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クレジットカードの支払い方法で「リボ払い」があることを知っている方は多いかと思います。しかし、具体的な詳細を理解していないという方が多いのではないでしょうか。
調べてみると「利息が高い」などの情報も多く目にするので、どちらかと言えばプラスよりもマイナスイメージを抱く方も多く、利用は避ける流れが一般的かもしれません。
だからと言って利用しないのではなく、まずはリボ払いの仕組みを理解してみませんか?そのうえで使えばメリットはあるものです。
そこで今回はクレジットカードのリボ払いの仕組みをわかりやすく解説し、さらにボ払いを利用している方で「毎月の支払いが厳しい」という方に向けた解決方法なども合わせてまとめています。
ぜひ、最後までチェックしてみてください。
クレジットカードのリボ払いと分割払いの違い
クレジットカードの支払い方法はいくつかから選ぶことが可能で、一括払いに分割払い、その他にリボ払いがあります。
その中でもリボ払いについて理解をしていなかったがために、利用後に損をした方もいるかもしれません。そこで最初に、リボ払いと分割払いの違いについてチェックしておきましょう。
リボ払い
毎月の支払い金額をほぼ一定額に決められる分割払いがリボ払いです。
そして、リボ払いの中でもショッピングリボとキャッシングリボの2種類に分けることができます。
・キャッシングリボ:クレジットカードのキャッシング枠で借り入れをした現金をリボ払いで返済する方法
リボ払いの利率は各カード会社によって異なり、分割払いの利率よりも高く設定されるのが一般的です。
たとえば、カードローンの利率は12~15%程度に設定されることが多いですが、リボ払いの利率は15~18%程度の設定になっています。
また、リボ払いで1ヶ月あたりの支払いに発生する手数料は「利用残高×利率÷1ヵ月の日数」です。
分割払い
分割払いは、利用者自身で最初に支払い回数を決めて、総支払い額を支払い回数で割った金額を毎月支払っていきます。
分割払いは2回払いまでは基本的に手数料が発生しませんが、3回目以降から手数料を支払わなくてはなりません。
分割払いの利率は各カード会社によって異なるものの、12~15%のことが多いでしょう。また、リボ払いの利率よりも低く設定される傾向です。
その他にも分割払いの利率の場合、支払い回数が少ないほどに低い設定となります。
クレジットカードのリボ払いの仕組み
こちらでは、リボ払いの仕組みについて解説していきましょう。
まず、リボ払いの支払い方法には「定額コース」と「残高スライド方式」の2種類があります。
元金定額と呼ばれることもあり、支払い残高に関係なく毎月一定額の元金を支払っていきます。
買い物をすることで利用残高がさらに増えても、毎月の支払い金額が変わることはありません。・残高スライド方式
元利定額とも呼ばれる方法で、利用残高に応じて支払い額が変化します。
カード会社によって支払い金額は異なります。
参考として、楽天カードの残高スライド方式を見ておきましょう。
利用残高20万円以上の支払い金額:4,000円+利息
※残高が5万円増えるごとに1,000円ずつ加算
利用残高が20万円以下の場合、毎月3,000円の支払いで済むと思うかもしれません。
しかし、利率を15%として計算すると、以下のような支払い総額となります。
・利率:15%
・毎月の支払い金額:3,000円
・総支払い回数:44回
・支払い総額 :130,139円
確かに毎月の負担金額は少ないので魅力を感じるかもしれません。しかし、総支払回数44回とは、3年以上の時間がかかります。
支払うべき手数料も、利用残高の約30%相当の30,000円程度となるため、慎重な判断と利用が求められるでしょう。また、これらを意識することなく、残高スライド式のリボ払いを利用して高額な手数料を払っている利用者も多いかと思われます。
クレジットカードのリボ払いのメリット
分割払いよりも利率が高いリボ払いなので、メリットなどないと思っている方も多いことでしょう。しかし、使い方次第ではリボ払いも便利な支払い方法となるのです。
