法人ゴールドカードの選び方とは?比較ポイントとおすすめカードも紹介

法人ゴールドカードの導入を検討する中で、「種類が多くてどれにすれば良いのか迷う」「どうやって選べば良いのかわからない」などと思っている方もいるのではないでしょうか。

使い勝手の悪いカードでは利用価値はありませんし、支払う年会費が無駄になる可能性もあるので選び方には気をつけたいところですよね。

今回は最適なカードを選ぶために、法人ゴールドカードを比較するポイントについて解説します。それぞれのカードスペック、その他にも特徴を比較すれば、使いやすくて利用価値のあるカードを選べるはずです。

また、最後におすすめの法人ゴールドカードも紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

法人ゴールドカードの特徴と一般・プラチナとの違い

個人カードと同様に、法人カードには一般・ゴールド・プラチナのランクがあります。法人ゴールドカードを比較するポイントをチェックする前に、一般やプラチナのランクとの違いを知っておきましょう。

維持コストをかけずに保有したい方向きなのは「一般カード」

法人カードの維持コストをかけずに保有したい場合、一般ランクのカードを選ぶのがおすすめです。

一般ランクの法人カードの場合、年会費の相場は1,000〜2,000円程度となっていて、ごく一部に年会費無料のものがあります。

ただし、年会費無料・年会費の安い法人カードは付帯サービスや特典が限定的になるため、必要とする機能が付帯しているかどうかを前もって確認するようにしてください。

実用性とステータスの高さを求めるのであれば「ゴールドカード」

一般カードよりもワンランク上に位置するのがゴールドカードです。ビジネスに活用できるサービスや特典が充実しているだけでなく、ステータスも高いことが魅力でしょう。

年会費の価格相場は10,000~30,000円程度で一般カードよりも高額ですが実用性は高いですし、ビジネスに付帯サービスを活用すれば年会費以上の利用価値は感じられます。

また、券面のカラーがゴールドなのもステータスを感じられるポイントです。

手厚いサービス内容にこだわる方には「プラチナカード」

法人カードには個人カードと異なりブラックカードが存在しません。そのため、法人カードの最上位ランクはプラチナカードです。

最上位ランクだからこそ、サービス内容の充実度は申し分ない内容で、24時間365日対応可能な専用コンシェルジュに世界各国の空港ラウンジが利用できるプライオリティ・パスが付帯するなど質もアップします。

年会費の価格相場は30,000~55,000円ですが、中には10万円以上するものもあります。VIP待遇を求める方におすすめですが、法人プラチナカードによってはカード会社からのインビテーション(招待制)がないと入会できないことも。

その場合、まずはゴールドカードを手に入れて良好な実績を築きましょう。

法人ゴールドカード選びで比較すべき基本スペック

法人ゴールドカード選びをする際にカードの基本スペックを比較するようにしてください。基本スペックが利用目的に合致していなければ、活用できない法人カードになってしまうからです。

年会費

法人カードの基本スペックの中でも、差が出がちなのは支払うべき年会費です。

年会費は法人カードを維持するために毎年発生する固定費なので、できれば負担にならない金額で決めておけば後々楽でしょう。

年会費の金額は法人ゴールドカード導入時のデメリットの理由にもなりますが、経費として処理可能な費用ですから実質的な負担は軽減されます。

また、経費管理の効率化やビジネスを行う中で活用機会が多ければ、多少高額になっても損と感じないはずです。

追加カード発行枚数

入会当初は本会員カード1枚のみで足りると思っていても、社員の増加などで複数の追加カードが必要になる場合があります。

後に法人カードを使う社員が増える可能性がある場合は、追加カードの発行をする法人カードを選ぶようにしてください。その際に、ただ追加カードがあるかどうかだけでなく、発行可能枚数もチェックしてください。

発行可能枚数は法人カードによって異なるので、「追加カードが足りない・発行できない」などのことを避けるためです。

ETCカード発行枚数

営業車などがある場合、ETCカードの発行可能枚数を比較してください。ほとんどの法人ゴールドカードでETCカードの発行は可能ですが、発行可能枚数はカードによって異なります。

