先物取引の具体的なメリット・デメリットとは?

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「先物投資はメリットよりもデメリットの方が大きい」

こんなことがよく言われています。たしかにリスクは低くはない投資方法です。

とはいえ、

  • そもそも先物投資のメリットがよくわかっていない
  • デメリットも他の投資と比べるとどれほどのものなのかわからない

という方も多いと思います。

そこでこの記事ではそんな先物投資に関するメリット・デメリットを解説していきます。

具体的には

  • 先物投資に共通する特徴
  • 商品先物と日経先物のメリット・デメリット
  • 先物投資を始める前に準備しておきたいこと

の順番にポイントを解説していきます。

先物投資を始めようとしている方は是非とも参考にしてみてくださいね。

先物投資は儲かるのか?

先物取引は他の投資と比べても昔から存在する投資方法の一つであるにもかかわらず、株式投資やFXのように知名度はそこまで高くありません。また、始めるにあたっても難しそう、リスクが高いというイメージが定着しています。

確かに先物投資は簡単な投資方法ではありませんし、何もしないうちに大きな損失を出してしまってそのまま市場から退場なんてことも十分にありえます。他の投資と比べてもリスクは高めかもしれません。

しかし、それゆえにメリットも多くあり短期間で利益を出せる仕組みが整っているのです。先物投資は株式投資のように現物だけのやり取りでは無いですし、FXのように現在の価格を基準に行う取引でもない独特の特徴があります。

その独特の特徴があるがゆえに「難しそう」というイメージが先行しているのでしょう。そして先物取引には大きく分けて2種類存在しており、金融先物と商品先物があります。この2つも仕組みは概ね同じですが異なる点もあるため、よけいに難しくしているです。

そのため、まずは先物投資全体に共通している特徴を解説していきます。短期間で利益を出せるということはそれだけリスクもあるということです。先物投資全体の特徴を把握しておくことは重要です。

また先物の中でもメリット・デメリットがあるため全体の特徴の後は商品先物と日経先物に分けてそれぞれの特徴を解説します。特徴がわかればどちらが向いているかあるいは先物は自分には合わないかと言った判断ができるでしょう。

差金取引ができる

先物投資における特徴の一つとしては差金取引という仕組みがあります。この仕組があるおかげで先物投資は利益を出しやすい投資方法になっているともいえるでしょう。差金取引があるために商品や現金が、手元になくても取引はできるのです。

差金取引とは決済時に代金のやり取りをするのではなく、反対売買をすることで決済を完了させる方法です。これは先物取引の最大の特徴であり、現物取引では禁止されている方法なのです。

具体的には、もしも買い注文をしていた場合は売りたい特に同じだけの量の売り注文をすることで相殺します。先物取引はあくまでも将来売買するという約束のもとに行われている決済なのです。

そのため、実際に商品や代金のやり取りをするひつようはありません。商品のやり取りがない以上先物取引で残っているのは、売買時にでてきた差額を処理するだけになるかと思います。

このときの売りと買いの差額だけを計算して清算することが差金決済取引と呼ばれています。例えば、日経先物を例にすると18,000円で買い注文をして18,300円で売却した場合は計算されるのは売買時の差額の300円のみとなります。

日経先物はミニの場合は差額の100倍、ラージは1,000倍の単位で清算が行われるため、子の場合の利益はミニは30,000円、ラージは300,000円の利益になるということになるのです。

逆も同じでもしも株価が下落して17,700円で売却することになった場合は300円分のマイナスであるミニは30,000円、ラージは300,000円分が証拠金から引かれることになります。このように差金取引があるおかげでかなり効率のよい取引ができます。

そして現物のやり取りがないおかげで1日になんども同じ銘柄に注文をすることができるのです。株式ではこのように1日日に何度も取引をすることが禁じられているため、先物投資の特徴とも言えるでしょう。

レバレッジを効かせて取引ができる

現物取引と先物やFXの大きな違いでもあり、メリットでもあるのはこの点です。レバレッジを効かせることができるのは少ない証拠金で大きな取引ができるのは魅力的と言えるでしょう。

先物取引では証拠金を預けることでそれ以上の金額の取引をすることができます。これにより、投資家は多額の資金を準備しなくても投資をすることができますし資金に余裕があればより安全に投資が可能です。

商品や株価も変更されることがあるように必要な証拠金も変動します。例えば金先物の場合は、1キログラム単位での売買になり1g4,000円と仮定した場合は400万円分の取引をすることになります。

