「ホームページを作ったが問い合わせが来ない」という相談を受けます。多くの場合、原因は作りではなく、人が来ていないか、来た人が判断できないかのどちらかです。 この記事では、切り分けと進め方を整理します。
最初に切り分ける
集客の問題は、3つの段階のどこかで止まっています。どこで止まっているかによって、打つ手が変わります。
そもそも人が来ていない:流入の問題です。経路を作る必要があります。
来ているが、すぐ帰る:内容か表示の問題です。
読まれているが、問い合わせがない:判断材料か導線の問題です。
アクセス解析を設定していないと、この切り分けができません。 まず現状を見られる状態にします。
流入をつくる4つの経路
検索:時間はかかりますが、費用を止めても流入が続きます。蓄積型です。
広告:費用を払っている間だけ表示されます。速く、制御しやすい経路です。
SNS・動画:発信を続ける必要がありますが、認知を広げられます。
既存顧客・紹介:最も成約に近い経路です。名刺、請求書、メールの署名にURLを入れるだけでも入口になります。
1つに絞らず、事業の段階で配分を変えます。 急ぐなら広告、蓄積するなら検索です。
検索からの流入をつくる
Googleの公式SEOスターターガイドでは、ユーザーが探している内容にページが答えているかが重要である旨が説明されています。
顧客から受けている質問に答えるページを作る:需要が確認されている題材です。
判断材料を載せる:料金の目安、対応範囲、手順、条件。検討している人は、これがないと比較できません。
地域を含む語に対応する:地域で商売をしている場合、対応エリアを明示します。
検索の管理ツールで確認する:どの語で表示されているか。想定と違えば、内容がずれています。
時間がかかる経路であることを前提にします。 短期で判断すると続きません。
受け皿を整える
流入が増えても、来た人が判断できなければ問い合わせにはつながりません。
何をしている事業者かが分かるか:トップを開いて数秒で伝わるか。
判断材料があるか:料金、対応範囲、条件、実績。
次に何をすればよいか示されているか:問い合わせ、資料請求、電話。ページの終わりに導線がないと、そこで止まります。
連絡手段が分かるか:電話をかけたい人、フォームで送りたい人。両方に対応します。
不安を解消しているか:よくある質問、対応の流れ、事例。
表示と操作を確認する
Google 検索セントラルの「ページ エクスペリエンス」では、自己評価の観点が示されています。
ページの Core Web Vitals は良好な状態か。
ページは安全な方法で配信されているか。
コンテンツはモバイル デバイス上で適切に表示されているか。
主要なコンテンツを妨害したり注意をそらしたりするほどの大量の広告を掲載することを回避できているか。
煩わしいインタースティシャルの使用が避けられているか。
メイン コンテンツとその他のコンテンツを簡単に区別できるように設計されているか。
同じドキュメントでは、単一の「ページ エクスペリエンス シグナル」は存在せず、コア ランキング システムではさまざまなシグナルが評価されると説明されています。また、ツールで良い結果が得られても上位表示が保証されるわけではなく、SEO上の理由のためだけに満点を取ろうとするのは有効な時間の使い方とは言えないとも示されています。
点数を追うのではなく、極端に悪い状態を避けるという理解が実務に合います。
問い合わせを増やす
フォームの項目を減らす:必須項目が多いほど、途中でやめる人が増えます。
電話番号を出す:業種によっては、フォームより電話のほうが使われます。
営業時間を明示する:いつ連絡がつくかが分からないと、送るのをためらいます。
返信の目安を書く:いつ返事が来るかを示します。
送信後の画面を用意する:受け付けたことが分かる状態にします。
実際に送って確認する:届いていない状態で運用している例が、想像より多くあります。
測り方
見る順番があります。 流入 → 行動 → 成果。
流入:どの経路から、どれだけ来ているか。
行動:どのページが読まれ、どこで離脱しているか。
成果:問い合わせ、電話、資料請求の件数。
経路ごとに成果を分けて見ます。 検索からの問い合わせと、広告からの問い合わせでは、質も費用も違います。
月ごとの変動に反応しません。 3か月の傾向で判断します。
改善の順番
成果に近いところから直します。 流入を増やす前に、受け皿を整えるほうが効率的です。
第1段階:問い合わせの動作確認:届いているか。ここが壊れていると、他はすべて無駄です。
第2段階:判断材料の追加:料金、対応範囲、条件、事例。
第3段階:導線の整備:各ページの終わりに、次の行動を示します。
第4段階:流入の拡大:記事、広告、SNS。
第5段階:継続と改善:数値を見て、1箇所ずつ直します。
やってはいけないこと
作って放置する:情報が古くなり、信頼を損ないます。
確認できない数値を載せる:実績や対応件数は、確認できる範囲で書きます。
成果を保証する表現を使う:「必ず」「確実に」といった表現は、施策の説明として成立しません。前提条件を併記します。
流入だけを増やす:受け皿がないまま人を集めても、成果になりません。
測定せずに直す:どこが問題か分からないまま変えても、判断できません。
業種による経路の選び方
同じ配分で始める必要はありません。 業種によって、効きやすい経路が違います。
地域で商売をしている:地域を含む検索と、地図からの流入が中心になります。自社サイトだけでなく、ビジネス情報の整備も必要です。
専門性が高いサービス:検索する人は少なくても、探している人には確実に届きます。検索回数の少なさを理由に外さないようにします。
検討期間が長い商材:一度の来訪では決まりません。資料請求やメールでの接点をつくり、複数回の来訪を前提にします。
単価が低く数が必要な商材:広告の費用対効果が合いにくくなります。検索とSNSの比重を上げる判断があります。
紹介が中心の事業:サイトは「調べられたときに信頼される場所」として設計します。集客の主戦場ではありません。
続けるための体制
担当と時間を決める:週に何時間を充てるか。決めないと他の業務に押し出されます。
材料の集め方を決める:問い合わせの内容、商談での質問を記録し、記事や説明の材料として溜めます。
見る指標を決める:流入、行動、成果。毎月同じ形式で並べます。
判断の周期を決める:月次で数値、四半期で方針。短期の変動で方針を変えないようにします。
この記事のまとめ
集客の問題は、人が来ていない、来ても帰る、読まれても問い合わせがない、のどこかで止まっています。まずアクセス解析を設定し、切り分けます。
流入の経路は、検索、広告、SNS・動画、既存顧客・紹介の4つです。急ぐなら広告、蓄積するなら検索という使い分けをします。
受け皿として、事業内容、判断材料、次の行動、連絡手段を整えます。改善は成果に近いところから行い、まず問い合わせが実際に届くかを確認します。
出典と注記
ページ制作の考え方は Google 検索セントラル「Google 公式 SEO スターター ガイド」、表示と操作の自己評価の観点および順位との関係は同「ページ エクスペリエンスと Google 検索結果への影響」に基づきます(いずれも確認日 2026年8月20日時点)。検索の仕様とガイドラインは更新されるため、実務では最新の記載を確認してください。 切り分けと改善の順番は当社が支援の現場で用いている整理です。集客の成果を保証するものではありません。
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