株式投資をはじめる方必見!「ロウソクチャート」の分析で市場の動きをキャッチする方法

 

株式投資する始めるにあたって、チャートの読み方を勉強するのは欠かせないことになります。 基本的な読み方はオンラインや本でも勉強できますが、そこから市場の心理状態を探る方法を紹介するものは少ないかと思います。

単純に値動きだけでなく、その時の市場の心理状態を教えてくれるところに、ロウソクチャートの素晴らしさがあるのです。例え、本番のマーケットの様子を見ていなかったとしても、ロウソクチャートを見ることで、その日1日の流れを察することができるのです。

そんなロウソクチャートの読み方を今回はご紹介したいと思います。

チャートの判断はその人それぞれで、どのようなチャートがいいのかは誰にも断言することはできませんが、買い時や売り時のヒントがロウソクチャートに含まれているのは確かです。

今後の参考にして頂ければと思います。

株式投資を始める

ロウソクチャートが読めるようになれば、自分でチャートをみながら、どの株を購入するのか考えることができます。ロウソクチャートの読み方の前に、最低必要限の値の読み方や種類を覚えておきましょう。

値の読み方

始値(はじめね)→その日、一番最初の取引きの値段

終値(おわりね)→その日、一番最後の取引の値段

高値(たかね)→取引額で一番高かった値段

安値(やすね)→取引額で一番安かった値段

※以上の4つが、4本値(よんほんね)と呼ばれるもので、チャートを見る上で最も基本的な要素になります。

その他の用語

日足(ひあし)→1日単位で表されたチャート

週足(しゅうあし)→週単位で表されたチャート

月足(つきあし)→月単位で表されたチャート

分足(ふんあし)→分単位で、5分、30分、60分などと選ぶことができる

売買高(ばいばいだか)→トータルの取引株数

など・・・

その都度わからない単語はやりながら覚えていくようにしましょう。オンラインで野村証券の証券用語解説集が無料で利用することができます。

ロウソクチャートの見方

ローソクチャートとは、始値、終値、高値、安値の4本値をロウソク型の図形で表したものです。江戸時代に出羽国の本間宗久がコメの取引の際に、ひと目で値段の動きを見ることができるように考案しと言われています。

このロウソクチャートは、国内だけでなくいまや世界中で称賛され使われている、非常に便利なチャート形式になります。ロウソク足チャートとも呼ばれています。

ロウソクチャートの基本

陽線

始値より終値が高い値段の場合のローソクを「陽線」といいます。たいていの場合は、陽線には暖色または白色が使ってあります。

上の図が陽線のロウソクになります。このロウソクでは始値が500円終値が550円です。そして終値550円の時が高値始値500円の時が安値となっています。ロウソクが長くなればそれだけ、価格の差額が大きくなります。

マーケットがオープンしてからはおそらく、ほぼ右肩上がりに価格が上がっていったかと思われます。正確に知りたい場合は日足から、分足に切り替えると詳細を確認することができます。

このような完全な長方形のフルボディをもつロウソクは、価格の上昇とともに人が集まり安値から高値へと買われていったと見ることができます。順調な上昇基調にある取引きの典型的なものです。

※このタイプの陽線の場合は、投資家達がこの株価が上がっていくことに対して迷いや疑いがない時に多く見られる形です。市場のいきおいを表すロウソクでもあります。

陰線

始値より終値が下がってしまう場合のロウソクを、陰線といいます。陰線は寒色や黒で表されるています。色を間違えて解釈すると全く逆の意味になってしまうので、気を付けて下さい。

この図は先ほどの陽線と全く逆のパターンになり、最初550円で取引されたものが最後には500円に下がってしまったという意味です。最後の取引500円が安値、最初の取引550円が高値となります。

おそらく1つの売りが次の売りを呼び、時間が経つにつれてこの株価は下がっていくな、といった形で売りが売りを呼んでしまったと見ることができます。下がっていくことへの確証が強いロウソクでもあります。

※上がるかもしれないという期待が薄れてしまった時にこのような陰線になることが多くなります。市場は減速傾向にあると見ることができます。

線付きロウソク

では、今後は線付きのロウソクを勉強してみましょう。これはロウソクの上下に線がついています。ヒゲ付きという言い方もしますが、個人的にあまり使いたくない言葉なので線付きという表現に変えさせて頂きます。

線付き陽線        線付き陰線

線付きロウソク(陽線)→始値が500円でした。(値段は仮で設定しておきます)そして一旦420円まで下がります。そして、今度は570円まで上がりますが、また下がって結局終値が550円で終わったことを意味します。

※終値が高値近くにあり、安値が終値から遠い場合は、まだこれから上がっていく可能性を秘めているとも見れるのです。

線付きロウソク(陰線)→陰線の場合は始値が550円です。そして一旦、570円まで上がりますが、下がるかもしれないとの不安から誰かが売り始めます。そうすると下がってしまう不安がどんどん大きくなり今度は420円まで下がってしまいます。

