意外と知らないクレジットカードの仕組み!今さら聞けないポイントを徹底解説

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日常生活の買い物をはじめ、毎月の公共料金の支払いにインターネットショッピングなどが1枚で済むクレジットカードは便利に使えます。しかし、普段何気なく使ってはいるものの、その仕組みがどうなっているかは意外に知らない方も多いかもしれません。

ポイント制度に保険、割引優待があるかどうかはクレジットカードによって異なり、その仕組みも複雑なものが多いです。実際にクレジットカードを持っているけれど、ただ何となく作っただけという方も実際に多いのではないでしょうか。

そこで今回は、クレジットカードの仕組みという基礎知識にクレジットカードのメリット、利用するにあたっての注意点などをまとめて解説します。

すでにクレジットカードを持っている方は、これを機に自身の利用環境を一度見直してみてください。そして、記事を最後まで読むことで、クレジットカードに関するさまざまな知識を身につけているはずです。

そもそもクレジットカードの仕組みとは?

現金の持ち合わせがなくても、買い物の支払い(決済)ができる方法の一つがクレジットカード払いになります。

クレジットカードで買い物ができるのは、カードを通して利用者と店舗、そしてクレジットカード会社がつながっているからです。そして、利用者となる本会員の社会的信用をもとに、利用した金額をカード会社が利用者に代わって一時的に立て替える仕組みになっています。

クレジットカードの決済の流れ

カード会社が利用者に代わり、利用金額を一時的に立て替える仕組みということを解説しましたが、さらに詳しい流れを確認しておきましょう。

1.利用者は「クレジットカード払い」を選択して、店舗から商品を購入
2.店舗はカード会社に与信を依頼
3.カード会社の与信結果が店舗へ返却
4.カード会社は利用代金の請求明細を発行、指定の利用者名義の銀行口座から引き落とし
5.カード会社は集めた利用代金から手数料を差し引き、店舗の口座へ入金

こうしてクレジットカードで決済を行えば利用者は現金がなくても買い物ができるメリットがあり、店舗はクレジットカードが使えることで業務の効率化と集客力の強化を図れます。

そして、カード会社は利用者から利用金額を受け取り、そこから手数料を差し引いた金額を店舗に渡す流れです。この利用金額と店舗に渡す金額の差額がカード会社の利益になります。

クレジットカードの審査

クレジットカード申し込み時にカード会社で必ず審査を行いますが、その際にカード会社は申し込んだ方の個人信用情報を確認します。

この個人信用情報は、日本国内に3つある信用情報機関に登録された情報のことで、主に以下の内容が登録されます。

・年収や勤務先
・クレジットカードやローンなどの契約社数
・現時点における借り入れ状況や利用残高、支払い状況など

登録される情報はクレジットカードやローンだけでなく「分割払いで購入したスマートフォンの端末代金」「奨学金」なども利用履歴に含まれます。支払いを滞納しているとクレジットカードの審査に落ちる可能性が一気に高まるので注意してください。

クレジットカードを申し込むときは、すでに借入れ済みのお金の支払い忘れなどを確認するようにしましょう。

クレジットカードの審査時に重要視されるポイント

それでは、クレジットカードの審査時に重視されるポイントとは、どんなことなのでしょうか?

・申込者が遅れることなく返済日にしっかりと対応できるか
・申込者の現在の返済能力
・担保になる不動産などを保有しているか

また、クレジットカード申込み時に記入する個人情報をカード業界では「属性」と呼んでいます。この属性は虚偽の申告をしないことは基本中の基本です。

カード会社は、この申込者自身が申告した属性情報から支払い能力を判断。そして、カード会社ごとの指標によってスコアリングされます。そのうえで、審査通過となるかをはじめ、利用限度額が決まる流れです。

国際ブランドと発行会社

クレジットカードには国際ブランドと発行会社があります。

特に国際ブランドはクレジットカードを選ぶにあたって重要なポイントなものの、詳しい内容を知る機会はあまりないかもしれません。

そこで、こちらのではクレジットカードの基礎知識の一つでもある国際ブランド、あわせて発行会社について解説していきます。

国際ブランドとは

国際的に流通しているクレジットカード商標のことを「国際ブランド」と呼びます。

たとえば「VISA」「MasterCard」「JCB」などの名前を一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、これらが国際ブランドとなり主にクレジットカード券面の右下の位置に入ったロゴマークで確認が可能です。

クレジットカードは各ブランドの加盟店で利用ができるようになっていて、加盟店以外では支払いに使えません。クレジットカードを作る際は、自分の利用するシーンに合わせて国際ブランドを選ぶのがスムーズでしょう。

・VISA(ビザ)
・MasterCard(マスターカード)
・American Express(アメリカン・エキスプレス)
・Diners Club(ダイナースクラブ)
・JCB(ジェイシービー)
・UnionPay・銀聯(ぎんれん)
・Discover Card(ディスカバーカード)

