株式投資で「必勝」の銘柄選び法|初級~上級、目的別に最適な投資先を決める!

株式投資で最も大変なことは何だと思いますか?

それは、自分の力で優良銘柄を探すことではないでしょうか。

初心者から上級者まで全員に共通することですが、確実に値上がりする銘柄をあらかじめ知っておくことはできません。それでも、投資家は得られる情報を総合して「値上がりしそうな銘柄」を探す必要ががあるのです。

この記事では、まず銘柄選びの重要性を説明します。次に初心者、中級者、上級者向けの銘柄選びを解説していきます。最後に、投資目的別の銘柄選びも紹介します。

株式投資の銘柄選びの重要性を探る

そもそも、株式投資の銘柄選びにはどれくらいの時間を費やしていますか?

ネットでおすすめされている銘柄を購入したり、前日に大きく値下がりした銘柄を購入したりと、情報に振り回されている方が多いのではないでしょうか。

株式投資で儲けるために、最も重要な要素の一つが銘柄選び。その重要性を、スマホ選びに例えて解説します。

銘柄選びをスマホ選びに例える

例えば、新しいスマートフォンを買う場合を考えてみましょう。予算は数万円、高くても10万円で購入できますが、ここでは5万円とします。

予算を決めて携帯ショップに行き、すぐに「これください!」とはならないですよね?

5万円で変えるスマホを探し、大きさやカメラの画素数などを比べて自分に合ったスマホを選ぶでしょう。数年は使い続けるものですから、少しでも良いものを選ぼうと、比較にも自然と気合が入ります。

場合によっては、「3万円でも十分に良いスマホが買えそう!」「やっぱり高機能なカメラがついた10万円のスマホが良いな」など、予算の変更もあるかもしれませんよね。

株式投資の銘柄選びに置き換えて考える

先ほどはスマホ選びの場合を考えましたが、株式投資の銘柄選びの場合はどうでしょうか。初心者ほど、自分であまり調べずに、他人がおすすめしている銘柄などに飛びついてしまいがちです。

証券アナリストのコラムやネットの掲示板に書かれていた銘柄に飛びついてしまった経験はありませんか?

また、魅力的な株主優待につられ、その会社の業績や株価を気にせずに投資してしまったことはないでしょうか。

株式投資は、目標によって投資すべき銘柄が異なります。例えば、老後の資金を作るための数十年にわたる安定した運用と、数日で大きく儲けるためのデイトレードでは、目標が全く異なります。それぞれの目標に合った銘柄を選ぶ必要があるのです。

株式投資はスマホと同じで、自分に合った銘柄を選ぶのが重要。信頼できる銘柄を自分で探し当てる必要があるのです。

とはいえ、「自分に合った銘柄が分からないから困ってるんだ!」と思われることでしょう。次の項目からは具体的なポイントを挙げて、初心者から上級者までの銘柄選びの方法を解説します。

株式投資が初めての人の銘柄選び

これから株式投資を始める人は、仕事以外でお金を稼げることにワクワクしているかもしれません。しかし、株式相場は初心者からトレーダーとして生計を立てる大ベテランまで、さまざまな参加者が入り乱れている場所。上級者ならまだしも、初心者が銘柄選びに失敗すると、あっという間に資金を失ってしまうことになりかねません。

この項目では、初心者だからこそ陥りがちな3つの罠を紹介していきます。これから投資を始める人は銘柄選びの参考に、始めたばかりの人は持っている銘柄が次の3点に当てはまっていないか確認してみてください。

  • 自分だけの掘り出し物を探そうとしない
  • 株主優待の良し悪しだけで判断しない
  • 危ない会社を見抜く1つのポイント

①自分だけの掘り出し物を探そうとしない

初心者の方が失敗しやすい投資法として、「有望な会社の株式をたんまり買い、数年後には10倍、100倍の株価になっている」ことを狙った「グロース株投資法」というものがあります。初心者の方もこのような有望株を探そうすること自体は悪くないのですが、簡単に見つかるものではないので、難しい投資法なのでおすすめできません。

そもそも、株式投資の初心者も見つけられる有望株があれば、上級者はみんな知っている情報なので、既に出遅れていることがほとんどです。掘り出し物の有望株の情報を初心者が最初に仕入れるのは、非常に難しいことなのです。

初心者に最もおすすめしたい投資法は「誰もが知っている身近な優良企業」の株式を購入することです。よく行くチェーン店やコンビニ、好きなファッションブランド、頻繁に食べるお菓子などから、日常に溶け込んでいる企業を探してみてください。

例えば、外食チェーン店。お客さんが多くて賑わっているか、料理が美味しいか、スタッフは充分な人数で回っているか、大きなクレームに繋がるような状態ではないか…など、経営の良し悪しに直結する情報を、そのお店に行けば仕入れることができます。企業が投資家向けに発表するレポートなどだけでなく、現場の情報を仕入れて投資に役立てることができるのです。

