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アメックスのビジネスカードを発行することで、これまで分散していた経費支払いの一元化が可能です。そして、従業員が増えることで、さらに追加カードの必要性が高まる一方でしょう。
立て替え払いに精算の手間がなくなることで従業員の負担も軽減できますし、支払日が月1回にまとめられることでキャッシュフローの改善の面でも有効です。
そんなメリットの大きいアメックスのビジネスカードの追加カードですが、すでに利用している、もしくは利用しようと思っているカードがグリーン、ゴールド、プラチナのどれかによって発行条件や手続きなどが変わってきます。
当記事では、アメックスのビジネスカードの追加カードに加えて、他社の法人カードの追加カードも比較。そのうえでチェックすることで、アメックスの優位性について解説したいと思います。
どのランクかによって追加カードの発行条件が異なる
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードでは、カードランクが大きく3つに分かれています。
3つのランクそれぞれで追加カードの発行はできますが、発行条件が多少異なりますから、具体的な違いをチェックしておくと良いでしょう。
なお、アメックスのビジネスカードに設定される3つのランクとは、以下の3つです。
・アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
・アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
名称にカラーが入っていることが特徴ですが、何もないアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードはアメックスのビジネスカードの中でもっともベーシックな位置付けのカードです。
券面のカラーがグリーンなことから「アメックスグリーン」などと呼ばれ、親しまれています。
ビジネスカードの3つのランクの年会費
ランクによる代表的な違いが年会費の金額です。まず、本会員カードの年会費はグリーン→ゴールド→プラチナの順に高くなっていき、追加カードの年会費も同様にランクによって異なります。
・グリーン
本会員:12,200円(税込)
追加カード:6,600円(税込)・ゴールド
本会員:31,100円(税込)
追加カード:12,200円(税込)
・プラチナ
本会員:133,000円(税込)
追加カード:4枚まで無料、5枚目からはゴールドの発行で12,200円(税込)
*プラチナとして発行されるカードは本会員カードを含めて最大5枚なことに注意してください。
追加カードの発行条件
アメックスのビジネスカードを法人発行している場合、追加カードの発行できるのは法人の役員とその従業員に限定されます。さらに、個人名義カードとして発行している場合、役員と従業員のほかに本会員の親族(2親等以内)も対象です。
いずれも20歳以上の方が条件で、追加カードの申し込み手続きは本会員によっておこないます。
また、現在使用しているアメックスビジネスカードが法人名義か個人名義かを知りたい場合、券面左下の使用者名義の刻印にて確認できます。
追加カードの発行はオンラインから申し込み
追加カードの発行申し込みをしたい場合、オンライン手続きをするのが原則です。
アメリカン・エキスプレスの公式サイト内にある「追加カードのご案内・お申し込み」のページから申し込みフォームへ進むことができます。
追加カードを3枚以上新規発行したい場合は電話連絡が必要
なお、オンラインで申し込みできる追加カードは2枚以下と決まっています。
追加カードを3枚以上発行したい場合は、本会員がアメリカン・エキスプレスへ直接電話をして申し込みをしてください。
追加カードの取り扱いは基本カードと同じ
追加カードの取り扱いも基本カードと同様と思ってください。まず、カードの送付先は本会員が法人代表者であれば会社所在地となり、個人事業主であれば現住所となります。
また、利用できるサービス内容も一部を除き、基本カードと同じです。
ETCカードの発行可能枚数が異なる
本会員カードと追加カードの違いとなるのが、ETCカードの発行可能枚数です。まず、本会員カードはETCカードの発行は5枚まで対応していますが、追加カードで発行できるETCカードは1枚となっています。
プラチナは追加カード発行の扱いが異なる
すでに解説したように、プラチナのみ追加カード発行の取り扱いが異なります。
5枚以上の追加カードを発行したい場合、5枚目からはゴールドが発行され、プラチナの追加ができません。また、4枚目まではプラチナだけでなくゴールドを選んでも問題ないです。
プラチナで4枚まで無料なのは、本会員カードの年会費に4枚分の追加カードの年会費が含まれているからで、プラチナの追加カードはプラスチックカードとなっています。
次の項目では、アメックスのビジネスカードに追加カードを発行するメリットについて解説していきましょう。
アメックスのビジネスカードに追加カードを発行する5つのメリット
アメックスのビジネスカードに追加カードを発行するメリットは主に以下の5つが挙げられます。
・ポイント獲得のスピードアップにつながる
・利用実績を積むことができる
・クレジットヒストリーの構築につながる
・カードの使い回しを回避できる
こちらでは、詳しくチェックしていきたいと思います。
法人カードを導入する最大の目的となる経費管理がより効率化する
