2019年9月の相場は勢い注意!?九星気学からみる相場の見通し

相場には、大きな流れというものがあります。もちろん、過去の値動きからみるテクニカル分析や、政治経済の動きからみるファンダメンタル分析といった、各種分析によって把握できる流れはあります。でも、さらに大きく俯瞰してみると、こういった分析すらも飲み込まれてしまうような大きな流れをみることができます。

大きな流れを把握するには、サイクル論とか統計学といった学問が有効です。そしてこれととても相性が良いのが、星のめぐりなのです。8月に続き、2019年9月についても、九星気学にスポットをあてて相場の見通しを述べてみたいと思います。

九星気学にみる2019年8月の相場見通しについては、下記記事をご参照ください。(本記事でも適宜抜粋していきますが、さきに下記記事をお読みいただいたほうが理解が深まります)

【初心者向け】2019年8月の相場は荒れる!?九星気学からみる相場の見通し

2019年9月の相場は勢い注意!?九星気学からみる相場の見通し

九星気学とは

2019年8月の相場見通し記事では、九星気学について下記のように説明しました。

九星気学とは、九星・干支・五行という3つの要素を掛け合わせて占う占術で、東洋で生まれたものとされています。東洋の思想では「天地の間には時間と空間が存在する」という考え方があり、その「時間」や「空間」の在り方を9つに分類して考えるのが九星気学です。九星方位学といってエネルギーの流れを元に方位の吉凶を見ることも多く、風水とも近いものです。

こう言われると、「なんとなくわかるけど、それと相場にどう影響するの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。時間とか空間とかエネルギーとか、相場に関係あるようには考えられない、という意見もごもっともでしょう。ですが、相場を動かしているのは人間です。人間が時間や空間のエネルギーを感じながらトレードをするので、その影響が相場に出る、と考えていただくといくらか理解しやすくなるのではないでしょうか。実際に過去をふりかえってみると、まるで星が相場を動かしていたかのように連動していることが多々あります。

また、大きな流れというのは波のうねりのように、定期的に上下を繰り返します。めぐりの周期や順番が決まっている星になぞらえて相場を読んでいくと、ちょうど星の動きと相場の動きが合致して読みやすい、ということもあるでしょう。統計学的にみて「この星のときはこういう動きをすることが多かった」という事例をトレードに反映させる投資家もいます。星を理解することで相場の大きな動きを捉えることができますし、また注意すべきポイントや守るべきポイントをあらかじめ把握しておくことができます。

2019年8月までの振り返り

2019年の本命星は、「八白土星」となります。2019年8月の相場見通し記事では、八白土星について下記のように説明しました。

力を溜める停滞の星と言われ、制度を見直したり、方向性を変えたりということが起きやすい星です。未来に向けてエネルギーを溜めるので、翌年に向けた足固めの時期でもあります。もともと八白土星には「家」の意味があり、ここで力を蓄え、あるいは次の世代に相続し、生命の力をより強くしていく役割を持ちます。自分自身が表に出るというよりも、誰かを育てる、何かを大きくする、どこかへ伝えていくといったことを得意とする星です。

なお、本命星とはその年の土台となる星のことで、人間でいえば生まれ持った性格のようなものです。相場に関して言えば、何年何十年と続いていく相場の中で、2019年がどういう位置づけなのか、どういう動きが起きやすいかという特徴を表しているものと理解すればよいでしょう。

さて、2019年のここまでの動きをおさらいしてみましょう。米中を中心とした関税問題、イギリスのEU離脱問題など、世界的にさまざまな問題を持ち越して始まった2019年は、いまだにどの国も爆弾を抱えたような状態で8月までを過ごしてきています。問題が解決するどころか、香港での暴動や日韓関係の悪化など、爆弾がさらに増え続けている状態です。どの国も選挙対策や世論への対応などから目先の人気取りと調整に追われ、問題の根本解決を先送りしているさまは、まさに停滞といっても良い状態にあります。すべての問題の中心にいて、かつ経済的に一番強い状態にあるとされるアメリカが、来年秋に大統領選挙を迎えますので、そこまでには様々な問題も解決していく(というかトランプ大統領が強引に解決に持っていく)と考えると、2019年はそこに向けてエネルギーを溜めつつ、各国が最善の状態を模索している状態であるとも考えられます。

また、先月の記事では下記のようにも説明しています。

もともと堅実に積み上げていく性質を持っていますが、たまに行き当たりばったり無計画なことをしてしまうと大炎上してしまう運命にあります。大器晩成タイプであり長い目でみれば良い方向に進むものの、短期的には施策が二転三転したり相場が急変したりと、落ち着かない状況を引き起こします。力を溜めるパワーも頑固ですが、一度スイッチが入ると勢いよく走りだしてしまう傾向もあり、その意味で変化や改革、チャレンジの多い星ともいわれています。