本会員カード1枚あたりETCカード1枚の場合もありますし、3~5枚や無制限に発行できるカードがあります。

もしも5台分のETCカードを発行したいのに3枚しか発行できない法人カードを選べば、さらに本会員カードを追加しなくてはならないので注意が必要です。

社員用の追加カードと同様に、必要枚数を事前にチェックしたうえで比較してください。

利用限度額

法人カードを導入する際に、利用限度額は重要となるスペックです。

法人カードの利用限度額は毎月必要となる経費の2ヶ月分以上確保したいところでしょう。そうしないと利用限度額が足りなくなる恐れがあるからです。

ビジネスの拡大による経費の増加を考慮すると、利用限度額はある程度の余裕が必要と言えます。

審査難易度

法人カードだけでなく、クレジットカードの発行時には必ず審査を受ける必要があります。

そこで、審査通過難易度が低いかどうかは選ぶカードによってさまざまです。しかし、審査基準の詳細を明確にしているカード会社はないので、審査結果がどうなるのかを確実に予想することはできないでしょう。

審査通過しなかった場合、その後6ヶ月間は信用情報機関に「審査落ち」の情報が登録されます。別のカードに申し込むにしても悪影響となる可能性が高いので申し込みには慎重にならなければなりません。

実際にカードを持っている人の口コミ、利用限度額や申し込み条件などをチェックすれば審査通過しやすいカードは見えてきます。もしも、審査通過に不安がある場合、それらの法人カードから選んで申し込むことも重要です。

国際ブランド

クレジットカードに付帯する国際ブランドは「そのお店で決済できるかどうか」を識別します。

たとえば、世界シェアトップクラスのVISAやMasterCardは汎用性が高く、アメックスやダイナースなどは社会的地位の高い方が保有する傾向があるのでステータス重視の方に適しているでしょう。

法人ゴールドカード選びは付帯サービスの比較も重要

法人カードの使い勝手は、どんなサービスや特典が付帯するのかによって大きく変わるでしょう。

・ポイントサービス
・付帯保険
・空港関連サービス
・グルメ関連サービス
・ビジネス関連サービス

上記が主なものですが、どんな違いがあるのかをチェックしておきましょう。

ポイントサービス

法人カードの利用金額に応じたポイントが付く点は魅力の一つです。しかし、法人カードの中にはポイントサービスそのものがないこともあるので、貯めたポイントを有効活用したい場合は注意しないとなりません。

また、法人カードによってポイント還元率も異なります。一般的な法人カードのポイント還元率は0.5%程度となり、高還元率いとは言い難いですがが、法人ゴールドカードになると1%を超えるカードもあります。

もしも還元率を重視するのであれば、検討時に高還元カードを選択肢に入れるのがおすすめです。

その他にも出張などで飛行機の利用が多ければ、マイルが貯まったり、ポイントをマイルに交換できたりする法人カードを選ぶと良いでしょう。マイル交換を視野に入れている場合、普段利用する航空会社のマイルに対応済かをチェックしてください。

付帯保険

一般ランクの法人カード以上に、法人ゴールドカードになると保険内容が手厚くなるのがわかります。

しかし、その中でも保険の適用条件に補償内容は法人カードによって異なるため、内容をしっかりと確認してから選ぶのがスムーズです。

なお、付帯保険は具体的には以下のようなものがあります。

・国内・海外旅行傷害保険
・ショッピング保険
・航空機遅延保険

それぞれ確認しておきましょう。

国内・海外旅行傷害保険

出張が多い場合、旅行傷害保険の内容は確認必須項目と言えるでしょう。

また、カードの説明に記載された最高補償額だけ見て決めてしまうと、後から「このケースの補償額は少ない」「賠償責任は適用範囲外」などと後悔することになるかもしれません。