420円まで下がると、それを割安だと感じる人も出てきて、また買いが入り始め500円まで上がります。最終的に終値がほぼ真ん中くらいに位置しています。

※この先上がるか下がるかが微妙な時にこのようなポジションで終わることが多くなります。

線が長いロウソク

A             B

線の長さから、今後の株価の流れを伺うことができます。確実な方法ではありませんが大きなヒントになると思います。

図A→上に向けて長い線が付いたロウソクは、売り傾向が強く、この後、下がってしまう可能性を秘めています。

※連日、株価が上昇している時には下がり始める兆しとして見ることもできます。

図B→この場合は値段が安値の500円まで下がった後に、盛り返してきています。買いのいきおいが強く、上がると期待している人が多いようです。

このようなロウソクがあらわれた時には、今後は上がっていく可能性が高いと見ることができます。下から押し上げる力が強いほど、上がる可能性が高くなります。

※連日下降が続いている場合は、これから株価が上がり始めるサインとして見ることができます。

T型クロス型

T型クロス型ロウソクとは、ロウソクのボディが全くないもので、始値と終値が同じ価格で終了した場合を表します。要は結果としてプラスマイナスがゼロとなりますが、そこに至るまで価格が上下に動いていることを意味します。

クロス型ロウソク

左の図は始値が500円、終値が500円で終了する前に上下に線が伸びています。

高値が550円、安値が550円と途中で動いているのです。この場合、市場は売りと買いの数がほぼ等しく上がるか下がるかの判断を迷っている中間地点にあるといえます。

※連日上昇している場合には下がる可能性が出てきたサインであり、注意が必要です。株価が上がるという確信に迷いが出てきているのです。

連日下降している場合には上がる可能性が出てきたサインとなります。いずれの場合も市場は様子見状態が強く、どちらに動くのか判断するために何かのきっかけを必要としていると言えます。

T字型ロウソク

右の図はT型ロウソクになります。始値と終値は同じですが、価格は一旦下がってしまい、また同じ位置に戻ってきています。

この場合は価格を押し上げる力が非常に大きいことを意味し、投資家の間では最も好まれるロウソクの1つでもあります。

 

※下がる要因があるにもかかわらず、それを上回る期待が大きくなっている場合に見られ、とくに図のように三本のロウソクの位置が徐々に上がっている時は、今後の上昇が強い確信に向かっているといえるでしょう。

逆T字方ロウソク

これは逆T字型ロウソクで、T字型ロウソクの全く逆の流れになっていくことを意味します。

価格が上がる期待よりも不安要素が大きい時に現れるロウソクになります。

このように逆T字型が続く場合は、株価の流れが下降していくサインとして見ることができます。

※とくに上昇が続いた後、3つの逆T字型が見られる場合は、急下落してしまう恐れがあります。市場の不安が次第に大きくなっていっているといえるでしょう。

フルボディロウソクの組み合わせ

フルボディの陽線、陰線のロウソクの組み合わせから、今後の株価の動きを予想することも可能になります。その最も典型的なものを学んでおきましょう。

タイプA

タイプAはフルボディの陰線ロウソクの次に、フルボディの陽線ロウソクが並んでいます。

陰線ロウソクの始値よりも、陽線ロウソクの終値が高くなっています。

下がると確信した次の日に、上がると確信する動きが強くなったことを意味します。

今後上昇に向かっていくことが期待できるロウソクの組み合わせであります。

タイプB

タイプBは、タイプAの逆のパターンです。

陰線ロウソクの終値が、陽線ロウソクの終値からはるかに下がってしまっています。

大きなマイナスの差額が生じたことを意味し、しかも始値がすでに前日の株価よりも大幅に下がってしまっています。

今後は下がり始める可能性が高いと言えるロウソクの組み合わせになります。

チャートのトレンドを見極めよう

基本的なロウソクチャートの見方がわかれば、自分で株式チャートを見ながらその株価の先を自分なりに予想していくことができるようになります。

株価の動きは、その他さまざまな要素から影響を受けるため、チャートだけで判断することはできませんが、大きなヒントとなるのも事実です。

株式チャートの見方

チャートを見る期間によって、全体の株価の流れは変わってしまいます。日足、月足など、小さな期間から大きな期間まで視点を変えてトータルで検討していくようにしましょう。

下降基調→右肩下がりに株価が以降している時期

上昇基調→右肩上がりに株価が以降している時期

このような全体的な流れのことをトレンドといいます。

Expert
それでは実際にチャート全体を見て、上昇基調なのか、下降基調なのかを調べてみたいと思います。今回は、三菱商事の株価チャートを参考に見てみたいと思います。

日足チャート

出典:野村証券     チャート(三菱商事 2018/7/6)

この三菱商事のチャートを全体的にみると、上昇基調でしょうか、下降基調でしょうか?3月から7月にかけての日足チャートになりますが、約4カ月という枠でみると全体的には上昇基調にあるようです。

