そもそもFXとは?初心者のためのやさしいFX基礎知識

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副収入やちょっとしたお小遣いを得ようとしている方の中で「FX」を現在検討されている方もおられるでしょう。

 

通常のお仕事やパート・アルバイトとは異なり、投資であるFXとはいったいどのようなものなのか?

 

どうやって始めるのか、どうすれば儲けを出すことができるのか、株のように大きな損失が出てしまわないか、などといった疑問があると思います。

 

そこで、これからFXに取り組もうと検討している初心者の方に、FXについての基本的な事柄や用語についての説明をしていきます。初心者必見の内容です

 

 

FXの基礎知識

FXとは

FXは、各国通貨を売買し為替差益で儲けを出す投資方法で、「外国為替証拠金取引」とも言います。

 

取引においては実際の通貨は所有せず、必要な金額の一部を「証拠金」として取引業者に預け、取引開始時と決済時の価格差で損益を確定させる「差金決済」の一種でもあります。

 

取引は月曜~金曜までほぼ24時間可能で(平日の国民の祝日も取引可能)、PCからはもちろんスマホからも取引が可能です

 

利益の仕組み

FXで利益が発生するパターンを説明します。

 

為替差益

想像しやすいと思いますが、例えば米ドルを100円で買い、105円で売れば5円の利益が出ます。FXでの利益獲得方法のほとんどがこの「差益」によるものです。

 

またFXでは後ほども説明しますが「売り」から投資を行うこともできます。何も銘柄を保有してない状態から「売り」で投資ができるのです。

 

この売りの場合は買いとは逆に、例えば100円で新規売りを行い97円で決済すれば、3円の利益を得ることができます。

 

スワップポイント

こちらは「金利」のことで、FXでも保有通貨の金利を得ることができます。

 

通常の銀行預金よりもはるかに高い金利で、1日あたり数十円~数百円(通貨の種類や保有量によります)のスワップポイントを得ることができます。

 

ただ、メインとなる為替差益の変動が大きいので、長期間任意の通貨を保有していますと大きな含み損を抱えることもあり、スワップポイントの利益が意味をなさない場合があります。

 

レバレッジについて

FXは、本来用意すべき金額の一部だけをFX業者に預ければ取引を行うことができます

 

ではその一部の金額とはいくらになるかと言いますと、「レバレッジ」によって決定されます。

 

レバレッジとは、小さな力で大きな物を動かす「てこの原理」にたとえられ、少ない証拠金で大きな金額分の通貨を扱うことができます

 

レバレッジは「3倍、5倍、10倍」などと表わされ、レバレッジ10倍の場合、実際に係る金額の1/10が必要となる証拠金額となります。

 

Expert
例えば米ドルをレートが1ドル100円の時、10,000米ドル分取引しようとしますと、本当なら100万円が必要となりますが、レバッレジが10倍で設定されていれば10万円で取引することができます。

 

また、レバレッジは法規制上最大で25倍まで設定が可能です。

 

このレバレッジによる取引は少ない証拠金で大量の通貨を運用できる一方、高いレバレッジになるほど利益のみならず損失も大きくなっていきます。

 

 

 

 

FXを始める準備

FX会社を決めるためのチェックポイント

取引を行うにはFX会社にて取引口座を開設する必要があります。FX会社は現在約60社ほど存在しており、その中で初心者の方がどういった観点からFX会社を決めればよいでしょうか?

 

スプレッド

全ての通貨ペアには「買う」時と「売る」時のそれぞれ異なるレートが存在し、そのレート差のことを「スプレッド」と呼びます。

 

実際の取引の場面では、例えば米ドルでしたら、買う方のレートが「1米ドル110.356円(110円35.6銭)」、売る方は「1米ドル110.353円」といった形で表示されています。

 

この場合は「0.003円、0.3銭」のスプレッドがあるとなります。

 

このスプレッドがあることにより、通貨を所有した瞬間、0.3銭の含み損を抱えることになります。これを実際の損益額に直しますと以下のようになります。

 

・取引量が10,000米ドル、レバレッジ25倍の時・・・マイナス30円の含み損

 

スプレッドは取引に係る手数料のようなもので狭い方が有利ですので、取扱い通貨ペアのスプレッド状況が業者選びの大切なポイントの1つです。

 

現状では米ドル/円で0.3銭前後が最小スプレッドとなっています。

 

取扱い通貨ペア

FX会社がどんな通貨ペアを扱っているかをチェックします。

 

