FXのショートってなに?下落相場でも利益を出せるとっておきのトレード手法を徹底解説!

 

Man
FXでショートって聞くけど、いったい何のことを言っているの?

こんな気持ちを持っていませんか?

FX取引のショートは、下落相場でも利益を出せるちょっと変わったトレード方法です。うまく活用することで、不景気の時にこそ大きな利益を出すことができます。しかし、始めたばかりの初心者の方だと、ショートがどのような取引手法なのかわからないことも多いでしょう。ショートの仕組みを理解しておくことは、FX取引を行ううえで非常に重要なポイントの1つです。

そこで今回の記事では、FXのショートとはどのようなものかを初心者向けにわかりやすく解説します。具体的には、下落相場でも利益を出せる点や、暴落によって多くの億万長者が生まれた実際にあった話をなどを中心に、ショートのメリットやデメリットを見ていきます。

FXのショートってなに?

まずは、FXにおけるショートの仕組みをまずは確認していきましょう。ショートの仕組みは、FX取引独自の決済方法とも深いつながりがあります。その仕組みを理解することで、FX取引全体への理解も深めることができます。

抑えておきたい「差金決済」の仕組み

FXのショートを理解するために、必ず抑えておきたいのが「差金決済」の仕組みです。差金決済とは、FXで採用されている取引の仕組みのことを指しています。FX取引では、実際に通貨のやり取りは行われず、取引の結果として発生した差額のみを決済します。わかりやすくなるように、具体例で確認してみましょう。

たとえば、1ドル110円の時に1ドルを購入したとします。そして、1ドル111円になった時に、その1ドルを売却しました。この場合の計算式は、「111円(1ドルの売却価格)-  110円(1ドルの購入価格)=1円(取引利益)」となり、1円の利益が発生したことになります。差金決済ではこの場合、差額として発生した1円のみがやり取りされることになり、実際にはドルや円はやり取りされません。

これを聞いただけでは、どういった意味があるかわからないでしょう。しかし、この仕組みはショート取引を行う上で非常に重要なポイントです。必ず覚えておくようにしましょう。

FXショートの仕組み

ここからは、先ほどの差金決済の仕組みを踏まえてFXのショートの仕組みを見ていきましょう。ショートでは、実際には保有しない資産を売却したと仮定して、後ほど買い戻しを行うことで利益を出します。これではわかりづらいと思うので、具体例で確認してみましょう。

たとえば、1ドル110円の時に1ドルをショートしたとします。この1ドルは本来持っていないものなので、必ず買い戻しを行う必要があります。自分の手元には、1ドルをショートして手に入れた110円が残っている状態です。そして、1ドル109円になった時に手元にあった110円を使って、その1ドルを買い戻しました。この場合の計算式は、「110円(1ドルのショート価格)-  109円(1ドルの買い戻し価格)=1円(取引利益)」となり、1円の利益が発生したことになるのです。

ちょっと不思議に感じるかもしれませんが、このようにショートを使うことで価格が下がった時にでも利益を出すことができます。実際には保有していないものを売ったと仮定することができるのは、差金決済のような結果のみを決済する方式が使われていることが要因となっています。また、ショートは実際には保有していない資産を売却することにちなんで、日本語で訳すと「空売り」と呼ばれます。この呼び方の方が馴染みが深い方も多いかもしれませんね。


FXのショートのメリット

ショートの仕組みがわかったところで、具体的なメリットをみていきましょう。メリットをしっかりと把握しておくことで、自分の取引にも大いに役立てることができます。

価格の下落でも利益を出せる

一般的に投資と考えると、価格が上昇した時に利益を出せると考えますよね。しかし、ショートであれば価格が下落した時にでも利益を出すことができます。景気は波があり、良い時もあれば悪い時もあります。FXでは法定通貨を取引で利用するため、価格はその国の情勢や景気動向に大きな影響を受けます。仮に景気が悪く、通貨の価格が下落するのであれば、ショートを利用することで利益を出すことができるのです。

取引機会が増える

下落相場で利益を出せるショートのメリットは、取引機会の増加にもつながります。もし、価格が上昇したタイミングでしか利益を出せないのであれば、トレードに参加できるタイミングも少なくなるでしょう。しかし、価格が下落したタイミングでも利益を出すことができるのであれば、トレードに参加できる機会も自ずと増えていきます。

こうしたトレードチャンスの増加は、ショートのメリットとして見逃せない点の1つとなっているのです。

両建て取引ができる

FXではショートの特性を使った、両建て取引があります。これは、同じ銘柄を同じ価格分、買い(ロング)と売り(ショート)2つ保有するというものです。何の意味があるのと疑問に感じるかもしれませんね。