9月時点での証拠金は66,000円ですので、400万÷66,000円=60.6つまり倍率は約61倍の取引ができます。同様に日経先物の場合は約33倍の取引ができます。ちなみにFXは25倍程度で現物はレバレッジを効かせることが出来ないため、少額で大きな取引ができるのは先物の大きな特徴です。

短期間で大きな利益を得ることができる

先物取引は短期間のうちに大幅に値段が変わることもよくあります。ニュースでも株価が高騰した場合や金の価格が突然上がるということも珍しくありません。連続で続くケースもあります。

そうなった際にレバレッジにしていることが効いてきます。実際に預けている金額は多くても数十万ですが、取引している金額はその数十倍の数百万~数千万円単位のやりとりを行っています。

日経先物の場合は平均株価の1,000倍が実際の取引価格になるため、100円価格が上昇すれば10万円の利益が入ります。他の投資はそこまで短期間で利益を得ることは難しいためこれも先物投資の魅力と言えるでしょう。

「売り」「買い」どちらからでも取引が可能

先物投資の特徴の一つとして両建てつまり、「売り」「買い」両方向から注文して取引をすることが可能です。相場は一方的に上昇するだけとは限りません。時には大きくその価格を下げることもあります。

そうなった場合に現物取引の場合は買った価格から下落分がそのまま損失になります。しかし、先物取引の場合は下落時にも利益を狙うことが可能です。「売り」から取引に入った場合は下落分の差額が利益になるため大きな利益を獲得できるチャンスなのです。

つまり、この先価格が下がりそうならば「売り」もしも上がりそうならば「買い」と相場の状況ごとにトレードのやり方を変えることも出来ます。この用に柔軟な取引ができるのも先物取引の魅力の一つです。

取引時間が長い

先物取引の場合はトレードできる時間が比較的長いため、自分のタイミングで投資を初めて利益を狙うという方法も可能です。例えば、会社帰りに少しトレードなども実際に十分可能なのです。

先物相場は日中の8時45分~15時15分までの通常相場に加えて、ナイトセッションと呼ばれる16時30分〜翌05時30分まで取引をすることが出来ます。現物株の取引時間は短いため、こちらの邦画史上の時間が長い分利益も十分に見込めます。

日経先物は海外の投資家もナイトセッションに参加するため、海外での重要な指標があった場合には価格が大きく変動することもあります。その流れになることができれば大きな利益を獲得できるでしょう。

商品先物のメリット

ここでは商品先物の特徴とメリットに関して解説していきます。日経先物とはまた少し異なったメリットがあるため、是非とも確認しておきましょう。

商品ごとに限月がある

先物取引には株式投資と異なり取引に期限があります。株式やFXと違って下がっているから様子見をしておこうということは出来ません。この取引の期限は限月といい、商品先物の決済限月の最終日の取引のことを納会と言います。

つまり買いから取引をした場合には限月までに売る必要があり、売りから取引を始めた場合にはその期限までにものを売り渡す必要があるのです。

この限月は1ヶ月または2ヶ月の感覚を開けて6限月設定されています。それぞれ1番限月、2番限月というように呼ばれ、決済期限が当月のものを当月切りと呼びます。また、決済の期限が近い限月を期近と呼びます。

決済期限が遠い限月は期先と呼ばれ、限月が近づくと取引量も自動的に減ってくるため、期近よりも期先の限月のほうが取引量は多くなる傾向があります。そのため、期近で取引をしようとすると市場に流通している枚数が少なく、思うように価格が変動しないこともあります。

ちなみに期先のほうが取引量が多いのが限月の最終取引日になると自分の持っているポジションは全て自動的に売却されるためです。納会が終了した翌営業日には新しい限月が立ち上がるので早めに清算しておくことが多いのです。

そして先物取引のメリットとしては商品が複数から選べるからこそ、その商品ごとに限月が異なるということです。日経先物にも限月は存在しますが、こちらは株価指数に基づいての取引のため限月が固定されます。

商品先物は長いものでは1年間の取引期間、短くても2ヶ月ほどと限月が分かれています。その限月ごとに分散して投資することも長期間の戦略を立てることもできるでしょう。納会日までに余裕がある分だけ取引を続けることが出来ます。

証拠金が少額でも取引が可能

先物取引を行うには証拠金を預けることが必要ですが、商品先物の場合は日経先物と比べても証拠金が少なめに設定されています。その分高レバレッジですので高い利益を実鋳込むことが出来ます。

しかし、リスクコントロールを間違えるとすぐに証拠金がマイナスになり追証のリスクも発生するため注意が必要です。具体的にどの程度の倍率かと言えば、2018年10月上期の価格は一番理取引の盛んな金は66,000円、金ミニは6,600円から参加することができます。

