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空港ラウンジの中でもさらにランクの高いVIPラウンジが利用できるのがプライオリティ・パスで、プラチナランクのクレジットカード以上に付帯することが多いです。
しかし、プライオリティ・パスといってもさまざまな会員プランがあり、付帯するクレジットカードによってサービスが異なります。
同伴者のラウンジ利用が無料だったり、最上位ランクのプレステージ会員が無料になったりするクレジットカードもあるので、前もって内容をチェックすることは必須となるでしょう。
そこで今回は、プライオリティ・パスのサービスについて、メリット・デメリットをはじめ使い方について詳しく解説します。
そのほかにもプライオリティ・パスが付帯するクレジットカードも紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
プライオリティ・パスについて
最初にプライオリティ・パスとは、どんなものなのかについて詳しく解説します。
ここで詳しい内容をチェックしておけば、プライオリティ・パスの付帯するクレジットカード選びで悩んだり迷ったりすることはないでしょう。また、プライオリティ・パスってそもそも何?という方も疑問を解決できます。
プライオリティ・パスの概要
まず、プライオリティ・パスを持っていることで、航空会社の一部のVIPラウンジ(航空系ラウンジ)が利用できます。
世界さまざまな国や地域のラウンジが利用できて、その数は143ヵ国の500都市、1,200以上にもなります。
「空港のラウンジの利用であれば、自分の持っているゴールドカードでも使えるけれど」と思う方もいるかもしれません。こちらは勘違いしがちなのですが、実はプライオリティ・パスで利用可能なVIPラウンジだけでなく、ゴールドカード以上を保有する方の多くが利用できる「空港ラウンジ」というものがあります。
この通常の空港ラウンジよりもプライオリティ・パスで利用できるVIPラウンジの方がサービスの充実度は高い傾向ですし、フライト前の優雅な時間を過ごせるでしょう。
ラウンジによってどんなサービスが受けられるのかや設備は異なるものの、アルコールや軽食を楽しめたり、シャワールームが利用できたりします。
その中でも海外のプライオリティ・パス対象のラウンジは内装が豪華で、日本以上にサービスが充実していると言われるほどです。
なお、プライオリティ・パスを発行するのは有料ですが、あらかじめクレジットカードにプライオリティ・パスが付帯されていれば無料になります。
空港ラウンジとは何が違うのか
すでに解説していますが、プライオリティ・パスで利用可能なラウンジの多くで軽食やアルコールが無料提供。そのほかにもシャワールームやマッサージルームなどがあります。
しかし、一般的な空港ラウンジの場合、食事やアルコールは有料なことが多いですし、シャワールームやマッサージルームは有料もしくは設備すらないことも。そのほかにも多くの空港ラウンジは手荷物検査場の通過前にありますので、手荷物検査が済んでいないと利用できないことも多いです。
また、一番の違いとなるのが空港ラウンジは、多くのゴールドランク以上のカードに付帯されているので多くの方が利用できます。タイミングしだいでは混雑していて利用できないこともあるなど、デメリットがあるのも事実です。
プライオリティ・パスには3つのプランがある
プライオリティ・パスには以下のように3種類のプランがあります。
・スタンダード・プラス会員
・プレステージ会員
そして、プランごとに年会費や利用料金、同伴者料金が異なります。
年会費:99ドル
利用料金:32ドル
同伴者料金:32ドル・スタンダード・プラス会員
年会費:299ドル
利用料金:32ドル(10回まで無料)
同伴者料金:32ドル
・プレステージ会員
年会費:429ドル
利用料金:無料
同伴者料金:32ドル
プライオリティ・パス付帯のクレジットカードには、発行するカード会社によって会員や同伴者の利用料金が割引になることがあります。また、クレジットカードによっては、上記の3つのプランをグレードアップさせている場合も。
たとえば、アメックスの発行するゴールドカードでは、スタンダード会員のプライオリティ・パスが付帯しますが、年2回までであれば無料利用が可能です。
プライオリティ・パスの同伴者料金
プライオリティ・パスを利用時の同伴者料金は32ドルですが、クレジットカードによって料金が異なる場合があります。
なお、クレジットカード経由でプライオリティ・パスを発行した場合、一般的な同伴者料金は2,000~3,000円です。
年会費が高額でスペックも充実したクレジットカードであれば同伴者料金が無料になることもありますが、「同伴者は2名まで」などの人数制限があることも。
そのほかにも家族カードでプライオリティ・パスの発行が可能なクレジットカードもあり、その場合は同伴の家族は無料利用できるので利用の幅もより広がるのではないでしょうか。
同伴者が子供の場合
プライオリティ・パスの対象ラウンジの同伴者が大人ではなく子どもの場合もありますが、料金は基本的に大人と同額です。
