目次
JA(農協)のカードローンでお金を借りる方法とは
出典:JAバンク
最初に、JA(農協)のカードローンでお金を借りる方法について解説しましょう。
基本的な流れは他のカードローンと大差なし
まず、JA(農協)のカードローンでお金を借りる際の流れは以下の通りです。
- 自宅の最寄のJA(農協)にカードローンを使いたいと申し込みをする
- 審査に通ればカードローン用のローンカードが発行される
- そのローンカードを使い、信用金庫のATMや銀行、コンビニの提携ATMから借り入れをする
- あらかじめ決められた条件に従って返済を行う
のが基本的な流れと考えましょう。

JA(農協)とはそもそも何なのか?
JAの正式名称は「農業協同組合」です。つまり、農家や農事法人など、農業を営んでいる人が主体となって協同組合を組織し
- 営農や生活の指導
- 生産資材・生活資材の共同購入
- 農畜産物の共同販売
- 貯金の受け入れ
- 農業生産資金や生活資金の貸し付け
- 農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置
- 万一の場合に備える共済
など、様々な事業や活動を行っています。

この中の「農業生産資金や生活資金の貸し付け」の一環として、カードローンを扱っているのです。
農家じゃなくても利用できるの?

JAは「相互扶助の精神のもと、農業従事者と地域の住民が出資し、事業の利用を通じてより良い暮らしをつくる協同組合」と定義づけられています。そのため、農業従事者=農家の人じゃなくても利用すること自体は可能です。
実際にJAを利用する際は、出資金(1口=1,000円以上)を支払い、組合員になる必要があります。その際、農家の人=農業従事者は「正組合員」として、そうでない人は「準組合員」として加入する仕組みです。

JA(農協)のカードローンでお金を借りる方法のメリット
JAのカードローンでお金を借りる方法のメリットとして
- 民間企業のカードローンに比べると金利は低い
- 日本全国、どこにいても問題なく利用できる
- 保証人がいらない
- 周囲にお金を借りていることが知られにくい
の4つを解説しましょう。
1.民間企業のカードローンに比べると金利は低い
JAは、農業従事者を中心とした地域住民の経済的安定を目的として組織される協同組合です。つまり、もともと営利事業ではない=組織を維持していくために最低限必要な利益が確保できればいい、という立場に立って運営されているため、カードローンについても、民間の銀行や消費者金融が提供する物に比べ、金利が低く抑えられています。ここで
- 銀行のカードローン(みずほ銀行)
- 消費者金融のカードローン(アコム)
- JAのカードローン(JAさいたま)
の金利(2020年9月時点)を比べてみましょう。
- 銀行のカードローン(みずほ銀行):年2.0%~14.0%
- 消費者金融のカードローン(アコム): 年3.0%~18.0%
- JAのカードローン(JAさいたま): 年 8.3% ~13.1%

2.日本全国、どこにいても問題なく利用できる
日本全体で見ると、すべての都道府県に支店を有している民間の銀行はみずほ銀行とゆうちょ銀行のみです。そのほかの銀行のサービスであっても、既に口座を有しているなら日本全国どこにいても提携ATMからお金を引き出したり、入金したりすることは問題なくできます。しかし、スムーズにサービスを使うためには、やはり店舗にも足を運べた方がいいでしょう。
JAであれば、日本全国に店舗やATMがあるため、どこに行っても問題なくサービスを利用することができます。都心ではあまり実感できないかもしれませんが、地方ではJAは地元の地方銀行とならび、地域のインフラを支える大事な金融機関として機能しているのが実情です。
3.保証人がいらない
民間の金融機関が提供するカードローンと同様、JAのカードローンであっても、利用する際に保証人はいりません。
- 自分以外の人に「お金を借りる」という事実を知られにくい
- 保証人を頼んだことがきっかけで人間関係のトラブルを起こさない
という点においては、非常に優れています。

4.周囲にお金を借りていることが知られにくい
詳しくは後述しますが、JAのカードローンを利用するためには、一度JAの店舗に足を運ばなくてはいけません。しかし、はた目からは「JAに何か相談に行っている」くらいにしか思われないので、お金を借りる交渉をしにいっているとはバレにくいでしょう。
本来、お金を借りることを知られたところで、法的には何ら問題はありません。しかし、中には「お金を借りる=自分の力でどうにかできない、能力の低い人」などのように、ネガティブな見方をする人がいるのも事実です。自分の周囲にそのような見方をする人がいたら「周囲に与える印象」については、特に警戒する必要があります。