以下が旅行傷害保険の主な項目となり、これらをしっかりカバーできていれば万が一のときも頼りになるでしょう。

・死亡・後遺障害
・傷害治療・疾病治療
・賠償責任
・携行品損害

特に海外で思わぬケガや病気を理由に医療機関の診察を受けた場合、日本とは比較にならないくらいの医療費がかかります。

その他にも、法人カードを持っているだけで保険適用となる「自動付帯」なのか、旅行に関する費用をカード決済していないと適用にならない「利用付帯」なのかどうかもチェックポイントです。

ショッピング保険

法人ゴールドカードのほとんどにショッピング保険の付帯はあるものの、カードによって補償額の違いがあります。

補償額の一般的な傾向としては、年会費2,000円程度の法人ゴールドカードで最高補償額が100万円、年会費が10,000~30,000万円のカードになると300〜500万円程度の補償です。

ショッピング保険の内容が充実していると、カード決済で購入した商品の盗難・破損時にも補償対象となるので安心できます。

航空機遅延保険

出張で飛行機の利用機会が多い場合、航空機遅延保険があれば心強いです。飛行機が遅延した際に発生する損失を保険にてカバーしてくれます。

以下のような項目が補償対象です。

・遅延に伴い宿泊が必要となった場合の料金
・遅延に伴い必要となった食事代
・手荷物の遅延による損害
・宿泊先などへの移動にかかった交通費
・国際電話などの通信料金
・旅行サービスのキャンセル料金

補償対象や補償額は法人カードによって違いがありますが、1回の遅延あたり10,000~30,000万円の支払いとなります。

空港関連サービス

出張を快適なものにできるサービスを求めるのであれば、空港関連サービスの付帯する法人カードを選ぶのが必須です。

・空港ラウンジ
・空港送迎サービス
・手荷物無料宅配サービス
・空港内ポーターサービス

利用機会の多い空港で利用できるラウンジがあれば、フライト前にゆっくりと過ごすことができるでしょう。

その他にも、何かと荷物の多くなりがちな出張時は移動の手間もかかるものです。そこで、自宅やオフィスなどの指定場所から空港間を送迎してもらえるサービスや、スーツケースを自宅に配送してもらえるサービスを利用すれば負担も減って楽になります。

グルメ関連サービス

接待や会食の機会が多い場合、グルメ関連サービスの充実度が高いカードを選ぶのが良いでしょう。

カード会社と提携するレストランを優待価格で利用できたり、コース料理が1名分無料になる特典を利用したりすれば、コストをおさえてレベルの高い接待の提供が可能です。

その他にもコンシェルジュサービスが利用可能な法人カードならば、接待や会食に最適なお店の提案から予約まで行ってもらえます。

ビジネス関連サービス

ビジネス効率化を高められるサービスが付帯しているかどうかも比較したいポイントになります。

具体的なサービス内容は以下のとおりです。

・クラウド会計サービス
・経理サポート
・弁護士相談
・翻訳サービス
・市場調査
・レンタルオフィス
・宅配・輸送サービス
・レンタカー割引

これらが付帯していれば、時間や手間の短縮も実現しますし、コストダウンにもつながります。

他のカードと比較しておすすめできる法人ゴールドカード4選

スペックや付帯サービスが充実していて、他と比較して導入におすすめできる法人ゴールドカードは以下の4枚です。

・アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
・オリコEX Gold for Biz
・三井住友ビジネスゴールドカード for Owners
・JCBゴールド法人カード

おすすめポイントと一緒に詳しく解説していきます。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

アメックスの発行する「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」は、ゴールドカードであるものの、プラチナカードレベルに充実度が高いことで人気です。

・年会費:31,100円(税込)
・追加カード:13,200円(税込)
・利用限度額:一律の設定はなし
・主な付帯サービス:空港ラウンジ・手荷物宅配・福利厚生・クラウド会計ソフトfreeeデータ連携・ヘルスケア無料電話相談他
・旅行傷害保険の最高補償額:海外1億円・国内5,000万円
・ETCカード:年会費500円(発行手数料無料)
本会員カード1枚あたり5枚まで、追加カード1枚で1枚発行可能
おすすめポイント
・富裕層にも人気があり、ステータスが高いことが特徴
・利用限度額の一律設定がない
・一時増枠が可能
・独自審査導入で審査通過がしやすいとされている