こちらでは、リボ払いにどんなメリットがあるのかを解説しています。
リボ払いで通常利用時よりもポイントの獲得が可能
まず、ポイントが貯まりやすい点がメリットの1つです。
なぜなら、リボ払いを利用することで、ポイント還元率がアップするクレジットカードが存在するからです。
「ポイントが貯まったとしても高額な手数料を払うのだから損をしそう」と思う方も多いかもしれません。そこで、下記の方法を使うことで手数料をかけずにポイント還元率を上げることが可能になります。
毎月の支払い額をリボ払いで設定した金額以下におさえる
リボ払いで設定した金額より支払金額が下回る場合、まず一括払いとして処理。そして、一括払いに手数料は発生しませんから、ポイント還元率のみを上げることが実現するのです。
たとえば、毎月のクレジットカードの平均利用金額が55,000円だった場合、リボ払いの上限金額を100,000円などの55,000円を上回る金額に設定します。
そして、100,000円を超える利用をしなければ、一括払いとして買い物をすることになるのです。
還元率がアップした場合に獲得できるポイント
還元率がアップすることで、どれだけのポイントが貯まるのかを「リボ払い専用カードJCB EIT」を例にチェックしていきましょう。
通常のJCBカードはポイント還元率が0.5%ですが、JCB EITでは2倍となる1%にポイント還元率がアップします。
そして、毎月の平均利用金額55,000円の方がJCB EITを1年間利用すると、55,000円×12ヶ月×1%で6,000ポイントを獲得できる計算です。
通常のJCBカードを利用しても獲得できるポイントは半分となる3,000ポイントですが、JCB EITは2倍の6,000ポイントの獲得が可能。それだけで3,000ポイントの違いが出ることになります。
このようにポイント還元率のアップするクレジットカードを上手に活用すれば、ポイントをより多く獲得することが可能です。
しかし、一部のクレジットカードはリボ払いの設定金額を超えた利用金額に対してのみポイント還元率がアップするケースもあります。実際に利用をする前に確認してみるのがスムーズでしょう。
毎月の支出管理を把握しやすくなる
もう1つのメリットが、自分で支払い金額を設定できるので毎月の支出管理が把握しやすくなることです。
「クレジットカードを使いすぎて支払い請求が怖い」と心配になったり不安を抱いたりすることはよくありますが、そんなときにリボ払いを利用することで毎月の利用金額が一定になります。そうすることで、支払い請求についての不安は取り除かれるでしょう。
ただし、計画性のないリボ払いの利用にはあらかじめ注意をしなくてはなりません。毎月の支払い金額を低く設定することで、当然ながら支払いは長期化します。さらに支払う利息も増えて、総支払い金額は膨らんでいくだけです。
支払い金額が多くて対応が難しい月だけリボ払いを利用するなど、リボ払いを上手に活用することを心がけてください。そうすれば、毎月の支出管理はスマートなものになるはずです。
クレジットカードのリボ払いの注意点
すでに解説したようにリボ払いは使い方しだいで便利な支払い方法なことがわかりました。
しかし、少しでも間違えれば利用金額がかさんで支払い困難な状態に陥ることも十分に考えられます。そうならないためにも、注意したいポイントを2つご紹介していきましょう。
キャンペーンに釣られない
注意点の1つがキャンペーンに釣られて、リボ払いを必要以上に利用することです。
リボ払いを選ぶと期間限定の特典がついたりポイント還元率が上がったりするキャンペーンは意外に多くあり、これらは主にカード会社が加盟店の手数料や分割払いの手数料などを収益源としたものになります。
また、特にリボ払いは利率が高いことからカード会社も収益源としやすいので、定期的にキャンペーンを行ってリボ払い利用を促進するわけです。
しかし、ここで注意したいのは、リボ払いで得られる特典とリボ払いで支払うべき手数料を比較してどちらが得かという点になります。
