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ワーキングホリデーとは?
よくワーホリと呼ばれていますね。正式名称は、「ワーキングホリデー」と呼びます。ワーキングホリデー制度を結ぶ二つの国・地域間の取り決め等に基づき、各々の国・地域が相手国・地域の青少年に対して自国・地域の文化や一般的な生活様式を理解するため、海外に長期滞在する事ができるビザのことです。
このワーキングホリデー制度は、1980年のオーストラリアから始まり、今年で39年目を迎えます。現在ワーキングホリデー制度を結んでいる国は19カ国あります。
国によってワーキングホリデー制度は多少異なりますが、基本的に18歳〜30歳以下の方がワーキングホリデーを利用する事ができ、1年から最長3年間海外で生活をする事ができます。
「観光」、「就学」、「就労」を許可されているビザなので、国内を自由に移動する事ができ、国によって期間は異なりますが、学校に通う事もできます。また、現地でフルタイムで働く事ができるかなり自由度の高いビザです。
そして、ワーキングホリデーは1つの国に対して、一生に1度しか使用する事ができない貴重なビザでもあります。例えば、ニュージーランドに1年間ワーキングホリデーで渡航をした場合、帰国してからもう一度カナダへワーキングホリデーを使って渡航しようとしても、すでに1度ワーキングホリデー使っているので、ワーキングホリデーを利用して渡航する事はできません。この場合、他のビザを利用して渡航していただくしか方法はありません。
留学との違い
国外の学校に通う事を一般的に「留学」呼びます。ビザの種類別に分けると学生ビザか観光ビザを使っての渡航になります。
「短期留学」もよく聞きますが、留学とは語学学校、専門学校など「国が認めている学校に通う事」であり、その期間が短いものが「短期留学」です。ここでは「学生ビザ」を中心に紹介します。
学生ビザは、就学を目的としているビザなので、外国語学校に通っている期間、海外で生活をする事ができるビザです。学生ビザは年齢制限が設けられておらず、何歳であっても申請する事ができます。また、事前に休日を申請する事もできるので、学校を休んでいる間は観光や旅行に行く事も可能です。
国によって異なりますが、基本的には就学を目的としているので、就労は許されておりません。仮に働く事ができても、ワーキングホリデーのようにフルタイムで働く事はできず、パートタイムなどで働くことになります。ワーキングホリデーよりも勉強に集中できる期間を長くできる代わりに、向こうで長時間働く事ができないという事を忘れずにしましょう。
まとめると・・・
ワーホリは、
- 滞在期間は1年間〜3年間。
- 1つの国に対して1度しか使えない。
- 現地でフルタイムで働く事ができる。
- 18〜30歳までの人が使える。
- 国によって異なるが、学校に通える期間が国ごとに決まっている
留学は、
- 年齢制限はない。
- 同じ国で何度でも利用できる。
- 学校に通える期間に制限がない。
- 現地で働く事はできない(国によって働く事はできるがフルタイムでは働けない)。
- 学校に通っている期間は滞在できる(休みを申請すれば旅行も可能)。
ワーキングホリデーのお得な点
働いて収入を得ながら海外生活を送ることができる
ワーキングホリデーの最大の特徴は、フルタイムで就労が可能なところです。現地のスーパーやレストラン、農園などでアルバイトし、収入を得ながら海外で生活することができます。 1年間という長い期間、海外で過ごすに伴い発生する多額の生活費用の出費を賄うことができることから、費用を抑え長期で海外生活を体験したい方に非常におすすめです。
ただし、英語力がなければできる仕事の幅も狭く、日本人ばかりの環境になってしまうこともあるため、ワーキングホリデー期間中に、または事前に語学研修などである程度英語力を伸ばしておくことをおすすめします。
しかし、英語力が皆無だからといって諦めることはありません。人気のワーホリ滞在先には日本人がたくさんいる日本人街なんかもありますし、街のなかの言語も日本語標記がされています。
渡航後も万全のサポート体制で安心して海外生活が送れる
ワーキングホリデーは、仕事も勉強も遊びも旅行も何でもできる留学制度です。そのため、現地渡航後に銀行口座を開設したり、働くために履歴書や面接準備をしたりと、生活の基盤を築くうえでも、ワーキングホリデーライフを有意義に過ごすためにも渡航後のサポートは必須です。幸いほとんどのワーホリ仲介会社では世界各国にサポートオフィスを設け、日本人のスタッフが空港出迎えから24時間緊急時までサポート。初めての海外という方も、安心して渡航することができます。
いろいろな国籍の人と出会える
ワーホリの渡航先として人気のオーストラリア、カナダ、ニュージーランドは多国籍国家です。大規模な都市へ行くと、そこの国で生まれた人だけでなく移民や留学生も多くいます。
学校の先生はもちろんネイティヴで、生徒も色んなナショナリティ(韓国、台湾、タイ、ブラジル、コロンビア、ロシアなど)なので、他の国の人の文化の違いを知ることができます。
出身国によって、文化、宗教はさまざまです。他国の人と触れ合うことで、新しい発見がある一方、日本での常識が通じずに悩むこともあります。しかし、あらゆる場面で他国の人の価値観に触れ、自分が日本人であると再認識することになるでしょう。
同じ英語でも、出身地によってイントネーションも異なります。それらを日常的に耳にすることで、さまざまな国の人と英語でコミュニケーションを取るスキルが身につきます。
海外に長期で滞在できる貴重なビザ
海外へ滞在できるビザは「観光ビザ」「学生ビザ」「ワーホリビザ」「就労ビザ」「永住ビザ」などがあります。
比較的長期で海外へ滞在できるのは就労ビザと永住ビザです。これらは取得するための英語力や実務経験などの審査が厳しく、誰でも簡単に取れるというわけにはいきません。
観光ビザは多くの国で滞在180日以内などの制限がありますし、学生ビザですと学校に通わなければならないという決まりがあります。
ワーホリビザでは、青少年が休暇目的の入国や旅行、滞在資金を補うための仕事をすることを許可されています。語学学習、仕事、旅行、休暇など多くのことを体験しながら長期間海外へ滞在できることは、ワーホリビザを取得できる青少年の特権ですね。
ワーキングホリデーの注意点
意外と生活が大変!?