両建て取引をするメリットは、価格の変動に合わせてトレードを柔軟に対応できるという点があります。たとえば、両建てでポジションを保有したタイミングで、その後価格が下落したとしましょう。この場合、ショートのポジションは利益が出ていますが、ロングのポジションは損失となります。そこで、ロングのポジションを決済して損失を確定させ、流れに乗ったショートポジションだけ生かしておくのです。これによって、トレンドの波に乗った取引をすることができるのです。

予想が外れて価格が反対方向に移動したとしても、逆のポジションを決済することで利益が出ているポジションだけ残し、そのまま利益を出し続けさせるというのが両建ての考え方です。初心者の方だと少し難しいかもしれないので、取引に慣れてきたらぜひチャレンジしてみてくださいね。

FXのショートのデメリット

ショートには、ここまで確認したような素晴らしいメリットが存在します。いっぽうで、ショートにはメリットと同じくらいのデメリットも存在しています。ここからは、ショートが持っている具体的なデメリットを確認していきましょう。

大きな損失を受ける可能性もある

ショートだけでなく、FX取引にはレバレッジという仕組みが使われています。これは自己資金に対して、数倍や数十倍といった大きな倍率を適用することで、本来持っている以上のお金を使って取引できるという仕組みです。レバレッジは英語で「てこ」の意味を持っており、てこの原理をイメージするとわかりやすいでしょう。具体例でその危険性を確認していきましょう。

たとえば、10万円の資金を持っていたとして、レバレッジ10倍で取引をするとしたら、100万円の資金を使ってFX取引ができます。100万円の資金であれば大きな利益を狙うこともできるでしょう。実際に10%価格が上昇すれば10万円の利益を出すことができます。いっぽうで、10%予想に反して価格が下落したらどうでしょうか。この場合、10万円の損失が発生してしまいます。本来持っている資金は10万円なので、損失で自己資金がすべてなくなってしまいます。

これはショートにおいても同じことです。価格が下落すると見込んでいたが、その後上昇した場合には、損失になります。上記の例でいえば、ちょうど自分の自己資金が0になるところで決済できていますが、自己資金以上の損失が出てしまう可能性もあるのです。

このように、ショートの取引には大きな損失を受けてしまうリスクもあります。取引をする際には、十分に注意して取り組むことを心がけましょう。

中長期のトレンド転換には注意しよう!

FXにおけるチャートには、波が存在します。上昇し続けるということもなければ、下落し続けるということもありません。つまり、必ずどちらかの方向に振れるようになっています。こうした振れ幅は常に一定というわけではなく、大きく揺れ動くこともあれば、まったく動かないこともあります。

ここで注意しておきたいのが、中長期のトレンド転換のタイミングです。短期的には価格が下落するタイミングでも、中長期で考えると上昇するタイミングであったということは、FX取引では多々あります。こうした場合にポジションを持ってしまうと、大きな損失を受けるリスクがあります。短期的なトレンドの転換点より、中長期のトレンドの転換点の方が価格の振れ幅が大きいのです。

このように、FXでショートをする際には、中長期のトレンド転換に巻き込まれて大きなリスクを受ける可能性があります。そのため、短期的なトレンドだけでなく中長期のトレンドも確認してからポジションを持つようにしましょう。


大不況こそチャンス?ショートで億万長者になった映画化もされた有名な話

続いて、過去の例からショートで大きくも儲けるための秘訣をみていきましょう。投資の世界では、暴落や大不況の時にこそ多くの億万長者が生まれると言われています。今回はその実例の中でも、「マネーショート」など映画化され特に有名になったリーマンショックの例をみていきましょう。

そもそもリーマンショックとは?

リーマンショックをざっくりいうと、アメリカで起こった住宅バブルとその崩壊によって、世界的な大不況が発生した事件です。具体的には、住宅ローンの焦付きで「リーマンブラザーズ」という投資銀行が破綻したことが、この事件の引き金となっています。これによって、アメリカでは多くの人が住宅を失い、失業率も過去最高水準に、その影響はアメリカだけでなく世界的に波及しており、日本でも国内の輸出関連の製造業が大きな打撃を受けています。

リーマンショックとサブプライムローン

リーマンショックの原因は、住宅バブルの崩壊です。バブル当時は、低所得者向けの住宅ローンが流行していました。アメリカは移民や貧困層が多い国でも有名です。こうした人たちは、収入が少ないこともあり自分たちの住宅を持つのが難しいのが現状でした。

