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お店のオーナーさんは収益確保のために商品等の仕入れや宣伝活動など、運営のために多くのことをやらなければなりませんが、顧客に対する決済サービスについては二の次になりがちなっているのではないでしょうか。
そこで今回は、クレジットカードの端末事情についてまとめていくことで、忙しいオーナーさん向けに短時間で理解できるよう記事をまとめていきますので、参考にしてみてください。
クレジットカードを導入する前に知っておきたいこと!
お店であれば必ず発生する支払いですが、国内のキャッシュレス事情として、他の先進国に比べて劣っているとは言え現金払いが減ってきているのは事実です。
お店としては、商品を販売し現金を受け取るというのが、以前は当たり前でしたが今ではそのようにもいかず、現時点で現金のみの対応されているオーナーさんは、お客様からの「カード使えますか?」との問いを一度は聞かれたことがあるかと思います。
現金払いのお店でも、他面で集客できれば顧客を確保することができるでしょうが、今や100円などの小額単価の商品でさえもクレジットカードなどのキャッシュレスで払う方が増えています。マクドナルドやすき家、一部のラーメン店など今までクレジットカード端末の導入が考えられなかった店舗での設置を見る限り、今後はますます拡大するでしょう。
それだけニーズの多いクレジットカード端末ですので、導入するにあたってのメリットやデメリットについてしっかりと把握しておきましょう。
クレジットカード端末導入の損得
「クレジットカード端末」と言っても、多くの種類の端末が開発されていて、お店によって使われている端末は様々です。クレジットカードやデビットカードに付帯されている国際ブランドを決済できる端末や、電子マネー専用端末、スマホ決済アプリ用のコード決済台紙など、お店に合った選択をしていく必要があります。
これまでクレジットカード端末の導入を検討したことのある人はご存知かもしれませんが、本来クレジットカードの利用は加盟店手数料が発生し、売上に対して3%〜5%の加盟店手数料が取られるので、ここが1番の導入においてネックな点になります。例えば1万円の買い物をした際には、300円〜500円の手数料を支払わなければならないということです。
その他にも、クレジットカードなどの支払いでは入金サイクルが取扱会社によって様々ではありますが、早いところでは数日、遅いところでは約1カ月入金までに時間がかかります。また、ボーナス払いに関しては、カード会社によっては、ボーナス払いの支払い月まで売上金の入金がされないと言ったこともあり、資金繰りに困るという意見も聞かれます。
また、クレジットカードの電話回線やインターネット回線を使用した端末の導入に関しては、費用もかかります。2019年10月〜2020年の6月までの「キャッシュレス消費者還元事業」の時に端末を申し込むと国からの補助金が受けられて、無料で設置することができるため、現在は該当の店舗に関してはかかりませんが、その後は端末の費用がかかるので、こちらも同様にネックなポイントになります。
以上のように、クレジットカード端末を導入することで、
- 加盟店手数料が発生する
- カード払い時の入金に時間がかかることも
- 端末導入に費用がかかる(キャッシュレス消費者還元事業の申請が通れば現在は無償)
上記のようなお店にとってネックな部分もあるので、しっかりと理解しておきましょう。
クレジットカード端末の導入で得られるメリット
もちろんクレジットカード端末の導入で得られるメリットもあります。クレジットカード端末の導入で得られるメリットとしては、「売上アップに繋がる」ということです!
