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この記事を読んでいるあなたは空室が埋まらなくて困っている人だと思います。もしいまあなたが、
- 最近は景気が悪いから・・・
- 人口も減っているし、みんな都心に行ってしまった
- 供給が過剰だから
- 家賃相場が下がっているから
という外的環境の悪化のせいで、自分のアパート・マンションが埋まらない、儲らない理由にしているなら、それは大きな間違いです。このような外的要因をものともせず収益を上げている大家さんはたくさんいます。
なぜ、不動産市場の不景気やアパマンの過剰供給をものともせず、資産を増やし続けられる大家さんがいるのか。そして、あなたとの違いはなんなのか。
それは、成功している大家さんのほとんどが専業で不動産業を営んでおり、絶えず試行錯誤を繰り返しているからです。あなたも同じように、専業で不動産業一本に集中し、試行錯誤を繰り返せば、すぐに空室はなくなり、収益も改善するはずです。
しかし、サラリーマンが副業で不動産投資をしている場合など、本業が忙しくてなかなか手をつけられないなど、時間がないと思います。しかし、いますぐにでも空室を埋めたい、収益を改善したい。そんな人に、試行錯誤の段階をスキップして、空き室を埋め、収益を改善する方法を紹介します。
満室大家さんになるためのステップ
「いいものを作れば、必ず売れる」もし、あなたがこう思っているなら、それは少し古い考えです。確かに、いいものを作れば、それだけで売れる時代もありました。それは、1960年代の高度経済成長期など、とにかく物がない時代の話です。おまけに、人口は増え続け、世帯あたりの年収も毎年伸び続けました。だから、いいものを作りさえすれば、必ず売れたのです。アパマンもそれらと同じく、作ればすぐ売れ、あっという間に満室です。土地に家さえ立てれば、誰でもアパマン経営はできる。そんな時代でした。
ですが、現在は違います。今はむしろ、物が余っている時代です。さらに、インターネットの利用拡大により自分で欲しい情報はすぐ手に入れられ、Amazonなどのインターネットショッピングサイトなどで安くていい商品が簡単に手に入れられるようになり、消費者の目も肥えてきました。このように、良いものを作れば必ず売れるという時代ではなくなったのです。
物が余っている時代にものを売るためには、売り方を知る必要があるのはいうまでもありません。逆を言えば、売り方を知ってさえいれば、なんでも売れてしまう時代でもあります。
それでは、すでにアパマン経営を始めていて、空き室リスク、または空き室で困っているあなたはどうすればいいのか。まずは、アパマン経営がどのような収益構造になっているかを把握することが大切です。なぜなら、この収益構造を把握すれば、様々な問題の解決策が見えてくるからです。とは言っても難しいことは一切なく、いたって簡単な公式で成り立っています。
単純ですが、これが不動産業が成り立つための最初の公式です。最終的には入居率100%で家賃を高くすればするほど、売り上げが高くなります。一方、利益を上げる公式は次の通り。
これも単純です。売り上げをあげて、経費を抑える。これで収益は増えます。考えてみれば、当然のことなのですが、これが簡単にできれば誰も苦労していませんね。
経費を減らして売り上げを上げる5つのポイント
この公式に基づくと、やるべきポイントが見えてきます。ポイントは次の5つです。
- 物件が本来持っている商品価値を取り戻す。
- お客を効率よく集める
- 集めたお客と高確率で契約する
- 部屋を常に稼働させ、空き室を出さないようにする
- 入居した人にできるだけ長く住み続けてもらう
まずは、とにかくお金をかけずに満室にし、売り上げを上げることです。そのためのポイントが次の3つです。
1.物件が本来持っている商品価値を取り戻す
1つ目は、物件が本来持っている商品価値を取り戻すということです。空き室を埋めるためには、なぜ部屋が埋まらないのか、その原因を突き止めて、改善しなければなりません。ですが、ここでの目的は、部屋を本来あるべき姿に戻すための必要最低限の原状回復とクリーニングを施すことであって、決してお金をたくさんかけてリフォームやリノベーションをするということではありません。
2.お客を効率よく集める
2つ目は、お客を効率よく集めるということです。あなたの物件がどんなに素晴らしいデザイン、仕様であっても、お客はあなたの物件を見ないで入居を決めることはないでしょう。となると、とにかく多くのお客にあなたの物件に興味を持ってもらって、内見をしてみたいと思わせる必要があるのです。それをできるだけお金をかけずにやる。これが重要です。
3.集めたお客と高確率で契約する
3つ目は、集めたお客と高確率で契約することです。仮に10人に内見してもらうとして、実際に契約に至るのはよくて、2人くらいになります。現実は結構厳しい物です。そこで、内見者と高確率で契約できる仕組みを作っておくことが必要です。
