外貨預金を利用して資産運用をしてみよう!外貨預金の実態と外貨預金のメリット・デメリットについて解説します!

老後の資金作りの方法の1つである預金

預金は、ローリスクローリターンの代表的な投資方法となっていて、預けた資金が元本割れするリスクは限りなくなく、資金を増やしていくものになります。

元本割れすることなく、資金を増やせるのであれば、誰でも預金を利用したらいいのでは?という疑問が出てくるかと思います。確かに、預金は確実に資金を増やすことが可能です。

しかし、今の日本の預金の利率を皆さん、ご存知でしょうか?日本での預金の金利は、銀行や郵便局等の金融機関では、0.001%で設定されています。もし、100万円の資金を預けた場合、金利0.001%で運用したとすると、1年間での利子は、たったの10円。さらに、利子は利子所得という所得扱いになり、この10円から税金が引かれてしまい、実際に受け取る利子は、数円になってしまうのです。

一方、外貨預金は、日本よりも高い金利で設定されているのが特徴で、日本円ではなく、ドルやユーロなど外貨を利用して預金する方法となります。

今回は、外貨預金のしくみやメリット・デメリットなど、はじめての方にも分かりやすく解説していきます!

1.外貨預金とは

外貨預金と聞いて、どんな金融商品かは大体イメージがつく方は多いと思いますが、外貨預金は、日本円ではなく、日本円以外の通貨で預金を行う商品となります。

日本円以外の外国の通貨といえば、世界共通通貨のドル(米ドル、豪ドルなど)やヨーロッパ圏内で使用されているユーロ、南アフリカランドなど種類はたくさんあります。

外貨預金は、数ある外貨の中から運用させたい通貨を選び、預金をしていくものとなります。

外貨預金のしくみ

では、外貨預金は、どのようなしくみとなっているのでしょうか?

外貨預金をする際にまず行うのが、円から外貨に交換することです。円で外貨を買うということですね。

そして買った外貨を運用させて、満期時に、買った外貨を円に交換するというしくみです。

外貨預金でどうやって資産を増やしていくのかは、後述の外貨預金のメリットで詳しく解説しますが、外貨預金ならではの高金利、為替差益を利用して、多くの利子を得ることにより、資産を増やしていきます。

2.外貨預金のメリット

外貨預金の基本について学んだ後は、外貨預金のメリットは一体何なのかを見ていきます。

外貨預金のメリット①金利が高い

なんといっても、外貨預金のメリットは金利が高く設定されていることです!

冒頭でもお伝えしましたが、日本の金利は、0.001%と極めて低く設定されています。

一方、外貨預金は、預け入れる金融機関、預入期間、普通預金なのか定期預金なのかで、金利の設定は異なりますが、米ドルで0.2%~2%前後と日本に比べると高金利となっています。

金利0.001%と金利0.2%で100万円を1年間、預け入れたとすると、金利0.001%で利子10円、金利0.2%で利子2,000円とかなり差がでてきますよね!

さらに、普通預金ではなく、定期預金を利用すれば、金利は2%前後となるので、もし、金利2%で1年間、外貨の定期預金として100万を預け入れたとすれば、1年間で得られる利子は、20,000円とさらに利子所得は増えます。

これほどの利子を得られるのは、日本円の金融商品ではほぼないに等しく、預金で資産を増やすとなると、外貨で運用した方が良いといえるでしょう。

ただ、金利だけに目を向けていると、痛い目に合う恐れもあります。

外貨預金には、先ほどもお伝えしましたが、様々な外貨を取り扱っています。外貨によって金利は大きく異なり、南アランドという外貨では、金融機関によって1ヶ月定期で30%~40%と米ドルよりもかなり高金利となっています。

金利だけみると、米ドルよりも南アランドで預け入れた方が、多くの利子を得ることが可能なので、南アランドを選択すると思いますが、金利が高ければ高いほど、後程お伝えしますが、為替リスクを大きく受ける可能性があります。

外貨を選ぶ際には、その国が経済的に安定しているのかなど、色々調べる必要性があります。

外貨預金のメリット②リスクヘッジができる

皆さん、リスクヘッジという言葉を耳にしたことはありますか?

