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電子書籍で副業を始める
2012年にAmazonキンドルストアが登場し「電子書籍」というものが日本にも浸透し始めてきました。この6年の間で、電子書籍を出版するための環境も徐々に整ってきており、今では「書きたいこと」さえあれば、それほど難しい操作をすることなく出版できるようになっています。
また年々、電子書籍の読者数も増加傾向ですので「副業をして月数万円程度を稼ぎたい」という人にとっても、副業作家はお勧めの仕事の1つです。そこで、今回は電子書籍の特徴と、実際に出版してお金を稼ぐ方法について詳しくお伝えします。
そもそも電子書籍とは?
「電子書籍」という言葉も大分、浸透してきたとは言っても、まだ「名前は知っているけれど、電子書籍なんて利用したことがない」という人も多いのではないでしょうか?
そこで、まずは電子書籍というものについて簡単に解説します。
電子書籍というのは従来の紙の書籍と同じように本の一種なのですが、「電子」と名付けられているとおりスマホやPC、専用端末などで読むことができる本になります。
紙の書籍とは異なって、Webリンクをつけることができたり、音声出力・ハイライト・辞書検索など電子書籍ならではの機能が備わっているのが特徴です。
このように紙の本とは異なった、独自の進化を遂げている電子書籍ですが、これから副業として電子書籍で稼ぎたいと思っている人にとっては、市場規模も気になるところだと思います。
株式会社インプレスによると、2018年の電子書籍市場規模は2,550億円と予想されています。これは副業で人気の「アフィリエイト」の市場規模とほぼ同程度まで成長していますので、これから参入して副業として稼ぎたいと思っている人には絶好の参入タイミングと言えます。
出典:株式会社インプレス
では次章から、さらに電子書籍で稼ぐための具体的に話しを進めていきます。
どのような形で収入を得ることになるのか
ここまでで電子書籍の概略についてお伝えしました。次に実際、副業として電子書籍を執筆する場合、「どのような形で収入を得ることができるのか」というお金の流れについて詳しくお伝えします。
まず、電子書籍で収入を得るためには、下記の3つのステップを踏む必要があります。
- ステップ1.電子書籍を執筆する
- ステップ2.Amazonに登録する
- ステップ3.そのまま放置する
電子書籍でお金を稼ぐためには上記3つのステップを踏むだけです。つまり「原稿を書いて、Amazonに登録すれば収入が入るようになる」ということです。そして、Amazonの場合、その収入源は主に次の2つになります。
1つ目は「一般の書籍販売経由での売り上げ」です。
例えばAmazonの検索画面で、あなたの出版した本が表示され、読者が「面白そうだな」と思って購入してくれれば、それが売上となります。
Amazonでは、本が一冊売れる度に印税(ロイヤリティと呼んでいます)が入ります。印税率は35%のプランと70%のプランから選べます。電子書籍の著者としては、当然70%の印税の方が嬉しいのですが、70%の印税に設定するには35%の時よりも厳しい基準が設けられています。
35%ロイヤリティの場合
- 1.他の書店でも販売可能(例えば、楽天koboやiBooksストアなど)
- 2.電子書籍の価格を「99円〜20,000円以内」で販売できる
70%ロイヤリティの場合
- 1.電子書籍はアマゾンのみで販売しなければならない
- 2.電子書籍の販売価格は「250円〜1,375円以内」で販売しなければならない
- 3.同じ書籍の紙版よりも20%以上安くなければいけない
各ロイヤリティを受けとる基準は、上記のようになっています。Amazonだけで販売する予定であれば、75%で登録してもかまわないですし、その他の書店で販売する予定であれば、35%を選択することになります。
2つ目の収入は「Kindle Unlimited経由の売上」です。Kindle Unlimitedというのは「電子書籍の読み放題サービス」です。
2016年8月に開始された比較的新しいサービスで、ユーザーは月額980円を払うことで、Amazonに登録されている電子書籍の一部を好きなだけ読むことができます。
執筆者に対しては(全体で集められた読み放題の課金額)×(その出版者が読まれたページ数)÷(Kindle全体で読まれたページ数)で計算された金額が、毎月収入として入ってきます。現在の相場は「1ページ0.5円」前後ですので、例えば月に1,000ページ読まれれば、毎月500円があなたの収入として入ることになります。