以上のポイントを踏まえて、改善すれば満室になる日も近いでしょう。ですが、満室になったからといって、そこで安心してはいけません。満室になったら今度はそれを維持していかなければなりません。そのポイントは2つあります。
1.部屋を常に稼働させ空き室を出さないようにする
1つ目は、部屋を常に稼働させ空き室を出さないようにすることです。ほとんどの大家さんは、満室になった途端、募集活動をやめてしまいます。満室の時にこそ、次の入居者を見つけておき、入居待ちの状態を作っておきましょう。
2.入居した人にできるだけ長く住み続けてもらう
2つ目のポイントは、入居した人にできるだけ長く住み続けてもらうことです。短期間で入れ替わりがあると、原状回復費用や募集費用など結構なコストがかかります。いったん入居してもらったら、できるだけ長く住み続けてもらうことが、不動産を安定経営する秘訣です。
次項から、5つのポイントについて具体的な方法を紹介していきます。
お金をかけずに入居者を集める方法
最低限のリフォームをする
入居者は実際の部屋を内見せずには決まりません。ところが内見者がいてもなかなか契約に結びつかない。その最大の問題点は、物件そのものにあることが多々あります。誰だって、前の入居者の生活感が残っていたら嫌ですよね。だから、匂いも含めて新築に近い状態まで回復させましょう。
色彩効果を極める
第一印象の決め手は目から入ってくる色にあります。医学的にも、人間は5感から受け取る情報のうち、87%を視覚から受け取っているといいます。さらに、その目から入ってくる情報のうち、色は55%を占め、形が45%だと言います。つまり、第一印象は、形よりも色によるところが大きいということなのです。
色使いを工夫すれば、単なる壁クロスの張替えひとつにしても、色選びでイメージはガラリと変わります。例えば、狭い部屋を広く見せるためにはブルー系の配色を使う。日当たりの悪い部屋を暖かく感じさせたいなら、イエロー系の配色を使う。部屋のクロスは無難な白を選ぶ人が多いです。しかし、壁のクロスに白を使うと、人は疲労感やイライラを感じるようになってしまうことがあります。これは、目の覚めるような白の輝きが、脳に必要以上の刺激を与えてしまうからです。そこで壁のクロスには、安らぎや筋肉の緊張をほぐす効果のあるアイボリー系の白やイエロー系のベージュなどを選ぶと良いでしょう。
入居希望者の五感を刺激する広告
物件が本来の価値を取り戻したら、次は入居者を募ります。入居者を決めるのに使われる基本ツールは広告です。お客様は広告をパッとみて、この物件をじっくり見るか見ないかを決めます。だから、ほんの一瞬でお客にこの物件を見て見たいと思わせる広告を作らなければなりません。
近場の不動産屋さんの前を通りかかって、店頭の募集広告を流し見しているときに目が釘付けになる広告が時々あります。その広告の特徴はA4白黒の広告に混じって、A2サイズほどの大きさの広告がデカデカと存在感を放っている、しかもオールカラーで。これは確かにお客の目に止まってすぐに入居者が決まると思います。しかし、それは長年不動産屋さんと信頼を気づいてきた企業や大家さんだから、こんな大きな広告を掲載してもらえるのかもしれません。ですが、これと同じようなことをしなくても、お金をかけずに反応のいい広告を作ることはできます。
お客の感情に訴える広告を作れば、反応は一気に上がります。反応の悪い広告は、広告の作り方がお客の感情とずれているので、反応がないのです。では、どうすれば良いのか。それは、特に難しいことはありません。まず、キャッチコピーで興味を引き、中身を見てもらうようにします。どれだけ良い内容の物件でも見てもらわなければ始まりません。
よくある広告は、「駅徒歩5分、オートロック付き、エアコン完備、コンビニ、公園、スーパー近く」など、ただ並べるだけではお客の感情は動きません。ちょっと工夫して、お客にこの物件で生活しているところを想像させてあげればいいのです。
例えば、コンビニ、スーパー至近・・・「コンビニまでたったの300メートル。少し先の24時間スーパーに行けば遅く帰ってきても買い物に困りません。」
オートロック付き・・・「オートロック付きなので女性も安心。押し売り、不審者をシャットアウトできます。」
このようの表現すれば、実際に住んだ時の状況が目に浮かんでくるはずです。この表現がお客にうまく同調すれば、この物件見て見たい、と内見につなげることができるのです。
広告以外のツールも必ず利用する
入居者の募集は、不動産屋さんの広告しか方法がないわけではありません。そのほかにも有効なツールがいくつかあります。それは
- インターネットで公開する
- 情報誌に掲載する
- マイソクを利用する
