賃貸物件で民泊に必要な2つの許可とは?おすすめ民泊許可物件サイトもご紹介。

民泊投資に興味を持つ方は多いのでしょうが、収益物件を購入するには多額の資金がかかります。そこで、賃貸物件にて民泊運営を検討する方も多いのではないでしょうか。賃貸物件であれば、契約時の初期費用だけで民泊に参入することが可能です。

しかし、賃貸物件とはあくまでも自身の所有する物件ではありませんので、オーナーの許可を得る必要があります。加えて、自治体からの認可も取得しなければなりません。

今回は、賃貸物件で民泊に必要な2つの許可について詳しく解説していきます。また、最近ではすでに民泊許可を得ている賃貸物件を取り扱う情報サイトがあります。おすすめの民泊許可物件サイトもご紹介いたしますので、ぜひ参考にして下さい。

賃貸物件で民泊はできる?

不動産投資の一環として民泊が話題になっています。近年の著しい外国人観光客の増加によって宿泊施設の需要が高まっており、空室対策として民泊へ参入するオーナーも増えているようです。本格的な民泊事業のために1棟アパートやマンションを購入する動きも見られています。

不動産投資や民泊投資に興味があっても、収益物件を購入するには多額の資金が必要です。いくらローンを組んで少額から返済できるとしても、現実的にはそう簡単に手が出せない投資方法です。資金面でためらいがちな民泊投資ですが、最近では賃貸物件を活用して民泊に参入する投資家も増えています。賃貸物件であれば、少額からでも民泊事業を始めることができます。

Man
でも、そもそも賃貸物件で本当に民泊はできるの?
Expert
違法民泊が問題になる中、そんな疑問を持つ投資家も多いと思います。実は賃貸物件でもオーナーの許可を得れば、民泊を行うことが可能です。

 

賃貸物件は2つの許可が必要

賃貸物件で民泊を行うためには2つの許可が必要となります。

  • 転貸許可(オーナーからもらう許可)
  • 民泊の認可・許可(自治体からもらう許可)

以上2つの許可はどのような許可になるのでしょうか。

Expert
では賃貸物件で必要な2つの許可について詳しく解説していきましょう。

転貸許可

日本の賃貸は海外とは大きく異なり、又貸しなどが一般的に行われる欧米やヨーロッパなどの主要国に比べると、賃貸の規制は非常に厳しいのが現状です。

※アメリカやヨーロッパなど海外の主要国では、賃貸でも普通に借主がサブレットやシェアなどで部屋の貸し出しを行っています。海外では、賃貸の初期費用は1カ月分の家賃を補償として支払うだけで、個人交渉にて簡単に部屋が借りれます。(日本の賃貸事情は厳しすぎる!)

今後は日本でも、人口減少により賃貸市場は過酷な時期を迎えていきますので、改善されていくことが期待できますが、現時点では民泊に過剰な反応を見せる大家さんも少なくありません。

そこで賃貸物件で民泊を行うためには、まずは大家さんから「転貸許可」を得る必要があります。

Man
大家さんが「だめ」だといえば、その物件では民泊はできないことになるよね。
Expert
そうなんです。転貸許可が取れるかどうかは大家さん次第です。

転貸許可を取る

すでに借りている部屋を利用したい場合

すでに賃貸中の部屋を利用したい場合、大家さんからNGが出た時点であきらめなければなりません。他に民泊用に賃貸物件を探すしか方法はないでしょう。

確かに、まだまだ民泊に反感を持つ大家さんも多いのですが、一方では逆に空室になるよりはと、民泊に理解を示す大家さんが徐々に増えてきています。

これから民泊用の賃貸物件を探す場合

これから民泊用の賃貸物件を探す方は、「転貸許可が得られること」を条件に物件を探すことができます。

その際は、民泊に理解のある不動産業者を利用することがポイントになります。不動産会社も色々ですから、すでに民泊に参入していて理解のある業者もあれば否定的な業者もあります。

