株やFXよりチャンスの大きい商品先物取引入門。商品先物はじめる前に知っておくべき基礎知識

2000年に入ってから、商品価格は上昇し続けています。以前として世界の商品の需要と供給のバランスは、需要に傾いているということです。小麦や大豆、金や銀などの商品価格の上昇はさらに数年は続くと見ています。よくある経済学の教科書には、需要が増えるとモノの価格が上がり、需要が減るとモノの価格は下がります。また、供給が増えるとモノの価格は下がり、供給が減るとモノの価格が上がります。

私たち人類は、供給以上の商品を消費していますから、生産が追いつかず、在庫は歴史的な低水準にあるというのが実態です。需要が増えているのに供給が減れば、モノの価格は上がる、これは、価格決定の原則です。

もし商品取引に抵抗があるなら、株式や通貨を買うのもありですが、その場合は商品投資以上に勉強をする必要があります。例えば、何百社もある石油会社の中から、儲かっていて今後も成長し続けそうな会社を見つけ出し、どこに油田を持っているのかを調べ、誰と取引をしているのかを吟味し、四半期ごとに企業の財務表を読むなどとても手間がかかります。為替取引にしても、各国の政治経済情報を調べてきちんと要点を抑えておく必要があります。それなら、難しい株式投資やFXをするより、今後値上がりするだろうと思う原油や金を直接購入すればいいのです。

商品先物取引の魅力

少ない資金で大きなリターンが狙える

商品先物取引の最大の魅力は、少ない資金で大きなリターンが狙える点にあります。例えば、東京商品取引所で金先物価格が4,800円の時に買って、4日後に4,900円で売り抜けたとします。この場合、差額の100円が儲け分になるのでしょうか。いいえ、そうではありません。実際の金先物市場で取引する量というのは、金標準取引で定められていて、一取引単位=1,000グラムと決まっています。これを取引単位として、枚と数えます。すまり、金なら最低購入単位が1枚で1,000グラム、2枚で2,000グラムとなります。また、金の価格表示が1グラムであることから、金標準取引の倍率は1,000倍ということになります。

さて、今回は金標準取引単位を最低単位の1枚買っていたとしましょう。するとその時の利益は、100円×倍率(1000)×枚数(1)で計算することができます。計算すると、10万円の利益になります。

次は、必要となる資金を見ていきましょう。具体的には取引の担保としての取引証拠金と商品先物会社に支払う委託手数料です。証拠金の額は最低66,000円です。この数字は、日本商品清算機構が投資家の取引の安全を確保するために、取引商品のリスクに応じて算出した額で、商品先物会社はそれと同額かそれ以上の金額を投資家から徴収する決まりになっています。取引手数料は商品先物会社によって、または取引のスタイルによって異なります。最近では、ネット取引が主流ですので、ここではネット取引を想定して1,000円としましょう。すると必要なお金に対する収益率は、100,000円÷67,000円で、約149%になります。金の現物で取引していたらここまでの収益率は達成できません。

商品先物取引の基本

商品先物取引をスタートする前に、必要最低限の知識を身につけてから始めた方が勝率は上がります。商品先物取引は株式やFXと同じく投資の手法の一つです。株は会社に、FXは通貨に投資するように、商品先物取引は、金やとうもろこしなどの私たちの生活に欠かせないものに投資します。では、商品取引の特徴はどのようなものなのでしょうか。それをこれから紹介していきます。

商品先物取引は実に様々な種類の商品がありますが、ここではさっきと同じく金を例にとって解説します。金投資と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは金貨やネックレス、ゴールドバーといった現物の購入でしょう。これは現物取引といって、宝飾店や貴金属店で手にとって実物を購入し、値上がりするまで金庫などで大切に保管しておいて、値が上がったら売りに行くという実にわかりやすい投資運用方法です。

また、純金積み立てという方法もあります。毎月決まった額で買い続けていくという方法で、1,000円からでも始めることができ、5,000円、11,000円ずつといった比較的少額でも金投資ができることから最近利用者が急増している投資方法です。金価格が高い時は少なく、低い時は多く買えるのが特徴で、そのおかげで相場変動のリスクを軽減できます。これをドル・コスト平均法と言います。

商品先物取引の特徴

商品先物取引にあって株とFXにないものがあります。それが限月です。簡単に言えば、取引の期限のことです。株取引やFXは資金が尽きない限り理屈の上では、買いまたは売りのエントリーからポジションはいつまでも持ち続けることができます。しかし、先物取引きでは一定の期間が過ぎるとその取引は強制的に終了になってしまいます。その強制終了される日が、納会日です。