リスクヘッジとは、簡単にいうとリスクを分散させるという意味です。

資産運用を行っていると、「卵は1つのかごに盛るな」という言葉を耳にするかと思います。

これは、もし10個の卵を1つのかごに入れてしまうと、万が一落とした時に、10個全ての卵が割れてしまいますよね?一方、10個の卵を2、3個のかごに入れることによって、かごを1つ落としてしまっても、他のかごに入っている卵は、無傷であるという意味を表します。

この例えは、資産運用でとても重要で、もし全ての資産を1つの金融商品(銘柄など)に投資した場合、値上がりしてくれれば、とても大きな利益を生むことになりますが、逆に値下がりしてしまうと、大きな損失を生み出してしまいます。

このように、大きな損失を生まないように、資産運用を行う時には、リスクを分散させる、すなわち、リスクヘッジを行うことが重要となります。

今までの日本とアメリカの歴史をみると、日本がデフレ状態で経済が落ち込んでいる時には、アメリカの反対に経済が活気づいていて、逆に日本がインフレ状態で景気が良い時には、アメリカの経済は落ち込むという日本とアメリカの経済状況は、逆の動きをする傾向となっています。

では、日本とアメリカの金利は、どうなっているのでしょうか?

今の日本では、超低金利時代と言われていて、0.001%で設定されています。将来このわずかな金利がマイナスになる可能性も大いにあり得ます。

一方、アメリカの金利は、0.2%~2%前後で推移しており、金融商品によっては、さらに高い金利設定となっています。

日本の預金は、元本割れをしないということで、確実に安全に増やせる金融商品と言われていますが、万が一、マイナス金利が適用された場合には、資産を減らしてしまう結果となってしまいます。

もし、全資産を日本円の預金に預け入れてしまっていると、上記の状況に日本が陥ってしまった場合には、大きな損失を被ります。

しかし、今後の日本の将来を推理して、リスクの分散で、アメリカ、つまり米ドルの外貨預金を利用する事により、日本円の預金がマイナスになっていたとしても、アメリカの金利が下がっていない、もしくは上がれば、日本円の預金のマイナス分を補う形となり、資産を減らすというリスクを軽減する効果が生まれてきます。

自分の資産を守るため、そしてリスクヘッジを行うために、1つの資産運用方法として、外貨預金を利用してみるのも良いでしょう。

3.外貨預金のデメリット

次は、外貨預金のデメリットです。外貨預金には、メリットもあれば、デメリットもいくつか存在しています。外貨預金のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

外貨預金のデメリット①為替リスクがある

外貨預金の1つ目のデメリットは、為替リスクです。

為替リスクとは、簡単にいうと、日々変動する為替レートの影響を受けることにより、預け入れた資産がマイナスになってしまうリスクがあるということです。

これだけでは、一体何を言っているか分からないということも多いと思うので、さらに詳しく説明していきますね。

為替レートとは?

まず、為替リスクで重要なキーワードとして、為替レートがあります。

為替レートとは、日々変動するレートで、TVやインターネットで簡単に調べることが可能です。

皆さんがよく耳にする為替レートは、日本円と米ドルの為替レートです。為替レートは、1ドル=100円と米ドル1ドルで日本円にするといくらになるのかという表示方法になります。

海外旅行に行く時には、この為替ルートは非常に重要になってきます。

例えば、海外旅行でニューヨークに行くとしましょう。

ニューヨークで使用されている通貨は米ドルです。ニューヨークでの食費や娯楽費などは、米ドルで支払うため、いくらか日本円を米ドルに交換する必要があります。

ここで登場するのが、為替レートです。もし、11,000円分の日本円を米ドルに交換するとしましょう。交換する際には、手数料が上乗せされますが、ここでは考慮するとします。

  • 1ドル=100円の場合

1ドル=100円の時に、日本円11,000円分を交換したとすると、100ドル受け取ることができます。

  • 1ドル=50円の場合

1ドル=50円の時に、日本円11,000円分を交換したとすると、200ドル受け取ることができます。

このように、1ドル=50円の方が、多くのドルに交換することができるのが分かります。海外旅行に行く時に、通貨を交換するタイミングは、円高ドル安が良いということになります。

ただ、為替レートは日々変動するので、旅行前日までは円高ドル安で1ドル=50円で絶好の交換チャンスだったのに、旅行当日に、いきなり、1ドル=120円と円安ドル高になる可能性も大いにありえます。

為替レートは、私たちの日々の生活の中で、非常に関わりのある重要な指標となっています。

為替レートは、外貨預金で満期を迎える際にも、非常に重要となってきます。

外貨預金の満期を迎えた時、円高ドル安と円安ドル高で大きく為替損益に違いがでてきます。では次に、満期を迎えた時に、円高ドル安、円安ドル高の2パターンの例を見てきましょう。

当初の預入金額は、円高ドル安も円安ドル高も1ドル=100円で100万円とします。

  • 円高ドル安の場合

1ドル=100円で100万円を預け入れると、1万ドルと交換になります。そして1年後に満期を迎えた時に、1ドル=90円で預入れ当初よりも、円高ドル安になると、1万ドル×90円で日本円に交換で、90万円になります。

100万円預け入れて、90万円ということは、10万円の為替差損となります。

  • 円安ドル高の場合

1ドル=100円で100万円で預け入れ、1年後に満期を迎えた時、1ドル=120円で預入れ当初よりも、円安ドル高になると、1万ドル×120円で日本円に交換で、120万円になります。