空室が続いている部屋はNOとはいえないかも

賃貸と観光客相手の宿泊施設では全くニーズが異なります。

賃貸では需要が見込めなくとも、民泊なら収益が期待できる物件もたくさんあるはずです。空室が続いている部屋は大家さんも「だめ」とはいえないかもしれません。賃貸情報を定期的にチェックして、そんな物件を狙ってみるのも1つの方法です。

転貸許可物件・民泊許可物件を扱うサイトを利用する

後ほど詳しくご紹介しますが、転貸許可物件・民泊許可物件を専門に扱っている不動産情報サイトを利用する方法もあります。

これらの物件であれば、すでに大家さんからの許可が得てありますので手間が省けますよね。ただ、現状では物件数に限りがあり、地域によっては取り扱いの物件がない場合もありますので、その場合は通常どおりに一般の不動産業者から探すことになります。

民泊の認可・許可

賃貸物件で必要なもう1つの許可とは、民泊の認可・許可を自治体から取得することです。この認可や許可の種類がいくつかあるので、ここでちょっと戸惑う方もいるかもしれませんが、最初の1回のみの手間ですから頑張ってクリアしていきましょう。

民泊の認可・許可の種類は3つあります。

民泊新法(住宅宿泊事業)の認可

最も一般的な民泊の認可は、民泊新法によって定められた住宅宿泊事業の認可です。住宅宿泊事業とは、ホテルや旅館などの宿泊業と民泊を区別するために付けられた名称で、民泊のことを指しています。

つまり、民泊新法=民泊=住宅宿泊事業 となります。様々な場面で、民泊のことを住宅宿泊事業といったり、民泊新法といったり、単に民泊と表現したりしますが、これらはすべて同じことを意味しています。(最初は混乱してしまうかもしれません)

原則として民泊新法では、旅館業の許可がなくとも民泊の認可を得れば、一般の人達が住宅を使って宿泊業を行ってもよいとしています。

民泊新法の認可は、宿泊施設の要件を満たしたうえで必要書類に自治体に届出ることで、自治体から交付されるものです。基本的に届出制ですから、書類に不備がなければ認可される仕組みになっています。

自治体から民泊の届出番号さえ交付されれば、後はいつでも宿泊客を受け入れることが可能です。

※民泊新法の詳細は国土交通省の民泊ポータルサイトからご確認いただけます。
 国土交通省「民泊ポータルサイト」

民泊新法には営業日数などの規制がある

民泊新法の認可は、消防法や建築基準法の基本的な要件さえ満たせば、旅館業よりも比較的安易に取得できる認可ですが、営業日数などに規制を受けるデメリットがあります。

  • 営業日数は年間で180日以内
  • 民泊の経営者は衛生管理、顧客管理、苦情管理などを行う義務がある
  • 家主不在での民泊は管理代行業者への委託が義務

などの規定が定められています。

年間180日以内の営業日数では難しい!

賃貸物件を利用するのであれば、確かに投資費用は少額に抑えることができます。しかし、年間の営業日数の規制を受けるのであれば、収益を出すにも限界が生じます。

これを解決する方法として、

  • 旅館業の許可を得る
  • マンスリーなど短期賃貸と併用する
  • 自宅と併用してシェア型の民泊を行う
  • その他の事業からも収益を得る

など・・・何か対策を立てておくことが大切です。

自治体によっては他にも規制が設けてある

また、事前に注意しておく必要があるのは、各自治体によってそれぞれ細かい民泊の規定が定められてあることです。

例えば、

  • フロント設置が義務づけられている
  • 苦情の際に10分以内で駆け付けられる
  • 民泊が可能なエリアが限定されてある
  • エリアによっては平日の民泊は不可