これらの情報は、先物相場表に一覧が表示されていて、限月の他に、最新値、前日比、売り気配、買い気配、始値などの項目が並んでいます。この先物相場表から現物の需要と供給がある程度見て取れます。限月と最新値を合わせてみると、納会日に近い限月を期近、より遠い限月を期先と呼びますが、期近から期先に向かうに従って価格が高くなっているのが通常です。この限月と価格の関係は極めてノーマルな状態で、順ザヤと呼びます。期先の価格が期近よりも高いのは、納会日に現物の受け渡しを想定しているためで、その間の保険料や倉庫料が反映されているからです。

逆に期先よりも期近の価格が高くなることもあります。その逆転した状態を逆ザヤと呼びます。こうした現象が起きるのは現在目先の現物を欲しがっている人が多いためとの推測が成り立ちます。すなわち先物の先物相場表からは需給のひっ迫が読み取れるのです。もちろん需給のひっ迫が緩和し、いずれ解消されれば、それに伴って逆ザヤも解消に向かいます。商品先物取引では、限月間の価格差の拡大・縮小を狙った取引戦略がポピュラーな方法として定着しています。

商品の取引単位

商品取引所ではいろいろな商品が取引されていますが、取引単位は金は1,000グラム、原油は50キロリットルといったようにそれぞれことなります。ちょうど株式の売買単位が一株であったり100株、あるいは1,000株だったりするようなものです。また市場で値決めされる時の価格も、株式は全て一株あたりで統一されていますが、商品の場合、金は1グラム当たり、トウモロコシは1トン当たり、原油・ガソリン・灯油は1キロリットルあたりというように表示単位は様々です。この価格がいくらずつ動くかも、商品によってそれぞれ異なります。金や白金は1円刻み、大豆やトウモロコシは10円刻み、原油・ガソリン・灯油も同様に10円刻みです。この最小の値動きを、値刻みとかティックなどと呼びます。

こうしてみると難しそうですが、株もFXもこれと同じです。取引単位は、基本は1万通貨となっていますが、証券会社によっては、10万単位から受け付けるところもあれば、1,000通貨単位からでも売買ができるところもあります。また、表示価格と値刻みは、取引する通貨によって異なります。要は、取引対象によって取引量と取引単位が異なるということを覚えておけば良いのです。

レバレッジがFXより高い先物取引

自分がおこなっている取引の規模を把握するためにレバレッジはきちんと覚えておかなければなりません。例えば、あるひの金の値段が1グラム5,000円だとすれば、金標準先物取引1枚の価値は5,000円の1,000倍で500万円となります。同様に1キロリットルあたり7万3,000円のガソリンの1枚の価値は365万円です。この1枚当たりの金額を必要な証拠金で割って求めた倍率がレバレッジです。

レバレッジは単位当たりの証拠金額に対する投資効率の目安です。相場は日々変動しますが、およそのレバレッジは金が40〜50倍、ガソリンは30〜40倍。一方、取引に売買代金全額が必要な株式現物取引や金の現物取引は、レバレッジ1倍です。FXでは最大25倍まで。商品先物取引はこれらの金融商品と比べてもかなり高レバレッジであることがわかります。

では、取引を始めるのに必要最低証拠金だけあればいいのか

取引の過程で計算上の損失が生じ、一定のラインを超えて取引の継続を望む場合、証拠金の追加預託が必要になる場合があります。日本商品生産機構が定める金標準取引の最低証拠金(=PSR)は1枚当たり66,000円です。このとき商品先物取引会社は投資家が金先物を取引するにあたってこの金額以上の額を委託者証拠金として徴収する決まりになっています。ただし、最低額を徴収するか、それ以上の額を徴収するかは先物会社が決められます。つまり、取引を始めるにあたっての必要な金額は先物会社によって異なります。しかし、最低証拠金は取引の間、清算機構に預託しておかなければならない最低額ですので、自分のポジションとは逆に相場が動いて計算上の損失が生じた時は、証拠金が不足し最低額を下回ってしまいます。

このような理由があり、商品先物会社はPSRを上回る、例えばPSRの120%や130%といった額を委託者証拠金額に設定します。そして投資家の計算上の損が生じ証拠金の有効部分が委託者証拠金額を下回った状態でその日の取引を終えたら、改めて委託者証拠金の水準になるように追加の証拠金を求めるのです。

しかし、仮に120%や130%の水準の証拠金を預けていたとしても、金価格が10円や20円不利な動きをすれば、追加預託が必要になります。実際、金価格が数日で、10円20円動くことはそうめずらしい事でもありません。このため投資家は自分がポジションを持とうと思っている商品に必要な最低証拠金額よりもかなり多めの金額を預託するのが一般的です。預託額と必要証拠金額の関係は、一概にどうすればいいかとは言えませんが、証拠金最低額が30万円なら、預託額は3倍の90万円。証拠金最低額の3倍を一つの目安にしている投資家が多いようです。

