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銀行からお金を借りるというと、何となく敷居が高いと思っている人も多いのではないでしょうか?確かに銀行からお金を借りるのは、他の金融機関からの借り入れに比べて審査が厳しいという特徴があります。
しかし、審査が厳しい分、他の金融機関よりも金利が低く設定されていることが多いです。ここでは、銀行でお金を借りるということに焦点をあてて、銀行ローンの種類や審査について解説をしていきます。
銀行でお金を借りるには?
例えば、住宅を購入する時や、車を買う時や、教育資金などでお金が必要な時などは、銀行からお金を借りる人も数多くいます。そもそも、銀行とはどのようなところで、どのようや業務をしているのでしょうか?
ここでは、銀行ではどのような業務をしていて、銀行でお金を借りるにはどうしたら良いかなどについて解説していきます。
銀行の業務とは?
預金業務
預金業務とは、個人や法人からお金を預かり管理をする業務です。銀行は、預金者から預かった預金を貸し出しに利用したり、運用に利用したりします。
そして、その収益を預金者に利息として支払います。
融資業務
銀行は預金者から預かったお金の一部を、個人や法人に貸し出しをします。この業務のことを融資業務といいます。
銀行からお金を借りた個人や法人は、元金とともに金利を支払わなければなりません。銀行は債務者から受け取った金利の一部を、預金者に利息として還元しているのです。
ただし、銀行は誰にでもお金を貸してくれるところではありません。審査をして金利とともに返済可能と判断した人に対して、貸し出しを行っています。
為替業務
為替というと1ドルいくらなどの外国為替もありますが、銀行の為替業務とは振込のことを言います。いわゆる内国為替です。
為替業務は、預金業務、融資業務と合わせて銀行の三大業務と言われています。
その他業務
銀行は三大業務以外にも現在では信託、証券、保険業務なども行っていて、総合的な金融サービスを行う金融機関となっています。
銀行でお金をかりる
銀行でお金を借りる場合、注意をしなければならないことがいろいろあります。ここでは、銀行からお金を借りるのにどうすれば良いのかについて解説していきます。
金利
銀行からお金を借りるのには、必ず金利がかかります。債務者は、元金とともに金利を返済していかなければなりません。
ローンにかかる金利は、利用するローンによって異なります。住宅ローンなど資金使途が決まっているものは、比較的低めに設定されています。
一方、カードローンやフリーローンなど資金使途が自由なローンは金利が高めです。
提出書類
銀行からお金を借りるためには、申込書の他にも審査のために提出する書類や、審査が通って融資を受けるための書類などいろいろな書類を提出する必要があります。
審査に必要な書類
ローンの種類や借り入れをする金融機関によって違ってきますが、本人確認書類と収入証明書類は提出するところがほとんどです。本人確認書類は、運転免許証やパスポートなどです。
収入証明書類は、源泉徴収票や住民税決定通知書や確定申告書などです。
融資実行時の書類
融資の種類によっても違いますが、金銭消費貸借契約書や実印、印鑑証明や住民票などが必要な場合もあります。
申込条件
銀行のローンには、種類ごとに申込条件があります。例えば、カードローンやフリーローン以外では、資金使途が決まっていてその資金のために融資金を利用しなければいけません。
他にも、日本国内に居住している満20歳以上65歳までの方や、安定継続した収入がある方などの条件がります。そして、条件に適合しなければ、申し込むことができないのです。
審査
銀行からお金を借りるには、申し込みをした後に必ず行われる審査に通過しなければなりません。審査基準は銀行によってもローンの種類によっても異なりますが、審査に通過しなければ借り入れすることはできません。
銀行ローンの種類
銀行ローンの種類は銀行によってそれぞれですが、目的によって選択しなければならないのは同じです。ここでは、銀行ローンの種類とどのようなローンなのかについて解説をしていきます。
住宅ローン
住宅ローンの目的
住宅購入を目的としたローンのことを言います。購入物件は一軒家でもマンションでも可能ですし、新築でも中古でも可能です。
住宅ローンの特徴
住宅購入は、一生の間に何回もあるものではありません。また、金額が大きい買い物のため、キャッシュで一回で支払える人はほとんどいません。
そのため、ほとんどの人が、住宅購入には住宅ローンを借り入れることになります。住宅ローンは借入金額も大きくなるため、基本的には購入住宅を担保に入れることになります。