世界的に利下げや金融緩和が相次いでいる中、日本国内に目を移すと2019年10月には消費税増税が予定されています。株価をみていると利下げや金融緩和が正しい施策のように見えますが、状況を短期的にみた小手先の対応にも見えてきます。一方で消費税増税は今の株安の状況を見ると無謀なようにも見えますが、長期的な視点にたてばまた異なる結果がみえてくるかもしれません。ただし、目の前の状況を鑑みすぎて施策が二転三転するようならば、それは相場にも大きな影響を及ぼすことでしょう。

まとめると、2019年は来年以降の足固め、エネルギーを溜める時期です。長期的視点でみた施策と短期的視点でみた施策とでねじれ状態が起きることが十分に想定できます。実際に、さまざまな国際問題が解決されないままに状況が二転三転しており、相場はそれに振り回されている感が強く出ています。小手先の対応にも敏感に反応するので、上目線や下目線と決めつけるのはとても危険な状態が続いています。でもこれも、2020年以降に振り返ってみれば単なる調整、レンジ相場に収まるレベルになるでしょう。

2019年9月の月命星「四緑木星」とは

九星気学には本命星のほかに、月命星というものがあります。本命星が生まれ持った性格を表すならば、月命星はその期間の運勢というところでしょうか。人によって得意な季節や苦手な季節があるように、星でみても調子の良い月、悪い月があります。

2019年9月の月命星「四緑木星」は、風を司る星です。風というシンボルは西洋占星術やタロット占いの世界でもよく使われ、調整や柔軟性、コミュニケーションといった強みを象徴しています。人間でいえば社交的、気配り上手、八方美人といった性質を持ちます。八方美人と聞くと、誰にでも良い顔をするという意味で悪い印象を持たれる方がいるかもしれませんが、どんな人とも仲良くやっていける柔軟性や、どんな場もうまく収める調整力といった能力を無意識に発揮することができる人、と捉えれば、そう悪いことばかりではないと言えるでしょう。人気運も高く、まわりからのご縁に恵まれることの多い星でもあります。

相場においては、「四緑木星」はとにかく流れに乗りやすい時期です。大きな流れは見失わず素直にそちらに流れていく、そんなイメージです。商いが増え、さまざまな仕掛けの意図が調整力や柔軟力は高いので、小さな出来事、小さなニュースには瞬時に反応します。起きたことをすぐに吸収、消化するかのようにレートが上下し、やがてまた大きな流れに戻っていきます。小さな値動きに乗っていこうとするならば、素早い判断とアクションが大切です。細かな動きではなく大きな流れに乗っていこうとするならば、小さなことにはとらわれずドンと構えておくのが吉でしょう。

四緑木星の星はまた、成長や成熟といった意味もあり、強いエネルギーを持っています。不完全な中で暴れていた五黄土星の8月から一転して、向かうべき方向が定まるイメージです。このイメージからも、上記のように大きな流れに素直についていくという発想は特に違和感なく受け入れられるでしょう。秋の実りの相場の中で、上がるべき株は上がり、下がるべき株は下がるという業績相場が見えてきます。

九星気学による2019年9月の相場見通し

2019年の本命星「八白土星」、そして9月の月命星「四緑木星」の特徴をふまえた上で、2019年9月の相場見通しについてみてみましょう。

株高円安に向けた動きが加速する可能性

8月は五黄土星という激しい気性の星だったこともあり、アメリカ・イギリス・中国・韓国・北朝鮮と様々な国の政治経済状況や要人発言等で荒れまくった一か月でした。もともと本命星が八白土星で地固めの星であり、また8月は閑散相場になりやすい時期でもあることから、動かないときはほとんど動かない時間が続き、そこにヘッドラインが飛び込んできて五黄土星らしい大荒れ、ということが何度も起きました。

そんな8月と比べれば、9月の相場は方向感のある落ち着いた動きを見せることが多くなると考えられます。8月末まで様々な問題がくすぶっていたことから低迷していた株価ですが、8/29夜のアメリカ市場から少し雰囲気が変わったかのように、リスクオンムードが広まってきています。閑散相場だったところから、商いも増えてきました。この流れのまま、9月はジリジリと上目線で動いていくのが一番きれいな形になるでしょう。ただし、この株価上昇の流れには売りポジションの買い戻しも多く含まれています。リスクオンから新規買いを呼び込み上昇トレンドを定着させることが出来るかどうかは、9/1に発動されると言われているアメリカの対中関税の行方次第という見方が強いです。ここで米中が再び険悪モードになれば、逆に9月は下へ下へとみていく月になるかもしれません。

