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老後の資金のための準備として一般的に考えられるのが、国民年金や厚生年金などの公的年金と言う人が多いでしょう。しかし、公的年金だけで、すべての老後資金を賄うのは難しいのも現実です。
そのため、足りない老後資金を賄う必要がありますが、その資金を貯めるのに人気の商品が個人年金です。しかし、個人年金には色々な種類があり、またどこで加入するかによっても違ってきます。
今回はおすすめの個人年金ランキングを紹介すると共に、個人年金とは何かやメリットデメリットも紹介していきます。
個人年金とは?
個人年金とは、国民年金や厚生年金などの公的年金では足りない部分を補てんするために加入する私的年金の内の一つです。個人年金に加入する目的は、いろいろあります。
例えば、自営業者の公的年金が国民年金だけのため、老後の生活費が足りなくなることを心配して加入するケースがあります。また、60歳で定年退職するサラリーマンが、年金が支給開始される65歳までの生活費を準備するために加入するケースもあります。
このように、個人年金とは、老後の生活を助けることを目的として加入することが多いです。仮に、個人年金の被保険者が年金を受けとる前に亡くなった場合は、今までに払い込んだ保険料に応じた死亡給付金が遺族に支払われます。
また、個人年金を受け取っている期間中に亡くなった場合は、受取金額が保証された確定年金や保証期間が付いている期間中は、遺族に年金が支払われることになります。
個人年金の特徴や公的年金との違い
国民年金や厚生年金などは国が保険者となる公的年金であり、国民全員の加入が義務付けられています。一方、公的年金で不足している生活費などの補填を目的とした個人年金などは、保険会社などが保険者となる私的年金で加入は義務付けられたものではありません。
ここでは、個人年金の種類と特徴と公的年金の種類と特徴について解説していきます。
個人年金の種類
個人年金の種類は、いろいろな単位によって分類されます。ここでは、受取期間により分類した個人年金の種類について解説していきます。
受取期間による分類
個人年金保険は、年金の受取期間によって、確定年金、有期年金、終身年金、夫婦年金などに分類されます。以下ではそれぞれの詳細ついて解説していきます。
確定年金
確定年金の契約時に定められた一定の期間に年金が受け取れる個人年金です。期間中であれば、被保険者の生死にかかわらず年金を受け取ることができます。
仮に、期間中に被保険者が亡くなってしまった場合、遺族が残存期間に対応する年金や一時金を受け取ります。
有期年金
有期年金は、確定年金と同様に契約時に定めた一定の期間に年金が受け取れる個人年金保険です。ただし、確定年金は被保険者の生死にかかわらず年金を受け取ることができますが、有期年金は生きている間だけ受け取ることができます。
すなわち、有期年金と確定年金の違いは、被保険者が亡くなった場合に年金が受け取れるかどうかになります。
終身年金
終身年金は、被保険者が契約時に決定された年齢から死亡するまでの間ずっと年金を受け取ることができる個人年金です。保証期間の付いた終身年金は保証期間中に被保険者が死亡しても、保証期間の残存期間に準じた年金または一時金が遺族に支払われます。
夫婦年金
夫婦年金は夫婦連生終身年金とも呼ばれ、夫婦のどちらが生存している限り受け取ることができる個人年金です。保証期間が付いている夫婦年金は、保証期間中に夫婦2人共に死亡した場合は、保証期間の残存期間に準じた年金または一時金が遺族に支払われます。
リスクもリターンも大きい個人年金
個人年金は、どのような積み立てをしていくかによって将来受けとる年金額が変わっていきます。当然、リスクが低く受けとる額が決まっている個人年金もありますが、安全性を重視しているためどうしても運用の成果が上がりにくくなります。
一方、安全性よりも将来のリターンを重視した個人年金の中に、変額個人年金保険という商品もあります。この商品は、加入する保険会社の運用実績により年金額が決まるため年金額が変動する個人年金です。
そのため、運用実績が好調だった場合はその分年金額が増えリターンも大きくなります。しかし、運用実績が不調だった場合は、場合によっては元本割れする可能性もありとてもリスクの高い商品なのです。