など、自治体ごとに規定が異なります。

市町村が選べるのであれば、民泊の規定が緩い地域を選ぶ方がよいでしょう。

※民泊新法に関する記事はこちらからもご覧になれます。

特区民泊の認可

特区民泊の認可とは、民泊の認可の中でも最も好条件で民泊経営ができる方法です。

特区民泊とは

特区民泊とは、積極的に観光事業やシェアリング事業を行う自治体での民泊のことをいい、限られた地域にて可能な方法です。特区民泊の認定を受けている自治体は、民泊事業に対する規制が緩い傾向にあり、自治体の先導のもとで自由に民泊が行えるメリットがあります。

ただし、現時点では特区民泊が行える地域はごくわずかです。

国内で特区民泊が行える地域
  • 東京都大田区
  • 千葉県千葉市
  • 大阪府(34市区町村)
  • 新潟県新潟市
  • 福岡県北九州市

以上の地域にて特区民泊を行うことが可能です。

特区民泊では営業日数に上限がない

特区民泊は、民泊新法と同様に届出制になっており、旅館業の許可がなくとも宿泊業を行うことが可能です。しかも営業日数に上限がありませんから365日営業することできます。(最低宿泊日数は2泊3日以上です)

また、特区民泊のメリットとして家主不在のケースでも管理業者への委託は任意となっており、何かと自治体からの協力的な支援を受けれることが大きな強みとなります。

特区民泊の場合でも、自治体によってそれぞれ規定が異なりますので確認が必要です。

※近隣に特区民泊エリアがある方は、ぜひ特区民泊での営業を検討してみることをおすすめします。参考までに、東京都大田区の民泊に関する記事をご覧になってみて下さい。

旅館業法の許可

本格的な事業として民泊を展開していきたい方は、旅館業法の許可を取る方法があります。

旅館業法でいう民泊とは、「簡易宿所営業」にあたり、ホテルや旅館とは区別されています。例えば、民宿やキャンプ場、ペンションなどが簡易宿所営業になります。

菅宿所営業の許可を取得した場合は、通常の宿泊業として制限を受けずに民泊営業を行うことが可能です。最近では民泊新法では限界があるため、民泊新法を一旦取得したあとに旅館業へと切り替えるオーナーが増えているようです。

旅館業法の許可には、保健所の現地調査があるため容易ではありませんが、長期的な視野で考えれるならば旅館業の許可があった方が有利です。

※旅館業法(簡易宿所営業)について詳しく知りたい方はこちらを参考にして下さい。

おすすめの民泊許可物件サイト

民泊許可(転貸許可)がすでに得られている物件を取り扱う不動産情報サイトを利用すれば、賃貸契約を結んだあとは自治体から民泊の認可を得るだけで民泊を始めることができます。

民泊許可物件にて賃貸契約を結ぶ場合は、敷金・礼金・仲介料・更新料・管理費・契約期間など仲介する事業者や物件によって初期費用は異なりますので、いくつかの物件を比較検討して決めるようにしましょう。

民泊許可物件サイトの特徴としては、今のところ敷金・礼金なしの物件は非常に少ないです。好条件の物件の場合で敷金・礼金が1カ月つくものが多くなります。

注意点!民泊の認可がすでに取得されている物件も中にはあります。手間をかけずに、すぐに民泊が開始できるのですが、名義変更などの手数料が数万円~10万円程度かかりますので注意して下さい。

それでは、いくつかおすすめの民泊許可物件サイトをご紹介しましょう

ジモティー

出典:ジモティー

初期費用を最低限に抑えたい方は、ジモティーがおすすめです。ジモティーは地域のリサイクル・求人・住宅情報などを取り扱うサイトで無料で利用することができます。

敷金・礼金がゼロの物件もタイミングによっては見つけることが可能です。ただし、初期費用がかからない物件は退去時に費用がかかる場合もありますので、契約内容をしっかり確認するように注意して下さい。

