債券でお金を増やす!初心者のための債券入門!債券価格が変動する仕組み・リスクは?

いろいろな投資がある中で、債券は比較的安全に取り組むことができる、初心者にもおすすめの投資方法ですが、債券のことがよくわからずに敬遠してしまう人も少なくないでしょう。

債券の仕組みさえわかれば、意外とシンプルで安全に利益を得ることができるのだと納得がいきます。債券の仕組みとはどのようなものなのでしょうか。果たして、債券でお金を増やしていくことはできるのでしょうか。

今回は、初心者のための債券入門として、債券とは何なのか、どのような仕組みになっているのか、さらには金利や価格、リスクなどについてわかりやすく解説致します。

債券とは?

債券とは、現金と同じ価値を持った証明書であり、それを現金に換えたり売買したりすることができるもので、証券とも呼ばれるものです。それでは最初に債券とは何かをご説明する前に、まずは、そもそも証券とは何なのかを理解しておきたいと思います。

証券とは何なのか

証券の定義は、一定の財産、権利や義務に関して記載されたもので、法的な効力を持った証明書になります。証券には、証拠証券と有価証券の2つに大きく分かれますが、それぞれの特徴を大まかに解説しましょう。

証拠証券
証拠証券とは、宅配便を出した際の運送券、クリーニングの引換券、保険証券などの、ある品物を購入したという事実を証明するものです。現金を支払ったことを意味しますが、それを現金に換えることはできません。

有価証券
有価証券とは、その証券を所有する者が、ある財産を有していることを証明するものであり、現金に換えたり売買することが可能なものを言います。株券、債券、手型などが代表的なもので、証券とは呼びませんが乗車券、入場券なども証券と同じような性質を持っています。

債券はこの有価証券に属する法的効力を持った現金引換書のようなものです。

債券のしくみ

それでは、もっと詳しく債券について解説していきましょう。

債券は、国、地方自治体、企業、各種団体や組織などは発行する証券になります。債券を発行する目的は、幅広く投資機関や一般の投資家たちから資金を一時的に調達することなのです。資金を調達するという意味では株式も似たようなものになりますが、購入時点で金利満期日額面などが定められていいることに大きな違いがあります。

額面とは、債券の償還価格のことを言います。購入する際には、その時の債券の発行価格に応じてその金額を支払いますが、基本的に償還される金額と購入する価格に大差ないものが多くなります。(債券の種類によっては差額が大きくなるので注意して下さい)

償還日に受け取れる額面が記載されてある債券は、言い換えれば元本が保証されてあるようなものです。

Woman
額面が定められているとは、どういうことなの?
Expert
額面というのは、償還金とも呼ばれるもので、満期日に受け取ることのできる金額のことを言います。購入する際には、数年後の満期日に償還される価格がわかっているから安心なのです。そして、満期日がくるまでの間は金利を受け取ることができるのです。
債券を購入するということは、投資をするというイメージよりも、お金を決められた期間だけ国や企業に貸しておきます、というイメージに近くなります。

 

 

 

 

 

債券の発行条件

資金を調達したい、企業や国などが購入してもらうことを目的に債券を発行する時に、発行条件というものが公表されます。法的効力を持った証券の1つである債券には、その債券の詳細が記載されてあります。

※債券が発行されるイメージ

出典:野村証券  債券入門 参考URL

発行される債券はそれぞれ発行条件(額面や金利、満期日など)が異なり、投資家たちは自分の要望に合ったものを探すことができます。

発行条件の内容とは以下のようなものです。

価格
発行条件に記載されてある価格とは、その債券を購入する際の価格のことをいいます。債券の価格は基本的に100円単位で記載される決まりになっており、100円の債権がいくらなのかが表示されてあります。

価格の表示方法はいくつかあり・・・

価格/100円につき100円→とある場合は100円=100円で計算した金額になり、10万円分の債券を購入する際に10万円を支払います。

価格/額面100%→と表示されてある場合は額面(償還金額)10万円に対して100%の10万円で購入できるということになります。

※100円の債権の発行価格は90円だったり、110円になったりと変動する場合があります。購入する時の価格(発行価格)と償還価格の差額がどうなのかを確認してから購入するようにして下さい。

額面
額面とはその債券の償還日に払われる金額を表記したものです。

額面/100円につき100円→となっている場合は10万円分購入したのであれば10万円が戻ってくるということになります。

額面/価格の100%→となっている場合は同様に、10万円で購入したものが10万円で償還されるということです。

※額面と価格は常に同じ金額だとは限らないので注意しましょう。とくに外国債券の場合はその時の為替レートに左右されてしまいますので注意して下さい。

利率
債券が満期日を迎えるまでに、支払われる金利のことをいいます。
年率で表記され、例えば年に2回の場合は年率÷2で計算されます。

利払い日
利払い日とは金利が支払われる期日を記載したものです。

満期日
満期日とは、償還日、払い戻し(貸したお金が返済される)がいつなのかを記載したものです。

 