なぜクレジットカード端末の導入で売上が上がるのかと言うと、
- クレジットカードの利用で購買単価が上がる傾向にある
- カードが使えるお店を選んでくる方も多い
- 外国人に対してのインバウンドも見込める
- POSレジシステムで顧客のデータ管理も行える
などクレジットカードを受け入れることで、それに伴う効果も得ることができます。クレジットカードを利用することで単価が上がったり、お店に行く前にカードが使えるかの確認を行うなど、実際に統計で出ているデータもありますし、近年では国内のインバウンドが年々増加していることも考えれば、導入する価値は十分です。特に現在のキャッシュレス消費者還元事業が実施されている中で、導入するメリットはとても大きいので、この機会にクレジットカード端末を導入していきましょう。
以上が、クレジットカードを導入する前に知っておきたいことについての内容になります。
クレジットカードを中心としたキャッシュレス決済のニーズは、年々増加傾向にあります。そのため販売を行なっていく上で、顧客からのニーズに応えるには必須な端末と言えます。しかし、導入する上では、
- 加盟店手数料が発生する
- カード払い時の入金に時間がかかることも
- 端末導入に費用がかかる(キャッシュレス消費者還元事業の申請が通れば現在は無償)
上記のようなネックな点がありながらも、導入することで、売上アップに繋がると言うメリットもあります。
では導入する上での流れについて見ていきましょう。
クレジットカード端末を導入するには?
クレジットカード端末を導入したい場合の進め方についてここでは解説していきましょう。
クレジットカードが取り扱える端末は、既にふれたようにたくさんの種類が存在しています。ここで紹介するクレジットカード端末としては、
- 据置型クレジットカード端末
- POSレジ連動型クレジットカード端末
- POSタブレット連動型クレジットカード端末
- モバイル型クレジットカード端末
- タブレット連携型クレジットカード端末
- スマホ決済アプリ専用コード決済端末(台紙)
と種類ごとに紹介していきます。
まずはどのような端末を利用するかを選定する
クレジットカード端末を導入していく中で、まずはどのような端末に選定するかを決めていく必要があります。お店の業種業態や、支払い頻度の多さ、売上規模などあらゆる面を考慮して選ぶのがいいでしょう。まずは、クレジットカード端末の特徴について以下にまとめました。
端末詳細 | 端末機例 | |
---|---|---|
据置型クレジットカード端末 | 店頭に設置されている据置型のクレジットカード端末。もっとも定番のクレジットカード端末。 | INFOX/JET-S/J-Mups/C→REX/JT-C31W |
POSレジ連動型クレジットカード端末 | 現金対応レジとPOSシステムが連動したクレジットカード端末。カード決済対応はもちろんデータの収集等が行える多機能端末。 | Tabレジ for UP-N300/V-REGI/BRII/Free POSタブレット |
POSタブレット連動型クレジットカード端末 | 現金対応レジとは連動しておらず、タブレット端末と連動したPOSシステム。こちらも同様にカード決済やデータの収集等が可能。 | POS+(ポスタス)/スマレジ・ペイメント/iPad POSレジ「ユビレジ」/Airレジ |
モバイル型クレジットカード端末 | 持ち運び専用のクレジットカード端末で、催事や訪問時などに対応できる端末。 | クレピコ/INFOX/TM-P1000/JET-Mobile |
タブレット連携型クレジットカード端末 | スマホやタブレットとの連動したクレジットカード端末。付属のカードリーダー端末から無線で決済できる端末。 | Square/Air pay/Coiney/楽天スマートペイ/Anywhere |
スマホ決済アプリ専用コード決済端末(台紙) | コード決済でバーコード読み取りやQRコード台紙を設置してユーザーが読み取る方式。 | PayPay/LINE Pay/メルペイ/Android pay/d払い/au wallet |
上記のように、クレジットカード端末によって、特徴が様々なため営業スタイルに合わせた選択を行わなければなりません。また、上記の種類によって加盟店手数料や設置費用なども全く異なるので、そちらも加味した選択が必要になります。クレジットカード端末を設置する店舗の規模による契約条件によって、加盟店手数料や設置費用などは異なるため一概には言えませんが、一店舗の個人店舗規模の傾向をまとめると以下のようになります。
加盟店手数料 | 端末設置費用 | ランニング費用 | 入金サイクル | |
---|---|---|---|---|
据置型クレジットカード端末 | 3%〜5% | 3万円〜10万円 | 0円〜数千円 | 半月ごと |