よく仕組みを理解しないで加入すると将来困る可能性もありますので、加入するには注意が必要です。
外貨建て個人年金
米ドルやユーロなどの外貨で積立金の運用で行う外貨建て個人年金という商品があります。外貨での運用のため高い利回りが期待できる一方で、為替レートによっては元本割れのリスクもあります。
また、為替手数料や運用費用などがかかる場合もあります。
公的年金の種類
個人年金は公的年金では不足している老後資金を補填するためのものですが、公的年金にはどのような種類があってどのような役割をしているのでしょうか?ここでは、公的年金について詳しく解説していきます。
国民年金
国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が被保険者となってる公的年金です。国民年金の種類は、老齢のための給付である老齢基礎年金、障害を負ってしまった場合の給付である障害基礎年金、死亡に対する給付である遺族基礎年金があります。
他にも付加年金や寡婦年金や死亡一時金などが、国民年金の給付です。
老齢基礎年金
老齢基礎年金は、受給資格を満たしている人が所定の年齢に達した場合に支給される年金です。20歳から60歳までの40年間毎月保険料を払った人は、65歳になったら満額の老齢基礎年金が支給されます。
障害基礎年金
障害基礎年金は、障害等級1級、2級の状態にあると判断された人に支給される年金です。国民年金の被保険者が、加入期間中に初診日がある病気やけがなどにより障害の状態になった場合に支給されます。
また、国民年金の被保険者だった人が、60歳から65歳までの間に初診日がある病気やけがなどより障害の状態になった場合にも支給されます。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が死亡した場合や、老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡した場合に配偶者などに支給される年金です。死亡した人によって生計を維持されていた子のある配偶者か支給対象者です。
配偶者かいない場合は、18歳に到達する年度の3月31日を経過していないまたは20歳未満で障害等級1級か2級の子が対象者になります。
厚生年金
厚生年金は会社員や公務員を対象とした公的年金で、厚生年金に加入していれば自動的に国民年金にも加入していることになります。国民年金の支給分の上乗せ分と位置付けられている年金で、老齢や障害や死亡に対して給付が行われます。
保険料は個人の報酬額によって決まり、労使折半で給料から天引きです。
老齢厚生年金
老齢厚生年金は、厚生年金の被保険者の期間がある人が老齢基礎年金の受給資格を満たした場合に支給されます。原則65歳から老齢基礎年金の上乗せ分として支給されます。
また、男性で1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前に生まれた人は、特別支給の老齢厚生年金として60歳から64歳の間に支給されるケースがあります。
障害厚生年金
障害厚生年金は、厚生年金に加入している間に初診日がある傷病などによって障害等級1級、2級、3級の状態になった人に支給されます。障害基礎年金との違いは、申請できる障害状態が障害基礎年金が2級までなのに対して、障害厚生年金は3級も申請できます。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者が死亡した時、被保険者期間中の傷病が原因で初診日から5年以内に死亡した時、老齢厚生年金を受給している人が死亡した時に支給されます。受給対象者は優先順位の高い順に、妻、18歳到達年度の年度末を経過していないか20歳未満で障害等級1級か2級の子や孫、55歳以上の夫、父母、祖父母です。
個人年金のメリット
個人年金には、いろいろなメリットがあります。ここでは、個人年金のメリットについて解説していきます。
- 口座引き落としのため自動的に引き落とされる
強制的に引き落とされるため、積み立てなどでお金を貯めるよりも自然に老後資金が貯まっていきます。
- 個人年金保険料控除が受けられる
個人年金保険料は生命保険料控除と別枠で個人年金保険料控除が受けられるため、所得税と住民税の節税になります。
- 解約のハードルが高い
途中解約すると元本割れをする商品もあり解約すると損をしてしまう可能性があるため、なかなか解約ができない。