たとえば、リボ払いにして1,000円分のポイントを獲得できてもリボ払いの手数料が3,000円だったら、差額の2,000円はマイナスです。
もしも利用するクレジットカードでキャンペーンがあった場合、最初に利益と損失を比べてみてください。そして、どちらが得なのかを検討することが重要になるでしょう。
リボ払いの利用金額が支払い能力を超える
もう1つの注意点が、利用残高が増えていることに気づかないことです。
リボ払いは毎月の支払い金額が一定になります。そのため、継続して利用することで「気づいたときはリボ払いの沼に浸かっていた」などのことになってしまうのです。
リボ払いを利用することは決して悪いことではありません。しかし、利用残高や支払う手数料などを含めた総支払い金額を常に意識する必要があるでしょう。
クレジットカードのリボ払いの支払いに困ったときの解決方法
リボ払いをして、気づかないうちに借金がかさみ、高い金利での支払いに苦しむ方もいるかと思います。
「もうどうしていいかわからない」という方に、なるべく手数料を節約して早く支払う方法を4つ紹介します。
繰上返済を利用する
リボ払いの支払いに困ったときの解決方法の1つが、繰上返済を行うことです。
リボ払いは支払い回数が多ければ多いほどに、支払うべき手数料がも多くなります。だからこそ、早くに支払いを済ませれば手数料が節約できるのです。
たとえ少額だったとしても支払える余裕があれば、繰上返済を積極的に利用して手数料を減らすことを心がけてみましょう。
繰上返済は振込で行うようになりますが、イオンカードのようにATMで支払えるクレジットカードもあります。なお、イオンカードの場合、ローソン銀行にゆうちょ銀行をはじめ、三菱UFJ銀行に三井住友銀行、みずほ銀行などのATMでも繰上返済を行うことが可能です。
また、手数料を一番節約できる方法が一括返済になります。ボーナスなどのまとまったお金が用意できるのであれば、一括返済を行うのがおすすめです。
ただし、カード会社によって異なるものの、ボーナスで一括返済できる月はあらかじめ決まっている場合があります。1月と8月が一般的ですが、こちらは利用するカード会社の公式ホームページなどを確認してみてください。
毎月の支払い金額を高くする
次に紹介する解決方法が、毎月の支払い金額を多くすることになります。もしも一括で支払うことが困難な方は、この方法を取り入れてみてください。
毎月の支払い金額を増やすことで利用残高は早く減りますから、同時に支払うべき手数料の金額も減らすことが可能です。
しかし、実際に支払う手数料がどのくらい違うのかを以下で計算してみます。
・毎月の支払い金額を20,000円にすると、手数料の総額は34,311円
このように、44,020円も支払うお金に違いが出ることがわかるのです。
その他にも支払い回数にも違いが出ます。
毎月11,000円を支払う場合、完済までに3年以上かかりますが、これが20,000円を支払うことでその半分以下となる約1年半で完了します。
利用金額:30万円
利率:15%
支払い回数:38回
支払い総額:378,331円毎月の支払い金額が2万円の場合
利用金額:30万円
利率:15%
支払い回数:17回
支払い総額:334,311円
このように、毎月の支払い金額を多くするだけで手数料はこれだけ節約ができるのです。
リボ払いをすでに利用している方でも、毎月の支払い金額を変更することは簡単にできます。もしも支払える金額に余裕が少しでもあれば、ぜひ増額して手数料を減らしてください。
支払い金額の変更はカード会社によって異なりますが、公式ホームページや会員専用の電話などから行えます。
借り換えで金利を低くする
低金利のカードローンやおまとめローンを新たに利用するのも解決方法として効果的です。
リボ払いの利率は15~18%の間で設定されていますから、金利が低めのカードローンを選んで借り換えれば金利が低くなった分だけ手数料をおさえられます。
りそな銀行カードローンに借り換えた場合を例として解説します。
