がん保険と医療保険どちらを選ぶべき?特徴や保障内容から徹底比較!

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がんという疾病にどう保障するか?

「がんという疾病を保障するには、がん保険に加入するしかないの?」

がんという疾病は、日本人にとってリスクの高い3つの疾病である三大疾病の1つに含まれており、日本人の「死因第一位でもあり、日本人にとって特にリスクの高い疾病として知られています。

そのため、がんを中心的的に保障する「がん保険」に加入されている方は少なくなく、がんの保障=がん保険とイメージする方も少なくないでしょう。

がんはリスクが高く、しっかりと保障していく必要性があるのは明らかです。しかし、本当に「がん」という疾病は「がん保険」によってしか保障する事が出来ないのでしょうか?どのような疾病でも、保障する事が可能な「医療保険」で、保障する事は不可能なのでしょうか?

 

Expert

実際のところ、がんという1つの疾病に対して、「医療保険」と同じような「がん保険の保険料」を支払う事に抵抗を感じる方も少なからずいらっしゃるはずです。

今回は、そんな「がん」という疾病を保障する上で「医療保険」で保障したほうが良いのか?という点と「がん保険」で保障したほうが良いのか?という点をはっきりとさせるために、がん保険や医療保険の概要や特徴に触れていき、両者を比較していきます。

まず、はじめは「がんという疾病をどう保障していくのか?」というテーマで、がんの治療による経済的な負担について書き留めていきたいと思います。

 

一般的にはがん保険

まず、はじめに触れておきたいのは、がんを保障するなら「がん保険」によって、保障内容を充実させるのが一般的であるという点です。その点をしっかりと理解するいには、がんの治療法を押さえておく必要があるでしょう。

一筋縄ではいかないがん治療

がん治療では、まずはじめに「がん」と診断されたら「ステージの進行度(がんの進行度はステージで表される)、がんの悪性・良性、がんの種類、部位、リンパ節転移」などについて、検査を行います。

この検査を行う事で、適正な治療を行う事が可能です。なぜなら、がんの種類や部位・それによって変わる治療法は多岐に渡り、一筋縄ではいかない事が特徴的だからです。

そして、がん保険では三大治療と呼ばれる治療法を中心的に、場合によっては組み合わせる事で、「患者のがんに合わせたがんの治療法」を決定します。この段階で、入院・通院になるのか?や大まかな治療期間がはっきりしてきます。

三大治療とは?

がんで、最も用いられる3つの治療法の事です。手術・薬物治療・放射線治療が該当しており、ほとんどの治療では「手術と薬物治療」「薬物治療と放射線治療」のように、組み合わされる事が多いでしょう。

つまり、診断されてから、実際の治療法が決まるまでは「費用」や「治療期間」が予想できないのです。

どんな病気にも、進行度や体質によって治療法が異なる事で、治療費や治療期間が異なることは少なくありません。その点から考えると、どんな病気でも通じる事ではあるかもしれませんが、がん治療ではその「傾向が強い」と言えるでしょう。

予測できないリスク

治療費や治療期間が、がん治療の手法を左右するため、がん治療の費用や期間が異なることはご紹介させて頂きました。この治療法が「どうなるか分からないリスク」というのは、大きな不安に繋がると言えます。

例えば、よくある治療のパターンとしてがんの部分を手術で切り取り、後は薬物治療で徐々にがんを倒していくという治療法です。この治療法になってしまうと、再発してしまうリスクを抑えるために「薬物治療を3年~5年」と、かなりの長期間治療を余儀なくされる事が少なくありません。

もちろん、このような長期の治療の場合は、ほとんどのケースで「通院」によって行われると思います。しかし、病院に行くための時間や大きく掛かってくる治療費というのは、環境や家庭によっては時に「大きな負担」になる事は少なくありません。

以前まで「死に至る病気」であったがんは、医療技術の進歩によって徐々に「治せる病気」になってきます。がんのリスクが収まるということは、嬉しいことではありますが、一方で「沢山の時間や治療費が必要になる」というリスクも、伴っているのです。