どんな商品があるのか

金は、古今東西いつでも普遍的な価値を認められてきた物質です。投資の世界では、有事の金と称され、世界情勢の混迷時には、安定を求める資金が金に集中します。株式は会社が、通貨は各国の中央銀行が発行しています。株式や通貨の価値は発行元である会社や国の信用によって保証されていますが、原材料的にはただの紙切れにすぎません。みんながその国や会社の価値を信用しているから機能しているのです。状況次第ではただの紙切れに戻ることも考えられます。それは、多くの金融商品も同じです。しかし、金が無価値になることはありません。発行体の信用リスクとは無縁の投資対象だからです。

金は、99年を節目に上昇に転じ、2000年以降はほぼ毎年価格を切り上げています。金の価値の見直しは01年9月11日の米国同時多発テロをきっかけに顕在になりました。これはテロリズムという地政学リスクというの顕在化を意味します。そうした中で、まさに絶妙なタイミングで初の金ETFが誕生しました。それに飛びついたのがより安全な投資先を求める機関投資家たちです。金現物を保有することでかかる売買コストや維持管理コストなどがなくなり、取引が容易になったからです。

プラチナ

近年のプラチナの注目度は金をも超えているかもしれません。国際プラチナ協会によれば、2011年の中国の白金需要は152万5,000オンスで、ジュエリー消費で世界トップに躍り出たことがわかりました。日本でもプラチナの人気は高く、一般的には宝飾品や装飾品のイメージが定着しています。

ところが実際は、プラチナの用途の50%以上が工業用なのです。プラチナは、非腐食性、耐酸性、耐アルカリ性、高耐久性、融点の高さなどの優れた特性を有しています。このような理由から、化学、電気、ガラス製造などの分野で多くが消費されているのです。特に触媒として高い活性を持っていることから、自動車の排ガス除去装置の触媒としての需要を大きく伸ばしています。このためプラチナは自動車産業関連の商品として、その価格が自動車の生産動向に影響される場合があります。

ガソリン・灯油

ガソリンと灯油は他の商品と比べて値動きが激しいため短期投資家に人気の商品です。1日の中でも高値と安値の差が大きく、さらにその高値安値にいたる過程でも上下幅があるため、細かい利ざやを取りやすいとの指摘もあります。

ガソリンも灯油も原油を精製して生産する石油製品です。このためガソリンと灯油の価格は原油価格に強い連動性があります。産油国の生産動向、現在の消費動向の変化、そして日本にとっては輸入商品であることから為替の影響があげられます。

ガソリン独自の価格変動要因としてまず注目すべきは自動車の燃料としての需要の変化です。一般的には夏場に需要のピークを迎え、冬場に向けて後退していくという季節性が見られます。これに伴い在庫量が増減し、生産量との関係で価格が変動します。特にレジャー用需要の増減は見逃せないタイミングです。帰省シーズン、年末年始やゴールデンウィークなど休暇が重なる時期は好天なら需要は増加し、悪天候なら需要は減少することが予想できます。

灯油の需要のピークは、ガソリンと違って冬場に迎えます。灯油の主な用途が、暖房用燃料としての消費が主であることからです。ですので、価格は冬に高く、夏場にかけて後退するのが一般的です。

原油

原油は私たちの身の回りにある多くの製品の原材料に含まれています。ガソリン、灯油、プロパン、重油などの石油製品は当然ながら、プラスチックや紙、繊維などの工業品の生産にも原材料や燃料として使われています。このため原油価格の変動は日常生活に様々な影響を与えます。原油価格を動かすのは産油国の生産動向、国際的な政治経済情勢、テロリズムや紛争、為替、投機マネーの流入など様々です。原油価格は世界のあらゆる事象に敏感に反応します。

原油は、消費地に対応し北米市場、欧州市場、アジア市場が形成されています。日本の原油先物価格は中東産原油の価格に連動していますが、事実上、シカゴ・マーカンタイル取引所グループのWTI原油価格という代表的な指標に追随して動くと言われています。日本国内の指標だけでなく、外国市場の価格にも目を配っておく必要があります。

その他の製品

その他の先物商品には、大豆、トウモロコシ、砂糖、ゴム、コメなどさまざまな商品があります。取引できる商品は現在の生活には欠かせないものばかりなので、専門的な知識がなくともどういう時に需要が高まるか、などある程度は予想できると思います。そして、すこしずつ知識を蓄えていってその精度を高めていけば利益も上がってきます。

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