なぜ今、店舗ではアリペイなのか?そもそもインバウンド対策とは何なのかを解説します!

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小売りや飲食などの店舗では、今インバウンド対策としてアリペイの導入が話題になっています。アリペイは中国で最も利用されているスマホ決済、QRコード決済になるのですが、スマホ決済もインバウンド対策も最近になって使われるようになった言葉です。

多くの店舗では、中国のアリペイ決済やインバウンド対策のことが気になりつつも、いまいちよくわからない、という経営者も多いのではないでしょうか。

今回は、そもそもインバウンド対策とは何なのか、なぜインバウンド対策としてアリペイが注目されているのかについて、わかりやすく解説していきます。

これからの皆様のインバウンド対策にぜひお役立て下さい。

そもそもインバウンド対策とは?

インバウンド対策という言葉が聞かれるようになったのは、ごく最近のことです。おそらく多くの経営者の方はすでにご存じのように、日本では訪日外国人や外国人留学生などの数が急激に増えてきています。

かつては、外国人の存在自体が珍しかった日本ですが、近年ではコンビニや飲食店などで外国人を見ることも当たり前になってきました。

かたことの日本語で上手に対応している風景をよく見かけますよね。中には日本語が非常に上手な外国人もいて驚いた経験を持つ方も少なくないでしょう。

地域によって多少の差はあるにしても、様々な店舗ではそのように増え続ける外国人による消費が、売上を大きく左右しつつあります。

店舗において、外国人への利便性を高めることで集客や販促につながると判断し、いかに対策を考えていくかをインバウンド対策といいます。

インバウンドとは

インバウンドとは英語のInboundからきています。

インバウンドという言葉の意味は、「中に入ってくる」「向こうから入ってくる」「外から入ってくる」など。観光用語ではインバウンドとは海外から国内に人が入ってくることをいいます。

電話ではかかってきた電話のことをインバウンドコール、ITマーケティングでは消費者側からアクセスしてきたものをインバウンドアクセス、などと使われています。

全く反対の言葉がアウトバウンド(Outbound)で、「中から出ていく」「こちらから向こうにいく」「外に向かう」などの意味になります。観光用語ではアウトバウンドは国内から海外に人が出ていくことをいいます。

インバウンド対策の目的

訪日外国人が増え始めたのは、2014年ぐらいからで、2015年には1900万人、2017年には2900万人、そして2018年には3119万人と最新記録を更新し続けています。

人口減少が危惧される日本においては、政策として観光客を倍増させることで減速する国内の消費者関連ビジネスを補っていく方針です。東京オリンピックを契機に、今後はさらにインバウンド客は増加していくことが予測されています。

東京や大阪だけの主要都市部だけでなく、最近では地方に滞在する外国人観光客の数も増えてきています。

いかに地方であろうと、小規模なお店であろうと、外国人向けのサービス向上を図ることで、より多くの観光客を海外から誘導することができる、それがインバウンド対策の目的です。

店舗でのインバウンド対策

では、具体的に店舗でのインバウント対策とはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な対策の例を挙げていきましょう。

  • 外国人の興味・需要に応える商品やサービス
  • 外国語のメニューや値段表
  • 外国語に対応できるスタッフの確保
  • 多言語翻訳・通訳の適用
  • HPの外国語版
  • 外国人が利用できる決済サービスの導入

などがあります。

日本でも政府のポイント還元などからキャッシュレス決済への認知度が高くなってきていますが、まだまだ現金での支払いが主流であるため、海外の多くの国で利用されている決済方法が充実していないという状況にあります。

そこで、数あるインバウンド対策の1つとして、中国のスマホ決済アリペイの導入が今注目されているわけなのです。

なぜインバウンド対策にアリペイなのか

Woman
でも、なぜインバウント対策に中国のスマホ決済なの?
Man
なぜアリペイがインバウンド対策になるの?
Expert
では、なぜ中国のスマホ決済アリペイがインバウンド対策になるのかを解説していきましょう。