購入住宅を担保に入れることや、大きな借入金額を長期間で支払うために、金利は他のローンと比較して低めに設定されています。また、金利は情勢によって変動していく変動金利型と、借入時の金利が返済期間中変わらない固定金利型と、3年、5年、10年などの一定期間金利が変わらない固定金利選択型があります。
住宅ローンは長期間の返済になるため、どの金利の種類を選べば得なのかは返済が終わってみないとわからないのです。
リフォームローン
リフォームローンの目的
リフォームローンとは、古くなった住宅の増改築や修繕を目的としたリフォーム工事にかかる資金を払うためのローンです。
リフォームローンの特徴
リフォーム工事の相場は50万円~300万円と言われていますが、リフォームにかけるお金は人それぞれです。大がかりな工事であれば、1,000万円以上かかる場合もあるためリフォームローンは少額から大きな金額まで借りられる便利なローンなのです。
リフォームローンには有担保型と無担保型があり、銀行によってどちらかしかないところもありますし、両方あるところもあります。有担保型は基本的にはリフォーム物件を担保に入れますので、大きな金額が借りられる大規模リフォーム向けのローンです。
無担保型よりも住宅ローンに近いため、金利も低く設定されています。
自動車ローン
自動車ローンの目的
自動車の購入資金を払うためのローンです。当然ですが、車の購入資金にしか利用できないため、振込で支払った証明などが必要になります。
自動車ローンの特徴
銀行で提供している自動車ローンの一番の特徴は、車を購入するディーラーのローンよりも一般的には金利が低く設定されていることです。そのため、ディーラーローンと比較して、審査が厳しく審査スピードも遅いのが特徴です。
また、銀行の自動車ローンの利点は、車の所有権が購入者にあることです。一方、ディーラーローンの場合は、車の所有権がディーラーの場合がほとんどです。
銀行の自動車ローンは、ほとんどのところで中古車のローンも取り扱っていますが、取り扱っていないところもありますので注意が必要です。
教育ローン
教育ローンの目的
教育ローンとは、資金使途を教育資金に限定されたローンのことをいいます。基本的には学費や入学金の支払いに利用されますが、銀行によっては塾や習い事の費用や、家賃や下宿費まで認められているところもあります。
教育ローンの特徴
入学金や学費に教育ローンや奨学金を利用する人が多いのですが、両者の一番の違いは借主が違うことです。教育ローンは学生の保護者が借主になり、奨学金は学生本人が借主になります。
また、教育ローンは、国の機関である日本政策金融公庫が提供する国の教育ローンと民間の金融機関が行う教育ローンがあります。銀行の教育ローンは、国の教育ローンよりも審査が厳しく金利も高めに設定されています。
しかし、民間の信販会社の教育ローンと比較すると、金利は低めに設定されているのです。
カードローン
カードローンの目的
カードローンは、提携ATMからローンカードを利用して借入限度額までであれば資金使途自由に出し入れできるローンです。生活費が足りなかったり、冠婚葬祭などで急な出費があった場合などに、簡単に借り入れができますのでたいへん便利です。
カードローンの特徴
カードローンとは、資金使途が自由で借入限度額までであれば自由に何回でも出し入れできる無担保融資です。カードローンの種類を大きく分けると、消費者金融会社が提供する消費者金融系カードローンと、銀行や信用金庫などが提供する銀行系カードローンに分かれます。
銀行系カードローンは、消費者金融系カードローンよりも金利が低く設定されていますが審査が厳しいのが特徴です。カードローンの毎月の約定返済は、借入残高によって返済金額が変わる残高スライドリボルビング方式を採用している銀行が多いです。
毎月の返済は残高スライドリボルビング方式により苦しくならないように設定されていますが、反対になかなか元金が減っていかないデメリットもあります。カードローンの返済は、毎月の約定返済だけでなく好きな金額を好きな時に返済できる随時返済も併用すると良いでしょう。
フリーローン
フリーローンの目的
フリーローンとは、資金使途が自由な借り入れです。事業資金以外であればどのように利用しても良いため、複数の借入金のおまとめローンとして利用している人も多いです。
フリーローンの特徴
フリーローンの最大の特徴として、資金使途が自由であるということが挙げられます。カードローンと同じで資金使途が決められているローンよりも、金利が高めに設定されているのも特徴の一つです。
カードローンと異なるところは、一括ですべての金額を借り入れ、追加借り入れができず基本的に毎月返済していくことです。借入限度額度までであれば出し入れ自由のカードローンとは、ここが異なるところなのです。
フリーローンは銀行によっては無担保のところもありますし、有担保でないと借り入れできないところもあります。
ブライダルローン
ブライダルローンの目的