FX初心者・未経験者の方でしたら、まずは米ドル(USD)ユーロEUR:ユーロ圏の通貨)、ポンドGBP:イギリス)、豪ドルAUD:オーストラリアドル)を取り扱っている業者であれば十分です。

 

これらはFXにおけるメジャーな通貨ペアとして日々多くトレーダーが参加し、ほぼすべての業者が取り扱っています。またFX会社の決め手としては、先ほどのスプレッドの大小の方が大切です。

 

約定力

これは、自分がここで買いたい・売りたいというポイント(レート)で処理(約定・決済)がきちんとなされるかどうかというものです。

 

FXでは「すべりスリッページ」という現象が存在し、普段もそうですが特に相場変動が激しい時などは、通信状況(又は業者の処理能力)により希望したレートで売り買いがなされないことがあります。

 

そこでいかに正確に処理されるかが「約定力」にかかってきます。

 

この約定力は、ハッキリ言いますと取引をしてみないと分かりません。FX会社が自社サイト等で発表している内容は不十分なものであるのが現状です。

 

ただし筆者としては、FXでいかに儲けを出すかを考えた場合、普段の取引の仕方やメンタル管理が第一だと考えています。損益への影響が多大である相場への正しい姿勢が重要です。

 

自己資本規制比率

これは、いかに業者が財務的に健全な営業を行っているかどうかというものです。

 

FX会社の財務状況、金融市場のパニック、災害、倒産など様々なリスクが考えられます。

 

そこでこの自己資本規制比率が高いFX会社ほど、私たちの資金が安全に守られやすくなるというわけです。

 

法律上最低限の比率は120%です。FX会社の自己資本規制比率は各社ウェブサイトの会社概要ページ等に記載されています。

 

FX口座の作り方

FX口座の開設の流れをご紹介します。ここでは「YJFX!」で口座を開設する例を取りあげます(FX会社によって多少内容は異なります)。

 

「口座開設の流れ」

  1. 口座開設の申請ページから必要事項を入力する
  2. 申込み受付のメールを確認
  3. 本人確認書類、マイナンバー書類を提出する
  4. FX会社の審査終了後、口座開設完了の書類が郵送される

出典:ワイジェイFX㈱

 

 

1.口座開設の申請画面から必要事項を入力する

まずはYJFX!サイトへアクセスし口座開設ページへ向かいます。

次の画像は必要事項の入力画面です。氏名、生年月日、住所、職業、メールアドレスなどを入力します。

出典:ワイジェイFX㈱

 

 

次に示す画像は「年収」や「金融資産」などを選択する箇所ですが、ローン審査などのような厳格なものではありません。自己申告で大丈夫です。

出典:ワイジェイFX㈱

(「年収」や「金融資産」などの入力箇所)

 

入力を全て完了させ、「入力内容の確認」ページを経て入力が完了します。

 

2.申込み受付完了のメールを確認

1.の入力完了後、申請を受け付けたことを伝える確認メールが届きます。そしてメール内で本人確認書類とマイナンバー書類の提出が案内されますので、メールの指示に従って提出を行います。

 

出典:ワイジェイFX㈱

(申込受付完了のメール)

 

 

 

3.本人確認書類、マイナンバー書類を提出する

提出方法は、あらかじめデジカメやスマホで写真を撮り、サイトから画像ファイルをアップロードさせる方法が主流です。この他にメールに書類画像を添付して送る方法や郵送による方法があります。

 

提出できる本人確認書類の種類については、先ほどの資産項目等の回答と異なり、マネーロンダリング防止などの理由で非常に厳格さが問われますので、各FX会社が指定する内容を必ず確認するようにしてください。

 

本人確認書類の種類によって1点の提出で済むものや複数提出しなければならないものがあります。また書類の表面だけでOKな会社や、両面の提出を求めるところなどFX会社によって取扱いが異なります。

 

・YJFX!における必要書類の説明

 

 

「1点の提出で済む本人確認書類の例」(写真が付いているもの)

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 住民基本台帳カード
  • マイナンバー個人番号カード(1点でOKの本人確認書類としても使える) など

 

上記以外の本人確認書類(住民票や保険証など)の場合2~3種類求められることがあります。

 

4.FX会社の審査終了後、口座開設完了の書類が郵送される

FX会社で審査を行い問題がなければ晴れて口座開設完了となり、ログインIDとパスワードが記載された通知書が送られてきます。審査はよほどのことが無ければまず不合格とはなりません。

