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こんな気持ちを持っていませんか?
FX取引はレバレッジの仕組みを使い、自己資金よりも大きな金額を使ってトレードできる点が特徴です。いっぽうで、その性質上想像以上に大きな金額を損失として計上してしまうこともあります。この場合、自分が持っている資金では補填しきれない、つまりは借金を背負ってしまう可能性があるのです。
こうした大損の経験談を把握しておくことは、自分が同じような境遇に陥らないためにも非常に重要です。この記事では、FXに関連して大損したという経験談を紹介していきます。また、大損した経験談を踏まえて、どうすれば同じような失敗をせずに済むかも合わせて検証していきたいと思います。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
FX取引の大損経験談
まずは、FX取引の大損経験談を具体的な例で見ていきましょう。これらの経験談を踏まえたうえで、後ほど大損しないようにするためには、どんなことに気をつければ良いのかを一緒に考えていきましょう。
FX億トレーダー ぶせな氏の例
FXで億単位の資産を築き上げたネット上でも著名な人物の1人である、FXトレーダーのぶせな氏。なんと同氏も、過去に数千万円単位での損失を出したことがあるようです。同氏のFX失敗談は、リーマンショック時のトレードによるものだそうです。
そもそもリーマンショックって?
しかし、住宅市場の崩壊によって、ローンの焦げ付きが多発してきました。結局、住宅価格はその後急速に暴落し、バブルの崩壊によって多くの人が家を失う事態になってしまったのです。それと合わせて、サブプライムローンやCDSを扱っていた金融機関は大きな損失を出し、誰もが潰れるはずのないと思っていたリーマンブラザーズも倒産してしまいました。
ドルの大幅な下落によって損失を大きな計上
もちろん、このリーマンブラザーズはドルの信用不安にもつながります。為替の相場というのは、法定通貨を扱うという特性上、そこまで大きな下落は引き起こりません。しかし、リーマンショックによって、ドル円の相場は3ヶ月でなんと17円と10%以上と大きく下落しました。
しかし、一向に損失が戻らないこともあり、焦った結果ナンピン(損失が出た時にさらに大きな金額で買い増しすること)を行ってしまい、これによって結果大きな損失を計上してしまったようです。リーマンショック+ナンピンという恐怖のコンボが成立した、FXの非常に勉強になる失敗談といえるでしょう。
億単位の資産を築き上げた優秀なトレーダーでも、こうした失敗を経験しているのです。
貯金3億円男★大先生【FX億トレーダー】の例
一時期ツイッター界隈で有名になった、貯金3億円男さんの失敗談も見ていきましょう。
AUDとNZD+日銀施策で年間損失6億円を計上
貯金3億円男さんは、2016年だけでなんと6億円の損失を計上していたようです。NZDとAUDで大幅な損失を計上し、そこにさらに日銀施策が加わったことで、たった一度の取引でプラス数千万円からマイナス4,000万円の損失を計上しています。この損失を含めると、2016年だけで同氏は6億円というとてつもない損失を計上しています。
なぜ大きな損失が出たのか
同氏はトレードの様子をツイッターで投稿していました。この様子をみる限りだと、先ほどのぶせな氏のトレードと同じように、損切りせずにトレンドが底を打ったと考え、ナンピンで買い増しを行っています。
その後、ツイッターの更新も行っていないようで、現在の状況が非常に気になります。
FXで大損をしないためのポイント
ここまで、大きなFXの失敗談を見てきました、ここからは、具体的にどのように取り組めばこうした失敗を避けることができるのか、2つの失敗談の共通点などをもとに確認していきましょう。
両者に共通するのは損切りができなかったこと
今回紹介した失敗談に共通する点として、どちらも損切りすることができなかったという点が挙げられます。正しいタイミングで損切りができていれば、ここまで大きな損失にはつながらなかったはずです。しかし、どちらの失敗談もそれをためらってしまったことで、結果として大きな損失を出してしまっています。
なぜ損切りできなかったのか
それではなぜ損切りすることができなかったのでしょう。これもどちらにも共通する点ですが、「どこかのタイミングで底をうち、トレンド転換する」と考えていた点が挙げられます。これは全く間違った考え方ではありません。FXのチャートは、常に変動しており、下がり続けることもなければ、上がり続けることもありません。
仮に底を打ってトレンドが転換したとしても、あなたがポジションを持ったところまで価格が回復する保証はいっさいありません。回復しなければ、損失は増えていくいっぽうです。あなたは損をした分を取り戻そうと、トレンドがさらに回復するのを待ちます。しかし、価格はあなたが望む水準に達する前にふたたび下落を始めます。
リーマンショック後のドル価格は10年以上をかけてようやく回復した
こうした事態を防ぐために必要なのは、価格がどこかのタイミングで底を打って、トレンドが戻ってくるという考え方を捨てることです。実際にぶせな氏の例で考えると、リーマンショック後のアメリカドルの価格水準に戻るまでには、なんと10年以上も時間がかかっています。しかも、その価格はリーマンショック時の水準と同じというだけで、未だに超えていません。
さらにいうと、いつか戻ると考えていてもその時間がどれくらいなのかは誰にもわかりません。もう戻ってこないかもしれません。こうした点からも、価格が底を打つのを待つという意識は捨てて、損切りを早いタイミングですることは、FX取引において失敗しないために非常に重要なポイントだといえるでしょう。
どちらもナンピンで損失をカバーしようとした
