に区別できるように設計されているか。
同じドキュメントには、Core Web Vitals レポートやサードパーティのツールで良い結果が得られても、検索結果で上位に表示されることが保証されるわけではないこと、SEO上の理由のためだけに満点を取ろうとするのは有効な時間の使い方とは言えないことも示されています。点数を追うのではなく、極端に悪い状態を避けるという理解が実務に合います。
公開前に必ず確認すること
問い合わせが届くか:実際に送信して確認します。自作で最も多い事故です。
スマートフォンでの表示:実機で見ます。横スクロールが発生していないか。
リンク切れ:クリックして確認します。
誤字と事実の誤り:時間を置いてから読み返します。
必要なページ:プライバシーポリシー、事業者の情報。
安全な接続:HTTPSで配信されているか。
公開後にやること
検索の管理ツールを設定する:インデックスの状況と、表示されている語を確認します。
アクセス解析を設定する:来訪後の行動を見ます。
インデックスされたか確認する:数日後に見ます。
更新の周期を決める:情報が古いサイトは、信頼を損ないます。
バックアップを取る:CMSを使う場合は特に必要です。
仕組みの更新を止めない:安全上の問題につながります。
途中から依頼に切り替える判断
時間が確保できなくなった:兼務のまま無理を続けると、更新が止まります。
必要な機能が増えた:予約や決済が必要になった段階で、扱える範囲を超えます。
表示や動作の問題が解決できない:原因の特定に時間がかかる場合、依頼したほうが早くなります。
成果につながっていない:内容の問題か、設計の問題かの切り分けに、外部の目が役立ちます。
部分的に依頼する方法もあります。 設計だけ、デザインだけ、移行だけ。全部を任せる必要はありません。
自作でよくある失敗
デザインに時間をかけすぎる:見た目を整えることに時間を使い、内容が薄いまま公開してしまう例です。判断材料のほうが、成果には直結します。
ページを増やしすぎる:作れることが分かると、必要のないページまで作りがちです。更新の負担が増え、放置されます。
既製の文章を流用する:どこかで見た説明では、事業の説明になりません。自社の言葉で書けることが自作の利点です。
確認できない数値を載せる:実績や対応件数は、確認できる範囲で書きます。
バックアップを取らない:仕組みの更新や操作の誤りで、内容が失われることがあります。
更新を止める:情報が古いサイトは、信頼を損ないます。作ることより、続けることのほうが難しいという前提で始めます。
依頼と自作を組み合わせる
全部を自作するか、全部を依頼するかの二択ではありません。
設計だけ依頼する:目的の整理、必要なページ、構成。ここを外部と決めてから、制作は自社で行う形です。
デザインだけ依頼する:見た目の設計を受け取り、実装と運用は自社で行います。
移行だけ依頼する:既存サイトからの移行は、失敗の影響が大きい作業です。ここだけ専門に任せる判断は合理的です。
写真だけ依頼する:撮影は、自社で用意しにくい領域です。
部分的な依頼のほうが、費用も抑えられます。 どこが自社で難しいかを見極めてから相談します。
この記事のまとめ
自作は、ページ数が少なく、更新が多く、内容を自分で書ける場合に向きます。機能が多い、移行がある、社内に時間がない場合は向きません。
選択肢は、作成サービス、CMS、HTMLを直接書く方法があります。判断の基準は、更新の頻度と社内で扱える範囲です。
自作でも、目的・ページ・ドメイン・原稿・導線を先に決めます。公開前には、問い合わせが実際に届くかを必ず確認します。公開後は、管理ツールと解析を設定し、更新の周期を決めます。
出典と注記
ページ制作の考え方は Google 検索セントラル「Google 公式 SEO スターター ガイド」、表示と操作の自己評価の観点は同「ページ エクスペリエンスと Google 検索結果への影響」に基づきます(いずれも確認日 2026年8月20日時点)。検索の仕様とガイドラインは更新されるため、実務では最新の記載を確認してください。 選択肢の整理と判断の基準は当社が支援の現場で用いている考え方です。成果を保証するものではありません。
この分野の実務を相談したい方へ
記事で扱っている内容は、当社が実務として支援している領域です。 自社で進めるか外部に任せるかの判断からご相談いただけます。