世界シェア第1位で日本国内でも海外でも加盟店の多いVISAは使い勝手が良いでしょう。また、VISAに次いで世界シェア第2位のMasterCardはヨーロッパ圏で強いです。クレジットカードを初めて作るのであれば、最初の1枚は加盟店数の多いVISAかMasterCardのどちらかを持てば、日本国内での買い物はもちろん海外での利用にも幅広く対応ができます。

もしも日本国内での利用がメインで海外利用があまりないのであれば、日本でのサービスが充実しているJCB、ステータスの高さを求めるのであればAmerican ExpressにDiners Clubを選ぶなど、目的に合わせて選んでください。

発行会社とは

クレジットカードの発行会社とは、その名のとおり自社カードや提携先カードの発行を行う会社です。たとえば「三井住友VISAカード」の発行会社は三井住友カード株式会社というようになります。

まず、三井住友カード株式会社が窓口となってクレジットカードを発行することでカード契約者はクレジットカード決済が可能となり、国際ブランドとクレジットカードを使う方を結ぶ中間位置の存在になるでしょう。

自社カードと提携先カード

自社カードとは、発行会社が自社で発行するクレジットカードです。「三井住友VISAカード」のようにクレジットカード名に発行会社名が含まれていることが多く、プロパーカードとも呼ばれます。

提携先カードよりも自社カードの方が一般的に審査難易度は高く、ステータスも高いです。

その一方で、提携先カードとは発行会社が企業や団体と提携して発行するクレジットカードで、クレジットカード名に発行会社名は含まれていないことが多いため、どこで発行しているのかわかりにくいでしょう。

たとえば、「みずほマイレージクラブカード」の名前だけ見ると「みずほ銀行」が発行会社に思えますが、実はセゾンカードで知られるクレディセゾンが提携先としてカード発行しています。

発行会社と国際ブランドの違い

American ExpressにDiners Club、JCBの3社は国際ブランドであるものの、発行会社もかねて自社カードを発行します。発行会社と国際ブランドを混同することもありますが、根本的に発行会社と国際ブランドのサービスは違うと考えてください。

前に解説していますが、国際ブランドは決済サービスを提供して、発行会社はクレジットカードの発行をします。そして、発行会社はポイントの付与や付帯サービスの提供にサポートデスクの設置を行い、クレジットカード契約者へのサービスも行います。

クレジットカードの紛失や盗難時の受付も発行会社が対応するため、国際ブランドとクレジットカード利用者はほとんど関わりません。あくまでもクレジットカードを選ぶ際の決済サービス名でしかないということです。

クレジットカードのランク

クレジットカードの一般カードとステータスカードの2種類に分類され、それぞれの特徴が大きく異なります。

ステータスはカラーで表現されており、ゴールド、その上のプラチナ、最上位のブラックの3つがあり、ステータス=社会的地位の高い方を対象にするクレジットカードです。一般カードよりも審査が厳しくなり年会費も高額ですが、その分だけ付帯サービスや特典に補償が手厚くなっています。

一般カード

保有者数はもっとも多いベーシックなクレジットカードが一般カードです。年会費無料~発生しても数千円程度のことがほとんどで、入手難易度も比較的低めです。

年会費の価格がリーズナブルな一般カードでも、ポイント制度やキャッシュバック、付帯保険などのサービスはそろっています。

ゴールドカード

ゴールドカードは一般カードの上のランクで、年会費は1万円~3万円ほどのことが多いです。ポイント還元率が優遇されていたり付帯保険の補償金額が高めだったり、一般カード以上にサービスは充実します。

ただし、最近は年会費の安いゴールドカードもあり、年会費無料で持てるケースもあります。入手条件も安定した収入があれば大丈夫など、ゴールドカード=必ずしもステータスが高いとは言えません。

プラチナカード

ゴールドカードの次に上のランクがプラチナカードです。年会費は2万円のものもありますし、中には10万円以上のものもあります。

プラチナカードは自分から申し込むのではなく、カード会社から「インビテーション」という招待を受けて作るのが一般的ですが、最近はインビテーション不要のカードも増えています。

ただし、経済的にかなり余裕のある方でないとプラチナカードを保有する機会がないかもしれません。付帯サービスもコンシェルジュデスクがあるなど、高額な年会費を支払った方に見合う内容のものがそろっています。

ブラックカード

クレジットカードの中でステータスがもっとも高いのがブラックカードとなります。一般募集はしていないのでカード会社からインビテーションを受けた場合のみ作ることが可能です。

年会費は高いもので数十万円になり、所有者が少ないうえに招待制なこともあってサービスの全容は明らかになっていません。しかし、24時間対応のコンシェルジュやカードの利用限度額が存在しないなどの驚くべき内容になっています。

クレジットカードを持っていると受けられるサービス

クレジットカードを持っていることで、さまざまなサービスを受けられます。

ポイントが貯まる

手元に持ち合わせの現金がなくても買いものができることは、クレジットカードの大きな魅力でしょう。その他にも買い物をすると利用金額に応じたポイントも貯まっていきます。