このようながん特有の時間や経済的なリスクに対応するためにも、一般的にはがん保険は必要であると言われています。

一方で不要論も

上記のような内容を知ってしまうと「がん保険は必要!」と感じてしまうと思います。しかし、一方で「がん保険は不要」という意見が少なからず存在しているのも、事実です。

最も大きな理由は、やはり「1つの疾病に対する保険」であるという点でしょう。比較対象である医療保険では「全ての医療費」に対して保険を掛ける事が可能です。

つまり、他の疾病や怪我で入院・通院が必要になったケースでも、保障が適用されるのです。一方で、がん保険は「がん」に関しては、保障内容が充実していると言えますが、他の疾病や怪我を保障する事ができません。

また、どんな保険や保障内容を選択するのか?にもよりますが、がん保険は「医療保険と同じくらいの保険料」が掛かってくるケースも少なくありません。つまり、1つの疾病しか保障しないがん保険が、色んな疾病をカバーする医療保険と同じ費用が掛かるのです。

これでは「不要論」が登場しても、不思議ではありません。

医療保険でも対応出来る

また、不要論を強めているもう一つの要因として「医療保険でも、がん治療費をある程度対応できる」という点があります。

医療保険とは、基本的に「この疾病を中心的に保障」のような保障内容がない事が多いですが「特約」などを、活用することによって「ある程度」は保障する事が可能です。

特約とは?

主契約(基本的な契約)にプラスして、保険料を支払う事によって追加できるオプションのようなものです。医療保険では、通院保障や三大疾病に対応した特約が多いことが特徴的です

しかし、特約はあくまで主契約にプラスして追加するものなので、がん保険よりも保障内容が薄い事は否定できません。ただ「がん保険に加入したくない」というニーズを汲み取って、一定の割合の方が「医療保険と特約」で、がんを保障している方がいるのは事実です。

がん保険の概要・特徴は?

先程、一般的ながんの保障の仕方やがん保険不要論などについてご紹介させて頂きました。まだ、どちらのほうが良いのか?という点ははっきりしませんが、1つ分かる事は「どんな保険が良いのか?は、人によって違う」という事です。

がんという疾病のリスクに対する考え方や環境、経済状況などによって必要な保障は異なり、必要な保険も異なってきます。

なので、自分にとって「どちらが良い選択なのか?」という点を、しっかりと考えるために「がん保険と医療保険の概要・特徴」などについてご紹介していきます。

まず、始めにがん保険の概要・特徴・ポイントについてご紹介していきます。

がん保険の概要

がん保険をしっかりと理解するには「がん保険の概要」について、押さえておく必要があるでしょう。もう既に、少し書き留めていますが「がんを専門的に保障」するのが、がん保険です。

様々な形のがん保険がありますが、基本的には以下の4種類の保障内容によってがん保険は分けられます。

  • 入院給付金タイプ
    入院・手術・通院などを総合的に保障する
  • 実損保障タイプ
    看病で掛かった費用や交通費など、治療以外で掛かったものも含めた「治療費」を総合的に保障
  • 一時金タイプ
    初めて診断された際や再発した際に、給付される「一時金」のみを保障するタイプ
  • 収入保障タイプ
    入院や通院に際して、働けなくなった際の「収入」を保障するタイプで、ファミリー層にニーズが高い

どの保険を選ぶのか?というのは、どんな事をがん保険に求めるのか?によって異なりますが、大まかに4種類に分けただけで、これだけのニーズを汲み取るものがあり、これ以外にも細かく保障を選択出来るものが多いです。

がん保険とは「がん」になった時に困るかもしれない事を考えた時に、各個人のニーズに合わせたものを選択できる保険なのです。

がん保険の特徴

がん保険の特徴はなんといっても「種類が多いこと」があげられると思います。もちろん、生命保険や医療保険など他の保険でも、沢山の保険会社が沢山の保険を出しており、様々なニーズを汲み取る事に成功しています。

しかし、がん保険に関しては「1つの疾病のみ」に対して、沢山のニーズに沿った商品が出ているので、選択肢が多いことが大きなメリットになると言え、大きな特徴と言えるでしょう。

がん保険の選び方などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

おすすめのがん保険ランキングTOP5!がん保険を選ぶ際のポイントは?概要や種類も要チェック!

