信用金庫のカードローンでお金を借りる方法。メリットデメリット・お金を借りるまでの手順を丁寧に解説

目次

信用金庫のカードローンでお金を借りる方法とは

信用金庫のカードローンでお金を借りる方法について、基本的なところを解説しましょう。

仕組み自体は銀行、消費者金融のカードローンと同じ

仕組み自体は、銀行や消費者金融など、他の金融機関で提供しているカードローンと変わりません。簡単に流れを示すと

  1. カードローンを申し込んできた人に対して審査を行い、基準を満たしていればローンカードを発行する
  2. ローンカードを受け取った人は、それを使って信用金庫のATMや銀行・コンビニなどに設置された提携ATMから引き出して借入をする
  3. あらかじめ決めた返済スケジュールに従い、返済を行っていく

もちろん、審査によって付与された利用限度額の枠内であれば、何度でも借りたり返したりができます。

teacher
いわゆるリボ払いですね。難しい言い方だと「極度貸付」といいます。

銀行と信用金庫の違いは?

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そうなんですね。でも、銀行と信用金庫って何が違うんでしょう?家の最寄り駅の近くにも信用金庫ありますけど。

銀行や消費者金融が提供するカードローンと何ら仕組みは変わらないのですが「どんな組織が運営しているか」という意味においては、大きな違いがあります。ここでは、銀行と信用金庫の違いについて、考えてみましょう。

銀行は「利益優先」、信用金庫は「助け合い」

まず、経営・運営において何を最も重視するかという観点から、違いを説明しましょう。

銀行(都市銀行、地方銀行、ネット銀行)は株式会社です。つまり、自分の会社に出資してくれる株主の利益を最大化することが何よりも求められるため、サービスも利益優先になります。もちろん、スタッフのスキルアップやサービスの拡充など、顧客にとって使いやすい銀行にするための取り組みは行われていますが、結局は株主の利益を最大化するための施策の1つにすぎません。

一方、信用金庫はその地域に住んでいる人や働いている人が会員となって、相互扶助=助け合いをしながら、地域の発展に貢献する目的で設立されています。このため、会員や利用者の利益が優先されるのも、銀行とは全く違う点でしょう。

違いを表にまとめてみました

その他にも、銀行と信用金庫とでは、根拠にする法律や設立目的など、様々な違いがあります。わかりやすくするために、違いを表にまとめました。

区分 信用金庫 銀行
根拠法 信用金庫法 銀行法
設立目的 国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資する 国民経済の健全な発展に資する
組織 会員の出資による協同組織の非営利法人 株式会社組織の営利法人
会員(組合員)資格 (地区内において)
住所または居所を有する者
事業所を有する者
勤労に従事する者
事業所を有する者の役員
<事業者の場合>
従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者
なし

信用金庫のカードローンでお金を借りる方法のメリット

次に、信用金庫のカードローンでお金を借りる方法のメリットについて考えてみましょう。

  • 銀行、消費者金融のカードローンより金利が低い
  • 低い金額であれば年金受給者、パート・アルバイト、主婦でも利用できる
teacher
それぞれについて、詳しく解説しますね。

1.銀行、消費者金融のカードローンより金利が低い

具体的な数字は

  • どこの信用金庫を使うか
  • 住宅ローンを組んでいるなど、他に信用金庫と取引があるか

にもよって左右される部分もありますが、総じて銀行、消費者金融のカードローンより、信用金庫のカードローンの方が、金利は低いことがほとんどです。ここで

  • 銀行のカードローン(みずほ銀行)
  • 消費者金融のカードローン(アコム)
  • 信用金庫のカードローン(山梨信用金庫)

の金利(2020年9月時点)を比べてみましょう。

銀行のカードローン(みずほ銀行) 年2.0%~14.0%
消費者金融のカードローン(アコム) 年3.0%~18.0%
信用金庫のカードローン(山梨信用金庫) 年13.5%

なお、銀行・消費者金融のカードローンに関しては、利息の表記を幅があるように書きましたが、これは「会社側から提示される利用限度額により適用される利率が違う」という意味です。利用限度額が低ければ、適用される金利は高くなります。つまり、50万円以下など、少額の借入であれば、信用金庫の方が金利が安い場合も多いのです。

teacher
実際は、自由に信用金庫を選んでカードローンを申し込むのは難しいです。ご自身が使えそうな信用金庫をいくつかピックアップし、金利を比較検討してみてくださいね。

2.低い金額であれば年金受給者、パート・アルバイト、主婦でも利用できる

信用金庫は一般的な銀行、消費者金融、クレジットカードなどの民間企業とは違い「会員の利益に資する」ことを大きな目的に据え、事業を行っています。そのため、運営上許容される範囲であれば、会員をはじめとした利用者に歩み寄ったサービスを行っているのも特徴の1つです。カードローンもこれにもれず、利用上限額が低いなどの条件はありますが、年金受給者、パート・アルバイト、主婦など、審査に通りにくい人でも利用できる信用金庫が多くなっています。例えば、埼玉縣信用金庫の場合、限度額は利用する人の属性に応じて、以下のように決まっています。

