Web集客の方法は多岐にわたりますが、性質が違うものを同じ基準で比べると判断を誤ります。この記事では代表的な施策を5つに分類し、費用のかかり方、成果までの期間、必要な手間という3つの軸で比較します。そのうえで、組み合わせ方と、経路別に成果を測る仕組みの作り方まで解説します。
5つの分類
Web集客の施策は、次の5つに分けると整理しやすくなります。
検索から来てもらう(SEO・コンテンツ)、費用を払って露出する(Web広告)、発信して見つけてもらう(SNS)、手元のリストに届ける(メール)、他のサイトに載せる(ポータル・比較サイト・プレスリリース)。
この5つは、顧客との出会い方が違います。同じ「集客」でも、相手が能動的に探しているのか、たまたま目に入ったのか、すでに接点があるのかで、伝えるべき内容が変わります。
検索から来てもらう
検索されたときに自社のページが表示される状態をつくる方法です。
Googleは公式のSEOスターターガイドで、検索エンジンにページを見つけてもらい、内容を理解してもらうために必要なことを説明しています。技術的に読み込まれる状態を整え、探している内容に答えるページを用意することが基本です。
利点は、費用をかけ続けなくても流入が続くことです。一度上位に表示されるようになれば、広告費なしで問い合わせが生まれます。すでに困りごとを自覚した人が来るため、成約率も高くなります。
制約は、成果までに時間がかかることです。記事を公開してから検索結果に反映され、順位が安定するまでには数か月かかることが一般的です。また、競合が強い領域では上位表示が難しくなります。
費用を払って露出する
Web広告は、出稿した日から表示されます。
リスティング広告は検索語に連動するため、困りごとを自覚した人に届きます。成約に最も近い位置にありますが、競合の多い領域では単価が上がります。
ディスプレイ広告・SNS広告は、まだ探していない層に届けられます。認知づくりに向く一方、すぐに問い合わせにつながる経路ではありません。
利点は速さと制御しやすさです。予算、対象、配信時間を自分で決められ、結果も数字で確認できます。制約は、止めれば流入も止まることです。
実務では、広告を検証の道具として使うと効果的です。数週間で「どの訴求が反応されるか」が分かるため、そこで効いた言葉を記事やLPに反映すれば、時間のかかるSEOの精度が上がります。
発信して見つけてもらう
SNSは、日々の発信で認知と関係を作ります。
利点は、費用が時間だけで済むことと、まだ困りごとを自覚していない層に届くことです。制約は、続けられるかどうかで結果が決まること、そして投稿がすぐ流れてしまうことです。
プラットフォームごとに利用者層と反応の仕方が違うため、すべてに手を出さず、顧客がいる場所を選ぶことが前提になります。複数を同時に始めると、どれも投稿量が足りず反応が出ないまま終わります。
手元のリストに届ける
メールは、すでに接点のある相手に届けます。
新規獲得の手段ではありませんが、検討期間の長い商材では成果への寄与が大きくなります。問い合わせや資料請求をした人が、その時点では決めなくても、数か月後に検討を再開することは珍しくありません。その間に接触を保てるかどうかが結果を分けます。
費用が小さく、既存の資産(顧客リスト)を使うため、中小企業でも取り組みやすい領域です。
他のサイトに載せる
自社サイトを育てる以外に、すでに人が集まっている場所に載せる方法があります。
ポータル・比較サイトは、探している人が集まる場所です。掲載料や成果報酬がかかりますが、自力で集客の仕組みを作るより早く見込み客に会えます。
プレスリリースは、新しい取り組みを外部のメディアに届ける方法です。掲載されれば認知と信頼につながります。
外部メディアへの寄稿・取材協力も、専門性を示す機会になります。
これらは、自社サイトの流入が育つまでの間を埋める手段としても有効です。
組み合わせ方
単独で使うより、性質の違うものを組み合わせるほうが安定します。
典型的なのは、広告で早く検証し、コンテンツで蓄積する形です。もうひとつは、集める経路と受け皿を対にする形です。広告やSNSで集めた人がすぐ決めない場合、メールで接触を保つ。この設計まで含めて初めてひとつの施策になります。
避けたいのは、似た性質の施策を同時に増やすことです。SNSを3つ始める、記事と動画を同時に立ち上げるといった広げ方は、どれも量が足りず成果に届きません。
経路別に測る仕組み
どの施策を選んでも、経路ごとに成果を測れなければ改善できません。
Googleアナリティクスの公式ヘルプでは、データがディメンション(属性)と指標(数量的な測定値)で構成されると説明されています。Web集客の計測では、「どの経路から来たか」というディメンションと、「何件の問い合わせがあったか」という指標の組み合わせが最小構成です。
実務上の注意点は3つあります。広告に計測用のパラメータを付けること。付け忘れると経路が正しく分類されません。成果の定義を1つに揃えること。フォーム送信を数えるのか、営業が受けた件数を数えるのかで数字が変わります。開始前の数字を残すこと。比較対象がないと、施策の効果を判断できません。
この記事のまとめ
Web集客は、検索・広告・SNS・メール・外部掲載の5つに分けられます。それぞれ費用のかかり方と成果までの期間が違い、優劣ではなく適不適の問題です。
広告で検証してコンテンツに反映する、集める経路と受け皿を対にするといった組み合わせが有効です。どの施策でも、経路別に成果を測れる状態を先に作ることが前提になります。
始める順番
これから着手する場合、次の順が現実的です。
第一に、受け皿を整えます。 集めた人が着地するページが説明不足だと、流入を増やしても成果になりません。何を提供しているか、いくらか、どう進むかが書かれているかを確認します。
第二に、すでに来ている人を成果につなげます。 訪問はあるのに問い合わせに至っていないなら、そこが最も費用対効果の高い改善対象です。
第三に、流入を増やします。 急ぐなら広告、時間をかけられるならSEOとコンテンツを選びます。
この順を逆にすると、費用をかけて集めた人が離脱し続けることになります。
外注と内製の分け方
Web集客は分業が進んでおり、制作、広告運用、記事執筆、解析のそれぞれに専門の事業者があります。
判断の基準は、繰り返し発生するかどうかです。毎月発生する広告運用や記事制作は、外注しても社内で仕組みが回ります。数年に一度のサイト改修は、社内に知見を残す意味が薄く、外注が合理的です。
ただし、何を作るかの企画と、結果の解釈は社内に残します。ここを外に出すと、成果が出ない理由が蓄積せず、業者を替えても同じ結果になります。依頼するときは、目的と判断基準を文書にして渡すと認識のずれが減ります。
出典と注記
検索の仕組みは Google 検索セントラルの公式ガイド、ディメンションと指標の説明は Google アナリティクス ヘルプに基づきます。5分類と組み合わせ方は、当社が支援の現場で用いている整理であり、公的に定められた区分ではありません。成果までの期間や費用は、業種と競合状況によって変わります。
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