おすすめのREITとは?REITの仕組みや種類を徹底解説!

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不動産投資を始めるには資金が何千万円と必要になり、個人ではなかなか手をだしづらいのが現状です。しかし、そんな投資家でもREIT(リート)を使えば不動産に投資することができます。REITを始めるにはどうしたらいいのか、メリット・デメリットは何なのかということをわかりやすくまとめました。この記事を読んでREITを開始しましょう。

 

 

REIT(リート)とは

 

REITとはReal Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略で、不動産を投資対象とする金融商品です。以下のような特徴があります。

 

収益不動産への投資

 

REIT の投資対象となる不動産は主に以下のの3つがあります。

 

 

  • 事業会社が主なテナントであるオフィスビル
  • 様々な小売業者がテナントとなる商業施設
  • 住居目的の個人が主なテナントとなる賃貸住宅

 

 

これらの物件に投資すると、賃貸借契約書に基づいて定期的な賃料収入(インカムゲイン)が得られます。複数の不動産からの賃貸事業利益が投資家への主な配当となるのです。

 

REITは投資証券を発行し、投資家が購入します。こうして投資家から預かった資金をもとに不動産などに投資します。そして、購入した物件の賃料収入や物件の売買で得られた収益を投資家に分配しているのです。

 

出典  三井住友トラスト・アセットマネジメント

 

REITのメリット・デメリット

REITのメリット

 

小額からで投資できる

 

実際の不動産を所有する場合には、オフィスビルでは数億円から数十億円の資金が必要になります。一方 、REITであれば、一口50万円~100万円程度で買うことができます。しかもREITは複数の物件を保有しているので、テナント撤退や建物崩壊などのリスクを分散できます。

 

流動性が高い

 

REITは証券取引所に上場されているので、取引時間中であればいつでも購入・売却が可能です。 株式と同じように成行注文や指値注文を使うことができますし、信用取引を行うこともできます。

 

高配当である

 

REIT には利益の90%以上を分配するなど一定の条件を満たせば、実質的に法人税が課税されないという特別な制度があります。通常の企業が配当金を出す場合は、配当前の利益に対して法人税が40%課税されています。配当に関しては、REITは株式投資よりも有利だと考えられます。

 

分配金が安定的

REITの分配金は、大半が不動産に入居するテナントからの賃貸収入です。賃貸収入は契約に基づいて生じるので、比較的安定しています。ですから、長期投資を行った場合でも購入時の利回りを確保できる可能性が高いのです。現在60銘柄のREITが上場していて、分配金の予想配当利回りは年率換算で3~7%台となっています。東証一部の上場企業の平均配当利回りは1.7%ですから、REITが大きく上回っています。

 

値動きが安定的

 

REITの価格は下がると分配金利回りが上昇し、価格が上がると分配金利回りが下落するという逆相関の関係を持っています。REIT は証券取引所に上場しているので、日々値動きはあるものの、債券など他の金融商品と比較されるために、急激な値動きをしにくいという特色があります。

 

分配金の分散ができる

 

REITの多くは年に2回決算があります。株式の場合は、大半が3月決算ですので、配当をもらえる時期はほとんど決まっています。しかし、REIT は決算期が分散しているため複数の銘柄を購入しておけば、年に何回も分配金を得ることができます。うまく購入すれば毎月分配金を受け取ることもできるのです。

 

資産の分散効果がある

 

REIT は不動産賃貸収益を元にしているため、通常の株式とは値動きが異なります。ですから分散投資として株式に J リートを組み合わせると、リスクを軽減させることができます。

 

専門家に運用を任すことができる

 

不動産運用のプロが REITを運用しますので、運用の手間が省けます。

 

REITのデメリット

 

金利上昇リスク

 

REITは上場や増資の場合を除き、基本的には金融機関からの借入金によって物件を取得していきます。このため金利が上昇すると支払利息が増加し、利益が減少することになります。物件を取得するのに変動金利が多いのか、固定金利が多いのか、そして固定金利の返済時期は分散されているのか、といった3点をチェックする必要があります 。

 

金利上昇による価格下落リスク

REIT は利回り商品として考えられるため、国債と比較されます。ですから金利が上昇すると、国債の利回りが上昇し、REITの利回りも上昇します。すると 価格は下落するので注意が必要です。

 

価格変動リスク

 

REITは株価のように毎日価格が変動します。また預金のように元本が保証されているわけではありません。分配金は主に賃貸収入によるものなので、不動産の賃貸市場の影響を受けます。

 

資産運用会社の運営に関するリスク

 

REIT の運用会社は、一般の企業のように倒産するリスクがあります。また、金融庁による検査を受け、業務内容及び体制に不備があった場合は、行政処分を受けることがあります。そうなると業務が制限され、価格が下落するリスクがあります。

 

天災によるリスク

投資対象の不動産が火災や地震などの被害を受けた場合、価格や分配金が変動する可能性があります。

 