地域に特化したサイトですので、全国のあらゆる地域の物件を取り扱っているのが嬉しいですね。民泊許可物件か転貸許可物件と入力して検索して下さい。

※ジモティーで物件情報を確認してみましょう。→ 「ジモティー」

民泊物件.com

出典:民泊物件.com

民泊物件.comは国内で最大級の民泊物件サイトです。地方の物件は少なめで、関東・関西エリアの物件が充実しています。民泊物件.comでは管理代行、家具レンタル、Wi-Fiサービスなど民泊支援サポートも行っているので、相談しながら事業を始めたい方におすすめです。

運営会社はスペースエージェントです。スペースエージェントは楽天LIFULLとも提携している民泊業界をリードするベンチャー企業です。賃貸物件の取り扱いだけでなく、不動産の売買やマンスリー経営・シェアスペース・一般の賃貸経営、リフォーム・インテリアなど多彩に展開している不動産会社です。

※民泊物件.comで検索してみましょう。→「民泊物件.com」

民泊賃貸

出典:民泊賃貸

民泊賃貸は、Airbnbに特化した民泊物件のサイトです。全国の民泊許可物件を探すことができます。こちらの物件サイトでは比較的に敷金・礼金ゼロの物件も時々出てきます。

退去時やその他の条件にもよりますが、賃貸契約において費用がかからない場合は、民泊の許可込みで別途手数料がかかったとしても選択肢の1つにできますよね。

民泊に関する様々な情報が検索できる便利なサイトで、民泊代行業の仲介も取り扱っています。

※民泊賃貸の物件を調べてみましょう。→「民泊賃貸」

ミンコレ

出典:ミンコレ

ミンコレは東京・千葉・神奈川エリアにて民泊物件をお探しの方におすすめのサイトです。北海道や京都など他の地域の物件も1部ありますがタイミングによります。

掲載物件数自体はそんなに多くありませんので、補足的に利用するといいでしょう。民泊ニュースや民泊コラム、その他お役立ち情報を活用できるので便利です。

民泊以外でもクラウドファンディングや海外不動産、保険などの口コミ情報を調べることができます。

※ミンコレの物件を見てみましょう。→ミンコレ

こんな探し方もある!

余談ではありますが、賃貸物件で民泊を始めた人の中には、放置してある空き家を狙って直接所有者と交渉したケースもあります。

近年、空き家問題が話題になっています。そもそも空き家問題で問題になっているのは、その空き家を売却・賃貸するわけでもない、滞在するわけでもない、つまり使途が不明のまま放置されてしまっていることです。

そのような空き家は、どこの不動産情報にも載っていません。所有者が、空き家をどうするべきか決めかねているわけです。

使い道が不明な空き家を見つけて、交渉してみることで意外にも好条件で賃貸できる場合があるのです。所有者にしてみれば、どうせ放置していた家です。何かに利用できて収入が得られるなら助かったと思うところですよね。

※空き家の直接交渉で民泊を始めた体験談が以下からご覧いただけます。

※民泊で成功するポイントを解説した記事も参考にしてみて下さい。

※こちらの記事では民泊にありがちな近隣住民とのトラブルについてご覧になれます。

 まとめ

いきなり収益物件を購入するとなれば戸惑う人も多いと思われる民泊ですが、賃貸物件なら投資費用を大幅に抑えることが可能です。自分で認可を取るとすれば、地域や物件によりますが予算に合わせた民泊投資が実現しやすくなります。

しかし、賃貸物件で民泊を行う際には、つねに家賃が経費としてかかってしまうため、長期的な資産運用としては微妙です。本格的に民泊経営を行いたい方は、結局はいずれかのタイミングで物件を購入した方が経済的かもしれません。

とはいえ、いざ収益物件を購入するには多額な資金がかかりハードルが高くなってしまいます。賃貸契約は2年契約が多くなりますので、まずは2年間を目安に、今後の事業の展開を検討してみるのも1つの選択肢になるでしょう。

 

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