住宅ローンを借り換えて総返済額・毎月の返済額などの支出を減らす節約方法

支出を減らす方法の一つとして「住宅ローン借り換えで総返済額・毎月の返済額を下げる」という方法があります。今回は、住宅ローンを借り換えることで、毎月のローン返済額を下げて、家計の節約をする方法をご紹介します。

この記事の著者

ファイナンシャルプランナー

MONEQまねく

ファイナンシャルプランナー 兼 投資家 兼 IT企業の経営者です。事業経営歴が10年以上、投資総額は10億円以上、ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、M&A、不動産投資、株式投資など幅広い投資を行っています。これらの経験から、お金を増やす方法、お金を増やせるサービスを、実体験をもとに評価し、紹介しています。

支出を減らす方法「住宅ローン借り換えで総返済額・毎月の返済額を下げる」とは?

住宅ローンを借り換えることで、総返済額と毎月の返済額を減らす

「住宅ローンって、借り換えを利用すれば大幅に毎月の返済額を減らせるってしってましたか?」

「借り換えについては知っていたのですが、そんなに毎月の返済額は安くなるのですか?」

はい。まず借り換えについて説明します。

住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの契約中に、別の住宅ローンを組みなおして、その借入額で、現在借り入れ中の住宅ローンを完済することで、新しい住宅ローンに借り換え先を変えること

を言います。

わかりやすく言えば

  1. A銀行の住宅ローンを金利1.5%で借入をしていて、借り入れ残高が2,000万円の状態
  2. B銀行の住宅ローンの方が金利が低金利の1.0%であることに気が付いて、借り換えを申し込む
  3. 審査に取ったら、B銀行の住宅ローンが借り入れ残高の2,000万円を融資してくれる
  4. 借りた2,000万円で、現在借り入れ中のA銀行の住宅ローンを完済する
  5. 債務が結果的に、A銀行からB銀行に移る

という流れになります。

この手続きのことを「借り換え」と呼ぶのです。

「なるほど、住宅ローンを借りている最中に、別の銀行の住宅ローンに切り替えるなんてことができるのね。それがそんなにお得になるの?」

例えば

金利:1.5%金利変動なしと仮定して、2,000万円の借入残高・毎月の返済額8万円があり、これを借り換え場合の総返済額(事務手数料除く)は

  • 借り換えなし → 23,995,365円
  • 金利:1.2%の住宅ローンに借り換え → 23,026,071円
  • 金利:1.0%の住宅ローンに借り換え → 22,436,369円
  • 金利:0.8%の住宅ローンに借り換え → 21,885,878円
  • 金利:0.6%の住宅ローンに借り換え → 21,370,363円
    ・・・

となっています。

「金利が0.3%低金利になるだけで、約100万円も総返済額が安くなるんですね。」

「そうなんです。住宅ローンは、高額な借り入れであり、かつ長期の借り入れのため、金利0.1%の違いが、大きな総返済額の差になってくるのです。」

「でも、毎月の返済額も安くなるんですか?」

住宅ローンの借り換えには、2種類の方法があります。

  1. 返済期間短縮型 → 毎月の返済額を変えずに、完済までの期間を短縮する方法
  2. 返済額軽減型 → 完済までの期間を短縮せずに、毎月の返済額を下げる方法

です。

「返済額軽減型」を選択することで、毎月の返済額を大きく下げることができます。これは、家計にとっては、大きな節約と言っていいでしょう。

例えば

金利:1.5%金利変動なしと仮定して、2,000万円の借入残高・毎月の返済額8万円があり、これを借り換え場合の毎月の返済額は

  • 借り換えなし → 79,987円
  • 金利:1.2%の住宅ローンに借り換え → 77,198円
  • 金利:1.0%の住宅ローンに借り換え → 75,374円
  • 金利:0.8%の住宅ローンに借り換え → 73,577円
  • 金利:0.6%の住宅ローンに借り換え → 71,808円
    ・・・