国内に目線を移すと、10月には消費税増税を控えています。「本当にやるの?」という声も挙がっていますが、これはすでに法律で決まっていることであり、おそらく実施されるでしょう。日本国内の景気は増税するほどの過熱感とは程遠い状態にありますが、増税後に消費が大きく落ち込むことのないよう、軽減税率やキャッシュレス決済の優遇など様々な施策が準備されています。リーマンショック級の事態にならない限りは増税を敢行する、という発言も出ています。となると、増税前の9月に株価を大きく下げるわけにはいかない、という事情もあり、9月の「方向感ある動き」というのは株高方向を指すのでは、という見通しが優位になってきます。個別株でいえば、秋の決算内容をふまえて買われるべき株は買われ、売られるべき株は売られる。ただし地合いとしてはそう悪くないはずなので、良い業績なのに売られる、といった悲惨な状態は避けられるように思います。

一方、為替のほうはどうでしょうか。米中や米朝、EUとイギリスといった対立関係が世界中でみられ、またドイツ銀行などネガティブな形で波及しそうな要因もくすぶっているため、有事の円買いはまだまだ続くかもとも考えられますが、この発想からすでに円を買っている人が多く、買い残がすでに結構積みあがってきています。少し前は何かあるとドルが買われてドル1強と言われた時期もあったものの、最近ではことあるごとに円高に走る場面が多く見られており、また列挙したさまざまな対立関係がまだどれも解決なされていないことをふまえると、一時的に円高へワークする可能性は考えられますが、方向性をもった動きとなると円高よりも円安のほうが見通しとして優位でしょう。

ヘッドラインや経済指標への反応スピードは回復

雇用統計をはじめとする経済指標が発表されると、以前は株も為替も大きく動いたものでした。ドル円でいえば指標発表後5分間で1円以上の動きを見せたときもあったほどです。またトランプ大統領の誕生以降は、大統領がTwitterで何かツイートすると、それだけでダウが乱高下し、日経平均や日経平均先物も釣られて大きく変動したものでした。ですがここ最近はアメリカの利下げ予想や貿易戦争に関する口先介入が増えているために、経済指標の発表やニュースが流れても相場への影響が全くない、ということも珍しくないことが続いています。そうかと思えば、数日前に流れたヘッドラインやフェイクニュースが変なタイミングで相場に影響を与えることもあり、五黄土星のハチャメチャぶりが露呈していました。

この現状から、9月は少し変化を見せる可能性があります。

「四緑木星」の性質として、素直な反応を見せたり、社交的でフットワーク軽く動いたりといった一面があります。相場でも、この積極性が反映されることは十分に考えられます。ちょっとしたニュースに素早く反応してレートが動き、構えていなかった投資家はチャンスを逃す、というシーンが出てくることでしょう。良いニュースが出てきたらどうする、悪い経済指標が出てきたらどうする、といった具合にシミュレーションを事前にしっかりしておく必要があります。忙しく動くことになるので、ロングだけとかショートだけとか目線を都度決めておき、想定外のときは見送るという決断も大切です。そして、いざ何か起きた時には素早い行動を心がけましょう。ポジション取りはもちろん、損切りも決断が遅れると痛い目をみることになるかもしれません。

2019年9月に気を付けるべきこと

四緑木星の9月相場を乗り切るために気を付けたいことを、列挙してみます。

  • 大きな方向性を見失わないようにすること。逆張りは超短期なら有効だが、基本はトレンドに乗るよう心掛けること。
  • 小さなニュースや要人発言にも反応しやすくなるので、素早く決断すること。
  • チャンス全部に乗っかる必要はないと考え、ときには見送りの判断も大切にすること。

9月になると、夏季休暇で相場を離れていた外国投資家たちも戻ってきます。秋の実りの相場が始まるタイミングでもあります。そこから考えても、大きな流れができるというのは珍しくありません。ただし今年は四緑木星の素直さ、フットワークの軽さがありますから、ときには大きな流れを惑わすような上下をすることもあるでしょう。でもそれに振り回されて大きな流れを見失ったり、利確する判断が遅れて含み損になったりしては、せっかく稼げるチャンスなのにもったいないですよね。さんざん振り回されて9月が終わったところで振り返ってみたときに、「こんなに素直なチャートなのになぜヤラれてしまったのだろう」となることのないよう、冷静さ大胆さをもって相場に臨んでみてください。

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