しかし、こちらもラウンジによって子どもは半額になったり2歳児未満は無料だったりと、料金が異なる場合があります。
後で料金トラブルにならないように、前もって年齢制限について確認しておくのがスムーズでしょう。
日本でプライオリティ・パスの対象ラウンジは4箇所
日本はプライオリティ・パスの利用が可能な空港は限定されています。
現在、日本で使えるのは以下の4箇所です。
・関西国際空港
・中部国際空港
・福岡空港
実はプライオリティ・パスの利用対象ラウンジは羽田空港にはありません。
そのため、羽田空港を中心とした国内の各空港を利用する機会が多い方では、プライオリティ・パスを活用することは難しいでしょう。
このような場合は、プライオリティ・パスが付帯していて、さらに年会費の価格が安いクレジットカードを保有するのがおすすめです。
プライオリティ・パスの有効期限
クレジットカードの種類によってプライオリティ・パスの有効期限は異なり、その期間は1~3年と開きがある状況です。
なお、プライオリティ・パスの有効期限はクレジットカードの有効期限とは異なるので、間違えないように注意してください。
プライオリティ・パスの有効期限が近くなったら、期限切れとなる1ヵ月前から更新が可能です。中には自動更新となるクレジットカードもありますが、ほとんどで自動更新はされないと思っていて良いでしょう。
どうしても有効期限を忘れそうで不安という場合は、最初から自動更新のされるプライオリティ・パスが付帯するクレジットカードを選ぶなどしてください。
また、プライオリティ・パスの有効期限が間近になると、メールでお知らせをしてくれるカード会社もあります。
メリット・注意点
プライオリティ・パスのメリットや注意点を知ることで、ラウンジをより活用できるようになるでしょう。
こちらでは代表的なメリットと注意点について解説します。
アルコールや軽食が無料で楽しめる
プライオリティ・パスで利用可能なラウンジは、飲食が無料でできるのが一般的です。
ソフトドリンクをはじめ、ワインやビールなどのアルコールも好きなだけ飲めますし、軽食も無料でいただけます。
そのときによって提供されるものは異なりますが、おにぎりにパンはもちろん、サラダや肉料理など、さまざまな料理が並んでいます。
なお、利用するラウンジによって、どんな料理が提供されるのかはそのときにならないとわかりません。中にはその土地ならではの食材を使った料理を提供するラウンジもあるとのことで、それらも出かけた先での楽しみにつながるでしょう。
シャワールームやマッサージルームなどが利用可能
シャワールームやマッサージルームなどが無料で利用できるラウンジもあります。
長時間のフライトの前や、ビジネスで忙しくてまずはシャワーで汗を流しておきたいという方、そのほかにも旅の疲れを癒やしたい方にはおすすめでしょう。
また、ビジネスシーンで役立つ設備もそろっています。無料Wi-Fiに充電スポット、コピー機があるなど、出張時に空港を利用する方にもラウンジ利用はメリットが大きいです。
フライト直前までゆっくりと過ごせる
プライオリティ・パスの利用対象ラウンジは、手荷物検査通過後にあることが多いです。そのため、フライトの直前までリラックスした時間を過ごせるでしょう。
一般的な空港ラウンジの場合、すでに解説したように手荷物検査を通過する前にあることが多いので、出発間際に慌ただしくなってしまいがちです。
それに対し、プライオリティ・パスを持ってさえいれば、出発直前まで慌てることなくゆっくりと過ごせるのです。
プライオリティ・パスの注意点
プライオリティ・パスのメリットを活かすために、注意点があることも知っておきましょう。
混在時はラウンジを使えないことがある
プライオリティ・パスを提示しても、ラウンジが混んでいたら利用できません。
とくに年末年始をはじめ、一般的に空港が混雑しているとされる時期は注意するようにしてください。
滞在時間が決まっている場合がある
ラウンジの滞在時間に上限があり、2~3時間となっている場合もあるので注意しましょう。
ラウンジの中には再入場ができることもありますが、基本的に同一ラウンジの利用は1日1回までと決まっています。
発行までに時間がかかる
プライオリティ・パスが発行されるまでの時間が長く、通常2週間程度となっています。
しかし、タイミングしだいでは4週間ほどかかる場合もあるので、利用予定があるのでしたら早めに申し込んだ方が良いでしょう。
ラウンジの利用料金は後払い
ラウンジの利用料金はその場で支払う必要がありません。プライオリティ・パスをクレジットカードで、カードの利用金額と一緒に銀行口座から引き落としとなります。
また、同伴者の料金も同様にプライオリティ・パス保有者自身に請求される流れです。
クレジットカードによっては同伴者無料の特典がありますが、もしも有料の場合は後日支払いをしてください。
デジタル会員証が利用できない場合も
プライオリティ・パスにはカードだけでなくデジタルの会員証もあり、スマートフォンホやタブレットなどで表示させて使用します。
しかし、デジタル会員証に対応しないラウンジもあるため、カードタイプのプライオリティ・パスも持参するようにしてください。