 

 

(口座開設完了のお知らせ)

 

 

資金の入出金

入金について

口座開設が終了したら、サイトへ行き取引画面をチェックすることと合わせ、取引に必要な投資金の入金を行います。

 

入金には以下のような方法があります。

 

・クイック入金

FX会社が提携する金融機関を経由したほぼ24時間リアルタイムで行える入金方法で、現在主流となっています。入金手数料は無料としている場合がほとんどです。

 

・銀行振込、ATMからの入金

FX会社が指定した銀行口座へ振込むもので、15時以降や土日には入金されないなど通常の銀行振込に準じます。

それだけでなくFX会社による入金確認があったり、指定時間帯でないと入金確定処理を行わないといった事情があり、口座反映には時間がかかります。振込手数料は個人負担となっています。

 

出典:ワイジェイFX㈱

(クイック入金の画面、指定金融機関を選択し入金金額を入力します)

 

 

 

出金について

事前に登録した自分の銀行口座へ資金を出金させます。出金に要する日数は3~4日であるFX会社が多いです。

 

出金先は自分本人の口座しか登録できません。これもマネーロンダリング等の不正を防止するための措置です。

 

出金が行われますと「入出金履歴」に記載されます。これによって不審な入出金等の発生がないかどうかを確認することができます。

 

出典:ワイジェイFX㈱

(入出金履歴、YJFX!では損益記録も記載されます)

 

 

 

実際の取引の仕方

 

取引における様々な事柄について説明します。

 

代表的な分析方法と投資スタイル

分析方法

・テクニカル分析

後にお話しします分析ツールなどを使って相場の予想を行います。主に為替チャートや過去の数値データ等を分析し投資方針を決定します。

 

・ファンダメンタル分析

世界各国の経済情勢やニュース、政府首脳の考え方などを元に中・長期的な相場の値動きを予測するものです。

 

投資スタイル

・スキャルピング

数秒~数分単位でポジションの新規注文と決済を繰り返し行う方法です。

 

素早い操作や瞬時の判断力が必要となりますが、1回の損失を比較的低く抑えられることや、相場の不確定な面に常時さらされにくいといったメリットがあります。

 

・デイトレード

新規注文から決済にかける期間をほぼ1日で行う方法です。損益の変動が大きくなり、メンタル面で負担がかかりやすくなってきます。短期~中期の投資戦略が大切です。

 

・スイングトレード

数日間以上ポジションを保有して利益を狙う方法です。

 

大きな利益を得られる可能性がありますが、長期的な投資戦略や十分なファンダメンタルの知識を要します。

 

また、相場変動の影響を大きく受けやすく、十分な資金やメンタルの管理が必要です。

 

 

注文について

「買い注文」

これからレートが上昇するだろうと予想した場合に行うのが「買い」注文です。初心者の方でもイメージしやすいと思います。

 

新規注文によって成立した未決済状態のものを「ポジション建玉(たてぎょく)」といい、特に買い注文のポジションを「買いポジションロング(ポジション)」などと言います。

 

「売り注文」

これからレートが下降するだろうと予想した場合に行うのが「売り」注文です。FXにおける「売り」というのは、まだ何も保有していない状態からでも、FX会社がバックヤードで所定の処理を行うことで可能となっています。

 

初心者の方ですと、初めのうちは「売り」にピンとこないかもしれませんが、FXは本物の外国通貨を所有せず証拠金を差し出して行う取引なのでこういったことが可能なのです。

 

また、新規売り注文によって成立したものは「売りポジションショート(ポジション)」などと呼ばれます。

 

「決済注文」

買い/売りどちらのポジションも最後に清算するには「決済注文」を行います。

 

決済については、いつも利益が出せるものではありません。ある程度の含み損で決済しそれ以上の損失を避ける「損切り」も大切なアクションとなっています。

 

実際に注文を行うには?