投資初心者の方は、「みんなが知っていて、自分がよく利用する企業の株式」から始めると、上記のように情報収集がしやすいのでおすすめです。「誰も見つけていない有望株」という掘り出し物を探すのは、投資に慣れてきてからでも遅くないでしょう。

②株主優待の良し悪しだけで判断しない

株主優待を楽しみに投資に関心を持った、という初心者の方も多いのではないでしょうか。銘柄によりますが、企業の自社商品や割引券など、さまざまな株主優待が用意されています。(株主優待の無い銘柄もあります)

ですが、株主優待を早く手に入れたいために、会社の業績や株価のチャートを見ないで購入に踏み切っていませんか?

優待以外の情報にも目を向けて、購入すべきか検討していますか?

私も初心者の頃は、優待で銘柄を選んでしまい、失敗した経験があります。ある銘柄を買った後、みるみる株価が下がっていったのですが、その会社は私が投資をする前から業績が悪化している会社でした。チャートを見れば株価は右肩下がりなのが分かったのに、購入してしまいました。

もちろん、欲しい優待が貰えるかどうかという視点で銘柄を選ぶのは良いことです。しかし、優待だけで銘柄を選ぶと失敗してしまうことがあります。

このような失敗を避けるためにも、会社四季報などで企業の情報収集をしていくと良いでしょう。初心者の方は、次の項目で説明する「営業キャッシュフロー」から勉強するのがおすすめです。

③危ない会社を見抜く1つのポイント

掲示板の書き込みや株主優待の内容などの目に付きやすい情報だけでなく、銘柄選びには「分析」も重要です。会社四季報や企業の決算資料などで業績を把握するのですが、そのような資料を見るのが初めての人は、「営業キャッシュフロー」に注目してみてください。

キャッシュフローとは、現金の流れのこと。営業キャッシュフローは、1年間のうちに企業が本業によって得た現金の量を表しています。端的に言うと、企業の本業が儲かっているかどうかを示す指標、とも捉えられます。

営業キャッシュフローはプラスまたはマイナスの数値で表されます。プラスだと本業の売上などが多く黒字、マイナスだと反対で赤字となります。つまり、営業キャッシュフローはプラスで数値が大きいほど儲かっていることを意味します。

初心者の方で、これから投資に関する情報収集をしたいと思っているけど、何から始めたら良いか分からない、という方は、会社四季報や企業の決算資料で「営業キャッシュフロー」を調べることから始めてみましょう。営業キャッシュフローがプラスの銘柄を選ぶと良いでしょう。

中級者向けの銘柄選びのコツ

初心者が陥りがちな失敗例を掲載しましたが、これらの落とし穴に蹟かなくなったあなたは、立派な中級者ですね。これからは、もう少し高度な分析をして銘柄選びをしていくと良いでしょう。

詳しくは次の項目で解説しますが、①PERと②PBRは割安な銘柄を探すためにチェックするべき指標です。銘柄選びに熱中するだけでなく、中級者は③分散投資も心がけていきましょう。

  • PER(株価収益率)をチェック
  • PBR(株価純資産倍率)をチェック
  • 分散投資でリスク管理

①PER(株価収益率)をチェック

「今は安いけど、市場の評価が適切になれば高くなる株」のことを割安株と言います。このような銘柄を見つけるためには、PERとPBRを参考にしましょう。まずはPERについて解説します(PBRは次項目)。

PERは、株価を1株あたりの利益で割ったもの。株価が利益の何倍に評価されているかを示す指標です。例えば、PERが10のとき、株価は会社の10年分の利益と同じと評価されていることになります。株式を介して投資された金額を、企業が10年で稼げるという意味です。

PERが低いほど、会社の利益という実態と比べて株価が低いので、割安と考えることができます。PERに注目することで、今後評価が上がると考えられる割安株をあぶり出すことができるのです。

一般的には、PERが15倍以下の場合は割安と言われることが多いです。銘柄選びの際は、PERも確認しましょう。証券会社のホームページや会社四季報で簡単に確認することができます。

②PBR(株価純資産倍率)をチェック

PBRは、株価を1株あたりの純資産で割ったもの。企業が持っている純資産を、株価がどれくらい上回っているかを示す指標です。

PBRが低い銘柄ほど、割安と考えることができます。反対に、PBRが大きい企業は純資産を大きく上回って評価された株価となっているため、割高の可能性があります。

黒字の企業の場合、PBRが1倍を下回ることは理論上はないと考えられています。割安な銘柄を狙うなら、PBRが1.0〜1.5倍の銘柄を選ぶと良いでしょう。PERと合わせ、PBRも割安な銘柄選びの参考にしてみてください。

