民泊の認可は必要ない!イベント民泊とは何?仕組みや参加方法を解説します

民泊に興味はあっても、認可が必要だったり旅行者を受け入れるのが不安だったりと躊躇する方も多いでしょう。そんな方におすすめなのがイベント民泊です。イベント民泊は、スポーツイベントや祭りなどで一時的に宿泊需要が高まる期間のみ行われる自治体の企画です。

イベント民泊は、宿泊場所を提供してくれる人を自治体が募集を行うものです。イベント民泊なら認可も必要ありませんので、誰でも気軽に参加することが可能です。

今回はお試しで民泊事業が体験できる、イベント民泊の仕組みや参加方法を解説します。民泊に興味がある物件のオーナーや、空いている部屋をお持ちの方はぜひ参考にしてみて下さい。

民泊に興味がある?

新しい不動産投資として民泊が注目されています。不動産投資を検討する方、賃貸物件の空室に悩む方、空いている部屋を活用したい方など民泊に興味がある方は多いのではないでしょうか

民泊は、

  • 不動産投資
  • 民泊投資
  • 副業

として今後の成長が期待されており、民泊事業者の数は急激に増えてきています。しかし、実際には興味があっても事業を始めるにあたって不安に思う方もいるでしょう。

民泊への不安要素や問題点

では、民泊を始めるにあたって不安になる要素や問題点にはどんなものがあるでしょうか。

  • 民泊の認可のことがよくわからない
  • 認可をとるのが面倒だ
  • 民泊がどんなサービスかイメージできない
  • 安易に始めて後悔したくない
  • 自分に合ったビジネスかどうか判断できない
  • 近隣住民とのトラブルが心配
  • ホストとして対応できるか心配

などと、民泊開始を躊躇させる要素が皆さんそれぞれあると思います。

そこで、民泊のお試し体験として、ぜひイベント民泊に参加してみることをおすすめします。そもそもイベント民泊とはどのような民泊なのでしょうか。これから詳しく解説していきましょう。

イベント民泊とは

イベント民泊とは、

  • スポーツ観戦(野球、サッカー、オリンピックなど)
  • 祭り(国内外から観衆が集まる規模の祭り)
  • 公共性の高いイベント(花火大会、国際会議、展示会など)
  • コンサート(イベント性が高いもの)

など、一時的に宿泊施設の需要が高まり、地域のホテルや旅館だけでは補えないと判断された時に行われる自治体の企画です。

自治体は自宅(物件の空室など)を提供してくれる住民を地域で募集を行います。地域のイベント状況によりますが、通常はイベントが開催される期間のみ数日間を対象にイベント民泊が実施されます。

どの地域でも、いつでも、イベント民泊の機会があるわけではありませんが、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックを控えていることもあり、イベント民泊を実施する自治体が増えることが期待されています。

※それぞれの地域の自治体の公式サイトから、イベント民泊の情報を調べることが可能です。

イベント民泊の仕組み

イベント民泊はどのような仕組みになっているのか、まずは概要を解説していきます。

イベント民泊の概要

イベント民泊の期間

イベント民泊は観光庁によって規定が定められおり、イベント民泊の期間は概ね年数回、2,3日程度で行われるものとしていますが、イベントが開催される期間に応じて異なるとしています。(自治体の要請による)

Expert
地域で開催されるイベント期間に応じて数日間だけ民泊に参加することができます!
イベント民泊は認可を必要としない

観光庁によると、イベント民泊は単発の需要であって反復継続となる要素がないため事業とは見なされず、民泊の認可は必要ないと規定しています。

Expert
誰でも提供する部屋さえあれば気軽に応募することができるのです!
自治体の判断によって募集

イベント開催時に宿泊施設の不足が見込まれるかどうかは、各自治体の判断によります。

他県からも来場者があるのか、海外からも来場者があるのか、既存の宿泊施設で補うことが可能かなどを目安に、事前に見込まれる宿泊者数の調査が行われて判断されています。

Expert
とくに東京オリンピックの時は、関東地区ではイベント民泊の募集が実施される可能性があります。

イベント民泊の募集要項

自治体が行うイベント民泊の募集は事前に公式HPや地域情報誌などで公開されます。

それぞれの自治体やイベントの詳細によって、募集要項は内容が異なります。基本的には、自治体の窓口にて応募を受け付けていますが、不動産関連業者や旅行関連業者、イベント関連業者などが窓口として委託される場合もあります。

募集の対象は自宅や住宅であること

募集の対象は個人が現に居住する住宅であることが要件となりますが、お持ちの賃貸物件や別宅・別荘などでも応募できます。賃貸の方でも大家さんの転貸許可があれば申し込み可能です。各募集要項によりますので、事前に詳細を調べるようにしましょう。

ただ、すでに宿泊業・民泊事業者として認可を受けている方は原則として対象外となります。

イベント民泊への参加方法

イベント民泊へ参加する方法は、

  1. 自治体(委託業者)が公表している募集要項に従って「申込書」を提出
  2. 個別に審査が行われる
  3. イベント民泊への参加が承認される
  4. イベント民泊の事前研修に参加
  5. 自治体(委託業者・民泊業者)を介して宿泊予約の受付を開始