また、女性や男性によって「リスクの高い部位」が異なります。男性なら「前立腺がん」、女性なら「乳がん」のように、性別によって「がんの部位・治療法」は大きく異なってくる事があります。しかし、がん保険では「女性向け」の保険や「男性向け」の保険が沢山出ているので、様々なリスクに対応した保険も少なくありません。

選択肢の多さ・リスクの対応力は「がん」に関してはかなり高いと言えるのが、がん保険の特徴です。

がん保険は「痒いところに手が届く」

がん保険をまとめてしまうと「痒いところに手が届く」という一言に尽きると思います。

置かれている状況によって、必要な保障は異なります。がんになって「家族が養えるか分からない」という方は、収入保障タイプが魅力的な保険だと言えます。がんになって「自由にお金を使いたい」というニーズなら、一時金タイプが魅力的な保険になるでしょう。

がん保険は「がん」に特化しているので、がん保険の種類の多さと各保険の保障・特約の違いによって「あと、こんな保障が欲しい」という細かなニーズに対応出来る可能性が高いです。そのような点を考えると「痒いところに手が届く保険」だと言えるでしょう。

医療保険の概要・特徴は?

先程、がん保険の概要や特徴などについてご紹介させて頂いたので、次に「医療保険」の概要や特徴・ポイントなどについてご紹介していきます。

医療保険の概要

医療保険を押さえるために、まず医療保険の概要についてご紹介していきます。医療保険について簡単にまとめてしまうと「医療費を全般的に保障する保険」の事です。

医療保険には、大きく分けて2種類存在します。

  • 公的な医療保険
    健康保険などの義務的に加入する必要があるもの。運営元は国、自治体、非営利団体など
  • 民間の医療保険
    保険会社などから販売されている医療保険のこと。加入する義務は無く、主に営利団体が運営している

がん保険と比較するのは、がん保険と同じ様に加入義務が無い「民間の医療保険」の方が比較対象として適切なので、この記事では「医療保険=民間の保険」という解釈でお願いします。

民間の医療保険では、公的な医療保険ではカバー出来ない範囲を保障しているものが多いです。例えば、健康保険に加入さえしていれば、高額療養費制度を受ける事が可能であり、高額療養費制度を利用する事で、高額の医療費の負担をある程度カバーする事が可能です。

しかし、高額療養費制度では「働けない間の収入」や「通院に掛かる費用」「入院している間の細かな費用」などを、保障する事は出来ません。つまり、公的な医療保険だけではどうしてもカバー出来ない部分が出てくるのです。

そのような「公的な医療保険ではカバーできない範囲」を、カバーするのが民間の医療保険の大まかな立ち位置で、具体的には「入院給付金」「手術の際の一時金」「通院の際の給付」などの保障を受ける事が可能です。

医療保険の特徴

医療保険の特徴は「バランスがいい保険」であると言えるでしょう。医療保険は「怪我」でも「疾病」でも、どんな医療費に対してもカバーしているケースが多いです。

もちろん、一部(先進医療など)の治療法に関しては、保障が適用されないものもありますが、様々な疾病に対応しているため、加入しているだけで「安心感」を持つ事が可能です。

入院や通院となると、少なからず「経済的な負担」が必要になってきます。基本的には、公的な医療保険でもカバーする事が可能ですが、不十分なケースも多く存在しているのが実情です。

また、医療保険には「死亡・障害」などに際して、保険金の入る保障を提供している保険が多数あります。つまり、生命保険の代わりに使う事も出来る保険であります。このような点から様々な医療に対するリスクに対応した保険だと言えるでしょう。

医療保険は「特約に注目」

がん保険と医療保険を比較した際に、やはり注目しておきたいのは「特約」です。なぜなら、医療保険の主契約のみで「がん」という疾病をカバーするのは、あまりにも不十分だと言えるからです。多くの医療保険では「三大疾病」や「がん」に特化した特約を用意している保険がとても多いです。

ほとんどの医療保険で、特約として「がん・三大疾病」を保障できるケースが多いと言えます。しかし、中には「役に立たない特約」が一部存在している事があります。というよりも「自分に合っていない特約」の方が正しい言い方かもしれません。

もし、医療保険でがんという疾病のリスクを保障するなら、「特約」にしっかりと注目して「自分に必要ながん特約か?」という点をしっかりと考慮しましょう。

医療保険おすすめランキングはこちら

がん保険と医療保険どちらがいい?

