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カードローンは、マイカーローンや住宅ローンなどと異なり、返済方法をいくつかの選択肢の中から選べます。
一般的な借入は、あらかじめ指定した口座から決まった日に約定で定められた金額が引き落とされますが、カードローンの場合は、口座引き落とし以外の返済方法を選択できるのです。
返済方法の選び方によって、カードローンの利便性は大きく違ってくるでしょう。そして、同じ金額を借入たとしても、返済方法しだいで利息の金額が異なる場合があります。
そこで今回はカードローンの返済に注目して解説していきましょう。基本となる返済方法の説明をはじめ、返済金額をおさえてカードローンをお得に利用するポイントなどの役立つ知識をまとめています。
カードローンの返済方法
まず、カードローンの返済の流れから説明すると、住宅ローンなどの借入とは異なり、契約後すぐに借入をおこなうとはかぎらないでしょう。そのため、借入をしなければ、当然ながら返済は発生しないことになります。
そして、実際に利用した際の返済方法は2種類あります。
・自身で任意返済のできる随時返済
なお、残高が残っているかぎり、毎月返済が必要なのが最低返済額です。それに対し、随時返済は最低返済額に加えて、さらに多くの金額を返済したいときに利用する方法で、繰り上げ返済と呼ばれることもあります。
最低返済額は、毎月決まった期日までに支払いをおこなわないとなりません。期日は契約先の金融機関や消費者金融会社ごとに決まっていて、その通りに支払う必要があります。
具体的な返済方法
返済方法は利用するカードローンによって異なりますが、主に以下のような方法から選択が可能です。
・口座引き落とし
・ネットバンキング(銀行振込)
・店舗窓口
どれを選ぶのかは、カードローン契約者の選択となります。しかし、選ぶ方法によっては手数料が発生する場合があったり、手間がかかったりすることもあるでしょう。
最初に、各返済方法の特徴を理解してから選ぶことが求められます。
ATM
銀行カードローンでは、その銀行のATMから返済をおこなえます。また、大手消費者金融会社も自社のATMを設置しているので、そちらから返済が可能です。
さらに、提携ATMも利用可能で、提携先は契約するカードローンによって異なります。主要コンビニ(ローソン・セブン-イレブン・ファミリーマートなど)のATM、ゆうちょ銀行、そのほかの銀行ATMと提携する場合もありますから、返済で利用する場合は契約中のカードローンはどこのATMと提携済なのかをチェックするのがスムーズでしょう。
一番のおすすめはコンビニATMで、返済で利用するメリットは以下の2つです。
・預金口座の通帳に返済の履歴が残らない
24時間利用可能ならば、仕事前でも後でも都合の良いタイミングで返済ができます。また、履歴が残らないことで、周囲にカードローンの利用を知られるリスクは低下します。
ATM返済の注意点
ATMの返済は、返済期日と利用手数料に注意しましょう。ATMは口座引き落としとは異なり、自身で振込みをして返済しなくてはなりません。
そのため、忘れることの内容に返済期日を把握する必要があり、もしも返済できなければ遅延損害金が発生してさらに多くの金利を支払う必要が出てきます。
そのほかにも、提携ATMの利用に手数料が発生すれば、そのぶんだけお金がかかります。たとえば、大手消費者金融会社のアイフルとアコムの場合、コンビニ3社(ローソン・セブン-イレブン・ファミリーマート)の利用手数料は1万円以下の入金で110円、1万円以上の入金で220円です。
それに対し、レイクはコンビニの利用手数料が無料で、銀行ATMとも多く提携していて使い勝手が良いでしょう。
銀行カードローンは大手メガバンク3行(三菱UFJ銀行カードローン・三井住友銀行カードローン・みずほ銀行カードローン)でコンビニの利用手数料が無料(みずほ銀行カードローンのみ4回まで)です。
口座引き落とし
口座引き落としは、あらかじめ指定した銀行口座から一定の期日に口座振替で支払う返済方法です。
支払い期日の前日までに最低返済額以上を入金すれば返済は自動でおこなわれ、口座引き落としに発生する手数料はカードローン会社の負担となります。
給料の振込先口座、生活費の支払口座などを引き落とし先にすれば、返済を忘れることによる延滞を避けることができるでしょう。
ただし、口座引き落としの期日には制限があり、特定の返済日を指定されることが多いです。ただし、三井住友銀行のカードローンのように5日、15日、25日、月末の中から契約者自身で選べることもあります。