以上のような流れとなります。

申し込む際には、近隣住民とのトラブルを避けるため事前に挨拶・承諾を得ることが推奨されています。
宿泊における詳細を決めておく

応募にあたっては、参加者はあらかじめ宿泊における詳細を決めておく必要があります。

  • シャワー、トイレ、洗面所などの利用が可能か
  • 清潔なリネンが提供できるか
  • 住戸全体や一部の部屋か
  • 提供時に在宅するか
  • 本人確認方法・鍵の受け渡し方法
  • 宿泊料金や予約条件
  • 募集方法(民泊情報サイトを利用するなど)

以上のような大まかな民泊の構想を申し込みの際に提出します。

観光庁のイベント民泊のガイドラインが以下からご覧いただけます。
http://www.mlit.go.jp/common/001301685.pdf

イベント民泊参考事例

それでは、実際にどのようなイベント民泊があるのか、具体的にいくつか参考事例をご紹介していきましょう。

千葉市のイベント民泊事例

千葉市は東京オリンピックでもイベント民泊の実施を予定しており、試験的に2019年9月にイベント民泊の募集を行います。千葉市は、エアビーアンドビーとも提携しており、シェアリングエコノミーや民泊事業に力をいれている自治体の1つです。

レッドブル・エアレース/東京ゲームショー

  • 9月7日、8日に開催されるモータースポーツイベント「レッドブル・エアレース千葉2019」
  • 9月12日~15日に開催される「東京ゲームショウ2019」

上記2つのイベント民泊の募集が2019年6月に行われました。

募集要項

イベント民泊の期間:9月6日~9月9日 (レッドブルエアレース千葉)、9月11日~16日(東京ゲームショウ)

イベント民泊提供者の要件:市内に本人や親族の自宅がある方、転貸許可を得ている賃貸物件の方、ホームシェア実務研修に参加できる方

※千葉市のイベント民泊に関する情報はこちらからご覧いただけます。
https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/tokku/homeshare_guide_201909.html

Expert
千葉市ではすでに東京オリンピック時のイベント民泊の募集予定であることを公表しています。千葉市の方はこまめに情報をチェックして、ぜひご検討してみて下さい。

佐渡市のイベント民泊事例

新潟県佐渡市では、毎年8月に行われる野外フェスティバル「アース・セレブレーション」に向けてイベント民泊が実施されました。

この野外フェスティバルがjapan-guide.comによって日本の旅行先満足度1位に選ばれたため、宿泊施設の需要が高まることが予想され、イベント民泊の募集が行われました。

アース・セレブレーション

2019年8月16日~18日の3日間にかけて、佐渡市で開催されるアース・セレブレーションは地域の伝統芸能に特化したコンサートなどが行われるイベントです。

パリでも活躍した若手の太鼓打ち師のグループ、「鼓童」の活躍が注目されています。

募集要項

イベント民泊の期間:8月15日~8月19日まで

応募要件:本人また所有者の同意がある戸建住宅、現に住宅として使用されている建物、他の賃貸人からの同意を得た物件、宿泊施設に使用しても支障がない物件

こちらのイベント民泊は2019年7月に募集された案件です。

※参考までに、佐渡市で行われたイベント民泊情報をチェックしてみましょう。
https://www.city.sado.niigata.jp/info/data/2019/0705.shtml

Expert
今後、佐渡市では毎年イベント民泊が行われるのでは?

徳島市のイベント民泊事例

徳島県徳島市は日本を代表する阿波おどりで国内外で知名度を高めている地域です。毎年、大勢の観衆や参加者が集まります。徳島県は人材派遣業者である株式会社パソナを委託業者として、阿波踊りの際にイベント民泊を実施しています。

※株式会社パソナは民泊仲介事業に参入しており、いくつかの都道府県と提携してイベント民泊を推進しています。

阿波おどり

2019年度は台風の影響により阿波おどりは中止となりましたが、徳島県は地方創生の一環として民泊事業に力を入れています。

阿波踊りの際には、これまでのデータによると徳島県の人口の約3倍近くの73万人以上の宿泊客数があるとのことです。

募集要項

民泊イベント期間:8月11日~8月16日

応募要件:徳島市の住宅の所有者、外国語不可または女性限定など条件施一定が可能

※阿波おどりのイベント民泊の詳細はパソナの公式ページからご確認できます。
https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=2422&dispmid=798

Expert
実際にイベント民泊の際の外国人と地域の方々との様子を、写真つきで公開するメディアも多いです。いくつか参考リンクをご紹介しておきますので、イベント民泊のイメージとして参考にして下さい。