JA(農協)のカードローンでお金を借りる方法のデメリット
一方、JAのカードローンでお金を借りる方法のデメリットとして
- 地域によっても金利がかなり違う
- 来店での契約が必須である
- 初回利用時は審査完了まで時間がかかる
- JAの店舗の営業時間中に店舗に足を運ばないといけない
の4つを解説しましょう。
1.地域によっても金利がかなり違う
JAのカードローンの特徴として「利用する都道府県によってカードローンの年利率が違う」ことが挙げられます。あくまで、JAは「地域の農業関連者を中心とした出資者により運営される相互扶助組織」です。
そのため、カードローンなどの信用事業(お金の貸し借り)を営む場合も、その地域の現状に応じた運営がなされるのが特徴であるため、利用するJAによって金利が違うことも十分想定内なのです。ここで、各地方から1つずつ都市をピックアップし、そこに住んでいる人がJAのカードローンを利用した場合、年金利(2020年9月現在)がどのくらいになるのかチェックしてみました。
地域名 | 利用するJA | カードローンの金利(年利) |
---|---|---|
北海道札幌市(中央区盤渓) | JAさっぽろ | 年11.0%~年13.4% |
宮城県仙台市(青葉区片平) | JA仙台 | 年4.7%~ 年9.9% |
茨城県ひたちなか市(勝田泉町) | JA常陸 | 年 8.3%~ 年 10.70% |
東京都大田区(池上) | JA東京中央 | 年 4.5% ~ 年 12.0% |
静岡県浜松市(中区葵西) | JAとぴあ浜松 | 年 8.5% ~ 年 13.5% |
愛知県名古屋市(昭和区神村町) | JAなごや | 年 6.925% ~ 年 9.325% |
兵庫県三田市(上井沢) | JA兵庫六甲 | 年 7.625% ~ 年 10.425% |
広島県広島市(中区薬研堀) | JA広島市 | 年10.0% ~ 年 13.0% |
愛媛県宇和島市(曙町) | JAえひめ南 | 年 7.3% ~ 年 9.7% |
長崎県諫早市(青葉台) | JA長崎県央 | 年 5.8% ~ 年 8.2% |

どのJAを利用できるのかは、居住地=家がどこにあるかで決まってしまいます。自分で「金利が低いからここのJAでカードローンを契約したい」と選べるわけではありません。自分が契約に利用できるJAで設定されている金利が低ければラッキーですが、そうでない場合もあることに注意しましょう。
2.仮契約の時点から来店が必須の地域もある
詳しくは後述しますが、JAのカードローンを利用する際の手順は以下の通りです。
↓
仮審査に通過したら店舗に行き、説明を受けて本審査に進む
↓
本審査に通過したら、ローンカードが発行される
↓
ローンカードが発行されたら、JAのATMや提携金融機関のATMを利用して借り入れを行う
このうち、仮審査については
- Webからでの申込も可能なJA
- 店舗での対面の手続きが必須なJA
と扱いが分かれているのが現状です。もし、自分が利用できるJAが、仮審査の時点から店舗での対面の手続きが必須だった場合、実際に店舗に足を運ぶ時間を確保しないといけません。

3.初回利用時は審査完了まで時間がかかる
民間の消費者金融が提供しているカードローンの場合、最短で30分程度で審査の結果が出て、その日のうちに借入ができるようになるのは珍しくありません。しかし、JAの場合、仮審査の結果が出た後に本審査に進み、これを通過しないとローンカードが発行されません。

4.JAの店舗の営業時間中に店舗に足を運ばないといけない
JAのカードローンを利用する場合は、仮審査の段階からなのか、本審査の段階からなのかは異なりますが、いずれにしても店舗に一度は足を運ばないといけません。しかし、JAの店舗のほとんどは、営業時間が平日の朝(8時半または9時)から昼過ぎ(15時のケースが多い)までです。
いずれにしても、平日の昼間に時間を確保しないといけないので、平日に仕事がある人は
- 仕事中の昼休みの時間を使い、手続きする
- 有給を取得し、手続きする
などの方法で、店舗に足を運ぶことになるでしょう。