ここで登場するのがサブプライムローンです。このローンは低所得者向けに開発されたもので、ローンを組んだ住宅そのものを担保にすることで、低所得者でも住宅ローンが組めるようになりました。当たり前といえば当たり前なのですが、当時はこの発明が画期的だと捉えられ、格付け会社の評価も概ね高評価を獲得し、投資家たちから大きな人気を集めました。

また、住宅バブルによって住宅価格は上昇を続けていたことから、多くの人が家を購入しました。というのも、仮に家を使わなくなったとしても、価格が上昇しているのであれば、購入後に売っても利益が出るという考え方をしていたからです。普通は1人に対して1軒の家があれば十分ですよね。しかし当時は、こうした流れもあったことから複数の家を持つ人も数多く存在していたのです。しかも、その複数の家の所有者の中には、収入が不安定な移民層や低所得者層も含まれていました。

客観的な事実を捉えていけば当たり前ですが、ローンの支払いは徐々に焦付き始めて行きます。いっぽう、それに反して住宅価格は上昇を続けていったのです。明らかな異常事態でしたが、「住宅市場は安定している」と誰もが考えて疑いませんでした。

バブルの崩壊を感じとった投資家が空前絶後のショートを仕掛ける

医学博士であり、アメリカのヘッジファンド「サイオン・キャピタル」創設者のマイケル・バーリ氏は、この住宅バブルの崩壊を予見していました。住宅市場は実際の価値が伴っていない、まやかしの市場だと見抜いたのです。そして、住宅ローンの崩壊に対して、数十億ドルの空売りを仕掛けたのです。

当時は住宅ローンをまとめて1つの商品にすることで、リスクケアをした商品が流行していました。バーリ氏はこの商品の債権が不履行になった場合の保険商品、いわゆるCDSを提案しモルガンスタンレーなどの大手銀行に持ちかけます。つまり、住宅市場が崩壊すればバーリ氏が儲かり、破綻しなければ数千万ドルの莫大な保険料を支払い続けるという内容のものです。

最終的にこの賭けはバーリ氏の勝利となります。これによって、「サイオン・キャピタル」は数兆円もの利益を得たとされており、リーマンショックの崩壊でさらなる富を気づいたとして一躍時の人になりました。この話は映画「マネー・ショート」で取り上げられているので、気になる方はぜひ見てみてくださいね。

バブルを見極めることであなたも億万長者になれるかも?

この話からわかることは、バブルを見極めることであなたにもショートで大儲けできるチャンスがあるかもしれないという点です。バーリ氏は過去の住宅バブルの例から、住宅市場の加熱相場を見抜きバブルが崩壊する方へ賭けました。ここ最近の例でいえば、仮想通貨なんかがその良い例ですね。実際の実需がない状態で、いっぽう的に価格だけ上がり続けている商品というのは、バブルの可能性が大きいです。

バブルの崩壊はものすごい速度で起こります。たった数日で数十パーセント以上の下落が起こるのです。FX取引では、こうした下落は稀にみる変動幅であり、高レバレッジでショートに参加していれば、間違いなく大儲けできます。

バブル自体は10年間に一度何かのバブルが起こる程度で、頻繁に発生するものではありません。しかし、これからも必ず何かのバブルは起こるはずです。そのタイミングを逃さないように、あなたもしっかりとチャンスを見極めてショートで参加すると良いでしょう。

バブルの見極めに使える材料

補足として、バブルの見極めに使える判断材料も紹介しておきます。よくいわれるのが、投資にまったく興味のない人が、「なになには儲かる!」と言ってきた時が、バブルの絶頂だといわれています。

有名な話で、アメリカのケネディ大統領のお父さんの話があります。同氏は投資家として活躍していた著名な人物でした。ある時、街で少年に靴を磨いてもらっていた時に、その少年から「おじさん!株は儲かるらしいよ!今度僕も買うんだ!」といわれたことで、危険を察知したケネディはその後自分が持っている株をすべて売却したといわれています。

このように、靴磨きの少年のような投資に興味のなさそうな人ですら儲かると言ってきたら、バブルの崩壊は間近です。ぜひあなたの判断材料に活用してくださいね。

まとめ

以上、FXのショートについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。FXのショートは下落相場でも利益を出せる、とっておきの取引方法です。現物取引では使うことができないため、非常に重宝する手段です。また、実際にリーマンショックの例もありますが、暴落によって億万長者を生み出している点も、見逃せません。

取引に慣れないうちは、ショートの使い方もわからないでしょうが、実際にやってみると取引の幅も広がって、利益を獲得できるチャンスが非常に広がります。みなさんも、ぜひこの記事を参考にショートを実践してみてくださいね。

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