③分散投資でリスク管理

中級者にもなると、銘柄選びにも自信がついてきたのではないでしょうか。これぞと考えた銘柄への投資は良いのですが、リスク管理も忘れないでください。

投資において最も重要なリスク管理は「分散投資」をすることです。分散投資とは、さまざまな銘柄を購入すること。思惑に反して、1つの企業の株価が急落したとしても、さまざまな銘柄のうちの1つであれば、資産への打撃はあまり大きくありません。

一方、自分で選んだ銘柄を信じすぎるあまり、1つの銘柄に全ての資産を投入する「集中投資」はおすすめできません。これでは、その企業が不祥事などを起こした瞬間に株価が下落し、資産が減ってしまいます。

選んだ銘柄に自信を持つことと、リスク管理を徹底することは両立します。銘柄は複数選び、分散投資を行いましょう。

上級者も油断は禁物!利回りを上げるための銘柄選び方法

上級者ともなれば、企業の業績を財務諸表から読み取ったり、株価チャートから市場の動きを把握したりできるようになってくるでしょう。業績などのデータに表れにくい、次の2点に注目してみてはいかがでしょうか?

  • 連続増配株を保有する
  • 企業理念に共感できるか

①連続増配株を保有する

利回りを上げるには、高配当株が欠かせません。しかし、ここで注目したいのは連続増配株です。過去数年または数十年にわたって配当を増やしている企業の株式を、「連続増配株」と言います。

配当は企業から株主への利益の還元なので、連続で増配している企業は株主への還元を重視していると言うことになります。今後も積極的に増配してくれる企業なのではないか、と予測を立てることができます。

連続増配株に投資をすると、元本は変わらないのに配当が増えるので、必然的に利回りも上がります。高利回りを追求するなら、連続増配株は欠かせません。会社四季報などで過去の配当を調べ、増配している銘柄を探してみてください。

②企業理念に共感できるか

企業のホームページには、投資家向けの資料や商品紹介以外にもさまざまなコンテンツがあります。特に社長のメッセージや企業理念では、その会社の社会的使命が熱く語られています。

株主とは、本来は企業のオーナーの1人となり、企業とともにより良い経営を目指す一員です。株価チャートと向き合っていると、このことを忘れ、無茶な取引に手を出してしまうといったことも。

投資とは企業が仕事を通じて社会に貢献するための出資なので、企業と共に歩む楽しみを探してみてはいかがでしょうか。

投資目的別に銘柄を選ぶ方法

初心者でも上級者でも、株式投資のことを熱心に調べれば調べるほど、様々な投資法が出てきて混乱することがあるでしょう。例えば、米国株、新興国株、IPOなどです。

一般的には国内株から投資を始める方が多いのですが、どのような株式から投資を始めても構いません。銘柄選びは上述の内容が当てはまるので、以下で説明する株式への投資の際も、この記事を参考にしてみてくださいね。

米国株

米国の取引所に上場している株式のことです。日本よりも銘柄数が多く、また連続増配株が多いのが魅力。グーグルやアップルなど、世界的に有名な企業に投資することもできます。ドル建てで購入するので円をドルに両替する手間がかかるのがデメリット。

米国株は日本人投資家、特に初心者の方に敬遠される傾向がありますが、実は投資初心者ほど米国向け投資がおすすめです。米国株は日本株と比べて、大企業であっても高成長(売上・営利10%以上成長など)するものが多いため、実は国内の株式よりも将来予測がしやすいというメリットがあります。

新興国株

中国やインド、ロシア、ブラジルなどの成長性が高い新興国の株式のことです。中国の株式は日本の証券会社で購入することができるので、日本の投資家にとっても始めやすくなっています。その他の国には、ETF(上場信託投信)を介して投資をするのが一般的です。

IPO

未上場の企業が初めて取引所に上場するとき、公開する株式のことです。Initial Public Offeringの略で、日本語では「新規公開株」と呼ばれています。上場後に値上がりすることが多く、利益が出やすいため、IPOを専門に狙う投資家もいるほどです。

銘柄選びの次は「証券会社選び」にチャレンジ!

初心者から上級者まで、既に投資を行っている方は、証券会社の口座を開設していることでしょう。その証券会社は、どのようにして選びましたか?

証券会社によって、取扱商品や手数料の体系、取引ツールの使いやすさなどが異なります。今使っている証券会社よりも使いやすい証券会社が無いか、探してみるのも良いでしょう。

まとめ

株式投資における、初心者から上級者までの銘柄選びについて解説しました。どの段階でも、ネットの掲示板を盲信したり、自分を過信したりせず、冷静な分析をするのが重要です。

米国株やIPOなどさまざまな投資先がありますが、どんな場合でも銘柄選びの基本は同じです。常勝投資家を目指し、ステップアップしていきましょう。

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