※阿波踊りイベント民泊の様子を写真で見る

その他イベント民泊情報

その他にも、案外多くの自治体がイベント民泊を実施しています。思いがけず、皆さんのご地域でもイベント民泊の公募が行われているかもしれません。

これまで、イベント民泊を実施している地域をいくつかご紹介しておきます。

  • 青森県弘前市→弘前ねぶたまつりイベント民泊
  • 青森県五所川原市→五所川原立佞武多イベント民泊
  • 岩手県釜石市→かまいし仙人峠マラソン大会イベント民泊
  • 宮城県石巻市→ツール・ド・東北(自転車イベント)民泊
  • 宮城県丸森長→サイクルフェスタ丸森イベント民泊
  • 秋田大仙市市→大曲の花火イベント民泊
  • 富山県南砺市→TOGAトレイルラン(スポーツ)イベント民泊
  • 岐阜県関市→関市刃物まつりイベント民泊
  • 三重県熊野市→熊野大花火大会イベント民泊
  • 愛媛県鬼北町→つなぐえひめ国体イベント民泊
  • 高知県四万十川市→桜マラソンイベント民泊
  • 福岡県福岡市→嵐・EXILEのコンサートイベント民泊

などがこれまで実施されています。

お祭りの時期や、毎年地域の名物となっているイベントなどの時期に合わせてイベント民泊が行われる可能性があります。

イベント民泊情報を調べる

イベント民泊は、民泊の認可を取る必要もなく、戸建て、アパート・マンションの所有者や転貸許可を得た賃貸の方々が簡単に参加できる仕組みになっています。

地域の募集要項にもよりますが、最低限の消防法の基準と衛生設備(浴室・トイレなど)さえクリアしていれば、ほとんど規制をうけずに民泊を体験してみることが可能です。

通常イベント民泊の公募が開始されるのは、イベントが開催される3カ月~1カ月前あたりです。定期的に自治体の公式サイトなどで情報を確認しておくようにしましょう。

自治体の公式サイトにアクセス

自治体は、主に都道府県と市区町村の2種類があります。

そのイベントが県の主催なのか町の主催なのかによって、応募を行う自治体が異なります。また、民泊仲介業者に募集が委託される場合もあるので注意して下さい。

例えば・・・

  • ○○県の公式サイトを調べる
  • ○○市の公式サイトを調べる
  • ○○町の公式サイトを調べる

などの方法があります。

また、イベント民泊事業に参入している業者の情報をチェックしておく方法もあります。

イベント民泊事業を行う業者

こちらの民泊事業者のサイトの情報も参考にしてみて下さい。

今後のイベント民泊情報

今後、イベント民泊の開催予定を最後にご紹介しておきましょう。

東大阪市

東大阪市では、「ラグビーワールドカップ」に向けてイベント民泊への参加住宅を募集しています。

イベント民泊の期間:
イタリアvsナビア戦 9月21日~23日
アルゼンチンvsトンガ戦 9月27日~29日
ジョージアvsフィジー戦 10月2日~4日
アメリカvsトンガ戦 10月12日~14日

募集期間:8月30日まで

東大阪市の公式サイトから詳細をご確認いただけます。
http://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000025362.html

熊本県

熊本県はAirbnb・パソナとの提携にて、「祭りアイランド九州」と「ラグビーワールドカップ」に向けてイベント民泊を実施します。

イベント民泊の期間:
まつりアイランド九州  9月27日~30日
ラグビーワールドカップ(フランスvsトンガ) 10月5日~7日
ラグビーワールドカップ(ウェールズvsウルグアイ)10月12日~14日

募集期間:2019年6月~8月31日

イベント民泊の実施エリア:熊本市、宇土市、宇城市、御船町、嘉島町、益城町、合志市、菊陽町など

熊本県庁のホームぺージから詳しくご覧頂けます。
詳しい情報はこちら

また、Airbnbでは説明会も行っています。
詳しい情報はこちら

2020年東京オリンピック

関東地区の方は、ぜひチェックしておきたいのが2020年東京オリンピックに行われるイベント民泊情報です。

すでに千葉市がイベント民泊を実施予定であることはご紹介しましたが、その他の都道府県、市区町村でもイベント民泊に向けて動きだす自治体が出てくることが期待できます。

実際に、都内のホテルは確実に足りなくなるといわれており、客室不足が深刻化、宿泊料は高騰している状態です。

Expert
関東地区にお住まいの方は、こまめに情報をチェックしておきましょう。
※民泊とはそもそも何なのか、詳しく解説した記事が下記からご覧いただけます。

※いずれは民泊事業を開始したいと興味のある方は、民泊新法をわかりやすく解説した記事も参考にしてみて下さい。

まとめ

空いている部屋や家を有効活用できる民泊は、不動産投資の一環として最近では将来性が高いビジネスや副業として注目されています。

これまで民泊の習慣がなかった日本においては、一般の旅行者に部屋を提供したことなどない、という方がほとんどです。いざ、民泊を始めてみたいと思っても不安に思うことも多いでしょう。

そんな方々のために、民泊事業のお試し体験として、イベント民泊に参加する方法があることを解説してみました。

イベント民泊の機会が得られる人は限られているかもしれませんが、もし、募集があった際にはぜひ参加を検討してみて下さい。この機会に、まずは地域の情報を調べてみましょう!

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