口座引き落としの注意点
口座引き落としの場合、通帳に返済の履歴が残ります。カードローンを家族などに内緒で利用したい方ですと、預金口座の履歴で利用が知られる可能性があります。
誰かに知られることなくカードローンを利用したい場合は、口座引き落としよりもATMで返済することをおすすめします。
ネットバンキング(銀行振込)
ネットバンキング(銀行振込)での返済
銀行振込は、カードローン利用者が返済額を直接振り込む方法です。
ネットバンキングは、銀行取引をインターネット上からおこなう方法で、こちらを活用すれば銀行の窓口やATMに行かなくてもパソコンやスマートフォンから手続きが可能です。
インターネット上の手続きなので、24時間いつでも都合の良いタイミングで返済のできるメリットがあります。
ネットバンキング(銀行振込)の注意点
ネットバンキング(銀行振込)も口座引き落とし同様に、通帳に履歴が残ります。家族などにカードローンの利用が知られる可能性があるので、内緒にしたい方はATMを選んでください。
さらに振込手数料がカードローン利用者負担となるので、お金のかかる点も注意しましょう。たとえば、三井住友銀行のネットバンキングでは、1回あたりの振込手数料が108~220円(三井住友銀行本支店以外の振込みで3万円未満の場合)です。
1回ごとの手数料は大きくないものの、毎月の返済のたびに手数料を支払うとなると少額ではありません。1回110円の場合、1年で1,296円になります。
店舗窓口
銀行や消費者金融会社の一部で、店舗窓口に直接来店して返済手続きができることがあります。
対面でのやりとりになるので、間違いなく返済をおこなえる点がメリットでしょう。また、店舗窓口の返済手続きならば、返済の手数料も必要ありません。
店舗窓口で返済する際の注意点
店舗窓口で返済する場合、銀行や消費者金融会社の店舗に直接来店しなくてはなりませんし、そのほかにも手続きできる時間に制限があります。
銀行や消費者金融会社の営業時間はATMの利用可能時間と比べて短いので、手続き可能な時間はかぎられてしまうでしょう。
そのほかにも、消費者金融会社の窓口などはカードローンの利用を周囲に見つかる可能性が高まります。銀行は店舗窓口に行く理由はさまざまなので問題ないかもしれませんが、消費者金融会社の場合、誰かに見られる=カードローンの利用を知られることになってしまいます。
カードローンの返済期限
こちらでは、カードローンの返済をいつおこなえば良いのかについて解説します。
返済日の決め方
カードローンの毎月の返済期日は、利用するカードローンによってさまざまです。
返済期日を特定する場合もありますし、すでに解説したように三井住友銀行のカードローンのような複数から選べるカードローンもあります。
その一方、三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)では、利用する方が月内で任意の日を選択可能です。1~31日のすべての日から都合の良い日を選べるのです。
返済日を自分で決められるカードローンでは、返済日を給料日後などに設定すればお金が足りなくて困ることを防げるでしょう。
また、延滞の防止につながりますが、返済日だけはしっかりと把握しておいてください。返済できるお金があっても、返済日を忘れることで損害遅延金が発生しては意味がないです。
選択した日が土日祝日などの銀行休業日にあたる場合、返済日は翌営業日となります。実際の返済日が日曜だった場合、翌営業日の月曜日に返済をおこなってください。
期日前返済も可能
カードローンの返済は、契約するカードローンで決められた毎月の返済日におこばえば問題ありません。
しかし、支払日までに予定が入るなどして返済手続きができない場合もあるでしょう。もしくは、返済手続きを忘れるのが不安なので返済に余裕を持ちたい方もいるかと思います。
そこで利用したいのが、指定期日前の返済です。カードローンの利用先に連絡をしたり、特別な手続きをしたりする必要もなく、ATMで返済すれば大丈夫です。
ただし、返済のタイミングが早すぎると、約定弁済ではなく、随時返済(繰り上げ返済)扱いになります。約定弁済のつもりだったのに随時返済になってしまえば、その後の約定弁済も支払わなくてはなりません。そして、返済をしなければ延滞扱いとなります。
たとえば、三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)でしたら、返済期日の14日前からおこなう返済が約定弁済です。15日前におこなった返済は随時返済になってしまいます。
カードローンを延滞した場合はどうなる?
