貯金するぐらいならローンの繰り上げ返済をして支出を減らす節約方法

支出を減らす方法の一つとして「貯金よりもローンの繰上げ返済で毎月のローン返済額を下げる」という方法があります。今回は、貯金をするぐらいなら、その分、ローンの繰上げ返済をすることで、毎月のローン返済額を下げて、家計の節約をする方法をご紹介します。

この記事の著者

ファイナンシャルプランナー

MONEQまねく

ファイナンシャルプランナー 兼 投資家 兼 IT企業の経営者です。事業経営歴が10年以上、投資総額は10億円以上、ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、M&A、不動産投資、株式投資など幅広い投資を行っています。これらの経験から、お金を増やす方法、お金を増やせるサービスを、実体験をもとに評価し、紹介しています。

支出を減らす方法「貯金よりもローンの繰上げ返済で毎月のローン返済額を下げる」とは?

貯金をする余裕があるぐらいなら、ローンの繰上げ返済を優先させることで毎月のローン返済額を下げ、家計を節約する方法

のことを言います。

「貯金よりも、ローン返済の方を優先させるのはなぜでしょうか?」

「貯金の金利よりも、ローン金利の方が100倍も、高金利だからです。」

実際に試算してみます。

例えば

住宅ローンの残債:2,000万円、毎月の返済額:8万円、金利1.0%、残り25年

というローンを抱えている方が

定期預金金利:0.1%の預金を毎月1万円積み立て貯金をしていた場合

25年間の損益は

  • 住宅ローンの総利息:-2,436,369円
  • 定期預金の総利益(税引き後):+30,049円

差し引き:-2,406,320円

です。

もし、定期預金の積み立て預金毎月1万円分を繰り上げ返済に回していた場合

25年間の損益は

  • 住宅ローンの総返済額:-2,127,011円
  • 定期預金の総利益:0円

差し引き:-2,127,011円

です。

279,309円も、貯金ではなく、繰り上げ返済に回した方がお得

という結果になるのです。

「これは、なぜでしょうか?」

当然ですが、ローン金利の方が預金金利よりも高いからです。

このケースでは

  • 住宅ローン金利:1.0%
  • 定期預金金利:0.1%

ですから、住宅ローンの方が金利が高く、住宅ローンを優先して返済した方がお得になるのです。

銀行は、預金でお金を集めて、ローンでお金を貸して、その差分(利ざや)を得るビジネスモデルです。

どんな状態になっても、基本的には「ローン金利 > 預金金利」になるのです。

これが、カードローンなどの高金利ローンであれば、さらにローン返済を有利にする必要が出てきます。
例えば

カードローンの残債:100万円、毎月の返済額:3万円、金利15.0%

というローンを抱えている方が

定期預金金利:0.1%の預金を毎月1万円積み立て貯金をしていた場合

完済まで(44カ月)の損益は

  • カードローンの総利息:-301,659円
  • 定期預金の総利益(税引き後):+806円

差し引き:-301,573円

です。

もし、定期預金の積み立て預金毎月1万円分を繰り上げ返済に回していた場合

完済まで(31カ月)の損益は

  • カードローンの総返済額:-206,497円
  • 定期預金の総利益:0円

差し引き:-206,497円

です。

95,076円も、貯金ではなく、繰り上げ返済に回した方がお得

という結果になるのです。

結論として

貯金をする余裕があるぐらいなら、どんどん繰り上げ返済に回した方がお得になる

ということです。

支出を減らす方法「貯金よりもローンの繰上げ返済で毎月のローン返済額を下げる」のメリットデメリット

メリット

  • 金銭的にお得になる
  • 完済までの期間が短くなる

デメリット

  • 貯金ならば、万が一の支払いなどに対応できるが、ローン返済に使ってしまうと万が一の支払いの対応に使えない

支出を減らす方法「貯金よりもローンの繰上げ返済で毎月のローン返済額を下げる」の手順

現状の貯金額を知る

まずは、「現在の貯金額」「現在の毎月の貯金額」を知る必要があります。金利も同時に確認しておきましょう。

ローンの繰上げ返済による利息圧縮効果を試算する

現在の毎月の貯金額を繰り上げ返済に回すと、どのくらいのローンの支払利息の削減効果があるかを試算します。

最低限の貯金額を残して、ローンの繰上げ返済に回す

万が一の支払いなどに対応できる最低限の貯金額を残したうえで、ローンの繰上げ返済に回すことで、金銭的なメリットを得ることができます。

支出を減らす方法「住宅ローン借り換えで総返済額・毎月の返済額を下げる」の注意点

100%を繰り上げ返済に回すと、万が一の支払いなどに対応できない

この節約方法での最大の注意点は

貯金をしている金額すべてを繰り上げ返済に回してしまうと、万が一の支払いなどに対応できない

という点です。

仮に1,000万円の貯金があって「いざという時のための資金はある」という方であれば、毎月の貯金額をすべて繰り上げ返済に回しても、万が一の支払い(病気などの医療費や急に職を失ったときの生活費)などに対応できるので、問題ありません。

しかし、現在の資金がほとんどない方が、貯金の100%を繰り上げ返済に回してしまうと、万が一の支払い(病気などの医療費や急に職を失ったときの生活費)などに支払えるお金が無くなってしまい、借金をせざるを得ない状況に追い込まれてしまう可能性があります。これでは、まったく意味がありません。

あくまでも、万が一の支払いなどに対応できる資金は、普通預金・定期預金で持っておいて、それ以外の貯金に回す資金があれば、すべて繰り上げ返済に回すとお得になるという点に注意が必要です。

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