一人で海外で生活することは、日本に住むよりも難易度が高いです。
仕事を探す、家を探す、トラブルを解決するなど、海外の生活に溶け込もうとすればするだけ、英語力が必要となる場面が増えます。他人との人間関係がうまくいかないことも出てきます。
人によっては、ホームシックになったり、仕事が見つからず貯金が尽きてしまったりする場合もあるようです。
英語力がすぐに身につくとは限らない
ワーホリでは、日常レベル英語力がある程度必要だと述べましたが、実際のところ英語を話せなくても生活自体はできます。日本語のWebサイトや日本人の知り合いからの紹介で仕事やシェアハウスを選べば、日本語だけの環境で生活することも可能です。
しかし、英語を使わずにワーキングホリデーを過ごしてしまうと、帰国してから周りの人に、ワーキングホリデーで長期間海外にいたのに英語を話せないと思われてしまいます。勇気を振り絞って海外へ行ったにも関わらずこのような評価をされると、惨めな気持ちを味わうことになります。
意外とお金がかかる
ワーホリにかかる費用は、100〜150万円くらいと言われています。
ワーホリ中に働くことができるとはいえ、仕事探しは日本ほど簡単ではありません。特に、英語がほとんどできない場合は、現地の人ほど給料をもらえないこともあります。
運良く良い仕事を見つけて一生懸命働いた人は貯金もできますが、仕事ばかりになってしまい勉強や観光が全くできなければ本末転倒です。日本でもできることは日本にいるうちに済ませておきましょう。年齢制限に余裕のある方は、渡航時期を遅らせてでもしっかり貯金をしてから渡航したほうがいいと思います。
貯金がなく、英語力もほとんどないまま、ワーキングホリデーに赴くと、仕事を選べず時給の安い日本食のレストランなどで働き、貯金のために朝から晩まで働き、英語学習やプライベートに割く時間がなくなって、なにもできないまま帰国日が近づいてしまいます。
望みの仕事に就くのは意外と難しいカモ!?
仕事のデメリットとして考えられるのは、地元のカフェなどローカルの仕事に就きたいとお考えの方にとっては英語力が足りずローカルジョブに就業できない問題は比較的早くに実現するポイントになってくるでしょう。これはデメリットと言うよりどの国でも同じ状況ですが、働くにあたって前提条件である英語でコミュニケーションをとる、ができない人をお店が採用することはまず無いです。
同じくらい経験があって仕事ができる人で、英語が上級の人と初級の人であれば当然前者を採用します。英語力が皆無だけどワーホリに行って地元で働きたいというのはなかなか現実的には厳しいかもしれません。もちろん不可能ではなく、友達の紹介などで働くとも可能ですが、現地に行って希望の仕事が見つからないということがないようにまずは語学学校で英語力を伸ばし英語を使うことに慣れることをおすすめします。
ワーホリ保険とは
留学やワーキングホリデーに出かける際、忘れてはいけないのは、ワーホリ保険に加入する事です。
留学やワーキングホリデーでは長期にわたって慣れない海外での生活になるので、充分気をつけているつもりでも思わぬ事故や病気、盗難などのトラブルが起こりがちです。そんな時の強い味方が留学保険やワーキングホリデー保険。入院費用など金銭の補償だけでなく賠償責任などトラブル処理の対応もしてもらえます。
ですが、意外と保険のことを知らないで販売員に勧められるがまま契約している人が多いようです。留学先の医療費事情、治安状況や生活慣習などを情報収集したうえで、自分にあった保険選びをお勧めします。
海外滞在を予定期間が、1~3ヵ月程度の短期間留学のケースも有りますが、ほとんどの方は半年~2年と言う長期海外滞在を予定されているので、安心して、留学やワーホリを考えるならば、「留学・ワーキングホリデー保険に加入する事は必須」と言えます。留学保険・ワーキングホリデー保険を賢くかけて、安心して海外生活を楽しみましょう。
ワーキングホリデー保険とは、海外旅行保険のことで、留学・ワーキングホリデー目的の長期海外滞在者向けの特約をセットされているものを指します。
どのような保険内容なのかというと、病気やケガのときにかかった治療費・入院費や手術費はもちろんのこと、入院時に家族が現地に駆けつけるために必要な費用や、お店の商品を壊したり、部屋を水浸しにしたなどで損害賠償を負ったとき、旅行カバンを盗まれたりビデオカメラを落として壊したときの携行品損害や万が一の死亡補償がセットされたものが一般的です。