中国からの訪日客が最も多い

まず、なぜ中国が注目されているのかを考えてみたいと思います。

訪日客数の総数は2018年度には約3119万人でした。国別・地域別の内訳を見ると・・・

※2018年度の訪日客数の内訳

2018年度の中国からの訪日客は総数838万人とトップです。

中国からの訪日客数は2012年以降は、以下のグラフからも急激に伸びてきているのがわかります。

※年別の訪日外国人数、国別・地域別の推移

次に、最新のデータとして2019年8月の訪日外国人の内訳を見てみましょう。

※2019年8月 国・地域別の訪日客数

2019年8月の中国からの訪日客数は100万人で、全体の訪日客数の約39%を占めています。2018年8月、前年同月比と比較してみましょう。

※2018年8月 国・地域別の訪日客数

2018年度8月と2019年度8月を比較すると、おそらく台風や集中豪雨の影響から全体の訪日客数は減少しているのですが、中国からの訪日客は86万人から100万人に増加しています。

以上ご紹介したデータからも、とりわけ中国の観光客に対する対策を検討することが、まずは先決だといわれています

アリペイは中国で最も利用されている決済

そして、中国向けのインバウンド対策としてスマホ決済のアリペイが注目されているのは、アリペイが中国では最も利用されている決済サービスだからなのです。

ではここで、中国におけるキャッシュレス決済の利用状況を見ていきたいと思います。

中国のキャッシュレス決済

スマホ決済はここ数年に渡って、中国では急速に普及拡大しているキャッシュレス決済です。

実はスマホ決済が登場する以前は、中国のキャッシュレス決済といえばクレジットカードの銀聯カードが主流でした。スマホ決済が普及し始める2015年あたりまでは、キャッシュレス決済の比率は60%となり著しくキャッシュレスが好まれていたわけではなかったのです。

その理由として、クレジットカードの偽造や不正利用などの犯罪が多かったことが挙げられています。しかし、中国では偽札や盗難など現金を持ち歩くことにも問題があったため、それらを解決する手段として一気に普及が進んだのがスマホ決済だったのです。

中国は、世界で最もキャッシュレスが進んだ国で、驚異的な規模で急速にユーザー数を増やし続けているのです。現在では、スマホユーザーの約90%の間で、スマホ決済があらゆる支払いに利用されています。

オンライン通販、店舗での支払い、宅配、配車サービス、各種チケット予約、医療機関、公共料金、税金、年金の受取、保険サービス、送金、祝い金、資産運用、投資など・・・中国では支払いのほとんどにスマホ決済が利用されています。

路上販売や屋台、小規模店舗、売店などでも当たり前にスマホ決済が導入されているのです。

中国のスマホ決済

中国のスマホ決済で最も利用されているのがアリペイです。アリペイの次にシェア率が高いのが、ウィーチャットペイで、アリペイとウィーチャットペイは中国の2大決済サービスとしてスマホユーザーの90%以上を占めています。

10憶人以上の人達によってアリペイやウィーチャットペイが日常的に利用されているのです。

Expert
日本の人口が約1憶人だと考えれば、もの凄い規模ですよね。

アリペイとウィーチャットペイの導入が国内でも相次ぐ

2017年以降、訪日中国人の数の増加に伴い、中国向けのインバウンド対策としてコンビニや百貨店、大手小売り・飲食関連の企業の間でアリペイやウィーチャットペイを導入する企業が相次いでいます。

セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、大丸、高島屋、東急百貨店、近鉄百貨店、ビックカメラ、ヤマダ電機、ユニクロ、無印良品、吉野家、和民、JTB、成田空港など導入を開始しています。

さらに、最近では地方の中小・個人の店舗でも導入が進んでいるようです。個人で経営する飲食店や小売店で導入を決意したきっかけは、徐々に外国人のお客さんが増えてきて、アリペイが使えないためお店を去る中国人観光客もあったからとのことです。