となっています。

つまり、借り換えの条件によっては、数千円単位で、毎月のローン返済額を下げることができるのです。これは、家計にとって大きな節約と言えます。

「たしかに、数千円も、毎月の住宅ローン返済額が安くなるのであれば、すごく、家計は楽になるわ。住宅ローンを借り換えするときに注意点はありますか?」

あります。

借り換え時にも「事務手数料」が発生する点です。

住宅ローンを借入中の方は、住宅ローンを借り入れるときに事務手数料を支払っているかと思います。これが、借り換え時にももう一回発生するということです。

つまり、

金利差がない状態で借り換えをしてしまうと、事務手数料分損をしてしまう可能性がある

という点に注意が必要です。

金利:1.5%金利変動なしと仮定して、2,000万円の借入残高・毎月の返済額8万円があり、これを事務手数料率2.2%の住宅ローンに借り換えた場合の借り換えメリットは

  • 金利:1.4%の住宅ローンに借り換え → +104,630円
  • 金利:1.3%の住宅ローンに借り換え → -218,208円
  • 金利:1.2%の住宅ローンに借り換え → -529,294円
  • 金利:1.1%の住宅ローンに借り換え → -829,340円
    ・・・

となっています。

金利差が0.1%程度だと、事務手数料の方が負担が大きく、事務手数料を含む総返済額は高くなってしまうのです。

そうならないためには

現在借り入れ中の住宅ローン金利よりも、目安として0.3%以上低金利の住宅ローンに借り換えられるときにのみ借り換える

ということが重要です。

金利差が0.3%あれば、多くのケースで、借り換えメリットは出てきます。

しっかり、借り換えメリットをシミュレーションしてから検討しましょう。

支出を減らす方法「住宅ローン借り換えで総返済額・毎月の返済額を下げる」のメリットデメリット

メリット

  • 総返済額が安くなる
  • 毎月の返済額を下げることができる
  • 完済までの期間が短くすることができる

デメリット

  • 借り換え時に事務手数料が発生する
  • 借り換えの手間がある

支出を減らす方法「住宅ローン借り換えで総返済額・毎月の返済額を下げる」の手順

借り換えできる住宅ローンを探す

現在借り入れ中の住宅ローンよりも金利が0.3%以上低金利の住宅ローンがないか?常にチェックし続けることが重要です。

借り換え先の住宅ローンが見つかったら借り換えメリットを試算する

借り換え候補の住宅ローンが見つかったら、借り換えメリットがどうなるのか?実際に試算して、借り換えを実行するかどうか検討しましょう。

借り換えを決めたら、借り換え先の住宅ローンに申し込む

借り換えをすることを決めたら、借り換え先の住宅ローンに申し込みます。この段階では、現在借り入れ中の住宅ローンの担当者などには、連絡する必要はありません。

審査が通ったら、借り換えの手続きを進める

審査が通って、正式に契約になれば、現在借り入れ中の住宅ローンの銀行に完済して、住宅ローンの借り換えが完了することになります。

支出を減らす方法「住宅ローン借り換えで総返済額・毎月の返済額を下げる」の注意点

金利タイプを変えるときには注意が必要

住宅ローンには

  1. 変動金利
  2. 当初固定金利(一定期間固定金利)
  3. 全期間固定金利

の3種類の金利タイプがあります。

特徴としては

  • 変動金利:借入時の金利は低金利だが、金利変動リスクがある
  • 当初固定金利(一定期間固定金利):借入時の金利は低金利だが、一定期間後金利が上昇する
  • 全期間固定金利:借入時の金利は高金利だが、金利変動リスクがない

というものになります。

そもそもの金利設定が

変動金利 < 当初固定金利 < 全期間固定金利

になっているため

全期間固定金利から変動金利に借り換えると、大きな借り換えメリットが発生する

ことになります。

しかし、借り換えメリットは大きくなるものの、全期間固定金利から変動金利に借り換える場合には、金利上昇リスクが発生してしまいます。全期間固定金利のままであれば、今後金利が上昇しないメリットがり、それを借り換えで手放すことになってしまうからです。

同じ金利タイプでの借り換えであれば、金利上昇リスクに違いはないため、借り換えメリットの大きさだけで考えれば良いのですが、違う金利タイプに借り換える場合は、金利上昇リスクが発生する可能性があるため、じっくりメリットデメリットを検討したうえで、慎重な判断をする必要があります。

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