オリコEX Gold for Biz

オリコの発行する「EX Gold for Biz」は、法人代表者向けのMと個人事業主向けのSに分かれます。

・年会費:2,200円(税込)で初年度無料
・追加カード:Mのみ年会費無料
・利用限度額:10万~300万円
・主な付帯サービス:空港ラウンジ・福利厚生・融資金利優遇・クラウド会計ソフトfreee優遇・MasterCardビジネスアシスト・Visaビジネスオファー他
・旅行傷害保険の最高補償額:海外2,000万円・国内1,000万円
・ETCカード:年会費無料
おすすめポイント
・年会費2,200円(税込)で維持できるリーズナブルさ
・低年会費でありながらもサービスや特典は一通り付帯
・個人事業主向けのSは100万円までのキャッシング枠の設定が可能

三井住友ビジネスゴールドカード for Owners

国際ブランドにVISAまたはMastercardが付帯し、スタートアップ事業者も導入しやすいのが「三井住友ビジネスゴールドカード for Owners」になります。

年会費:11,000円(税込)
インターネット入会は初年度無料・次年度は条件付きで優遇あり
追加カード:2,200円(税込)
利用限度額:~300万円
主な付帯サービス:空港ラウンジ・福利厚生・WEB明細書サービス・ビジネスサポートサービス他
旅行傷害保険の最高補償額:海外5,000万円・国内5,000万円
ETCカード:年会費550円(税込)初年度無料・利用条件しだいで翌年度無料
おすすめポイント
・セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、マクドナルドの利用で獲得ポイント5倍
・分割・リボ枠の設定が200万円まで可能
・1回払い・リボ払い・分割払い・2回払い・ボーナス一括払いから選択可能
・50万円までのキャッシング枠設定が可能
※一部ポイント加算対象とならない店舗および指定のポイント還元にならない場合あり。
※一部Visaのタッチ決済・Mastercardコンタクトレスがご利用いただけない店舗あり。

JCBゴールド法人カード

「JCBゴールド法人カード」は、日本唯一の国際ブランドとなるJCBの発行する法人カードです。

年会費:11,000円(税込)インターネット入会で初年度無料
追加カード:3,300円(税込)
利用限度額:50万~250万円
主な付帯サービス:空港ラウンジ・福利厚生・弥生会計オンライン優待・ゴルフエントリーサービス他
旅行傷害保険の最高補償額:海外1億円・国内5,000万円
ETCカード:年会費無料(本会員カードの枚数に関係なく複数枚の発行が可能)
おすすめポイント
・旅行傷害保険の最高補償額が他のカードと比較して高額
・ETCカードを必要枚数発行できる
・国内・海外航空機遅延保険の付帯
・海外の利用でOki Dokiポイントを2倍獲得

個人向けのおすすめゴールドカードはこちら

まとめ

法人カードを導入するにあたり、年会費にステータス、利用限度額と付帯サービスを比較すると一般カードやプラチナカード以上にゴールドカードを選ぶのがお得と言えます。その中から、当記事で解説した内容を参考にして法人ゴールドカードを比較すれば、どのカードが自身に最適なのかを理解しやすくなるでしょう。

法人カードは利用限度額が足りなくて困るという事態を回避できれば、その他に何を優先順位とするのかは各自の判断で良いかと思います。まずは、カード作成をすることだけを明確にすれば、比較する際に悩んだり苦労したりすることも少なくなるはずです。

また、法人カードを将来にどう活用するか予想することも必要になります。利用価値を感じなくなったり、使い勝手が悪いと感じたりすれば他の法人カードに切り替えることも可能です。

しかし、それでは手間や時間もかかるので、できれば長く使える法人カードを選んで大切にするのが良いでしょう。

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