以上が債券が発行される際に表記されている発行条件の基本的な内容になります。近年では、債券の現物を見ることはほとんどなく、債券を購入した時点で金融機関への保護預かりとして自動的に手続きされています。債券の発行条件等は、購入した金融機関にて常時確認できるようになっています。

それでは、次に債券にはどのような種類があるのかをご紹介していきます。

債券の種類

債券を発行するのは国や企業になりますが、まずは発行体別に債券を分類してみました。

発行体による債券の種類

国債
世界中で各国の政府が発行している債券で、通常、国債という時は日本国債のことを意味しています。

外国債券
国債も含めて、外国で発行される債券を総称して外国債券と呼ばれています。

地方債
地方自治体が発行する債券のことをいいます。

社債
企業が発行する債券のことです。

通貨による債券の種類

円建て債券
円で取引きされ、金利も円で支払われるもののことです。

外貨建て債券
外貨建てで取引され、金利も外貨で支払われるものです。

デュアルカレンシー債券
外貨建てと円貨建てが混合した債券のことをいいます。

利息の支払い方法による債券の種類

固定利付型→金利の金額が固定で定まっているもの

変動利付型→金利がその時の市場の価格によって変動していくもの

割引き債→金利がつかず、額面より割引されて購入できるもの

債券の購入方法

国債の場合は、銀行、証券会社などのほとんどの証券会社で取り扱っています。外国債券の場合は、証券会社から購入することができます。

銀行、証券会社の債券取引用の口座を開設して、債券の売買を行うことができます。

国債に関する情報は・・・

その他債券全般に関する情報は・・・

※国債以外の債券は、それぞれ購入できる証券会社が異なりますので注意して下さい。

以上のように様々な種類の債券があり、各金融機関にて、簡単に購入することができる債券ですが、債券を購入する魅力は一体何なのでしょうか。その他の投資とどのように異なったメリットがあるのかを見ていきましょう。

債券の魅力

投資をするからには、それなりに利益を期待できるものでなければ意味がありません。債券は購入時に償還金額がわがっている分、株式やFXのように大きく稼ぐことは難しくなりますが、損失のリスクを抑えてほぼ確実に利益を期待できる手堅い投資方法で、初心者から経験豊富な投資家まで幅広く好まれている投資方法になります。

債券でお金を増やす方法

債券でお金を増やす方法は大まかに3つの方法があります。

  1. 金利で増やす
  2. 償還差益で増やす
  3. 為替差益で増やす

以上の3つの方法がありますが、それぞれどのような方法なのかをご説明していきます。

金利で増やす

債券を購入すると、満期時までの間に定期的に金利が支払われることをすでにご説明しましたが、だいたいどれくらいの金利を期待することができるのでしょうか。

債券の種類に応じて、いくつか例を挙げておきたいと思います。

国債の金利
日本国債の代表的なものに、変動10年、固定5年、固定3年などがあり、それぞれ発行月によって発行条件、金利の条件が異なります。

概ねのところでは、利率が0.05%~0.70%前後のものが多くなります。
仮に0.60の金利がついたとすれば、10万円で年間の金利は600円、100万円であれば年間6,000円の金利がつくことになります。これを5年間、10年間受け取ったとすれば、ほぼ元本を崩すことなく金利による利益を得ることが可能になります。

外国債の金利
外国債の場合は、国内の債券に比べると金利が高くなり、アメリカもので2.00%~3.50%くらい、ヨーロッパ系だと1.50%~2.5%くらいの金利(年率)が期待できます。

さらに、新興国債券は高金利債券とも言われており4.0%~7.0%前後のものも多く、中には10%を超えるものを探すこともできます。

外国債はかなり高い金利が期待できますが、為替差益によるデメリットも考慮しなければなりません。債券の為替差益に関してはまた、後ほどご説明します。

償還差益で増やす

債券でお金を増やす方法には、金利以外にも償還差益で利益を得る方法があります。

償還差益とは・・・

購入価格よりも償還価格(満期日に償還される金額)が高くなれば、その差額が利益となります。例えば、9万5千円で購入した債券が満期時に10万円で償還されるとすれば金利意外に5千円の利益を得たことになります。

また、中途換金によって償還差益で利益を得る方法もあります。

中途換金とは・・・

基本的に債券は満期日にならなくとも、いつでも売却することが可能であり、中途で売却する際にはその時の債券の市場価格で取引されることになります。債券の市場価格はつねに変動しており、購入価格や満期時の額面よりも上がったり下がったりと変動し続けています。

債券の価格変動のしくみは・・・

どのような金融商品も、その時の世界経済の動きやその他の様々な要因によって影響を受けてしまいます。債券は国債を問わず常に世界中の市場で誰かが売買を行っています。売る人の数が増えると債券の価格は下がってしまい、買う人の数が増えると価格は上がっていきます。