先程、がん保険と医療保険の概要や特徴についてご紹介させて頂きました。

大まかな医療保険とがん保険の違いを知ったことで「自分に合った保険が分かった」という方もいると思いますし、逆に「まだ、どちらが自分に合っているのか分からない」という方もいると思います。

なので、がん保険と医療保険の違いから考えた時に「がん保険がおすすめなのはこういうニーズを持っている人」、「医療保険はこういうニーズを持っている人におすすめ」という2点と、「どちらにも加入する」という合計3点をご紹介し、がんという疾病を保障するのに、どちらが良いのか?という点をご紹介していきます。

しっかりと保障するならがん保険

がん保険がおすすめな人は「しっかりとがんというリスクを保障したい」という方におすすめだと言えます。

やはり、がん治療の治療法が多岐に渡る事や、それに伴ってリスクが大きく変化しニーズも異なってくる事を考慮すると「がん保険」が、懸命な選択肢であると言えます。

日本人の2人に1人が、生涯の内にがんになるリスクがあり、日本人の3人に1人が「がんが死因」になっている中で、がんだけを「がん保険でしっかりと保障する」というのは、十分に価値がある事だと思います。

他の疾病も保障するなら医療保険

がん保険に加入すると、がんをしっかりと保障出来るのは分かったけど、がんだけに保険料を支払いたくないという方は「医療保険がおすすめ」です。

がん保険と医療保険を比べた際に、保険料に大きな違いはなく、やはり「なんでも保障出来る医療保険」と「がんだけを保障できるがん保険」を比較すると、がん保険と同じ保険料を支払って他の疾病を保障することの出来る医療保険に、メリットがある事も事実です。

ただ、その際は「がん・三大疾病特約」などへの加入が必須であると言え、もしも特約の内容があまり充実していないものやニーズがマッチしてないものなら、他の医療保険への加入を検討する必要があります。

また、別途「貯蓄」を行う事も有効だと言えます。貯蓄を行っておけば、もしもがんになった時に「安心感」に繋がりますし、がんを患っていない間は、そのお金は資産運用や他の用途へ用いる事も可能です。がんという疾病を、医療保険でカバーするには特約と貯蓄」というのが、ポイントになってくるでしょう。

どちらにも加入するという選択肢も

この記事では「がん保険」と「医療保険」を比較して、どちらのほうが「がん」という疾病を保障するのにおすすめなのか?という点を、ご紹介させて頂きましたが「どちらにも加入する」という選択肢もあります。

もちろん、両方の保険に加入するのですから、月々の負担は大きくなります。

しかし、医療保険は「全般的な医療費」に対して集中的に保障させて、がん保険は「がん治療費」に対して集中的に保障する事で、医療保険に加入するだけの際に、必要になってくる特約の保険料などを考慮すると、それほど大きな差は出ないと思います。(保障内容によります)

もしも、どちらにも加入するという際には、保障内容が被っていないか?をしっかりとチェックしましょう。例えば、入院給付金が重複していたり、三大疾病などの特約に加入するようなケースです。

おすすめの組み合わせは「医療保険とがん保険の一時金タイプ」で、医療保険で「入院や通院」の費用を保障し、がん保険の一時金で「手術や細かな費用」を、しっかりと保障する事が可能です。

最も、医療費に関して安心感が出るのは「両方に加入する」という選択肢でしょう。
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まとめ

がんという疾病はどのように治療していくのか

  • 検査をするまで、治療法が確立しない
  • 治療法は多岐にわたる
  • そのため、治療期間・費用は大きく異なる
  • 医療保険の特約を活用すれば、医療保険でも保障出来る

がん保険の概要・特徴まとめ

  • 4種類のがん保険がある
  • 選択肢の多さやリスクの対応力
  • がん保険は細かい部分まで保障できる

医療保険の概要・特徴

  • 医療保険には「公的なもの」と「民間」の2種類がある
  • 医療保険の特徴はバランスが良いという点
  • 医療保険は特約をしっかりと検討する必要がある

がん保険と医療保険のどちらが良いのか?

  • 細かく・しっかりと保障するならがん保険
  • 他の疾病を保障しながら、貯蓄したいのが医療保険
  • どちらにも加入するというのが、最も安心感がある

今回は「がん」という疾病を「医療保険」「がん保険」どちらで保障していくのか?という点についてご紹介させて頂きました。必要な保障は環境によって、大きく異なり、それによって必要な保険も大きく異なります。そのため「この保険がおすすめ」という風に、決められません。

しかし、日本人にとって「がん」というリスクが高いのは事実であり、その他でも三大疾病(心不全・脳卒中・がん)というリスクもあります。どんな疾病に侵されてしまうか?という点が分からない中で、しっかりと「疾病に対する保障」を備えておくと、安心感にも繋がると思います。

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