「通貨ペアの選択」

米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド円、豪ドル/円、ユーロ/米ドルなど、他にも多くの種類がありFX会社によってその取扱い通貨は異なります。複数種類のポジションを建てることも可能です。

 

「注文数量を決める」

注文する通貨量を「Lot」、「通貨単位」で表します。

 

一般的には「1Lot = 10,000通貨単位」(1万通貨分)を基本とし、例えば米ドル/円を30,000通貨単位(3万ドル分)、豪ドル/円を2Lot(2万豪ドル分)買いポジションを建てるといった言い方をします。

 

FX会社によっては「1Lot = 1,000通貨単位」(1,000通貨分)としている所もありますので業者ごとに確認が必要です。

 

「成行注文」(新規・決済注文時)

リアルタイムに注文ボタン等をクリックして注文する方法です。為替レートや分析画面を見ながら思いに任せたタイミングで取引を行うことができます。「リアルタイム注文、ストリーミング注文」という名称にしているFX会社も少なくありません。

 

「指値注文」(新規注文時)

売り買いするレートを予め設定し、実際にそのレートに到達した時に新規注文が自動で行われるものです。予約注文のようなイメージです。

 

「逆指値注文」(決済注文時)

既存のポジションを決済する際に予め決済レートを設定し、レートが到達したら自動で決済を行う注文方法です。「ストップ注文」とも言います。

 

Expert
他にこれら3つ注文方法を複雑に組み合わせた注文方法(OCO、IFOなど)がありますが、初心者の場合まずは上記3つの注文方法をマスターすることが賢明です。

 

 

相場を分析するためのツール類

「チャート」

FX分析の最も基本となる、レートの変遷をビジュアル的に表したものです。「ローソク足チャート」とも呼ばれています。

 

出典:ワイジェイFX㈱

 

「移動平均線」

テクニカルツールの一種でチャート上にローソク足とともに曲線的に表示され、相場の方向性や平均価格の推移を表します。

 

「トレンドライン」

直近の目立った高値同士や安値同士をチャート上に直線を引きつないだテクニカルツール。自分で描く必要があります。ラインからレートが反転する可能性があります。

 

出典:ワイジェイFX㈱

(緑色の線がトレンドライン)

 

 

「その他のツール」

相場の過熱感を表示するMACDやRSIなど多種多様なテクニカルツールが存在します。

 

「経済ニュース」

FX会社が取引画面等で常時配信しています。

 

相場概況、政治家等の発言、経済指標の発表内容、またニューヨークダウや日経平均といった国内外の株式市場の動き、原油・金などの商品相場の状況など実に様々なニュース内容を扱っています。

 

 

大きな損失が出た場合

FXでは、取引参加者の損失が大きくならないようにするためのルールや仕組みが存在します。

 

「証拠金維持率」

非常に簡単な表現をしますと、保有しているポジションの評価額と全資産との関係がどれくらい安全であるかをパーセントで表したものです。

 

証拠金維持率 = 評価後の全資産額 / その時の必要証拠金 × 100(%)

(実際の証拠金維持率は取引画面上に表示されリアルタイムに変化します。)

 

例えば、最初に100万円を入金し米ドル/円を5万通貨保有(取得時の必要証拠金を20万円と仮定)、ポジション評価損益が-5,000円となった場合、証拠金維持率は497%となります。

 

この維持率が低下した場合、FX会社が投資家保護のために次のようなルールの発動を行うことがあります。

 

「ロスカット」

未決済状態のポジションが強制的に決済されるものです。ロスカットされる証拠金維持率は各会社の定めたものによりますが、50~100%としている会社が多いです。

 

「マージンコール」

ロスカットの前に発動するもので、ロスカットが近いことを知らせるサイン(連絡)のことです。

 

マージンコールが発動中の場合、FX会社が定めた期限までに追加入金を行うか、ポジションの量を減らして維持率をアップさせないと「ロスカット」となります。

 

 

まとめ

FXについての基本的なポイントを以下に整理してみます。

 

  • FXは平日のほぼ24時間いつでも取引が可能
  • 利益となる主な要因はポジション取得時のレートとその後の為替レートとの差
  • レバレッジにより少額で大きな金額の取引ができる
  • FX会社選定のポイントは「スプレッド・取扱い通貨ペア・約定力・自己資本規制比率
  • 口座開設では本人確認書類及びマイナンバー書類が必要
  • 取引は「買い・売り」「投資期間」を必要に応じて使い分ける
  • テクニカルツール・経済ニュース等を駆使し予想をたてる
  • 証拠金維持率に注意しロスカットを防ぐ

 

少ない資金で大きく勝てる可能性があるのがFXの魅力の1つです。

 

一方、相場状況が激しく変動することもあり、取引にあたっては生活資金とは別の「余裕資金」で行うことや、常に冷静な判断が取れるよう心掛けることが大切です。

 

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