ブライダルローンは、その名前の通り結婚資金を借り入れすることを目的としています。
ブライダルローンの特徴
ブライダルローンは、挙式や披露宴や結婚指輪や新婚旅行や住宅資金など結婚に関するあらゆる資金に対応しているローンです。結婚式場によってはご祝儀をもらう前の先払いで代金を払わなければならないところもありますので、ローンで対応しなければならない場合もあります。
また、結婚式場がブライダルローンを提供していて、代金を支払う手続きを行わず結婚式ができるところもあります。銀行のブライダルローンは、提供しているところは少ないのですが目的が決まっていますので金利は低めに設定されています。
事業者ローン
事業者ローンの目的
事業者ローンは、個人事業者や中小零細企業が運転資金などの事業を行うために借り入れをすることを目的としたローンです。
事業者ローンの特徴
個人事業者や中小零細企業に向けた事業者ローンを行っている銀行は、あまりありません。今や事業者ローンといえばノンバンクが積極的に行っている商品で、銀行はその分野からは撤退しているところが多いです。
2008年のリーマンショックまでは銀行も事業者ローンを積極的に行っていたのですが、不良債権を増やしてしまったため消極的な姿勢に変わったのです。
銀行住宅ローンの審査
事前審査と本審査
銀行住宅ローンの審査は、一般的に事前審査と本審査の2種類の審査が行われます。住宅を購入する時にすべて現金で支払うことができるのならば問題がないのですが、ほとんどの人は住宅ローンを借り入れしなければ住宅を購入することができません。
住宅ローンは基本的には購入する物件を担保にお金を借りるため、住宅が決まっていなければ住宅ローンの審査もできません。そのため、住宅ローンの申請をするには、住宅の購入をする物件が決まっている必要があります。
しかし、住宅の購入の契約をしてから住宅ローンの申請をすると、審査落ちしてしまった場合にお金を払うことができなくなってしまいます。このことを防ぐために、契約する前に購入予定の物件に対して事前に審査をしておくのが、住宅ローンの事前審査になります。
あらかじめ事前審査を行っておけば、本審査で審査落ちをする可能性が低くなるのです。
住宅ローンが審査落ちをしてしまう理由
住宅ローンが審査落ちをしてしまう理由として以下のようなことが考えられます。
- 返済比率が高すぎる
- 他の返済が遅延している
- 他の借り入れが多すぎる
- 担保評価が低い
反対に上記の審査落ちしてしまう理由に該当しない場合は、審査に通る可能性が高くなります。
銀行自動車ローンの審査
自動車ローンの審査は厳しい?
銀行の自動車ローンは、資金使途がきちんと決まっていることや、ちゃんと支払い先に資金が振込されるところまで確認するため、銀行にとって貸し倒れリスクの低い商品です。そのため、銀行のカードローンやディーラーローンよりも金利が低めに設定されています。ただし、その分審査が厳しいと言われています。
自動車ローンの審査基準
一般的に銀行の自動車ローンは、担保や保証人がいりません。しかし、ほとんどの銀行で代わりに保証会社の保証を付けて、貸し倒れリスクに対応をしています。
そのため、自動車ローンの審査を行うのも保証会社ですが、どのような人が審査に落ちてしまうのでしょうか?以下は自動車ローンの審査に通らない人の特徴です。
- 過去に金融事故を起こしたことがある
- 他のローンが延滞している
- 他のローンが多い
- キャッシングの借り入れが多い
- 年収が低い
- 勤続1年未満
銀行カードローンやフリーローンの審査
銀行カードローンの自主規制
2010年の改正貸金業法の総量規制により、消費者金融会社などの貸金業者は、個人に対して年収の3分の1以上の貸し出しができなくなりました。しかし、銀行カードローンやフリーローンは総量規制の対象外のため、消費者金融で借りられなくなった個人が銀行カードローンに流れてきたのです。
その結果、銀行カードローンの残高がどんどん増加して、多重債務者が増え社会問題になったのです。2017年にメガバンク3行は総量規制並みに貸し出しを制限する自主規制を発表し、他の銀行も追随しています。
そのため、現在では銀行のカードローンの審査も相当厳しくなっているのです。
銀行カードローンやフリーローンの審査基準
銀行のカードローンやフリーローンの審査に通過できない人は以下になります。
- 過去に金融事故を起こしたことがある
- 他の金融機関のローンが延滞している
- 他の金融機関を含めた借入金が多い
- キャッシングの借り入れが多い
- 希望限度額が年収の3分の1を越えている
まとめ
このように、銀行のローンには、資金使途が決まっているものや、資金使途が自由なものなどいろいろあります。銀行からお金を借りるためには必ず審査に通過する必要がありますので、事前に審査に通過しやすい状態にしておくことが大切です。