POSレジ連動型クレジットカード端末 | 3%〜5% | 10万円〜50万円 | 数千〜数万円 | 半月ごと |
POSタブレット連動型クレジットカード端末 |
3%前後 |
5万円〜10万円 | 0円〜数千円 | 数日〜半月 |
モバイル型クレジットカード端末 | 3%〜5% | 5万円前後 | 0円 | 半月ごと |
タブレット連携型クレジットカード端末 | 3%前後 | 0円〜数万円 | 0円 | 数日〜半月 |
スマホ決済アプリ専用コード決済端末(台紙) | 無料 | 無料 | 0円 | 翌日〜数日 |
※2019年10月〜2020年6月のキャッシュレス消費者還元事業期間中は、加盟店手数料3.25%以下、端末設置費用は無料となります。
上記のように、加盟店手数料・端末設置費用・ランニング費用・入金サイクルが端末によって全く異なるのが見てもらうとわかるかと思います。近年増加しているスマホ決済アプリの導入に関しては、加盟店手数料や設置費用などが一切かからないため、もっとも導入しやすい端末にはなりますが、今後も同じ状態が続くとも言い切れませんので、カード会社等の動向には注意しておく必要もあるでしょう。
カード会社へ加盟店の申請を行う
クレジットカード端末を選定した後には、そのカード会社への申請を行う必要があります。
クレジットカード端末によって、例えば据置型クレジットカード端末やPOSレジ連動型クレジットカード端末、モバイル型クレジットカード端末などの場合には、全ての国際ブランドを使えるようにする場合に、JCBカードと三菱UFJニコスというように2社のカード会社と加盟店契約を結ぶ必要がある端末もあります。一方でタブレット連携型やスマホ決済アプリなどは、一つの契約で複数の国際ブランドが使える端末も多いので、(端末会社によりけりなので確認が必要)申請時にしっかり確認しておきましょう。
加盟店への申請は、端末取り扱い会社の公式HPからの申請フォームに申し込むか電話で、訪問もしくは書類が届きますので、そちらに従って申し込みを行なっていきましょう。
以上が、クレジットカード端末を導入についての内容になります。
クレジットカード端末と言っても種類が豊富で、その端末によって特徴や加盟店手数料、設置費用など全く異なりますので、しっかりと販売形態に合わせた端末を選定の上申請していきましょう。
おすすめのクレジットカード端末
クレジットカード端末を導入する上での理解や流れについて説明してきましたが、最後はおすすめのクレジットカード端末を厳選して4つ紹介していきます。
今回紹介する端末は、クレジットカード端末の定番として使われている据置型の端末とタブレット連携型の端末をそれぞれ紹介していきますので、参考にしてみてください。
J-Mups
導入費用 | 10万円前後 |
---|---|
取扱国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/銀連/J-Debit |
決済対応可能なキャッシュレス | クレジットカード/交通系電子マネー/ID/QUICPay/楽天Edy/WAON/nanaco |
ランニング費用 | 使える電子マネー(銀連)1社ごとに月額200円〜300円の費用あり |
入金サイクル | 半月ごと※カード会社に準じる |
J-Mups(ジェイマップス)は、据置型のクレジットカード端末で、クラウド型の決済システムになっています。
この端末の強みとしては、クラウド型の決済システムとなることにより、情報の取扱の安全性やカード承認の決済スピードを高めることを実現している端末になります。また、国際ブランド各種が使える他(2社との契約が必要)、電子マネーや銀連カードは必要に応じて追加することができるので、お店にあったニーズで端末を利用することができます。
注意点としては、ランニング費用が最低でも毎月300円、電子マネーや銀連カードといった項目を追加ごとに200円〜300円の月額料金が追加されますので、注意しておきましょう。
Panasonic JT-C31
導入費用 | 15万円前後 |
---|---|
取扱国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/銀連/J-Debit |
決済対応可能なキャッシュレス | クレジットカード/交通系電子マネー/ID/QUICPay/楽天Edy/WAON/nanaco |
ランニング費用 | – |
入金サイクル | 半月ごと※カード会社に準じる |
Panasonic JT-C31は、こちらも据置型クレジットカード端末になります。
こちらの端末は、クレジットカードや各種電子マネーの決済は当然ながら対応可能とし、オプションサービスが豊富に付けられる端末になっています。例えば、クレジットカード決済時に発生するサインを電子化できるサインパッドや、駐車券システムと連携できるバーコードリーダーなど、決済機能以外にも多機能な面を持っている据置型の端末になります。中心街などに位置する店舗におすすめの端末となっています。