一番証拠金が必要な原油でも115,000円ですので、約7,000円~120,000円までの証拠金で金の価格は1g4,700円台ですので、4,700,000万円分の取引をすることが出来ます。レバレッジは約70倍程度となっています。

一方で日経先物は約30~33倍程度となっています。証拠金が少なくてすむ分相当な高レバレッジになっています。自己資金の70倍の資金を運用できるのは他に無いでしょう。短期間で利益を望むなら商品先物と言えるでしょう。

商品先物のデメリット

商品によって取引時間帯が異なる

先物取引は日中の取引とナイトセッションの2つの取引があり、日中は8時45分~15時15分まで、ナイトは16時30分~翌5時30分までとかなり長い時間に渡り取引ができることが魅力の一つとなっています。

しかし投資する商品によっては取引の時間帯が異なることもあります。具体的には、ゴムだけは19時までの取引となっているため注意が必要です。他の金や原油などは翌朝まで取引が行わているので問題ありません。

ゴムに関しては生産地が東南アジアに集中しているため、どうしても日中中心の取引になりやすいこともありナイトセッションが組まれておりません。反対に他の商品は世界中に取引所があるため取引は安定してできます。

商品が多い

先物取引は株式やFXの通貨ペアと比べれば少ないほうですが、それでもかなり多いです。具体的には金、金ミニ、金限日、金オプション、銀、白金、白金ミニ、白金限日、パラジウム、ガソリン、灯油、原油、中京ガソリン、中京灯油、ゴム、とうもろこし、一般大豆、小豆が取引対象です。

これだけ多い場合は複数のものを取引していると情報が錯綜して損失を出してしまうこともあります。英語表記のものも多いため翻訳するのに手間取るということもあるでしょう。

自由に選べる半面どれを選んでいいかわからないケースや複数の対象を選んで手が回らないということもあるかもしれません。そのような場合はやはり一番ベーシックな金がいいでしょう。

金の中でもミニから始めると良いかもしれません。市場も活発で証拠金も少なめのため、比較的安定したトレードが試せるでしょう。また金は限月が1年のため、慌ててトレードをすることが無いのも魅力です。

日経先物のメリット

続いて日経先物のメリットを紹介します。

銘柄選択が不要

日経先物の特徴は銘柄選びが不要なためとてもシンプルなことです。日経先物は日経平均株価を指標にして取引を行いますが、この指標は売買が活発で流動性の高い225銘柄の株価で構成されています。

銘柄は全業種の中からバランスよく選ばれているため、市場全体の動向を表す指標とも言えます。そのため、日経225先物を取引をする場合は個々の企業の銘柄分析などをする必要がありません。

市場全体が上昇にあるのか下降気味かを判断して売買をするのです。企業の上場廃止リスクも考えなくても問題ありません。商品先物と比べると判断する項目が少ないため、非常にシンプルな投資方法です。

日経先物のデメリット

限月の期間が短い

日経先物の場合も商品先物と同じように限月が設定されていますが、商品先物よりも限月が短めに設定されています。具体的には日経225先物は3,6,9,12月の3ヶ月ごとに日経225miniの場合は毎月の第二金曜日の前日が最終取引日です。

この最終取引日までに反対売買がされなかった場合はSQ(特別清算指数)という特別清算にもちいられるとして使用される指数で強制的に清算が行われます。つまり早いと毎月強制的に清算が行われるのです。

先物投資をする前に準備しておきたいこと

先物投資を始める前には十分な証拠金を用意して少ない枚数から取引初めましょう。商品なら1枚から、日経225miniなら1~2枚からポジションを持つといいでしょう。具体的に証拠金は最低額の3倍は入れておくととりあえず安全と言えます。

先物投資は場合によっては1日で500円単位で動くことも稀にあります。そこまではないにしても1日で100~300円上下することは普通にあります。予想外の損失に備える意味でも余分に証拠金は入れておきましょう。

Expert
証拠金が下回る場合は追証になることもあるため、まずはそこに注意して取引を始めるようにしましょう。数十円単位でも十分に利益の出る投資方法のため、リスクヘッジに重点を置くことをおすすめします。

まとめ

先物投資に関しては少額からでも大きな利益を獲得できるというメリットがありますが、その分リスクも大きい投資方法です。投資を始める前にはリスクヘッジに重点を置くことそして先物投資の特徴をよく把握しておくことが肝心です。

しかし、先物投資は一度仕組みを覚えてしまえばそこまで難しい投資手法でもありません。メリットもとても多い投資方法ですので一度試してみることをおすすめします。

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