以上、Amazonでは上記2つの方法から収入が入るようになります。アフィリエイトのように広告を出したり、毎月何かの作業をしなければいけないということはありません。基本的には、本を執筆して登録すれば、その後は自動的に収入が入る仕組みとなっています。
出版するにあたり、どんな本を書けば良いか
電子書籍を出版する方法は「書籍を執筆して、登録すれば良い」だけです。出版自体はこのように、とても簡単です。ただ、電子書籍なら何でも良いので、登録さえすれば売れて儲かると言うわけではありません。
やはり、ジャンルによって、売りやすい・売りにくいというものがあります。
折角、副業作家として電子書籍を出版するのであれば「売れやすい」本を書いた方が収入も増やしやすくなります。そこで、ここでどのようなジャンルが売れるのかについてお伝えします。
まずは、Amazonで実際に売れている「売れ筋ランキング」を確認してみます。
出典:Amazon
ここでは掲載しきれませんでしたが、6位以下も確認してもらと分かるとおり、売れるジャンルというのは大まかに言って下記のような実用系の分野が大半です。
- 1.お金関係(投資・副業・貯蓄・節約)
- 2.自己啓発・ビジネススキル(語学・営業・マインド・プレゼントなど)
- 3.健康・生活関係(健康法・ダイエット・調理)
こう言った実用性のある分野は、通年で販売しやすいため「売れる電子書籍ジャンル」の定番になっています。
一方、電子書籍では「売りにくい」ジャンルもあります。例えば「小説」や「エッセイ」です。電子書籍の読者層としては30~40代の男性が多いため、現時点では人気ランキングで上位に食い込むほどの販売は、なかなか難しいです。
ただ、どうしても小説を出版したいということであれば、小説だけを専門に扱った「カクヨム」などのサイトがあります。ですので、Amazonだけでなく他の電子書籍を取り扱う本屋さんにも登録して、販路を増やすようにしてみてください。
出典:株式会社KADOKAWA
AmazonKindleでの出版・販売方法
では、実際に自分が執筆するジャンルを決めたら、出版・販売作業に移っていきます。ここでは、AmazonKindleで出版を行うことを例にとって説明します。大まかな流れとしては4つのステップで完了です。
販売ステップ1. テキストエディタで執筆する
自分が執筆したいジャンルを見つけたら、Wordなどの文章作成ソフトでまずは原稿を書いていきます。
ただ、次のステップ2では「EPUB形式」というファイル形式に変換しなければいけません。その際、読み込むファイル形式が「リッチテキスト形式」ではなく「プレーンテキスト形式」となっています。
そのため、Wordなどを利用して原稿を作成した場合は、最後に全ての文章を「メモ帳」などににコピーしてください。その操作がよく分からなければ、最初から「メモ帳」などのテキストエディタで執筆してもかまいません。
また、「目次」などについては後で自動的に作成されますので原稿を書く際には必要ありません。本文のみを記述していきます。また、本文には「はじめに」と「おわりに」なども、必要に応じて含めるようにしてください。
販売ステップ2.EPUB形式に変換する
「プレーンテキスト形式」になった原稿を、ここでEPUB形式に変換していきます。
ただ、EPUB形式に変換する前に「見出し」などはマークダウン方式で記述していきます。マークダウンとは、特定ソフトの表記上のルールのことです。例えば、見出しならば「#見出し#」のように表記します。
このように記述することで、EPUB形式に変換された際、見出しとして表記されることになります。その他、太字やリンクなども全てマークダウン形式で記述していきます。ここではEPUB形式に変換するために「でんでんコンバーター」を利用しますので、その専用のマークダウン形式で記述してください。
「でんでんマークダウン」で原稿に必要な装飾を施したら、いよいよコンテンツをEPUB形式に変換します。方法は簡単で「でんでんコンバーター」に本のコンテンツをアップロードして、ページ送りの方向などを設定をし「変換する」ボタンを押せば完了です。
EPUB形式に変換したら、そのファイルをデスクトップなどにダウンロードしておきます。
販売ステップ3.本の表紙を作る
本の表紙を作成します。デザインソフトを使って自分で作成してもかまいませんし「ココナラ」や「ランサーズ」などのデザイナーさんに依頼しても良いと思います。また、画像サイズは「1562×2500ピクセル」にすると、Amazonでピッタリになります。