このチャートは大きく2つの山からできています。その2つの山の底辺を結んでみると上向きに動いているのか下向きに動いているのかがわかります。

Expert
このチャートから簡単に市場を分析してみましょう。
陽線ロウソクが何日も続く前半では、強気で積極的な買いが増えていく様子を見ることができます。その様子から株価が上がっていくことに対する自信を感じ取ることができます。

陰線ロウソクの数が何日も続く後半では、弱気になってしまった売りが増えていきます。市場では株価に対する不安が高まっていることがわかります。

そして最後の陽線ロウソクは、長めでボディもしっかりとしています。ここからまた市場では株価に対する強い期待が上昇しはじめていることがわかります。

さらにトレンドを探る

このチャートを1つの山ずつみていくと、まず3月から5月の半ばまでは上昇基調で2か月で約400円ほど価格が上がっています。その後、5月後半にかけて一気に今度は下降していきます。

今度は5月後半から約1か月ほど上昇トレンドになり、また下降トレンドがはじまります。最近の株価は上昇しようかどうかを迷っている状態が続いているようです。

そして最後のロウソクはフルボディの陽線ロウソクが前日の高値をつきぬけています。市場は自信を取り戻し、活気づいてきたようです。

これから上がり始める確率が高いと言えます。

上昇と下降のポイント

今、見たチャートと全く同じチャートを使って、4カ月という上昇トレンドがいくつかの上昇・下降トレンドによって構成されているのを確認してみたいと思います。

Expert
それぞれの上がったり下がったりするトレンドの切り替わりを、わかりやすく三角のマークを付けてみました。

出典:野村証券       自社作成 株式チャート

三角のマークのついたところがちょうど、トレンドが切り替わるポイントとなります。実はロウソクチャートを見ることで、その切り替わるポイントが予想できることも多々あるのです。

では、切り替わるポイントのヒントとなるロウソクチャートをいくつかご紹介したいと思います。

これから上がる?

Expert
そのヒントを三菱商事のチャートから抜粋してみたいと思います。

出典:野村証券  自社作成 株式チャート抜粋

この三角のポイントから、上昇トレンドが始まるのですが、注意してみてみるとたくさんのヒントが隠されているのがわかります。

  • ボディのしっかりした長めの陽線が2本ある。
  • 下に伸びる線付きのロウソクがたくさんある。
  • 不安や迷いを見せるロウソクが少ない。

出典:野村証券 自社作成

次に左の図を見てみて下さい。こちらも三菱商事の青い三角のポイントのところです。

株価が上昇トレンドに入る前には、下に長く伸びる線付きのロウソクがいくつかあります。

クロス、T字に近いものが出てきています。

そしてボディの長いロウソクも2本あります。

 

このようにして、トレンドの切り替わりのヒントを見つけることができるのです。

これから下がる?

トレンドが上昇から下降へと切り替わる際にも、前ぶれとなるヒントを探すことができます。

三菱商事のチャートの青色の逆三角マークの部分を見てみたいと思います。

このマークの部分はチャート全体の高値の部分になります。そのポイントから株価は上がることも下がることもできるのですが、しばらく同じ地点にとどまっています。

7本のロウソクがほぼ同じ高さにあり、価格があまり動いていないことがわかります。この期間の市場は、上昇と下降を判断する材料が欠けていたと見ることができます。

交互に陰線を陽線が入交り、迷いが大きくなっています。さらに注意すべきことは上に伸びる線が多いことと、中央にフルボディに近い陰線があることです。

7本目のロウソクはフルボディの陽線ですが、終値が前日の高値を超えていません。期待よりも不安が大きくなっているようです。そして、その後、三菱商事の株価は3,200円から3,000円へと下がってしまいます。

このように、ロウソクチャートの読み方を覚えると、狙った株の買い時や売り時を判断する大きなヒントを見つけることができるのです。

株を購入する前や売却する前には、その他の株価チャートをいろいろと比較しながら検討することで、より効果的な売買を行うことができるのです。

まとめ

株式投資はリスクも高く、はじめのうちは利益を得るまでに時間がかかるかもしれません。気になる企業は見つかっても、失敗を恐れるあまりにはじめの一歩を踏み出すにはかなりの勇気を要してしまいます。

しかし、失敗を恐れていてはいつまでたっても株式を始めることはできません。毎日、地道に勉強を重ね、リサーチを続けるかぎり、かならず大きな利益に結び付くことができると思います。

そのためにも、上昇トレンドと下降トレンドの切り替わるポイントを読むことは非常に大切なことになります。ポイントが読めれば、売買のタイミングがつかめるからです。

株式売買にあたっては、投資家によってそれぞれやり方は異なってきます。決算報告をベースにした企業の売り上げや利益率を重視する人、チャートのテクニカル分析を重視する人、ニュースネタを重視する人などいろいろです。

こうすれば成功するといった黄金法や王道は存在しないのです。だから誰にでもその方法を探るチャンスはあるわけです。

これから自分の投資方法を見つけるためにも、ロウソクチャートを読めるようになっておけば今後の投資活動において大きな武器となることはまちがいないと言えるのです。

 

 

 

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