アメックスのビジネスカードを導入する理由の一つが、法人カードの機能を活用することでしょう。その中でも、経費管理の効率化は法人カードを導入する最大の目的となります。代表者以外の役員、さらに従業員が追加カードを持つことによって、経費管理の一元化が可能です。
追加カードを発行する前は仮払いや精算が必要な現金、その他カードで支払いをしていたものをアメックスに一本化すれば、支払い事務の簡素化だけでなくキャッシュフローの改善もできます。そして、立替払いをする必要がなくなれば、他の役員や従業員の負担が軽減。加えて経費の見える化にもつながるでしょう。
アメックスのビジネスカードに付帯するさまざまなサービスを活用することによって、より経費管理の効率化が進み、ビジネスの加速もできます。
ポイント獲得のスピードアップにつながる
本会員カード1枚で貯まるポイントと、追加カードも含めて貯まるポイントは差が出るのは当然です。必要枚数の追加カードを適切に活用することによって、ポイント獲得のスピードアップすることは間違いありません。
そして、ポイントが貯まったらビジネスの中で役立てることができます。
利用実績を積むことができる
ポイントだけが積み上がるのではなく、アメックスを利用することで実績も積み上がっていきます。
要するに信用度のアップにつながり、毎月の利用金額が多くて延滞もなければ優良顧客と認められるのです。一時的な利用限度額の引き上げはもちろん、限度額そのものの上げてもらえるようになり、事業の拡大の際にも役立ちます。
クレジットヒストリーの構築につながる
アメックスからの評価が高くなるのをはじめ、クレジットヒストリーの構築につながります。
今後、別のクレジットカードに申し込む機会があった場合、信用情報機関の登録内容を照会したカード会社から良い評価を得られる可能性が高くなるでしょう。
これは、アメックスのビジネスカードで追加カードも含めた利用実績が優良なことが理由になります。
カードの使い回しを回避できる
役員やほかの従業員が経費を使う機会があるものの、本会員カード1枚のみでカード決済をおこなう場合は「カードの使い回し」がありがちです。その結果、カードを誰が使ったのか、返却を忘れてしまったなどのことになる場合があります。
まず、クレジットカードを利用できるのはカード名義人のみですから、カードの使い回しは不適切な利用かつ規約違反です。
そこで追加カードを発行することによって、使い回しによるさまざまなリスクがなくなりますし、適切なカード利用が叶います。
追加カードを発行することの4つのデメリット
アメックスのビジネスカードで追加カードを発行するときは、メリット以外にデメリットも考えなくてはなりません。
そこで、主なデメリットとなるのが以下の4つです。
・支払日に用意する資金が多くなる
・カードの管理の手間が発生する
・不正利用のリスク
こちらもメリットと一緒にチェックしておきましょう。
支払う年会費が増える
本会員カードの年会費に比べれば価格はおさえられているものの、追加カードを発行すると支払う年会費が増えます。
グリーンでは1枚6,600円(税込)、ゴールドなら1枚12,200円(税込)を支払わなくてはなりません。
たしかに法人カードの年会費は適正に使用していれば経費として計上できますが、それでも支出が増えることに変わりないです。
プラチナのみ、追加カード4枚分の年会費が本会員の年会費に含まれますので、4枚まででおさえられるのであれば追加で支払う費用負担はないです。しかし、5枚以上保有したい場合、5枚目から1枚につきゴールドの追加カードと同様に12,200円(税込)を支払う必要があります。
なお、価格がゴールドと同じになっているのは、プラチナで発行される追加カード5枚目以降が、プラチナではなくゴールドだからです。
支払日に用意する資金が多くなる
本会員カードのみを使っていたとき以上に、カード決済の機会が増えるのが追加カードとなります。そのため、総利用金額が増えるのは当然なことで、支払日に用意する資金が多くなることは避けられないでしょう。
ただし、無計画な利用をしなければ資金を用意できないなどのことに陥ることはないはずです。
さらに支払日を毎月1回にすることは支払日まで資金の有効活用も可能なので、デメリット以上にメリットの方が大きいと言えるかもしれません。
カードの管理の手間が発生する
本会員カード1枚のみであれば、自分が持っていることで管理に問題はありません。しかし、追加カードを発行すると管理の面に問題が発生し、追加カードの発行枚数が多くなるほどに管理は複雑になるでしょう。
そこで考えたいのが、カードを使用者が24時間持っているのか、それとも各自がデスクの引き出しにしまうなどして必要時に持ち出すのか、もしくは勤務時間中だけ持ち歩くのかなどの取り扱いです。
そのほかにも、カードの所在確認をどのようにおこなうのかなどの点を曖昧なままにしておくと、紛失や盗難のリスクが増しますし、仮にそうなった場合に気付くことなく時間が過ぎてしまう可能性もあります。
不正利用のリスク
紛失や盗難のリスクだけでなく、追加カードは不適切な利用、不正利用の恐れがあります。一例となるのが、経費を使う際に私的な買い物も一緒にしてしまうことです。
これには悪気なくついでに買ったというケースもありますし、最初から意識しておこなったケースもあるでしょう。さらに、追加カードを利用していた役員や従業員が退職した際にカードの回収を忘れて使われてしまうケースも出てきます。
このようなリスクを避けるには追加カードの利用についての明確なルールを定めて適切に運用する必要があります。そうすることで、大体のことを避けられるものがほとんどでしょう。