また、クレジットカード会社経由でプライオリティ・パスを入手した場合、デジタル会員証に対応しない場合もあります。前もってデジタル会員証に対応するかどうかを確認するようにしましょう。
プライオリティ・パスの使い方
次に、プライオリティ・パスの使い方についてチェックしていきましょう。
プライオリティ・パスの使い方の流れは以下のようになっています。
2.専用端末でカードをスキャン
3.署名
プライオリティ・パスでラウンジを利用する手順は上記のみで、利用人数も受付時に確認されます。
また、提示する航空券は、ラウンジ利用日当日の搭乗なのかどうかを確認できないとなりません。事前にチェックインするなどして、航空券を手元に用意しておいてください。
eチケットの「お客様控え」でラウンジを利用できることもありますが、ラウンジの中には断られることもあります。やはり、航空券を提示するのが一番確実に利用できるでしょう。
プライオリティ・パスは基本的に搭乗前に利用するものです。到着時にラウンジを利用できることもありますが、数は決して多いと言えません。
そのほかに、プライオリティ・パスを持参していないはラウンジの利用はできないので注意が必要です。
プライオリティ・パスのアプリを活用
専用のアプリをダウンロードして、プライオリティ・パスのデジタル会員証を提示してもラウンジ利用が可能です。
もしも、カードタイプのプライオリティ・パスを忘れてしまっても、スマホやタブレットさえ持っていればラウンジの利用ができます。
また、アプリには近くのラウンジの検索ができる機能も付いています。
プライオリティ・パスの専用アプリを利用するにはどんな手順を踏めば良いのかを以下で解説していきましょう。
2.アプリ内でデジタル会員証の表示
3.デジタル会員証の裏面にあるQRコードを表示
4.搭乗する航空券と一緒に提示
デジタル会員証は画面をタップすることで、会員証の表面と裏面が入れ替わります。QRコードは裏面にあるので、提示したらラウンジの受付でスキャンしてもらってください。
また、アプリに登録しなくても会員サイトにログインすることでQRコードの表示は可能です。
デジタル会員証はApple Payにも対応済なので、iPhoneユーザーでしたらWalletアプリに登録して使用してください。
そのほかにもスマートフォンを機内モードにしてオフラインの状態だったとしても、アプリは使えます。
知っていると便利な機能
専用アプリはプライオリティ・パスの代わりとして使えるだけではなく、プライオリティ・パスが利用できるラウンジを探す機能もあります。
現在地から検索したり、利用予定の空港から検索したりすることも可能ですし、お気に入りのラウンジを登録しておけば検索画面からすぐにアクセスが可能です。
また、ラウンジの営業時間や施設内容もアプリから調べられます。
プライオリティ・パスが付帯するクレジットカード
プライオリティ・パスの発行が可能なクレジットカードの中で、代表的なカードをまとめてみました。
年会費:11,000円
家族カード年会費: 500円JCBゴールド ザ・プレミア
年会費:15,000円
家族カード年会費:無料(2人目以降1,000円)
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費:20,000円
家族カード年会費:3,000円
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費:20,000円
家族カード年会費:無料(2枚目以降3,000円)
JCBプラチナ
年会費:25,000円
家族カード年会費:無料(2枚目以降3,000円)
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
年会費:29,000円
家族カード年会費:無料(2人目以降12,000円)
楽天ブラックカード
年会費:30,000円
家族カード年会費:(無料2名まで)
三井住友プラチナカード
年会費:55,000円
家族カード年会費:無料
ラグジュアリーカード(チタニウムカード)
年会費:55,000円
家族カード年会費:15,000円
基本的に、年会費が高ければ高いほどに家族カードの年会費も無料になるなど、メリットも多いです。
そのほかにも旅行保険やコンシェルジュサービスが付帯するなど、年会費が高いカードになるほどに内容も充実する傾向にあります。
しかし、プライオリティ・パスのみで言えば、年会費の価格に比例してメリットが多いわけではありません。
たとえば年会費が1万円の楽天プレミアムカードにもプライオリティ・パスのプレステージ会員が付帯するので、利用に困ることはないでしょう。
まとめ
プライオリティ・パスは、あらかじめ設定される3つの会員プラン、利用するカード会社、ラウンジによってサービスや設備の充実度が異なります。
まずは、当記事で解説したプライオリティ・パスの概要をチェックして、紹介したクレジットカードを入手することからはじめてみてください。そうすることで、プライオリティ・パスを利用できるようになります。
プライオリティ・パスでラウンジを利用すれば、フライト前の待ち時間が充実したものになること間違いなしです。自身の利用頻度や目的に合わせて、最適なサービスが付帯するクレジットカードを選んでください。