また、今回の失敗談に共通する例として、どちらもナンピンで損失をカバーしようとした点が挙げられます。ナンピンは損失が発生した時に行うトレード手法のことで、ポジションを保有した金額よりも、さらに大きな金額で買い増しを行うことで、損失をカバーしようというトレード手法のことです。
ナンピンのトレード手法は、損失が発生した時に大きな効果が得られるとして証明されています。しかし、価格の下落が底を打たず止まらなければ、さらに大きな損失が上乗せされるという大きなリスクも同時に持っています。しかもその損失額は、本来発生するはずの損失よりも大きな金額です。
なぜナンピンをしようとしたのか
それではなぜ、ナンピンをしようとしたのでしょうか。これも意識の持ち方に原因があるといえます。損失が増えてくると、どんな人でもその損失を食い止めようと思い、感情的になってトレードの金額を増やしてしまいます。これによって、損失はさらに大きくなることは明白です。
いっぽうで、投資において感情的になるということは、冷静な判断を失うことにつながります。トレードのタイミングも本来のタイミングではなくなり、客観的にみれば無謀なトレードを正しいトレードとして捉えるようになってしまうのです。その結果として、大きな損失を出すことに繋がるのです。
失敗しないために必要な3つのこと
これらの失敗談の検証からどうすれば失敗しないのか、以下の3つのポイントが浮かび上がってきます。
FXで失敗しないための3つのポイント
①損切りを徹底的に行うこと
②ナンピンをしないこと
③常に冷静さを持っていること
上記の内容だけ見てみると、いっけんするととても簡単なことのように感じますね。おそらくですが、FXを始めたばかりの素人の人でもわかる内容です。
FXでは難しいチャートのインジケーターなどが、頻繁に出てきます。実際にこうした指標を使い、トレードを行っている人も数多くいるはずです。いっぽうで、失敗談から学べるポイントは非常にシンプルです。それにもかかわらず、ほとんどのトレーダーが勝つことができず、勝ち越しているトレーダーは全体の数パーセントとごく少数に止まっています。
つまり、「FXで失敗しない=FXで勝つために必要なこと」は、「誰にでも理解できる簡単なことであり、もっとも実践するのが難しいことである」という結論になるでしょう。
失敗しないために知っておきたいFXの基礎知識
ここまでで、FX取引でどうすれば失敗せずに取り組むことができるのかを見てきました。結論はとてもシンプルでしたね。しかし、シンプルなだけに実践するのが難しいということでしょう。
ここからは、ここまでの内容を踏まえて、FX取引で失敗しないために知っておきたい基礎的な知識も復習しておきましょう。
レバレッジの仕組みを正しく理解しよう
FXではレバレッジの仕組みも必ず抑えておきたいポイントです。レバレッジは、自己資金に対して数倍、数十倍といった大きな金額を取引できるようにするための仕組みです。
また、失敗談でも明らかなように、ハイレバレッジの取引はリターンとリスクの関係で大きなハブとなります。どれくらいのレバレッジがハイレバレッジになるのかは、個人差がもちろんありますが、できる限り低いレバレッジで取引をすることが失敗しないためには非常に重要です。
失敗談でも学んだように、失敗しないために大切なことはメンタルコントロールです。レバレッジの仕組みは単純な金額のかけ算ではありません。倍率に合わせて、自分自身の感情の振れ幅も掛け算されます。つまり、自分自身のメンタルにも大きな影響を及ぼす存在です。
こうした点からも、レバレッジのメリットだけでなく、失敗しない時のデメリットも常に正確に把握しておけるようにしましょう。正しい理解に務めることで、あなたの運用益をプラスに導いてくれるはずです。
スワップポイントに騙されない
スワップポイントとは、そのポジションを保有していることで受け取ることができる金利のことを指しています。2018年〜2019年にかけて、このスワップポイントにつられてしまい大きな損失を出してしまったという方が、ツイッター上などで多く見かけることがあります。
スワップポイントが高い時には、なぜ高いのかをまず考えるようにしましょう。スワップポイントが高いもっとも大きな理由は、そこまで金利をあげないと欲しがる人がいないからという点があります。最近でいえば、トルコリラがあります。
トルコリラはトルコの中央銀行が金利の引き上げを行っています。その金利はなんと28%です。日本の金利なんでせいぜい数%程度なので、どれほど高いかよくわかるでしょう。いっぽうで、その異常なまでの水準は、トルコリラが非常に危険な状態にあることも示しています。
こうした点からも、高いスワップポイントには十分に気をつけましょう。2019年現在ではアルゼンチンのペソや、ベネズエラなんかも危険です。通貨危機が起こっている国では、異常なまでのハイパーインフレーションに見舞われており、自国の通貨が機能しなくなってきています。
どれほど大金を持っていても、明日にはその価値がほとんどなくなってしまうなんてことは、普通に考えればありえないはずです。日本のような先進国でいえば特にです。しかし、発展途上国などでは頻繁に起こることであり、十分に注意しておく必要があります。
まとめ
以上、FX取引の失敗談について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。今回紹介したように、一流の投資家ですら過去に大きな失敗を経験しています。逆にいうと、こうした失敗を重ねてきたからこそ、今大きな成功を遂げているといえるでしょう。
そのため、私たちがこうした失敗をする必要はないとは言い切れません。実際に身を持って体験することで学ぶこともあるはずです。いっぽうで、あなたが冷静なトレードを意識して取り組めるのであれば、こうした失敗から学び、同じ失敗を繰り返さないようにすることもできます。
常に客観的な視点を持つこと、感情的にならずに機械的にトレードを積み重ねることができれば、あなたのFXライフはより有意義なものになってくれることでしょう。ぜひこの記事を参考にして、実際のトレードに役立ててみてくださいね。