販売ステップ4.Amazonに登録する
最後にAmazonに登録します。準備物としては下記のものを用意します。
- 準備物1.ステップ2で作成した「EPUBファイル」
- 準備物2.ステップ3で作成した「電子書籍の表紙」
- 準備物3.本が売れたときに入金してもらう銀行口座
上記を用意して、下記より電子書籍の登録を進めていきます。
出典:Amazon
以上で、Amazonで電子書籍を販売する準備が完了です。
電子書籍の売り上げをもっと増やす方法
電子書籍の出版に慣れてきたら「もっと売上を伸ばしたい」と思う人も多いと思います。そこで最後に、電子書籍の販売数を上げるための秘訣を4つ紹介していきます。
秘訣その1.Amazonの検索エンジン対策を行う
通常、人はネットで何かの情報を探す場合「検索エンジン」を使います。キーワードを入力すれば、それに関連したWebサイトが表示されます。Amazonでも同様に、アマゾン内の検索エンジンを使って自分の探している書籍を見つけようとする人が多く存在します。
その検索結果に、あなたが執筆した本が表示されれば興味を持ってもらえ、購入につながる可能性が高くなります。そこで、電子書籍を執筆した際は「書籍タイトル」に気をつけてみてください。
あなたの本を読んで欲しいターゲットがどんな「キーワード」で情報を調べようとしているのかを想像し、その「キーワード」を書籍タイトルに入れるようにします。
秘訣その2.SNSを活用する
さらに売上を伸ばしたいという場合、販売を全てAmazonに任せるのではなく、積極的に自分で広報活動を行っていきます。例えば、ブログやFacebookなどのSNSを活用して「電子書籍を出版した」と言うことを告知していきます。
もし「私はSNSをしていないんです」という場合は「ココナラ」などで広報活動を支援してくれる人を見つけることもできます。例えば「ツッイターであなたの商品を紹介します」といったサービスを提供してくれている人がたくさんいますので、自分の書籍を読んでくれる層と告知対象者の層が合致していれば、依頼してみてください。
秘訣その3.表示デザインにこだわる
多くの人は「本の内容が素晴しければ、表紙なんて適当でも売れるはず」と考えていますが、それは全く正反対です。
一般の本屋さんでは立ち読みができるので、中身をある程度知った上で、お客さんが本を購入していきます。しかし、Amazonの場合、お客さんは、買う前にあなたの本の中身が素晴しいかどうかなどを判別することはできません。
結果として、表紙を見て「何となく良さそう」「自分には合わないだろう」のようなことを判断します。ですから、表紙は最大限、魅力的に見せる必要があります。
ただ、自分の力で「魅力的な表紙デザイン」を作ることは、大半の人にとって困難だと思います。そこで、「ココナラ」や「ランサーズ」を活用して、デザイナーさんに表紙の作成を依頼するようにしてください。
また、依頼する際には全て丸投げにしてしまうのではなく「このような本のデザインにしてください」という具体的な指示を出した方が良いものになります。Amazonで検索して、他書の良いデザインを見つけたら「こんな感じでお願いします」と伝えてみてください。
秘訣その4.レビューを依頼する
本の売り上げを決める上で、レビューは非常に重要です。「良いレビュー」がたくさんあれば、多くの人が興味を持ってくれます。そこで、SNSなどを経由して購入していただいたお客さんに「カスタマーレビュー」をお願いしていきます。
Facebookなどで連絡をとり「本の感想を良ければ、Amazonで投稿していただけると嬉しいです」のようなメッセージを送るようにしてみてください。普段、あなたの情報に触れている人であれば、比較的高確率で「良い評価」が得られます。
以上、4つの秘訣を紹介してきました。「Amazonの検索エンジン対策」や「表紙のデザイン」は比較的実践しやすいと思いますので、売上を上げるための施策として早めに取り組んでみてください。
まとめ
今回は、電子書籍を出版して収入を得る方法についてお伝えしました。出版方法は非常に簡単です。「原稿を書いて、EPUB形式に変換しAmazonに登録するだけ」で完了です。
執筆を完成させるまでは時間と労力がかかりますが、一度登録してしまえばあとは特に何もする必要がなく、継続収入が入ってくるようになります。「いつか作家デビューしてみたかった」という人は、ぜひ副業作家を目指して収入アップにつなげてみてください。