REITと不動産直接投資との違い

REITと不動産直接投資の比較を行ってみます

 

REITの特徴

 

 

 

  • 投資対象

ホテルやオフィス倉庫など、多様な物件に投資が可能

  • 資金

少ない資金から投資することができる

  • 分散投資

用途分散、テナント分散、地域分散など様々な分散投資ができます

  • 物件選定の情報入手

REITの運用会社が情報を提供してくれます

  • 物件の管理・維持・運営

REIT が管理者として管理します

  • 流動性・換金性

株式市場で売買できるので、流動性・換金性共に高いです

 

 

 

不動産直接投資の特徴

 

 

  • 投資対象

アパートやマンションなど住居向け不動産

 

  • 資金

多額の資金を必要とします

 

  • 分散効果

複数の物件を取得するには、それだけ多くの資金が必要になります

 

  • 物件選定の情報入手

情報入手は困難で専門知識が必要になります

 

  • 物件の管理・維持・運営

投資者自身が管理、または外部委託しなければなりません

 

  • 流動性・換金性

不動産市場で売買するので、流動性・換金性ともに低くなります

 

 

不動産に関する深い知識があり、多額の資金調達も可能であれば自分で不動産投資をするというのもいいでしょう。しかし少額から投資したい、または不動産に関する知識があまりないといった投資家は、まずはREITから始めてみることをおすすめします。高い換金性、そして分散投資、運用をプロに任せられる、そういったメリットがREITにはあるのです。

 

REITの種類

 

REITには単一用途特化型と複数用途型に分けられます。単一用途特化型はオフィスビル、商業施設、住居、物流施設、ホテル及びヘルスケアの6種類があります。複数用途型は、二つ以上の用途に投資するものです。例えばオフィスビル、住居の二つ。もしくはオフィスビル、物流施設、商業施設の三つなどです。

 

出典 SBI証券

 

それぞれの特徴を見ていきましょう

 

オフィスビル特化型REIT

 

REITはオフィスビル特化型から始まりました。ですから実績が十分にあり、空室率や賃料などの市場データも豊富にあります。ですから多くの投資家が投資しています。しかし、オフィスビルは他の投資対象に比べて賃貸借契約の期間が短いので、景気動向に左右されます。つまり景気が上昇している時は需要が高まり、賃料も上昇するので収益性も高くなります。しかし、景気が下降している場合は賃料の下落を招き、一定期間賃料が発生しない期間を設けたりするため、収益が下がります。

 

商業施設特化型REIT

 

商業施設は管理運営に専門性やノウハウが求められ、運用者の能力により収益が変動します。また店舗の売上などによって賃料が変動する変動賃料を採用している場合は、景気変動などによって収益が変動します。

 

住居特化型REIT

 

オフィスビルや商業施設は都市部に集中していますが、住居は都市部だけでなく地方など様々な地域にあります。また他の資産と比べて賃料が安定していることから、住居に特化しているREITは不動産市況や景気変動を受けにくいという特徴があります。不景気の時でも一定の需要があり、空室率を低く抑えることができれば安定的に収益を得られることができます。

 

物流施設特化型REIT

 

Amazon などのネットショッピングの普及により物流施設の需要が高まっています。物流施設の場合はテナントと長期の賃貸借契約を締結しているケースが多く、収益が安定する傾向があります。物流施設特化型REITで大切なのが施設の立地や設備などです。これらの充実度によって需要が大きく異なります。

 

ホテル特化型REIT

 

REIT の投資対象であるホテルは観光地、結婚式場がある総合ホテル、そしてビジネスホテルがあります。ホテルの収益は運用会社の経営方針によって異なります。最近ではインバウンド需要の高まりにより、外国人観光客に対する集客力も運用成果に影響を与えています。

 

REITの分散効果

 

用途に特化したREITは業界の動向や景気に影響を受けやすく、比較的リスクが高くなります。ですから、複数用途型のように投資対象が多ければ、より分散効果が働きリスクは低くなります。例えば投資対象が三つだった場合、一つの投資対象の運用がうまくいかなくても、残り二つの運用が好調であれば、全体で悪くない投資結果が得られるでしょう。もちろん分散すれば利回りも低下します。リスクとリターンのバランスを考えながら投資対象を選ぶようにしましょう。

 

REITへの投資方法

 

日経平均株価は9月に入り高値を更新してきましたが、米中貿易摩擦などでまだ先行きには不透明感があります。こうした中で分散投資金をするならばREITというのは有望な投資先のひとつです。 REIT市場全体の値動きを示す東証REIT指数は6月に約1年3ヶ月の高値をつけました。 REIT は国内の不動産市況を反映する内需型の商品であり、米中貿易摩擦や地政学リスクなど外部環境の影響を受けにくいのが大きな特徴となっています。