個人年金のデメリット
前項では個人年金のメリットについて紹介しましたが、個人年金はメリットばかりではありません。本項では、個人年金のデメリットについて解説していきます。
- 途中解約すると元本割れすることがある
急にお金が必要になった場合、個人年金を途中解約することは可能です。しかし、基本的には元本割れをしてしまいます。さらに、商品によっては支払ってきた金額の半分程度しか戻ってきません。
- 満期まで積み立てしても元本割れすることがある
変額個人年金保険などの保険会社の運用実績により年金金額が決定する商品は、実績によっては元本割れする可能性もあります。
- 定額型の年金の場合はインフレリスクがあること
契約時に将来受けとる年金額が決まるタイプの個人年金の場合、将来インフレが進んでいくと貨幣価値が下がるため損をしてしまうリスクがあります。
おすすめの個人年金ランキング
第一位 マニュライフ生命のこだわり個人年金(外貨建て)
マニュライフ生命のこだわり個人年金(外貨建て)は、米ドルまたは豪ドルで運用する積立型個人年金保険です。外貨で運用する個人年金ですが、生命保険料控除の対象となることが特徴です。
ハイリターンを期待することと、節税をしたい人にとってはおすすめの商品です。運用は外貨ですが毎月の払い込みは毎月一定額の円のため、毎月の払込金額が増減することはありません。
外貨での運用のため積立金の運用実績により将来の年金額が決まりますが、最低保証積立利率が設定されていますので積立利率が最低保証積立利率より小さくなることはありません。(米ドル、豪ドル共に最低保証積立利率は年1.5%です。)また、契約後も家計の状況などに合わせて契約内容の変更をすることができます。
第二位 JA共済 予定利率変動型年金共済ライフロード
JA共済のライフロードは、予定利率の推移により年金額の増加が期待でき、一度増加した年金額は減ることはありません。加入することができる年齢は18歳~50歳で、簡単な告知だけで医師による診査は必要なく申し込みができます。
第三位 明治安田生命 年金かけはし
第四位 ソニー生命 変額保険
変額保険とは、資産の運用実績によって保険金や年金額や解約返戻金が変動する保険です。経済情勢が良い状態であったり、特別勘定の資産の運用実績が良い方向であれば大きな保障を期待できます。
一方、株価が低迷している経済情勢だったり、為替の変動リスクにより元本割れする可能性もあります。
ソニー生命の変額保険(バリアブルライフ)には、変額保険終身型(無配当)のと、変額保険有期型(無配当)があります。また、ソニー生命の変額保険特徴として、自分で日本株式や世界株式や債券型などの8つの種類から運用先を決める投資型の個人年金保険です。
第五位 住友生命 たのしみ未来
住友生命のたのしみ未来は、保険料払込期間、据置期間等を自由に設定できますのでライフプランにあわせて年金の受け取りができます。 また、たのしみ未来の年金額と年金原資は契約時に円建てで確定され、告知や医師の診査が不要な個人年金です。
保険料払込期間の死亡保障を既払込保険料相当額に抑えたり、保険料払込期間終了後の据置期間を設定することで、年金原資などが大きくなる仕組みに自由に設計できます。払い込む保険料によって、保険料の割引制度も適用されます。
契約時に年金で受け取るか一時金で受け取るかを選択できます。年金受取の場合は、5年確定年金、10年確定年金、15年確定年金を選ぶことができます。
住友生命たのしみ未来の概要
契約年齢範囲:0歳~75歳
保険料払込期間:10年~50年
保険料払込期間満了年齢:19歳~85歳
据置期間:0年~15年
年金支払開始年齢:19歳~85歳
保険料払込方法:月払い、年2回払い、年1回払い、全期前納
保険料払込経路:口座振替扱い。クレジットカード扱い(月払いのみ)
取扱単位:保険料建て・・千円単位、年金建て・・万円単位
最低年金額:基本年金額20万円以上かつ月払保険料5,000円以上(ただし、5年確定年金(定額年金型)かつ保険料払込期間20年以下の場合は基本年金額30万円以上かつ月払保険料8,000円以上)
最高年金原資:15億円
まとめ
このように個人年金に加入することで、公的年金だけでは足りない老後資金を賄うことができます。個人年金にはいろいろな種類があり、運用方法もいろいろですので自分の目的に合った商品を選ぶことが重要です。