100万円の預入れで、120万円になったので、20万円の為替差益となります。

このように、満期時の為替レートによって、受取額が異なります。

先ほど海外旅行に行く際は、円高ドル安の方が、日本円から海外通貨に交換できるので有利になるのですが、外貨預金の場合は、逆に為替差益が出る円安ドル高の方が有利となります。

せっかく金利の高い外貨預金を利用して資産運用を始めたのにも関わらず、満期時の為替レートで、預入金額を下回り、資産を減らしてしまう可能性があります。

外貨預金には、こういった為替リスクが潜んでいます。

外貨預金のデメリット②為替手数料が発生する

外貨預金のもう1つのデメリット、それは為替手数料が発生する点です。

外貨預金の場合、まず預入時に、円から外貨に交換しますよね?この交換のために支払う手数料が、為替手数料になります。

さらに、満期時に外貨から円に交換する際にも、為替手数料が発生します。この為替手数料は、外貨の種類によって異なりますが、米ドルで1ドル=1円が基本となっています。他の外貨では、5銭や20銭など1円未満で設定されています。

一見、1円ぐらいの為替手数料であれば、そんなに負担にならないのではないかと思ってしまいますが、預入時と満期時両方で為替手数料が発生するため、もし為替手数料が、1ドル=1円だとすると、1ドル=100円で100万円を預け入れた場合は、1万米ドル、すなわり為替手数料は1万円となります。

満期時に1米ドルを円に交換する際にも、1万円の為替手数料が発生し、1つの取引で2万円の為替手数料がかかってしまい、せっかく利益が出たのに、為替手数料で利益を減らしてしまう結果となってしまいます。

この為替手数料は、金融機関によって設定金額が異なります。ネット銀行では比較的、為替手数料の設定金額は低くなっているので、おススメです!

外貨預金を行う際には、事前に確認しておいた方がいいでしょう。

外貨預金のデメリット③金融機関等が破綻した際には、補償がない

日本には、預金保険制度という制度があります。

預金保険制度とは、万が一将来、金融機関等が破綻した際に、預金者の資金を保護するために、金融機関等から資金を集め、破綻した際には、預金保険機構が預金者の資金を補償してくれるという制度です。

預金保険制度には、対象の金融機関・預金の種類があり、全ての資金を補償してくれるというものではありません。

対象となる預金の種類

ここでは、対象となる預金の種類を見ていきます。

  • 全額補償

預け入れた資産全額を補償してくれるものは、

  1. 当座預金
  2. 無利息
  3. いつでも払出可能

の上記3点を満たす決済用預金として扱われるものが該当します。

  • 一部補償

全額ではありませんが、ある一定額まで補償してくれる預金の種類は以下の通りです。

  • 普通預金(利息あり)
  • 定期預金・定期積金
  • 元本補填のある金銭信託 など

補償してもらえる限度額は、上記の金融商品を合算して1,000万円+約定日までの利息となります。

もし、1,000万円を超えた場合には、超えた部分に関しては、破綻した金融機関の財産に応じて、支払ってもらえる時もあれば、最悪もらえない可能性もあります。

では、外貨預金は、預金保険制度の対象となるのでしょうか?

結論は、外貨預金は、預金保険制度の対象外となります。

もし、ある金融機関に100万円分、外貨預金として預け入れている場合で、その金融機関が破綻してしまうと、預け入れている100万円は、預金保険制度の対象外となり、残念ながら戻ってきません。

金融機関が破綻する確率は、極めて低いと言えますが、決して可能性は0%ではないので、最悪の想定を考えておかなければなりません。

外貨預金を行う際には、金融機関もしっかり調べて、ある程度、規模の大きい機関にしておくといいでしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

外貨預金は、日本円の預金よりも金利が高いという事で、資産運用の1つの候補として、検討している方も多くいらっしゃるでしょう。

外貨預金は、上手く利用すれば、資産を増やすことが可能な金融商品です。

しかし、外貨預金には、金利が高いというメリットだけではなく、為替リスクや為替手数料がかかるなどデメリットも存在しています。満期時の為替レートによれば、預入時の元本を下回る、元本割れを招く恐れもあります。

せっかく資産を少しでも増やそうと、外貨預金を利用したのにもかかわらず、元本割れが起きてしまうと、本末転倒です。

外貨預金を行う際には、まず、外貨預金のメリット・デメリットをよく理解すること、そして、最悪の場合、元本割れが起きた時に資産が減ってしまうことを想定し、その損失に耐えられるのかどうかをご自身で判断しなければなりません。

高金利にだけに囚われず、外貨預金がどういった金融商品なのかを十分に理解し、資産運用を始めましょう!

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