最初にあなたがターゲットにするべきなのは、物件があるエリアで部屋を探している人です。ここでまずするべきなのは、自分の物件があるエリアの不動産屋さんを歩き渡り、お客を紹介してもらえるように挨拶周りをすることです。一社の不動産屋にしか依頼していなければ、その分お客様が物件を目にする機会は少なくなってしまいます。また、入居希望者は利便性の高いターミナル駅に近いところから物件を探していく傾向があります。そのため、最低でも沿線のターミナル駅にある不動産業者までは足を伸ばしておきましょう。そこで、ぜひ自分の物件を優先的にお客に紹介してもらえるように依頼し、あなたの名前と顔を覚えてもらうようにします。できるだけ多くの不動産業者にあなたの名前と顔を覚えてもらえるようになれば、のちの物件の広告依頼もスムーズに行えるようになります。
賃貸物件サイトに情報を掲載する
少し前までは、物件情報誌で賃貸物件を掲載する人がほとんどでしたが、今やインターネットで物件情報を検索する人が全体の約7割を占めます。そこで、もし、あなたの物件がインターネットの情報サイトに掲載されていなければ、今すぐするべきです。掲載は基本的に不動産業者しかできないから、入居管理を委託している業者などに話を聞いてみるといいでしょう。
賃貸住宅情報誌を活用する
3つめの募集方法は情報誌への掲載です。インターネット検索のシェアが7割といっても、まだまだ紙媒体で探している人はいます。一行タイプの広告であれば費用はさほどかからないので、できれば情報誌へも物件情報を掲載しておくようにしましょう。
マイソクを利用する
マイソクとは、物件情報の業者間流通システムの総称です。一般的に、マイソクをたくさん配りさえすれば入居者が決まると思われていますが、それは迷信です。なぜなら、マイソクはマイソクの加盟店間だけにしか流通しないからです。また、ある都内の加盟店に配られる1回分のマイソクはなんと電話帳2冊ほどにもなります。こんなにたくさんの募集広告をじっくり見る会社はほとんどありません。ほんのコンマ数秒で、手元に残すか、ゴミ箱行きかが決定されるのです。だから、何も考えないで募集広告を作り、ただ費用をかけて何度もマイソクを配布するのはお金を捨てるようなものなのです。もし、あなたが不動産業者に依頼をして「マイソク」を配布する場合には、配布先で捨てられないように、募集広告をより魅力あるものにするよう工夫する必要があります。
家賃を変えずに敷金、礼金を緩和する
募集広告は作り直しました。業者にも挨拶して回りました。FAXもしたしマイソクもまきました。当然インターネットにも情報を公開しています。ですが、思うように効果があがらない人も出てくるでしょう。
そんなときは、再度「原因」と「結果」の法則に立ち戻って考えてみましょう。現在あなたが得ている「結果」には、必ず「原因」があるはずです。もし、十分な募集対策を取っているにもかかわらず、期待する効果が得られない場合には、募集方法以外に原因があることが考えられます。また、家賃を下げると、下げた分の家賃損失は入居者が住み続ける限り大きくなる可能性が高いです。となると、家賃を下げるよりもむしろ、一時的な収入となる礼金をサービスしたほうがよほど効率はいいことになります。そして、礼金とおなじように、敷金の条件も緩和するといいでしょう。
最近では、「敷金0、礼金」を謳う物件も数多く出回るようになってきました。しかし、敷金の額を減らしてしまうと、その分大家さんのリスクが大きくなると考えるのが普通でしょう。ところが、実は、敷金0、礼金0という条件にはカラクリがあり、契約の条件を極端に緩和する代わりに、家賃を相場よりも高く設定することでリスクを回避しているのです。家賃が高くなった分は返却不要な敷金収入と考えることもでき、敷金返金問題でトラブルが起きることもなくなるのです。
内見者に好かれる物件にする
どんなに広告などを工夫して、内見者を集めても契約してもらえないことには意味がありません。そこでまず、内見者の多くが嫌う物件の特徴を見てみましょう。
- エントランスが整理されていない
- 営業マンの受け答えが悪く、設備を説明できない
- キッチンやトイレの水が乾ききっている
- 換気扇が回っておらず、嫌な匂いがした
- スリッパが用意されていなかった・・・etc
等々挙げればきりがありません。お客の購買意欲は、実際の購入価格よりも、お客がこの買い物はお得だ、と思った時に高まります。このような些細なところでもお客の物件への関心はなくなっていきます。では、どうすればお客の購買意欲を向上させられるのか。早速紹介しましょう。
- まず最初のエントランスで良い印象を作る・・・エントランスが殺風景では期待も高まりません。花を添え華やかさを演出し、さりげない芳香剤で安心感を与えます。それと、スリッパは必ず用意しましょう。
- 部屋の鍵は現地に備え付ける・・・通常、部屋の鍵は管理している不動産業者が持っているものですが、複数の会社に募集をかけている場合にはとても不便になります。現地に備え付けておけば、内見をスムーズになり、スピーディーな対応ができます。
まとめ
ここまで、紹介したことで難しいことは一切ありません。お金もかからず、すぐ取り組める事ばかりです。今まで空室に困っていた人もまずは実践してみてください。