その請求どうすれば良い? クレジットカードの不正利用と悪用時の対処法

SHARE

クレジットカードの利用明細書を見たときに、身に覚えのない利用履歴があったということを耳にする機会もあるかと思います。

その他にも引き落とし口座の残高不足で利用金額を支払えていないとカード会社から連絡がきたときに「残高はちゃんとあるはずなのに」と感じることもあるかもしれません。

それは、クレジットカードを不正利用されたことが理由の可能性が高いです。以前は利用明細書が郵送で送られてくることが多かったですが、最近はペーパーレス化が進みWeb明細が一般的になってきました。利用明細を定期的に見る機会がなければ、もしも不正利用されていても発覚は遅れてしまうことでしょう。

そこで今回はクレジットカードの不正利用に関する知識について、さまざまなポイントを取り挙げてまとめてみました。不正利用をされてしまった方、不正利用を前もって防ぎたい方、クレジットカードの不正利用の注意点を理解していない方はぜひチェックしてみてください。

クレジットカード利用のメリットと不正利用のパターン

まず、不正利用について解説する前にクレジットカード利用のメリットとリスクを知っておきましょう。

現金の場合 クレジットカードの場合
財布の中身 まとまた現金の用意が必要 現金がなくても安心
紛失・盗難リスク 戻ってこない可能性が高い 電話一本で利用停止が可能
利用履歴の確認方法 レシートのみ 利用明細にて確認
インターネットショッピングの利用 代引きなどの手数料が発生 発送がスムースで手数料もない
ポイントの付与 付与なし 利用金額に応じたポイントが付与

上記のように現金払いと比較すると大きなメリットのあるクレジットカードですが、利用するにあたってのリスクもあります。それが、不正利用です。

不正利用の種類は主に以下のようなパターンがあります。

クレジットカード盗難による不正利用

車上荒らしやロッカー荒らしをはじめ、スリや空き巣などでクレジットカードが盗まれたことで不正利用されることがあります。

盗まれたクレジットカードを使って商品購入などを不正に行われたとしても、利用代金の請求は口座名義人に対して行われてしまいます。

クレジットカードのスキミングによる不正利用

スキミングとは「スキマー」という特殊な機械を使って、クレジットカードの磁気データを読み取る行為です。そして、読み取られた個人情報を別のカードに書き込んで作った偽造カードを使います。

スキマーは2種類あり、設置型と携帯型に分かれます。

設置型のスキマー

設置型のスキマーは店舗やホテルなどの信用照会端末に設置して、スキャンしたれたカードから情報を盗み取ります。これは、悪意のある店舗のスタッフや第三者によって設置される場合があるそうです。

携帯型のスキマー

携帯型のスキマーはクレジットカードを一時的に盗むことで、カードの情報を読み取ります。持ち主へ再度返されることが多いので、設置型と同様に情報を盗まれたことに気付かない場合が多いでしょう。

その他にも、カードに触れなくても近距離に居ることで磁気データを読み取れるスキマーも存在するほどです。

フィッシングによる不正利用

フィッシングとは、スキマーと同じくクレジットカードの情報を盗み取る手口です。

金融機関やカード会社を装って「〇〇が当選しました」などのメールを送信して、偽サイトへのアクセスを誘導します。そして、その偽サイト内で入力したクレジットカード情報を不正利用するのがフィッシングです。

個人情報漏洩による不正利用

個人情報が洩れることが個人情報漏洩となります。

クレジットカードを使ってインターネットショッピングを行った際に、サイト内に集まった個人情報がウイルスなどによって第三者へ漏洩。そして、その個人情報が第三者に悪用されてしまいます。

身に覚えのない請求があったら最初に確認すること

クレジットカードの利用明細の中に身に覚えのない請求が含まれていれば、その金額が大きければさらに慌ててしまうことでしょう。

しかし、まずは落ち着いてみて、以下のポイントを確認してみてください。そのうえで、いずれかのケースに該当しなければ不正利用をされた可能性が高くなります。

ご利用明細書に書いてある日付

クレジットカードを利用した店舗によって、クレジットカードで決済をした日から遅れたタイミングで請求がきます。

多くの店舗ではクレジットカードの利用と同時に売上げが計上されるのが一般的ですが、経理手続きに時間がかかる店舗ですとカード会社の締日に間に合わない場合があるでしょう。

カード会社は原則として店舗からの請求がなければクレジットカード所有者に請求ができません。そのため、請求が翌月になったり、場合によっては翌々月に持ち込まれたりする場合があるのです。

利用明細書に記載された日付が古い場合はこのようなケースが考えられますから、自分の記憶を再度確認して本当に利用したかどうかを思い出すようにしてください。

家族カードの使用

家族カードを利用していると、家族カード分の利用明細も基本カードの請求に含まれてきます。自分が購入していないものでも、実は家族カードの利用で購入されていたケースも少なくありません。身に覚えのない請求があったら、家族にも確認するようにしてください。