なお、虫歯などの歯科疾病の治療費用は、保険金をお支払いする対象となりません。また妊娠・出産・早産・流産およびこれらにもとづく病気が原因により生じた費用も保険金をお支払する対象となりません。この他にも、渡航前にすでに発症している病気の治療費もお支払いの対象とはなりませんので注意してください。特に歯の治療のために止むを得ず帰国する人は意外と多いので、出国するまえに歯医者にはしっかりと行っておきましょう。
では、どのくらいの保障内容を用意すればいいのでしょうか。
補償内容についてはまずは治療・救援費用を中心に考えましょう。ホームステイ先の医療費水準に即した保険金額のものをお選びください。治療費用の保険金額は、1つの怪我や病気に対する限度額で保険を使うと減額されていくものではありませんが、渡航先の医療費水準を踏まえた保険選びが必要です。
ヨーロッパやアメリカなどの場合は1,000万円以上、アジアの場合は500万円以上が一つの目安になります。よく格安プランなどを販売しているケースも見受けられますが、通常保険金額を下げることで保険料が安くなるのは当たり前のことです。
また、賠償責任や身の回り品の補償につきましては、学校の寮に滞在するのか、アパートやルームシェアするのかで付帯する特約の選択が違ってきます。身の回り品損害の保険金額は持っていくものがノートパソコンやカメラ程度であれば1個の支払限度額が決まっているため30万円程度でよいかと思います。また賠償責任も同様に滞在する場所により特約の選択をして付帯しましょう。失火責任等の住宅への賠償を考えると保険金額は5,000万円以上をおすすめいたします。その他の特約は必要に応じて付帯してください。
短期留学の場合はクレジットカードの保険を利用するのもあり
短期留学の場合には、クレジットカードに付与されている海外旅行保険を使用すると言うのも節約方法の1つとなります。
クレジットカードによっては、3ヵ月の海外旅行保険が付いているものも有り、その補償を活用する事で保険料を大きく節約する事ができます。
クレジットカードにより海外旅行保険が適用される条件はそれぞれ違うのですが、その海外旅行保険適用条件として2種類有り、1つは海外旅行・留学・ワーキングホリデーなどで日本を出国した時点から保険が適用されるケースと、もう1つは、渡航先にて公共交通機関等の料金をクレジットカードを使用し支払った日を境に適用されるケースです。
また、クレジットカードの海外保険を使用する場合には、クレジットカードによっては海外旅行保険が付与されていない場合もあるので注意が必要になります。
クレジットカードの海外旅行保険が付与されているケースは、そのほとんどが無料にて付与されているので上手に利用する事で留学が大きく節約できることになります。
まとめ
ワーホリでできることは、数多くあります。具体的には、英語の習得、仕事、貯金、観光、旅行やスポーツ、音楽などです。
どれを重点的にやりたいと思うでしょうか。ワーホリは、1年間〜3年間といえども、何もプランがなければ時間はあっという間に過ぎてしまいます。
なんとなく時間を過ごさないために、ワーホリで何をしたいかを考え、滞在中の目的を大まかに決めておきましょう。ワーホリの目的や計画を立てておくと、やりたいことが分からなくなったときにブレることもなくなります。
ワーキングホリデーの基本からメリット・デメリット、保険についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
どの国にも良い点・悪い点は必ずあり、その国の文化や生活スタイルを理解して合わせていくことでその国の生活にも慣れていきます。向こうには向こうのスタイルがあるので、無理に抵抗しても疲れるだけです。その国を深く理解するためにも、まずはその国のスタイルを体験してみましょう。
ワーキングホリデーのメリット・デメリットのどちらも理解した上で渡航される事をおすすめ致します。ワーキングホリデーのデメリットも多少は紹介しましたが、やはりメリットの方が多く、日本人の方にとっても安心して海外生活が送れるという点は大変素晴らしい制度だと思います。