銀行のカードローン(みずほ銀行) 年2.0%~14.0%
消費者金融のカードローン(アコム) 年3.0%~18.0%
信用金庫のカードローン(山梨信用金庫) 年13.5%

信用金庫のカードローンでお金を借りる方法のデメリット

次に、信用金庫のカードローンでお金を借りる方法のデメリットについて考えてみましょう。

  1. 使える信用金庫はおのずと決まってしまう
  2. 必ず信用金庫に口座を開かなくてはいけない
  3. 審査には時間がかかる
  4. 審査に落とされることももちろんあり得る

1.使える信用金庫はおのずと決まってしまう

信用金庫で口座を開設したり、カードローンを申し込んだりする場合は、まずは、その信用金庫の会員になる必要があります。そして、会員になるには

  1. 営業エリア(事業地区、営業地区)内に住んでいる、会社がある
  2. 出資金として一定額(目安は1万円以上)を出せる

の2つの条件を満たさなくてはいけません。「出資金として一定額(目安は1万円以上)を出せる」はあまり厳しい条件ではないでしょう。しかし「営業エリア(事業地区、営業地区)内に住んでいる、会社がある」を深く掘り下げると、「どこに住んでいるか、勤めているかで、利用できる信用金庫が決まってしまう」という意味にもなります。銀行や消費者金融が(ある程度は)自由にどこを使うか選べるのに対し、信用金庫の場合はおのずと選択肢が狭まることに注意してください。

なお「どこに住んでいる人、勤めている人なら利用できるか」という情報は、信用金庫の公式ホームページに書いてある場合が多いです。例えば、大阪の枚方信用金庫の場合は、以下の地域が営業地区として指定されています。

大阪府 枚方市・寝屋川市・門真市・守口市・大東市・四條畷市・交野市・高槻市・茨木市・摂津市・吹田市・東大阪市・三島郡島本町
大阪市 中央区・北区(旧大淀区除く)・東淀川区・淀川区・城東区・鶴見区・旭区・都島区・東成区・西区
京都府 八幡市・京田辺市・相楽郡精華町
奈良県 生駒市

2.必ず信用金庫に口座を開かなくてはいけない

信用金庫のカードローンを返済する場合は

  • 支払元として信用金庫の口座を指定し、毎月所定の日に引き落としを行う
  • 信用金庫のATMから入金する

のいずれかで行います。どちらも本人名義の信用金庫の口座を利用することが前提になっている方法です。つまり、これまでに信用金庫に口座を持っていなかった人が新規で信用金庫のカードローンを利用する場合は、まずは口座を開くところから始めないといけないことに注意しましょう。

3.審査には時間がかかる

消費者金融のカードローンの場合、早いとその日のうちに審査が完了し、融資にまで進みます。しかし、信用金庫の場合は、これよりももっと時間がかかるのが一般的です。

理由の1つに「反社チェック(コンプライアンスチェック)」の存在が挙げられます。つまり、反社会勢力(例:暴力団やその関連企業、テロ組織など)が自社の口座やローンなどのサービスを、マネーロンダリングやテロ資金供与に悪用されないようにするためのチェックのことです。

信用金庫のカードローンの場合、反社チェックは時間をかけて行われるため、少なくとも「その日のうちに審査が完了し、融資にまで進む」ということは考えにくいです。「今日、お金がないと困る!」という人には、あまりおすすめできません。

4.審査に落とされることももちろんあり得る

都市銀行、地方銀行、消費者金融は民間企業であるため、利益を上げることが最大の目的です。そのため、カードローンの審査も信用金庫に比べると格段に厳しいです。一方、信用金庫はあくまで会員の利益の最大化を目指している以上、カードローンの審査難易度は銀行、地方銀行、消費者金融に比べると、やや低いでしょう。主婦、学生、年金生活者など民間企業が提供するカードローンでは審査に通りにくい人に門戸を開いているのは、その表れです。しかし

  • 他の会社のカードローン、キャッシングなどで延滞・滞納を繰り返している
  • 奨学金の返済が滞っている
  • 利用規約違反などのトラブルでクレジットカードを強制解約された
  • 実は任意整理、個人再生、自己破産をしたことがある

など、支払能力に重大な疑義がある場合は、さすがに審査には通りません。これらは、一定期間、異動情報(金融事故)として個人信用情報に登録されます。

teacher
さすがに100%審査に通る、とは言えないことに注意してくださいね。

信用金庫のカードローンでお金を借りるまでの手順

実際に、信用金庫のカードローンでお金を借りるにはどうすればいいのでしょうか。一般的な手順は以下の通りです。

  1. 自宅や勤務先の近隣で営業をしている信用金庫を探し、仮審査を受ける
  2. 店舗に出向き、カードローンの申し込みを行う
  3. 本審査に通ったらローンカードを使って借り入れをする
  4. 信用金庫の口座からの引き落としにより返済が行われる

それぞれについて、詳しく解説しましょう。

1.自宅や勤務先の近隣で営業をしている信用金庫を探し、仮審査を受ける

信用金庫はあくまで「地域密着型」のサービスを提供する金融機関です。そのため、基本的に自分が住んでいたり、勤めていたりする場所で営業をしている信用金庫でないと、会員になれない=口座も開けないし、カードローンも組めません。まずは「自分が使えそうな信用金庫」を探すところから始めましょう。探し方ですが

  • 一般社団法人全国信用金庫協会のホームページから検索する
  • 「駅名 信用金庫」で検索し、ヒットした信用金庫を検討する

等が挙げられます。

teacher
たとえば「池袋 信用金庫」と検索すると、このように出てきます!