実際に利用した店舗名と支払い先名の表記違い

利用明細書に身に覚えのない店舗名が書かれていた場合、多くの方が不正利用を疑ってしまうでしょう。しかし、店舗によってはクレジットカード会社に登録された名前が実際の店舗名ではないことは多くあります。その店舗を経営する会社名なことはよくあるため、確認してみてください。

不正利用に遭わないために

不正利用に遭わないために、どんなことを心がければ良いのでしょうか。

まず、以下の3つを最低限のルールとしてチェックしておくことをおすすめします。

・カードの裏面には必ず署名(サイン)をしておく
・クレジットカードを他人に貸さない
・暗証番号を他人に教えない、わかりやすい番号にしない

そして、さらに気を付けておきたいポイントもまとめてみました。

クレジットカードそのものの管理に気をつける

クレジットカードを持つことになったら、自己管理は重要です。クレジットカードは必ず貴重品として取り扱うようにしてください。

一般的に財布の中に入れて管理するかもしれませんが、使った後にカバンの中にそのまま入れたり、購入した商品などと一緒に袋へ入れたりすることで紛失する可能性が高くなるでしょう。

また、クレジットカードを複数枚持っている場合、必要なカードのみを持ち歩くようにしてください。その他にもクレジットカードを使う予定のない外出をする場合は、できるだけ外へ持ち出さないようにするのも方法の一つでしょう。

怪しい店舗・通販サイトでの利用は控える

日本語表記が不自然だったり、記載されている住所や電話番号が日本国内でなかったりするなどの怪しいと思うサイトの利用を控えた方が良いでしょう。その場合、支払い方法にクレジットカードを使わないことを心がけてみてください。

インターネットショッピングではセキュリティコードや本人認証サービスを利用

インターネットショッピングでは、あらかじめセキュリティコードや本人認証サービスを利用すると不正利用回避がしやすいです。

・セキュリティコード:クレジットカード裏面に記載された数字3桁(アメックスはカード表面に数字4桁)
・本人認証サービス:本人確認のために、決済時はあらかじめ登録したパスワードを入力。ただし、利用できるサイトに制限あり

ブラウザで見たときに鍵マークが表示されるサイト(SSL対応)を利用

インターネットショッピングで決済する際に、そのサイトがSSL認証されているかどうかを確認してください。

なお、SSLとは安全性の高い通信技術のことです。ブラウザの一番下のURLが表示されるアドレスバーの横に鍵マークがついているので、そちらでチェックできます。

メールの不審な添付ファイルを開かない

「当選おめでとうございます」「ご注文のご確認」その他にも案内などの身に覚えのないメールの取り扱いに注意してください。添付されたファイルを何の疑いもなく開いてしまったら、実はそれがウイルスで感染してしまう危険があるからです。

個人情報を入力させる偽サイトに注意

個人情報を入力させる偽サイト=フィッシング詐欺となります。あらかじめ、表示されたURLが正しいサイトのものかどうかを必ずチェックしてから利用してください。

毎月の利用明細をチェック

利用明細が届いたら「利用日・利用金額・利用内容」など、身に覚えのない請求がないかを必ず確認してください。

また、記載される日付は必ずしも利用日ではありません。予約日や売上処理日となる場合があるので、合わせて確認するようにしましょう。

通販サイトに支払い情報(カード番号など)を記録させない

通販サイトに支払い情報としてカード番号などを記録させることができますが、あまりおすすめはできません。利用するたびに、支払い情報を登録した方が不正利用回避につながるでしょう。

不正利用されたらどうする?

不正利用の被害に遭った場合、クレジットカードの保有者が身に覚えのない支払いをするのは不本意なことでしょう。

何かしらの補償があれば良いと考える方も多いかと思います。そこで役立つのが盗難保険で、カードの不正利用が理由の被害をカード会社が全額補償してくれます。

クレジットカードの盗難保険の利用にあたり、何か特別な手続きは必要ありません。また、保険料も無料なことがほとんどなので安心です。

盗難保険の利用方法

盗難保険はスキミングやフィッシングによる被害にも対応していますが、こちらではクレジットカードが盗難に遭ったときはどのように盗難保険を利用するのかを解説します。

主な流れは以下のとおりです。

・カード会社に利用停止の連絡
・警察に盗難届を提出
・カード会社へ盗難に遭った事実を連絡
・カードの再発行手続依頼書が送られてくる
・書類を記入して返送
・再発行されたクレジットカードが届く

内容について確認していきましょう。

カード会社に利用停止の連絡

クレジットカードが見当たらない場合、もしくはどこかに落としてしまったときや誰かに盗まれてしまったときも、カード会社のコールセンターへすぐに電話連絡をしてください。不正利用を防ぐために、まずはクレジットカードの利用停止することが重要になります。

そして、クレジットカードが無いということを伝えます。

警察に盗難届を提出

次に警察に盗難届を提出します。また、紛失の場合は紛失届を提出してください。

そして、盗難届が受理されると受理番号が発行されます。盗難保険を利用するにあたって、この受理番号が必要になってくるため必ず控えるようにしましょう。

届け出をする警察は住民登録をした住所の管轄の警察でなくても大丈夫です。行きやすい、目についた交番や警察署などでも問題ありません。

カード会社へ盗難に遭った事実を連絡

盗難届の受理番号が発行された後に、再度カード会社に連絡を入れてください。そして、盗難保険の適用のために受理番号を伝えて盗難の証明をします。

カード会社は盗難保険が適用になるかどうかを判断して、カード発行依頼書や盗難保険に関する書類をクレジットカード保有者へと送付します。そして、書類が到着したら不備なく記入してカード会社へ返信します。