注意点としては、これらのサインパッドやバーコードリーダーなどは、全てオプションサービスのため、別途費用がかかるということです。また、この端末に関しては、月額費用についての情報が不明のため、申し込みの際に事前に確認しておきましょう。
Square Reader
導入費用 | 7,980円(税込) |
---|---|
取扱国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/DISCOVER |
決済対応可能なキャッシュレス | クレジットカード |
ランニング費用 | なし |
入金サイクル | 最短翌日 |
Square Reader(スクエアリーダー)は、タブレット連携型のクレジットカード端末になっています。
導入についても、比較的安価に導入できる端末ですし、入金サイクルやランニング費用の面は非常に優れている端末になっているので、とりあえず導入しておきたい方におすすめです。
注意点としては、クレジットカード決済にのみ対応できる端末で、支払い回数自体も1回払いのみの受付になってしまうということです。この点は、決済時に伝えなければ問題が発生するところにもなりますので、十分注意しておきましょう。
Air pay
導入費用 | 無料 |
---|---|
取扱国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/銀連/J-Debit |
決済対応可能なキャッシュレス | クレジットカード/交通系電子マネー/ID/QUICPay/Apple Pay/LINE Pay/d払い/Alipay |
ランニング費用 | 無料 |
入金サイクル | 月3回〜6回の入金日あり |
Air pay(エアペイ)は、こちらもタブレット連携型のクレジットカード端末になります。
Air payは、iPadとカードリーダーの2つの端末を使って、クレジットカードや電子マネーの決済を可能にしています。現在は、どちらの端末も無料で導入することができるので、新規で導入されるお店については、もっともおすすめできる端末になります!
Air payの導入時、iPadは無料で貸し出ししてくれるので、タブレットを持っていなくてもすぐに導入が可能になりますし、ランニング費用なども一切かかりません!また、squareほどではありませんが、入金サイクルもみずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行であれば、月に6回入金日が設けられているので、据置型の端末に比べるとはるかに早い入金となります。さらにAir payと合わせてAir REGIを利用することで、POSシステムも使うことができるので、将来的に導入したい方の前段階としてもおすすめできます。
Air pay注意点としては、Android端末には対応していないということです!あくまでiosのみの対応になるので、注意が必要なことと店舗にWi-Fiの環境も必ず必要になるので、この点には注意しておきましょう。
以上が、おすすめのクレジットカード端末になります。
クレジットカード端末も多くの種類端末があり、全てを紹介することはできませんが、今回紹介した端末は利用者もとても多い端末になるので、参考にしてみてください。
おすすめのクレジットカードはこちら
まとめ
クレジットカード端末を導入するオーナーさん向けに記事をまとめてきましたが、導入する前に知っておきたいポイントとして、
- 加盟店手数料が発生する
- カード払い時の入金に時間がかかることも
- 端末導入に費用がかかる(キャッシュレス消費者還元事業の申請が通れば現在は無償)
上記のような点に注意する必要があります。一方で導入することで、
-
- クレジットカードの利用で購買単価が上がる傾向にある
- カードが使えるお店を選んでくる方も多い
- 外国人に対してのインバウンドも見込める
- POSレジシステムで顧客のデータ管理も行える
上記のような効果を得られ、売上アップに繋がることも可能になります。そのため、クレジットカード端末の良し悪しをしっかりと理解した上で導入を行なっていきましょう。
最後になりますが、クレジットカード端末も時代の流れに沿って変化しており、非常に便利な端末もたくさん出てきています。一方で、クレジットカード決済を行う上で、「7pay」の問題のような個人情報流失に敏感になっている消費者も多数います。
そんな中で、便利な端末や高セキュリティな端末と多岐にわたって提供されているので、選択するのも難しいですが、お店を上手く運営する一つの材料とも言えますので、しっかり考えて選んでいきましょう。