さらに、債券独特の価格のしくみとして、金利の動きが関わってきます。市場でのトータルの債券価格のバランスを取るために、金利が上昇すると債券の価格は下がり、金利が下降すると債券価格は上昇していく仕組みになっています。

金利の動きや、債券の売買数、その時の市場の動きによって債券の価格は変動していくということです。

中途換金で利益を得る

このような市場の債券価格の変動を利用して、償還差益で利益を狙うことも可能になります。満期5年、100万円で償還される債券が、3年後に価格が上昇して102万になったとします。そうすると102万円で売却すれば、償還差益で2万円の利益を得たことになるのです。

仮に3年後の価格が98万円に下がったとすれば、満期まで持っていれば100万円で償還されるので、満期日まで待つことを選ぶことができるのです。

為替差益で増やす

そして、もう1つの債券でお金を増やす方法は、為替差益を利用する方法です。

外国債券は通常、外貨建てになっています。国内で発行される債券にも外貨建ても債券があります。外貨建ての場合は円高時に購入して、円安時に換金することで為替差益による利益を期待することができます。

為替差益とは・・・

100円をドルに両替する時には、世界的な指標となる為替レートが基準となります。為替レートもその他の金融商品同様にその時の市場の動きによって、常に変動しており、上がったり下がったりしています。

例えば・・・

1ドルが100円の時に1,000ドル分の米国債券を購入したとします。その時の購入価格は10万円でした。

10万円で購入した1,000ドルの債券は、満期時に1,000ドルで償還されました。ところが、その時の為替レートが1ドル120円だったとします。

そうすると1,000ドルを日本円に両替したら12万円になります。ということは、償還差益として2万円の利益を得たことになるのです。

※金利、償還差益による利益から税金20.315%が差し引かれます。中途換金の場合は、その債券によって受け取り済みの金利が規約に応じて差し引かれるものがありますので、トータルでの利益がどうなるのかを計算するようにして下さい。

元本保証

債券投資を始める最大限の魅力とは、やはり元本がほぼ100%保証されていることでしょう。

購入時に、それが満期日にいくらになるというのが確認できる債券は、初心者でも安心して取り組むことができる投資方法になります。

ただ、中途換金をした際の債券価格、その時の金利の動き(固定利付以外)や為替差益によって損失が出る場合もあります。

債券のリスク

債券投資はその他の投資に比べ、比較的安全に利益を得ることができる投資方法になりますが、リスクがあることもしっかりと把握した上で購入を考えていきましょう。

それでは、債券のリスクをご説明したいと思います。

信用リスク

信用リスクとは、国や企業などの発行体によっては、破綻してしまう恐れがあるということです。債券のしくみは、単純に一定期間の間だけお金を貸すことになるので、貸したお金を約束通りの期日に返してもらわなければなりません。

しかし、もし発行体が破綻してしまったら、借金の返済ができなくなってしまいます。この状態を債務不履行といい、債務不履行になった企業や国は法的な返済の義務を負わないことになり、私達が購入した債券はただの紙クズになってしまうのです。

従って、金利の高さを重視して信用度の低い債券を購入することはリスクが高くなります。

価格変動リスク

価格変動リスクとは、中途換金の際に生じるリスクですが、その時の市場の債券価格によっては償還差益によって損失を出す恐れがあるということです。

投資に使う資金は、債券だけに限らず使う予定のないものを使わないと、不利な条件であるにも関わらず換金せざる得ない状況になってしまいかねません。

為替変動リスク

為替変動リスクが生じるのは、外貨建ての債券に関してですが、為替レートは常に変動しており、その為替レートの動きによる為替差益は大きなメリットでもあり、大きなデメリットともなり得ます。

債券は長期で保有していくものなので、3年後、5年後に為替レートがどのように動いているのかは誰にもわからないことです。ですから、極力、円高傾向にある時に外国建ての債券を購入しないと損失を出す確率が高くなってしまいます。

まとめ

今回は、債券の仕組みや、価格変動、金利、債券の魅力やリスクについて解説してみました。債券の仕組みが分かってみると、意外とシンプルで安全な投資方法だということがわかります。

債券は、

  1. 元本がほぼ保証されている
  2. 金利で増やすことができる
  3. 償還差益で増やすことができる
  4. 為替差益で増やすことができる
  5. 信用度、価格変動、為替差益などから損失するリスクもある

という内容の投資方法になります。

債券の種類は、今回ご説明したもの以外にも、株式と連動したものや、株式に交換できるものや、金利がつかず売買目的で購入する債券、企業が発行する社債などまだまだ多くの種類があり、知れば知るほど利益を得る方法が多岐に渡っていて、相性が合う人にとっては非常に魅力のある投資方法であります。

まずは日本国債券や米国債券などのメジャーなものから始めてみて、債券の面白さを覗いてみませんか?

 

コメントを残す