後日、新しくクレジットカードが届くとともに被害金額が全額補償される流れです。

盗難保険はどんなときに使える?適用できる条件

盗難保険が適用されるためには、いくつかの条件があります。要するに条件を満たしていないことには、不正利用された被害金額はすべてクレジットカード保有者自身が負担しなければならないのです。

条件は以下のようになっていますが、注意して覚えておくことをおすすめします。

・盗難届の受理番号が必須
・届け出ができるのは本人のみ
・被害に遭ってから60日以内に申告する

こちらも詳しく解説します。

盗難届の受理番号が必須

上記でも解説しているように、盗難保険の適用にあたっては警察に盗難届を提出した事実を証明できるものが必要になってきます。そのため、警察から発行された受理番号は、忘れたりなくなさいように大切に保管しておくと良いでしょう。

届け出は本人のみ

盗難の被害ににあった事実をカード会社へ連絡できるのは、原則本人のみとなります。

生年月日などの詳しいプロフィールを知っている配偶者や家族などからの届け出は保険適用外となると思っていてください。

被害に遭ってから60日以内の申告

重要なのが被害に遭ってから申告までの期間になります。手元からクレジットカードがなくなったときは、すぐに気付いて連絡をすれば盗難保険を利用することが可能です。しかし、後から請求金額を確認した際に盗難の事実が判明した場合は60日を超えてしまうことで盗難保険の適用対象外となってしまいます。

最初に解説した利用明細書をWebで見ることができるシステムの場合、不正利用に気付くのが遅れてしまう可能性が高いです。また、クレジットカードの引き落としは利用した日の翌月もしくは翌々月であることが多いため、利用明細書を確認しないままでいると60日を過ぎてしまうので注意しないとなりません。

盗難保険が使えないのはこんなケース

盗難保険を適用することができないケースとして、以下のようなことが考えられます。

・契約者自身に重大な過失がある
・届出日から61日以前の被害である。
・警察に届出をしていない
・書類の不備

詳細について解説していきます。

契約者自身に重大な過失がある

契約者自身の重大な過失として、以下のような例があります。

・暗証番号を第三者がわかるように保管していた
・暗証番号を第三者に教えた
・すぐに憶測される暗証番号を設定していた
・クレジットカードを他人に渡した(貸した)
・契約者の配偶者や子供が使用
・クレジットカードに署名の記載がなかった

暗証番号は銀行口座のキャッシュカード、すでに保有している他のクレジットカードと混在することがあるため、メモを残してしまう方も一定数います。また、クレジットカードに直接書いていたり、一緒に保管していたりすれば、いずれも重大な過失となってしまうでしょう。

憶測されやすい暗証番号

重大な過失となる「すぐに憶測されやすい暗証番号の設定」ですが、具体的にどんな番号なのでしょうか。

例を挙げると以下のようになっています。

・ゾロ目(1111、2222など)
・生年月日(西暦の4ケタ、月日の4ケタ)
・現住所(郵便番号、番地など)
・自宅の電話番号(下4ケタなど)
・簡単な数列(1234、5678など)

暗証番号は、入会申込みの際に設定をします。不正利用をあらかじめ防ぐ目的で、会社では憶測しやすい番号登録ができないシステムとなっていることも多いとのことです。

要するに第三者が知り得ないであろう暗証番号の設定が必須となっていますが、それはまだ最近のことになります。今から数十年以上前に登録した暗証番号ですと、生年月日などが登録されたままのケースが多くあるのです。

暗証番号はカード会社へ連絡をすることで簡単に変更ができます。もしも現在設定している暗証番号がすぐに憶測されやすいもので登録しているのでしたら、早急に変更の対応を行うことをおすすめします。

まとめ

カード会社からの連絡があって不正利用に気付く方もいるかもしれませんが、中にはまったく気付くことがなく不正利用の被害に遭っている方もいるでしょう。

不正利用は高額なものが対象となるのが一般的ですが、少額の利用をされることもあります。また、盗んだカードの情報を試す目的で、比較的安い品物を購入するケースもあるとのことです。

身に覚えのない利用や請求があったとしても、利用明細書の到着から60日以内であればカード会社が原則として補償してくれます。だからこそ、利用明細書が届いたらレシートなどと比較して不審な請求がないかをチェックすることが大切です。

もしかしたら店舗名とは異なる経営会社名などで記載されることもあるので、利用明細書の表記が分かりにくいことがあるかもしれません。そのような場合も含めて、少しでも不審な点や疑問を感じる点があれば、すぐにカード会社に問い合わせてください。

その他にも盗難保険の適用条件をしっかりとチェックして、万が一のときに利用してみると良いでしょう。

コメントを残す