JA(農協)のカードローンでお金を借りるまでの手順
ここで、JAのカードローンでお金を借りるまでの手順について解説しましょう。大まかな流れは以下の通りです。
- 自身が利用できるJAを探す
- 仮審査を受ける
- 仮審査に通過したら店舗に行き、説明を受けて本審査に進む
- 本審査に通過したら、ローンカードが発行される
- ローンカードが発行されたら、JAのATMや提携金融機関のATMを利用して借り入れを行う
それぞれについて、さらに詳しく解説します。
1.自身が利用できるJAを探す
他の金融機関と同様、JAを利用する際も、自宅や職場の近くの店舗を利用するのが基本です。自身が利用できるJAを探しましょう。なお、カードローンについては、オンラインでの仮審査を受け付けてくれる店舗を、郵便番号から探すことができます。

出典:JAネットローン
また、JAの店舗はこちらから探せます。
2.仮審査を受ける
利用できるJAの店舗を調べられたら、仮審査を受けましょう。仮審査は
- オンラインで所定のフォームに入力する
- 実際に店舗に出向く
のいずれかで行います。
3.仮審査に通過したら店舗に行き、説明を受けて本審査に進む
仮審査に通過した場合、店舗から連絡が入るので、実際に出向きましょう。カードローンについて説明を受け、書類の取り交わしをした後、審査に進みます。
4.本審査に通過したら、ローンカードが発行される
本審査に通過したら、カードローンが利用できるようになります。ローンカードが発行されるので、説明をよく聞いておきましょう。
5.ローンカードが発行されたら、JAのATMや提携金融機関のATMを利用して借り入れを行う
JAのカードローンにおいても、ローンカードをATMに入れて、出金する形で借り入れをすることに変わりはありません。JAバンクを含め、入出金に利用できるATMと曜日・時間帯ごとの手数料をまとめました。
金融機関名 | 平日8:45~18:00 | 土曜9:00~14:00 | その他の曜日、時間帯 |
---|---|---|---|
JAバンク | 無料 | 無料 | 無料 |
セブン銀行 | 無料 | 無料 | 110円 |
イーネットATM | 無料 | 無料 | 110円 |
ローソン銀行 | 無料 | 無料 | 110円 |
なお、出金のみ(=ローンの借り入れも含む)なら、以下の銀行のATMが利用できます。
金融機関名 | 平日8:45~18:00 | 土曜9:00~14:00 | その他の曜日、時間帯 |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 無料 | 110円 | 110円 |
JFマリンバンク | 無料 | 無料 | 無料 |
その他(MICS提携) | 110円 | 220円 | 220円 |
JA(農協)のカードローンを利用する際の注意点
最後に、JAのカードローンを利用する際の注意点として
- 店舗に行く時間を確保できるかを考える
- 金利が低いからといって借りすぎないようにする
- JAで他のローンを借りる予定がある場合は早めに完済する
の3つについて解説しましょう。
1.店舗に行く時間を確保できるかを考える
仮審査についてはWebで完結させられる店舗も多いですが、本審査や契約は、店舗に足を運ばないとできないと考えましょう。ほとんどのJAの店舗は、平日の昼間しか営業していないので、仕事をしている人は
- 休憩時間を当てて出向く
- 有給休暇を取って出向く
など、スケジュールの調整が必要になる点に注意してください。

2.金利が低いからといって借りすぎないようにする
どこのJAを利用するかによっても差はありますが、銀行や消費者金融などの民間の会社が提供するカードローンに比べると、JAのカードローンの金利はやはり低いです。しかし、金利が低いからといって、借りすぎてはいけません。自分が返済できないほどになってしまったら、金利が低いことは何一つメリットにはならないのです。
3.JAで他のローンを借りる予定がある場合は早めに完済する
JAはカードローンのみならず、住宅ローンや自動車ローン、農業関係者向けの融資など、様々なローン商品を扱っています。自分や家族がこれらのローンを利用する予定がありそうなら、カードローンは早めに完済したほうがいいでしょう。
カードローンの残高が多い状態で他のローン商品に申し込んだ場合、毎月の返済額が膨れ上がることから、審査においてはやはり不利になります。