利用金額300,000円で毎月の返済金額が11,000円の場合、12.4%の利率で計算すると支払うべき手数料は総額60,920円です。
すでに解説したリボ払いの場合、手数料は78,331円なので、支払うべき金額の差は17,411円になります。要するに金利の低いカードローンを利用すれば、現状よりも約20,000円も節約が叶うのです。
また、カードローン以外にも、おまとめローンで返済しても良いでしょう。おまとめローンも各金融機関で取り扱っているローンで、他社での借金を借り換えることを目的にしています。
あらかじめ調べてみて、おまとめローンの利率がリボ払いよりも低ければ利用してみる価値はあるはずです。ただし、注意点として、おまとめローンの中にはリボ払いには対応していないものもあります。
ミニマムペイメントを利用する
最後の紹介する解決方法がミニマムペイメントで支払うことです。
なお、ミニマムペイメントとは、毎月の最小返済義務金額のことになります。リボ払いの多くで支払い金額が最低5,000円で設定されていますが、ミニマムペイメントとは3,000円というさらに低い金額で設定されているのです。
支払いがどうしても困難で、これ以上はどうにもならないなどの場合に利用すれば負担は一時的に軽減できるでしょう。
ただし、支払い金額を減らしても支払い期間は長期化します。その結果、手数料の総額ばかり増えることになりますから、利用はよく考えてからにしてください。
リボ払いにおすすめのクレジットカード
最後に、リボ払いにおすすめのクレジットカードをご紹介します。
三井住友VISAクラシックカード
三井住友VISAカードの発行するクレジットカードの中で最もスタンダードな1枚が「三井住友VISAクラシックカード」です。
海外旅行保険は最高2,000万円まで補償。年会費はインターネットからの申し込みで初年度無料となります。
また、2年目以降の年会費は1,375円(税込)ですが、三井住友VISAカードのリボ払い「マイ・ペイすリボ」に登録して、クレジットカードを1度でも利用すれば、2年目以降も年会費無料です。
JCB EIT
「JCB EIT」は年会費が永年無料になる他、JCBのポイントシステム「Oki Dokiポイント」では、常にポイントを2倍獲得できます。
通常のJCBカードのOki Dokiポイントは還元率が0.5%ですが、JCB EITは1%になります。また、年間の利用金額しだいで10%加算となり、1.1%まで還元率を上げることが可能です。
こちらはリボ払い専用ですが、毎月の支払い金額を自由に決められます。設定金額を引き上げることで、1%のポイント還元率のままで一括払いにすることが可能です。
DCカード Jizile
三菱UFJニコスが発行しているリボ払い専用のクレジットカードが「DCカード Jizile」です。ポイント還元率の高さが何よりも魅力の1枚で、どこで利用しても1.5%という高い設定になります。
また、海外旅行保険が最高1,000万円まで補償されることも嬉しいポイントです。それも自動付帯になるので、旅行代金をカード決済する必要もありません。この1枚を持っているだけで万が一のときも安心できるでしょう。
その他にもDCカード Jizileは契約者本人も家族会員も年会費無料で維持できます。そこに自動付帯で海外旅行保険がついてくるカードは少ないですから、海外に行く機会が多い方は持っていて損をすることはありません。
リボ払いの金額は最高55,000円までの間で設定できます。毎月の利用金額が55,000円を超えない方であれば、実質一括払いで利用可能です。
まとめ
リボ払いはしっかりと計画を立てて利用すれば手数料を節約できる他、ポイント還元率がアップするなどのメリットがあります。さらに、支払い金額も自分で決めることが可能なので毎月の支出管理も把握しやすくなるでしょう。
だからと言って、リボ払いが良いことだらけなわけではありません。場合によっては、無計画な借入れと高額な手数料を支払っていることに気付かず、支払いに困窮することも十分に考えられるのです。
これらの両方の面を知ったうえで、リボ払いを上手に利用するようにしてください。