※アリペイ導入の参考事例・成功事例をぜひ参考にして下さい。

※ウィーチャットペイ導入の参考事例・成功事例もぜひご覧下さい。

売上げ向上を狙う

中国の2大スマホ決済、アリペイとウィーチャットペイを導入するメリットとして・・・

  • 中国人観光客の集客・販促効果がある
  • 観光客だけでなく国内の中国人留学生や長期滞在者も対象にできる
  • 言葉がわからなくても、会計がスムーズにいく
  • 支払う側はわざわざ両替する必要がない
  • 決済サービスのサイトにて店舗の宣伝ができる
  • スマホ決済が利用できることがお店を選ぶ理由になる
  • 予定以上の消費を促しやすい
  • 記録が残るのでリピータ―につなげることができる

などと導入によるメリットは非常に大きく、中国のスマホ決済による売り上げの向上を期待することができるのです。

決済手数料がかかる

ただ、中国のスマホ決済の導入はメリットばかりではありません。導入のデメリットとして、

  • 決済手数料がかかる(2.0~3.5%前後)
  • 完全な日本語版がない(中国語か英語)
  • 操作方法に最初は戸惑うかもしれない
  • モバイル端末が必要(端末の購入費用がかかる)
  • すぐに決済金額が入金されるわけではない(入金までに時間がかかる)
  • スマホ決済やQRコード決済の仕組みがよくわからない人もいる

など、それぞれの状況によっては導入するデメリットも生じてしまいます。デメリットがありつつも、いかに中国のスマホ決済の導入を売り上げ向上につなげていくかが、重要なポイントとなるでしょう。

アリペイとウィーチャットペイ

アリペイとウィーチャットペイはインバウンド対策では必要不可欠な中国のスマホ決済です。それぞれの決済サービスの特徴をご紹介しましょう。

アリペイとは

アリペイとは、超大手ITサービス企業のアリババグループの小会社、アントファイナンシャルが提供する決済サービスです。

アリババグループは、中国のAmazonとも呼ばれる世界最大規模のネット通販を展開しており、時価総額は約52兆円に及ぶ巨大企業です。(世界時価総額ランキングで7位)

「Alibaba.com」「タオバオ」「Tモール」など多数のサイトを運営しています。もともとアリペイは、アリババグループが運営するネット通販での決済方法として開始されたサービスです。

アリペイの特徴

2019年の最新のニュースではアリペイのユーザー数は12憶人を超えたことが報告されています。35か国の免税サービス店と提携、250以上の決済事業者と提携して現在27か国の通貨に対応しています。

アリペイは中国の電話番号と銀行口座があれば誰でも利用できるサービスです。アリペイのアプリをモバイル端末にインストールしておくことで利用できるようになります。

決済の方法はQRコード決済といって、QRコードをスマホで読み取ることによって支払いが完了する決済方法です。店舗ではとくに器機や設備を用意しなくとも、QRコードをステッカーなどで表示しておくことでお客さんのスマホでの決済が可能です。

金融サービスに強い

アリペイを提供しているアントファインナンシャルは金融機関として、銀行業務、各種ローン、保険、資産運用や投資のサービスも行っています。

利用履歴に応じて、アントファイナンシャルによる「芝麻信用」という信用度の評価があり、その信用度に応じて利用できるサービスが拡大するなど、金融サービスに強い点もアリペイの特徴です。

ウィーチャットペイとは

ウィーチャットペイは、中国の最大手SNS企業テンセントが提供するサービスです。テンセントは世界時価総額ランキングでもアリババと7位の座を争っている巨大企業で、現在は8位にランクインしています。

テンセントが提供するSNSサービスはWechat(ウィーチャット)と呼ばれるもので、LINEやFacebookのようなコミュニケーションツールとして中国では最も利用されているサービスです。世界中に10憶人以上のユーザーがいます。

ウィーチャットペイは中国で最大のSNSウィーチャットの機能の1つになります。

ウィーチャットペイの特徴

ウィーチャットペイを利用するためには、まずはSNSウィーチャットの会員登録をする必要があります。SNSウィーチャットの会員で、中国の電話番号と銀行口座があれば誰でも利用することができます。

ウィーチャットペイの強みは、中国最大のSNSと連結している点です。コミュニケーションの輪を通して、より信頼性が高い情報を検索することができ、口コミによって情報が拡散しやすいことが大きな特徴です。