カードローンの返済で延滞をしないことは当たり前です。なお、延滞は指定期日までに返済ができずに遅れてしまう、入金しないまま放置することになります。
カードローンの返済を何回も延滞したり、延滞期間が長くなったりするとカードローンの追加借入ができなくなるほか、利用限度額を低くされる場合があります。また、延滞開始から1ヶ月ほど解消しないままでいれば、延滞した事実が信用情報機関の信用情報に登録されてしまう場合も。
個人信用情報に情報が登録されると延滞先のみでなく、そのほかからも新規借入ができなくなる可能性が高いです。そして、情報が登録されてしまうと、後で延滞が解消してもすぐに消えません。中には延滞解消から5年間、延滞があった事実を個人信用情報に登録する期間もあるほどです。
延滞がその後も長期化すると、電話督促を経た後に内容証明郵便が届きます。1~2週間程度の期日を定め、それまでに延滞を解消することを求める内容になっていますが、それでも支払えずに放置すれば「期限の利益喪失通知」が届きます。
カードローンの借入残高全額の一括返済を求められた後に貸金返還請求訴訟を起こされ、最後は裁判所に出頭呼び出しを受けるでしょう。
裁判で訴えられれば高い確率で敗訴するので、結果として給与や預金口座が差し押さえられることになります。
カードローンの返済金額と金利
カードローンを利用した後に、毎月どのくらいの返済をしなければならないのかと発生する金利を確認しましょう。
カードローンの返済金額
多くのカードローンで、毎月この金額以上の返済をしなくてはならない最低返済額が設定されます。そして、最低金額以上でしたら、任意の金額の返済が可能です。
しかし、返済の金額を低くしたくても最低返済額以下にすることはできず、この金額をミニマムペイメントと呼びます。
多くのカードローンで借入金額に応じた最低返済額が決まりますが、以下で消費者金融カードローンと銀行カードローンの借入金額(残高)と、最低返済金額を比較してまとめています。
・アイフル・SMBCモビット
10万円以下:4,000円
10万円超~20万円以下:8,000円
20万円超~30万円以下:11,000円
30万円超~40万円以下:11,000円
40万円超~50万円以下:13,000円・レイク
10万円以下:4,000円
10万円超~20万円以下:8,000円
20万円超~30万円以下:12,000円
30万円超~40万円以下:13,000円
40万円超~50万円以下:14,000円
・三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)
10万円以下:1,000円(2,000円)
10万円超~20万円以下:2,000円(4,000円)
20万円超~30万円以下:3,000円(6,000円)
30万円超~40万円以下:4,000円(8,000円)
40万円超~50万円以下:5,000円(11,000円)
*借入利率が年8.1%以下の返済額は1,000円ずつ、年8.1%以上の返済は2,000円ずつ追加・みずほ銀行カードローン(限度額200万円未満)
10万円以下:11,000円
10万円超~20万円以下:11,000円
20万円超~30万円以下:11,000円
30万円超~40万円以下:11,000円
40万円超~50万円以下:11,000円
・楽天銀行スーパーローン
10万円以下:2,000円
10万円超~20万円以下:5,000円
20万円超~30万円以下:5,000円
30万円超~40万円以下:11,000円
40万円超~50万円以下:11,000円
消費者金融会社のカードローンであれば、どこのカードローンを利用しても最低金額に大きな違いはないでしょう。
銀行カードローンの場合、一部金額を除き、三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)が、同じ金額を借りた場合の最低返済額が低いので、返済負担が低いことがわかります。
カードローンの金利
カードローンを利用する際に必ず発生するの金利ですが、できれば少なくおさえてお得に利用したいと考えるものでしょう。
カードローンの利息は、借入残高に対して日割り計算で発生します。
たとえば、実質年率15%のカードローンで10万円借入して、30日後に全額返済する場合で解説してみましょう。