どこの信用金庫にするかが決まったら、その信用金庫のホームページを見てみましょう。カードローンに関して、仮審査が受けられるようになっているので、事前に済ませて、信用金庫からの連絡を待ちましょう。

2.店舗に出向き、カードローンの申し込みを行う

信用金庫から仮審査の結果の連絡があったら、日時を指定して信用金庫の店舗に出向きましょう。そこで、カードローンの申し込み手続きを行います。最低でも、次のものは必要になるので必ず持っていくようにしてください。

  • 身分証明書(免許証、パスポートなど)
  • 銀行届出印
  • (あれば)通帳、キャッシュカード
  • (持ってくるよう言われたら)源泉徴収票など年収がわかるもの

このほかにも、具体的に持ってくるよう指示されたものがあれば、当日持参しましょう。申込書類を提出すると、本審査が行われ、最終的な合否が決定します。

3.本審査に通ったらローンカードを使って借り入れをする

審査を通過した場合は、ローンカードが後日送られてくるので

  • 信用金庫のATM
  • 銀行、コンビニなどに設置されている提携ATM

で利用して借り入れをしましょう。

4.信用金庫の口座からの引き落としにより返済が行われる

カードローンにより借り入れた金額は、当初の返済条件に従い、毎月一定の日に返済額が支払元として登録された銀行口座から引き落とされます。もちろん、まとまったお金が手に入った場合は信用金庫のATMやコンビニ、銀行の提携ATMから繰上げ返済をして構いません。

信用金庫のカードローンでお金を借りる方法の注意点

最後に、信用金庫のカードローンでお金を借りる方法の注意点として

  1. 起業予定の場合は繰上げ返済も検討しよう
  2. 営業エリア外に引っ越す場合は繰上返済と口座の解約はセットで
  3. 審査には時間がかかることも踏まえてスケジューリングを

の3つについて解説しましょう。

1.起業予定の場合は繰上げ返済も検討しよう

信用金庫の営業目的の1つに「地域経済の活性化」が挙げられます。そのため、都市銀行、地方銀行に比べると、創業してからあまり年数が経っていない企業に対しても、融資の門戸を開いている信用金庫は非常に多いです。

teacher
まずは半分公的機関に近い日本政策金融公庫から融資を受けて、そのあと信用金庫にステップアップしましょう。
そのため、もし、将来的に起業をする予定があったり、既に起業したりしている場合は、信用金庫のカードローンは早めに完済した方がいいでしょう。

信用金庫が地域の企業に対して融資する場合、大企業とは違って、代表者の支払能力についても審査が行われる場合がほとんどです。しかし、カードローンの残高があると「カードローンを使わなくてはいけないほどお金に困っている=相応の返済能力がない」とみなされかねません。できる限りは止めに完済した上で、信用金庫からの融資の審査に臨めるのがベストです。

2.営業エリア外に引っ越す場合は繰上返済と口座の解約はセットで

信用金庫は、それぞれの営業エリア(事業区域)に住んでいる、勤務している人に対してカードローンを含めたサービスを提供するのが原則です。そのため、営業エリア外に引っ越すことになった場合は、カードローンを繰上返済した上で、口座も解約しましょう。

なお、日本国内であれば、各地の信用金庫がATMの相互開放をしているため、どこにいてもATMからの入金・出金は問題なくできます。そのため、短期間(数カ月~1年程度)一時的に家を空ける程度なら問題はありませんが、家を空ける期間がそれ以上に及んだり、引っ越し先で家を買ったりなど、戻ってこないことが前提であるなら、口座を解約した方が何かと便利なはずです。

また、日本国外に赴任・留学する場合は、海外から利用できる日本の金融機関の口座は都市銀行のものに事実上限られています。そのため、やはり解約する必要が出てくることにも注意しましょう。

3.審査には時間がかかることも踏まえてスケジューリングを

既に触れた通り、信用金庫のカードローンは、消費者金融のカードローンに比べると時間がかかります。「その日のうちに融資までこぎつける」のはまず不可能です。しかも、ほぼすべての信用金庫で、カードローンの申し込みにあたっては店頭での手続きが必須となっています。このことを考えると

  • お金が必要になる予定より前にカードローンの申し込みを完了しなくてはいけない
  • 店頭での手続きに赴く時間を確保しなくてはいけない

という注意点が浮かび上がってくるはずです。必要なことを着実に行えるよう、余裕を持ってスケジューリングをするのが大事になります。

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