店舗での決済方法はアリペイ同様に、QRコードを使ってスマホで簡単に決済することができます。店舗は端末でお客さんのコードを読み取ることもできますし、単純にQRコードをレジ付近に提示しておく方法もあります。

ゲームやエンタメ系に強い

テンセントはSNSだけでなく、ゲームやエンタメ系のアプリも多数提供しています。とくにゲーム関連のシェア率は高く、2018年の時点ではソニーや任天堂、マイクロソフトを超え世界ではトップです。

Wechat Payがテンセントのゲーム・エンタメ系のサービスの利用に使われることも多く、ゲームやエンタメ系に強い決済サービスだともいえます。

※QRコード決済について詳しく知りたい方はこちらを参考にして下さい。

導入に費用はかかる?

この機会に、アリペイやウィーチャットペイの導入をぜひ検討していきたいものですが、いざ導入するにはどうすればよいのでしょうか。導入に費用はかかるのでしょうか。

中国のスマホ決済の導入は、国内の代理店にて申し込むことができます。申し込む代理店によって、初期費用や手数料などの内容が異なりますので、事前に確認することが大切です。

また、PayPay加盟店ではアリペイ、LINE Pay加盟店ではウィーチャットペイなど中国のスマホ決済が国内の決済サービスにて利用して頂けます。ただ、提携先として導入する場合と代理店にて直接の加盟店になる場合では利用できるサービスが異なりますので注意して下さい。

加盟店でなければ、その決済サイトへのアクセスができません。(宣伝として活用できない!)

お得な条件で、導入して頂ける代理店を最後にご紹介しておきましょう。

アリペイ代理店「アリペイ.net」

アリペイ代理店「アリペイ.net」では、初期費用、月額使用料などを一切かけずに無料で導入して頂けます。(決済手数料はかかります)

アリペイ代理店の公式サイトから、加盟店のお申込みをして頂けます。お問合せだけでもサイト内のメールから送信して頂けますので、ぜひ、お気軽に気になることを相談してみましょう。

※アリペイ代理店の公式サイトはこちら

Expert
こちらの代理店なら、アリペイアプリを活用したお店の宣伝方法も教えてくれます!

Wechat Pay代理店「Wechatpay.info」

Wechat Payの導入なら、Wechat Pay代理店「Wechat pay.info」からお申込みして頂けます。初期費用や導入費用は一切かかりません。(決済手数料のみ発生します)

代理店の担当が加盟店の登録方法や、QRコード決済の操作方法など丁寧にわかりやすくサポートしてくれるので安心です。

※Wechat Pay代理店の公式サイトはこちら

Expert
こちらの代理店にて、Wechatのサイトにのせるお店の広告制作もご相談いただけます!

中国2大決済サービスを同時に導入できる!

上記でご紹介した代理店では、どちらで申し込んで頂いた場合でも、1つのお申込みでアリペイとウィーチャットペイの両方が同時に利用できるようになります。

アリペイ代理店、ウィーチャット代理店と、まずは気になる決済サービスの詳細を確認してみましょう。

まとめ

もしかしたら、インバウンド対策なんて大きな都市部だけ、大きな店舗だけ、うちには関係ないかも、なんて思っていませんか?

観光庁による訪日外国人の調査では、数年前は東京や大阪などの都市部に滞在が集中していたそうですが、近年ではむしろ地方での観光旅行を好む旅行者が増えてきているとのことです。

2013年から2016年にかけての各都道府県における外国人の宿泊者数は大都市ではなく、香川県、佐賀県、沖縄県、滋賀県の順に伸び率が高くなっています。

また、訪日外国人の中にはリピータも多く、回数を重ねるほどに誰でも知っているメジャーなお店ではなく、小規模でも個性的でユニークなお店での飲食やショッピングを楽しみたがる傾向にあります。

地域に関係なく、中小・個人の店舗においても、いくらでも外国人観光客をこれから誘導していくことは可能なのです。

この機会に早速、それぞれのお店で可能なインバウント対策、最強スマホ決済アリペイやウィーチャットペイの導入を具体的に検討していきましょう!

 

 

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