30日間で発生する利息が1,233円(=10万円×15%÷365日×30日)で、1ヶ月後の返済総額は101,233円です。
次に主なカードローンの金利を比較しましょう。
・三井住友銀行カードローン:4.0%~14.5%
・みずほ銀行カードローン:2.0%~14.0%
・楽天銀行カードローン(楽天スーパーローン):1.9%~14.5%
・オリックス銀行カードローン:1.7%~17.8%
・アコム:3.0%~18.0%
・アイフル:3.0%~18.0%
・プロミス:4.5%~17.8%
・SMBCモビット:3.0%~18.0%
・レイク:4.5%~18.0%
銀行カードローンの多くが上限金利の14%台を設定。消費者金融会社のカードローンよりも3%以上低い水準となっているのがわかるでしょう。
それに対し、消費者金融会社のカードローンの上限金利は18%程度です。
遅延損害金
カードローンは返済期日までに支払いができないと延滞になり、返済期日の翌日から通常金利ではない遅延損害金が適用されます。
遅延損害金は延滞した方への罰則、延滞の抑止目的を理由に約定金利と比べて割高の設定です。ただし、利息制限法でカードローンで設定できる遅延損害金の上限は20%に決まっています。
なお、遅延損害金の適用対象は延滞している元本です。毎月の返済の中で、延滞している返済分に含まれる元本に対し、遅延損害金が適用されるのです。
それ以外の元本残高は通常金利の適用のとなり、延滞することで借入残高のすべてに遅延損害金は適用されません。
カードローンを返済するコツ
最後に、カードローンの返済額を減らすためにできることを取り上げていきましょう。
こまめに随時返済(繰り上げ返済)をおこなう
カードローンを返済するにあたり、約定返済で毎月の最低返済額を支払う以外に、随時返済(繰り上げ返済)をおこなうことも重要です。
随時返済は約定弁済に加え、カードローン利用者からの任意で、好きな金額を自由に返済できる方法になります。
カードローンの利用は借入の元本が減ることで利息の発生をおさえられます。そのため、カードローンをお得に利用するには、随時返済の利用が重要です。
手数料を減らす
手数料を減らすことも重要で、カードローン返済時に支払う手数料の主なものがATMや銀行振込で発生するものです。
ATMで手数料が発生する場合、1回あたり108~220円なことが多いですが、返済するたびに支払うとなると意外に大きな金額になっているでしょう。
手数料無料のATM、銀行口座からの引き落としを理世数るなどして、返済で支払う手数料はできるだけおさえる努力をしてください。
金利を下げる
カードローンの総返済額を減らすためにできることとして、金利を下げることが効果的です。
まず、金利を下げる方法としてスムーズなのが、金利の低いカードローンに借り換えることです。現在、消費者金融会社のカードローンを契約中の方であれば、銀行カードローンに借り換えるだけで金利が下がるでしょう。
そのほかに借り換えだけでなく、契約中のカードローンの借入限度額を増額すれば金利が下がることがあります。特に銀行カードローンなどは、借入限度額が大きくなればなるほどに金利が下がるようになっています。
たとえば、みずほ銀行カードローンであれば、借入限度額が100万円未満か100万円以上かで適用金利が2.0%も違ってくるほどです。現在の借入限度額が100万円未満の方は、借入限度額を増額すれば金利を下げられます。
また、利息制限法でカードローンの借入額が100万円以上の金利は15%以内にすると決められているので、消費者金融会社でカードローンを契約している方も、借入限度額が100万円以上になれば金利が下がることが期待できるかもしれません。
まとめ
カードローンの返済の詳細をはじめ、返済を上手におこなうコツやポイントを解説しました。
カードローンは、住宅ローンやマイカーローンなどとは異なり、契約時に決めた金額をずっと支払うわけではありません。カードローンをどう利用するのかによって返済する金額は違ってきます。
そのため、カードローンの返済はわかりにくいと言われることもよくあるほどです。
しかし、仕組みさえ理解すればカードローンの返済は難なく対応できるでしょう。そのうえ、上手に返済するコツやポイントをおさえれば、カードローンの返済総額をおさえることも実現します。
返済の知識があるかどうかで返済総額に違いが出ることがあるかもしれません。当記事を通してカードローンの返済をしっかりと理解するようにしてください。