他社法人カードの追加カードと比較
アメックスのビジネスカードの追加カードと他社の法人カードで発行できる追加カードは何が違うのかを知っておくと良いでしょう。
三井住友ビジネスカード for Ownersの3つのランク
VISAブランドが付帯するだけでなく、さらにMasterCardのブランドも発行できる三井住友ビジネスカード for Ownersは3つのランクのカードがあります。
・クラシック
本会員:1,375円(税込)
追加カード:440円(税込)・ゴールド
本会員:11,000円(税込)
追加カード:2,200円(税込)
・プラチナ
本会員:55,000円(税込)
追加カード:5,500円(税込)
※クラシックとゴールドのみ、インターネット入会で初年度年会費無料
また、三井住友ビジネスカード for Ownersで追加カードを発行する場合、追加カード発行対象者となるのがパートナー会員です。パートナー会員の申し込み画面には、本会員とパートナー会員となる方の2名の記入が必要になります。
JCB法人カードの3つのランク
日本唯一の国際ブランドのJCBが発行するプロパーカードのJCB法人カードも3つのランクがあります。
・JCB一般法人カード
本会員:1,375円(税込)
追加カード:1,375円(税込)・JCBゴールド法人カード
本会員:11,000円(税込)
追加カード:3,300円(税込)
・JCBプラチナ法人カード
本会員:33,000円(税込)
追加カード:6,600円(税込)
※一般とゴールドのみ、インターネット入会で初年度年会費無料
JCB法人カードで追加カードを発行したい場合、申し込みをする前に専用書類となる法人使用者追加届を請求しなくてはなりません。法人使用者追加届があれば、3名まで追加発行が可能で、4名以上の追加が必要な場合は法人使用者追加届を追加請求して申し込みます。
オリコ EX Gold for Bizの2種類のカード
オリコ EX Gold for BizではMとSという、2種類のカードを発行しています。
・M
本会員:2,200円(税込)
追加カード:無料・S
本会員:2,200円(税込)
追加カード:発行なし
本会員カードの年会費は初年度無料です。
なお、Mは法人代表者向けのカードとなり、メンバーカードと呼ばれる追加カード発行可能枚数は最大3枚となります。
個人事業主の方は、 MではなくSが発行対象ですが、メンバーカードの発行は非対応です。
セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードの2つのランク
セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードでは、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードとセゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードの2つのランクがあります。
・セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
本会員:22,000円(税込)
追加カード:3,300円(税込)・セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード
本会員:1,100円(税込)
追加カード:発行なし
※初年度無料キャンペーン、翌年度優遇制度あり
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、発行できる追加カードは4枚までです。
Netアンサーから申し込み、登録申込書を請求してからの申し込み、セゾンカウンターにて申し込みができます。
楽天ビジネスカード
年会費2,200円(税込)の楽天ビジネスカードでは、追加カードを発行できません。なぜなら、楽天ビジネスカードは楽天プレミアムカードと一緒に持つ必要がある追加カードの扱いだからです。
■楽天ビジネスカードと楽天プレミアムの年会費
・楽天プレミアムカード:11,000円(税込)
・楽天ビジネスカード:2,200円(税込)
UC法人カードの2つのランク
UC法人カードでは、一般とゴールドの2つのランクのカードを発行しています。
・一般
本会員:1,375円(税込)
追加カード:1,375円(税込)・ゴールド
本会員:11,000円(税込)
追加カード:2,200円(税込)
UC法人カードはクレディセゾン発行のカード、UCカード発行のカードがあります。
基本スペックと付帯サービスはどちらも同じですが、後から追加カードの申し込みができるのはクレディセゾン発行のカードのみです。
おすすめの法人カードはこちら
まとめ
アメックスのビジネスカードに追加カードを発行すれば、経費管理の効率化が進むでしょう。また、そのほかにもビジネスの加速も期待できます。
たしかにデメリットもいくつかありますが、あらかじめ対応策を知っておけば問題なく回避できるでしょう。
他社の法人カードにおける追加カードは、年会費の面でアメックスよりも有利に思えるかもしれません。しかし、アメックスの法人カードは他社よりもワンランク上のステータスという位置付けですし、アメックスの付帯サービスの充実度は法人カードの中でもトップクラスと言えます。
他社は発行可能枚数に制限があったり申し込みに手間がかかったりすることも見過ごせませんから、アメックスのビジネスカードで追加カードを発行することをぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。