見込み客とは、名前と連絡先が分かっていて、まだ顧客になっていない相手を指します。訪問者を見込み客に変えるには、連絡先を教えてもらう理由が必要です。この記事では、接点の作り方、連絡先を得るための交換材料の設計、集めた後の管理までを順に解説します。
見込み客を集める2つの工程
見込み客の獲得は、2つの工程に分かれます。
接点をつくる工程は、まだ自社を知らない人に出会う部分です。検索、広告、SNS、展示会などが該当します。
連絡先を得る工程は、訪問した人に名前と連絡先を教えてもらう部分です。資料請求、問い合わせ、セミナー申込などが該当します。
この2つは別の問題です。訪問は多いのに見込み客が増えない場合、後者に原因があります。逆に、連絡先を得る仕組みが整っていても、訪問がなければ数は増えません。どちらが足りないかを先に確認することが出発点になります。
接点をつくる
接点の作り方は、相手の状態で分けると選びやすくなります。
すでに探している人には、検索とリスティング広告、比較サイトが届きます。困りごとを自覚しているため、そのまま連絡先を得られる可能性が高い層です。
まだ探していない人には、SNS、ディスプレイ広告、セミナー、展示会が届きます。すぐには動きませんが、将来の需要として蓄積されます。
すでに接点がある人には、メール、既存顧客からの紹介が効きます。関係ができているため、最も費用がかかりません。
限られた資源で始めるなら、すでに探している人から着手します。成果までが短く、効果の確認も速いためです。
連絡先を得る交換材料
訪問者が連絡先を教えるのは、それに見合うものが得られるときだけです。何を渡すかを設計します。
資料:サービス案内、料金表、比較資料、チェックリストなど。ダウンロード形式にすると、社内で共有される利点もあります。
セミナー・相談会:参加登録の形で連絡先を得ます。関心の高い層が集まります。
診断・見積もり:入力内容に応じた結果を返す形式です。相手にとって具体的な価値があり、こちらは状況を把握できます。
メールでの継続情報:定期的に役立つ情報を送る形です。今すぐ動かない層との接点を保てます。
設計で重要なのは、渡すものが相手の困りごとに対応していることです。Googleは公式ドキュメントで、ユーザーを第一に考えた有用なコンテンツの重要性を説明しています。会社案内をダウンロード資料にしても、相手の役に立たなければ交換は成立しません。
入力の負担を下げる
連絡先を得る場面で最も多い失敗は、入力項目が多すぎることです。
最初の接触では、返信に必要な情報だけに絞ります。氏名とメールアドレスがあれば、資料は送れます。会社名、役職、電話番号、従業員数、予算、導入時期といった項目をすべて必須にすると、途中で離脱します。
詳しい情報は、関係ができてから段階的に聞くほうが集まります。資料請求のあとのメールで業種を尋ねる、相談の申込時に予算感を聞く、といった形です。
見込み客の質を保つ
数を追うと、質が下がることがあります。営業から「話にならない問い合わせが増えた」と言われる状態です。
質を保つには、入口の段階で対象を絞る情報を出すことが有効です。料金の目安、対応できる範囲、対応できない条件を明示すると、合わない相手は自ら離脱します。一見機会を減らすように見えますが、営業の時間が有効に使われるため、全体の成果は上がります。
もうひとつは、成約した見込み客の共通点を営業から聞き取り、獲得の設計に反映することです。どの経路から来た相手が成約しやすいかが分かれば、その経路に資源を寄せられます。
集めた後の管理
集めた連絡先を管理できていないと、獲得の努力が無駄になります。
最低限必要なのは、1箇所にまとまっていることです。名刺、フォームの送信内容、セミナーの参加者名簿が別々に保管されていると、誰に何を送ったか分からなくなります。表計算ソフトでも構わないので、統合します。
記録する項目は、連絡先に加えて、いつ・どの経路で・何をきっかけに接点ができたかです。この情報があると、その後の連絡内容を相手に合わせられます。
個人情報を扱うため、取得の目的を明示し、同意なく第三者へ提供しないこと、保管と削除の方針を決めておくことが前提になります。
計測の設計
見込み客の獲得は、数字で管理できます。
Googleアナリティクスの公式ヘルプでは、重要な行動をキーイベントとして計測できると説明されています。資料請求や問い合わせをキーイベントに設定すれば、経路別の獲得数が分かります。
見るべき数字は3つです。獲得数(何件の連絡先が得られたか)、経路別の内訳(どこから来ているか)、成約に至った割合(質が保たれているか)。3つ目を見ずに数だけを追うと、質の低下に気づけません。
この記事のまとめ
見込み客の獲得は、接点をつくる工程と連絡先を得る工程に分かれます。どちらが足りないかを先に確認します。
連絡先を得るには、相手の困りごとに対応した交換材料が必要です。入力項目は最小限にし、詳しい情報は関係ができてから段階的に聞きます。数だけでなく成約に至った割合まで見ることで、質の低下に気づけます。
資料の作り方
連絡先と交換する資料は、量より内容の対応が重要です。
題材は問い合わせから拾う:実際に受けた質問をまとめた資料は、同じ疑問を持つ人に届きます。想像で作るより確実です。
社内で共有できる形にする:BtoBでは、資料が担当者から上司へ回ります。1枚で概要が分かる構成にしておくと、社内の検討で使われます。
自社の宣伝を主にしない:資料の大半が会社紹介だと、次に読まれません。役に立つ内容が中心にあり、最後に自社の案内がある構成にします。
更新日を入れる:古い情報が載っていると信頼を損ないます。日付を入れておけば、更新の必要性にも気づけます。
メールでの接触設計
連絡先を得た後、どう接触するかを決めておきます。
最初の1通は自動で送る:資料請求の直後は関心が最も高い時点です。ここで届く内容が定型的すぎると、次から開かれなくなります。
2通目以降の間隔を決める:頻度が高すぎると解除され、空きすぎると忘れられます。事業の検討期間に合わせて決めます。
送る内容を先に用意する:都度考えると続きません。事例、選び方、よくある失敗など、数本分を先に作っておきます。
解除の導線を分かりやすくする:解除しにくいと、迷惑メールとして扱われます。結果として届く率が下がります。
個人情報の扱い
見込み客の連絡先は個人情報です。集める前に、扱いの方針を決めておきます。
取得の目的を明示する:フォームの近くに、何のために使うのかを書きます。
同意なく第三者へ提供しない:グループ会社や提携先への共有も、事前に明示していなければ提供できません。
保管の場所と期間を決める:誰がアクセスできるか、いつまで保管するかを決めます。
削除の依頼に応じる仕組みを持つ:連絡先を消してほしいという求めに応じられる状態にします。
これらはプライバシーポリシーに書くだけでなく、実際の運用と記載が一致していることが重要です。記載と実態がずれていると、問題が起きたときに説明できません。
出典と注記
キーイベントの計測は Google アナリティクス ヘルプ、コンテンツ制作の考え方は Google 検索セントラルの公式ドキュメントに基づきます。工程の分け方や交換材料の設計は、当社が支援の現場で用いている整理であり、公的に定められた区分ではありません。
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