REITを購入する際には、保有する不動産の中身以外にも格付機関から高い格付けを取得しているかどうかを確認しましょう。

指標では「NAV倍率」にも注目しましょう。リートの時価総額が保有資産から負債を差し引いた純資産価値に対して何倍かを表す指標です。理論上は1倍となるはずですが、現在は約1/3の銘柄が1倍を割り込んでいます。株式投資でいうPBR(株価純資産倍率) のような指標です。割安、もしくは売られすぎの銘柄を探す手がかりになります。

現在日銀は金融緩和策の一環として、格付けが高い一部の REIT 銘柄を年間900億円のペースで買入しています。日経平均や TOPIX などの ETF と同様に、買入縮小に舵を切った場合、投資口価格に影響が及ぶ可能性もあるので注意しておきましょう。

 

NISAの投資対象になっている

 

REITは売却益や分配金が非課税になるNISA(少額投資非課税制度)の対象になっています。NISA口座でREITを購入すれば、売却益や分配金は課税されません(通常NISAの場合年間上限投資額は120万円)。

 

REITは証券取引所に上場しているREITを直接買う以外にも以下の二つの方法があります。

 

REITが組み込まれた ETF を購入する

 

REIT は現在60銘柄が東京証券取引所に上場されています。どの銘柄を買えばいいのか分からない、また複数の不動産に分散投資したいといった場合は東証 REIT指数(東証に上場するREIT全銘柄の動向を表す指数) に連動する ETF を購入することで、上場するREITすべてに投資するのと同じ効果を得ることができます。また個別のREIT銘柄より売買単価が小さく、東証 REIT 指数に連動する ETF は約2万円前後で購入することができます 。REITの ETF を購入することにより、より少額の資金で、多くの不動産を保有しているという分散効果があるのです。

 

出典 東証マネ部!

 

REITが組み込まれた投資信託を買う

 

投資信託を購入することでもREITに投資することが可能です。投資信託は複数の銘柄に分散して投資します。ですから、分散効果を期待できる、また一万円前後など小額から購入できる点がメリットです

 

REITおすすめ銘柄

日本ビルファンド投資法人(証券コード:8951)

 

三井不動産、住友生命などが母体となっているREITです。2001年に上場した REIT最古参銘柄のひとつで、資産規模は1兆1,500億円。国内で資産規模1兆円超えをした最初の銘柄です。

 

出典 SBI証券

 

現在の予想配当利回りは3.15%。2017年末にかけて安値を取っていましたが、最近は上昇基調が続いています。価格は2014年から60万円前後で安定しています。格付けも JCR から AA+、 R & I から AAと高格付けを取得しています。日銀の REIT 買いが入っている銘柄の一つですので、底固さが見られます。

 

ジャパンリアルエステイト投資法人(証券コード:8952)

 

三菱地所、三井不動産がスポンサーで、汐留ビルディングなど首都圏を中心とした主要都市のオフィスビルに特化したREITです。2001年に上場した REIT 最古参銘柄のひとつです。 R & I からは AAという高格付けを取得しています。日銀が投資口6%以上保有している銘柄のひとつで、底堅い値動きが続いています。予想配当利回りは3.14%となっています。

出典 SBI証券

日本ビルファンド投資法人同様、50万円から60万円のボックス相場が2014年から続いています。こちらも日銀の買いがあるので下値不安が少なく、資産規模も大きいので安心感があります。

 

インヴィンシブル投資法人(証券コード:8963)

 

ソフトバンクグループの フォートレス・インベストメント・グループ(FIG)をメインスポンサーとしています。ホテルや住居を核にしつつ、オフィスビルや商業施設なども取得しています。ポートフォリオのタイプは統合型で、ホテルが約6割、住居が3割、残りがオフィスや商業施設という構成になっています。 JCR から格付け「A」を取得しています。

出典 SBI証券

 

予想配当利回り7.18%とREITの中でトップになっています。ホテルがメインになっているので安定性には欠けるものの、高利回りを達成しています。株価は2016年4月に88,400円の高値をつけましたが現在は半値近くまで落ち込んでいます。しかしそのぶん高利回りが魅力になっています。また一口5万円弱の資金で買えるの で、小口で購入することができます。

 

日本ヘルスケア投資法人(証券コード:3308)

 

大和証券グループ本社がスポンサー。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに投資。3大都市圏を重視しています。ヘルスケア施設特化型REITとしては最も早く2014年11月に上場しました。

 

出典 SBI証券

 

予想配当利回りは4.7%。ここ2年ほどは16万円から18万円の安値圏で揉み合っています。高齢化時代の花形REITともいえ、将来性の高いREITなので、今後の伸びが期待されます。

 

まとめ

 

REITは高い配当利回りが魅力の商品です。また株式などと相関性が低いので、分散投資の効果があります。実際に不動産投資をしようとすると、多額の資金が必要になりますが、REITなら小額から不動産に投資することができます。今後の展開としては、金利上昇懸念という問題が残りますが、しばらくは低金利時代が続くでしょうから価格も安定的に推移するとみています。

 

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