ポイントはカード会社によって異なるものの、以下のような使い方が可能です。

・電子マネーにチャージして現金のように使える
・ギフトカードや飛行機のマイルに交換
・カタログから商品を選べる

ETCカードで通行料金がお得になる

クレジットカードは追加カードという希望することで追加発行できるカードがあり、ETCカードもその中の1つです。

ETCカードとは高速道路や有料道路の通行料金を自動で支払うためのカードで、現金で支払うよりもETCを利用した方が割引もされます。

ただし、カード会社によって、ETCカードの年会費の有無や利用料金分相当のポイントが貯まる・貯まらないなどのサービスの詳細は異なります。クレジットカード選びの際は自分に合っているかどうかを確認するようにしてください。

傷害保険の付帯で海外旅行も安心

クレジットカードを持っていることで、海外旅行に出かける際もメリットを受けられます。

その一つが旅行傷害保険となり、海外旅行でトラブルに遭遇した際の強い味方になってくれるでしょう。保険は個別に保険会社で申し込むことも可能ですが、クレジットカードを持っていれば手間をかけて保険会社に申し込む必要がありません。

なお、クレジットカードに付帯する海外旅行の保険には以下のようなものがあります。

・死亡・後遺障害
・事故による死亡・後遺障害の場合
・傷害治療費用
・怪我の治療代
・疾病治療費用
・病気の治療代
・賠償責任
・相手に怪我をさせた場合などの賠償責任額
・救援者費用
・捜索費・緊急時の家族の渡航費
・携行品損害
・携行品の盗難や破損による損害

海外旅行の保険内容や補償される金額は、カード会社や一般カード、ゴールドカードなどのランクによって異なってきます。さらに保険が適用されるのは、旅行費用をクレジットカード決済にて行っている場合に適用となる「利用付帯」と、クレジットカードをただ持っているだけで自動的に適用される「自動付帯」の2パターンがあります。

よく海外に行く方ほど、旅行傷害保険の内容はクレジットカードを選びの重要なポイントとなります。内容をしっかりと比べてから、自分に合ったクレジットカードを選ぶようにしてください。

クレジットカードの注意点

手軽で買い物がしやすいクレジットカードですが、無計画な利用をすると支払いがなかなか終わらない状況になりかねません。使った後で後悔しないための注意点をチェックしておきましょう。

リボ払い、分割払いの手数料に注意する

クレジットカードは一括払いで引き落とし日に利用金額を支払えれば分割手数料はかかりません。しかし、3回以上の分割払いにリボ払い、支払いの回数を増やす方法を選んだ場合は分割手数料が発生します。

たとえば10万円の商品を月1万円ずつの定額リボ払いで購入した場合、分割手数料はカード会社によって異なるものの毎月末時点での支払い残高に対し、実質年利15%程度の手数料がかかります。

15%のリボ払いで10回払いにすると10万円を一括払いにした場合よりも6,875円も多く払います。できるだけ安く買い物をしたいと思っていても、これでは結果的に多く支払うだけです。また、支払いが長期になるほどに完済までの利用可能金額は少ない状態です。

繰上げ返済などをすれば分割手数料はおさえられます。しかし、クレジットカードで買い物をする際は「3回払い以上は分割手数料がかかる」「支払い回数が長くなるほど手数料が増えて支払い総額が高くなる」ことは覚えておくと良いでしょう。

支払い遅延はクレジットヒストリーに傷がつく危険性あり

クレジットカードの審査の説明で解説した個人信用情報機関は、すべてのクレジットカードの毎月の引き落とし状況を履歴として蓄積し、クレジットヒストリーと呼ばれています。指定の日に引き落としがされたことが続けば履歴として残り、「クレヒスを磨く」という状態になります。

もしも1度でもクレジットカードの支払いができなければ延滞として記録。支払いの遅延が連続すると金融事故情報として履歴に残り、ブラックリストに追加された状態になります。

そして、クレジットカードを強制解約されて使えなくなったり、クレジットカードやカードローンなどの審査に通らなくなったりすることになるでしょう。

カード会社は利用者の信用を元に一時的に利用代金を立て替えているにすぎません。引き落とし日の前日までに、必ず利用代金を入金することを心がけてください。また、支払いをしっかりと行えば優良顧客として扱われ、ゴールドカードなどの招待がもらえたり、利用限度額が引き上げられたりします。

まとめ

日々の生活にクレジットカードは欠かすことができない存在になります。だからこそ、クレジットカードの特徴や注意点を理解して利用することが大切です。

クレジットカードの良し悪しは利用者のライフスタイルによって異なるため、何がおすすめなのかは断定できません。まずは今持っているクレジットカードを確認して利用環境に合っているかを確認してください。

「あまり使っていないのに年会費だけ払っている」「使っていないクレジットカードがあった」などのこともあるでしょう。その場合は必要に応じて新しいクレジットカードに申し込む、不要ならば解約するなどの整理することをおすすめします。

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