【不動産投資】アパート経営に無料で使えるインターネットを導入するメリットと開通方法

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不動産投資でアパート経営を行う場合、入居率や空室率が、その成功の大きなカギを握るといっても過言ではありません。それらの数字が少し低くてお困りの方は、今回紹介する「インターネット導入」をご検討してみてはいかがでしょうか。

「インターネットが無料で使える物件」は、単身者向け物件でもファミリー向け物件でも、「メリットを感じる条件」で1位に選べれるほど人気が高いです。そのため、ネット導入は入居率の向上、および空室率の下落において大きな力を発揮します。

今回は、アパート経営におけるインターネット導入について詳しくお伝えしていきます。

不動産投資のアパート経営には「インターネット導入」が有利!

不動産投資でアパートを借りて運営する場合、「入居者が無料で利用できるインターネット設備」があると、それだけで戦略的に有利となります。入居者の立場で考えてみれば、新しく引っ越した新居にネットを開通したり、プロバイダーに工事を依頼する、毎月の通信費がかかるなど、手間やコストの面で何かと不便です。

そこで、その不動産の家主として、以下のような強みを打ち出せば入居者が増えることは想像に難くありません。

  • 「うちのアパート(マンション)ではインターネットが無料で使えます」
  • 「無線Wi-Fi設備なので、面倒な開通工事も手続きも不要です」

私なら、こうしたアパートやマンションがあれば、多少家賃が高くなっても入居したいと考えます。月々の通信費は家賃に上乗せされるかもしれませんが、新居に引っ越して何の手続きもせずにインターネットが使えるだけでも、入居者として大きなメリットを感じるからです。

インターネット無料の物件は入居者の人気も高い!

アパートやマンションなど、インターネットが無料で使える、工事や手続きなども必要ないという条件は、全国どこの不動産でも入居者から人気が高い特徴があります。この事実はデータにもしっかりと表れており、毎年アパートやマンションの入居者に聞き取り調査を行う全国賃貸住宅新聞は、人気の設備ランキングを発表しています。2018年の結果を見てみると、以下表の通り、やはりネット無料という強さが光ります。

単身者向け物件 ファミリー向け物件
1位
→ 前回1位
インターネット
無料
1位
→ 前回1位
インターネット
無料
2位
↑ 前回3位
宅配ボックス 2位
↑ 前回3位
追い炊き機能
3位
↓ 前回2位
エントランスの
オートロック
3位
↓ 前回2位
エントランスの
オートロック
4位
↑ 前回圏外
備え付け
家具・家電
4位
→ 前回4位
宅配ボックス
5位
→ 前回5位
浴室換気乾燥機 5位
→ 前回5位
システムキッチン
6位
↓ 前回4位
ホーム
セキュリティー
6位
→ 前回6位
ホーム
セキュリティー
7位
→ 前回7位
独立洗面化粧台 7位
↑ 前回8位
ガレージ
8位
↑ 前回9位
防犯カメラ 8位
↑ 前回9位
ウォークイン
クローゼット
8位
↓ 前回5位
ウォークイン
クローゼット
9位
↓ 前回7位
浴室換気乾燥機
10位
↓ 前回9位
システムキッチン 10位
↑ 前回圏外
太陽光パネル
(入居者個別売電)

(出典:全国賃貸住宅新聞(2018年10月15日号))

インターネットが無料で利用できることにメリットを感じるのは、単身者向けでは4年連続、ファミリー向けでは3年連続で1位に輝いています。それだけ入居者にとって嬉しいサービスということです。

もちろん、多くの入居者は、毎月の通信費の一部(2,000~3,000円ほど)が家賃に上乗せされることを知っています。一方で、「無料」という言葉のインパクトは強く、少しでも家計にお得になることは積極的に取り入れるハングリーな消費者事情が伺えるでしょう。

仮に、郊外や人気の少ない地域に物件を保有する場合でも、インターネットが無料で使えるという利点でその不利を十分に覆せるということです。

無線Wi-Fiが人気|有線より無線の時代

マンションやアパートにおいて、一昔前であれば部屋にネット回線の工事を行い、有線を繋げてもらうことが当たり前でした。しかし、昨今ではWi-Fiなど無線ネット回線が普及し、マンション居住者の6割以上が無線サービスを利用しています。

マンション向けにネットサービスを運営する株式会社つなぐネットコミュニケーションズは、2013年10月4日~7日にかけて、マンション居住者の無線ネットサービスの利用状況を調査しました。その結果、無線LAN(Wi-Fi)を利用している人は全体の61.3%にのぼり、ユーザーの多くが便利な無線へとシフトしている状況が伺えます。

(参考:つなぐネットコミュニケーションズ、2013年10月4日~7日調査、有効回答数2,692、インターネット調査

上記の調査は少し古いデータですが、今ではスマホのテザリングも当たり前のように利用されているので、無線LANを利用するユーザー数はさらに上昇していることが予想できるでしょう。

無線でインターネットを利用するメリットは工事が要らないということです。不動産投資でアパート経営する方にとってみれば、1万円以上の工事費を浮かすことや、工事の申し込みや手続きに要する時間も節約できることになります。

また、通信コストも有線より無線LANが安くなることが多く、通信費を反映する家賃を安くできるなど、より入居者を集めやすくなるはずです。

アパート経営にインターネットを導入する3つのメリット

アパート経営にインターネットを導入する、一見すると、不動産を所有する家主(投資家)に不利に働くようにも感じます。しかし、入居者に対して「無料でネットが使える」というベネフィットを提示することで、実は家主にとっても大きなメリットがあるのです。

ここでは次の3つのメリットをお伝えしています。

  • 入居率が安定しやすい
  • 通信費を賃料に上乗せし利回りが良くなる可能性も
  • 郊外や地方物件などの不利を和らげることができる

以下で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。

入居率が安定しやすい

マンションやアパートに無料で利用できるインターネットを導入する目的は、入居率が高くなったり、または安定するというメリットがもっとも大きいでしょう。先ほども紹介しましたが、入居者は「インターネットが無料」ということに大きな利点を感じています。

しかし、インターネットを導入しているマンションやアパートの数はそれほど多くはありません。そのため、あえて「ネット無料」というサービスを打ち出すことで、あなたの物件独自の「強み」へと生まれ変わるのです。

入居者に人気となることで、当然ですが入居率が上がります。

「インターネットが無料で利用できるなら、多少家賃が高くなってもこの物件を選ぼう!」

ユーザーがこのように感じる可能性が高くなるということです。

特に、若者に人気の高い都市圏や駅周辺の地域、ショッピングエリアが近い便利な住宅地など、そうした地域でインターネットを導入すれば、そのメリットが究極まで高まるといっても過言ではありません。インターネットを無料で利用できるベネフィットは、やはり通信端末を使うことに慣れた若者ほど強く感じるからです。

こうした利用者のベネフィットを考える場合、実際に自分が無料ネット環境にある住宅に住んでみたことをイメージしてみると良いでしょう。有線であれ無線であれ、インターネットを開通するためには月々4,000~5,000円程度の費用が必要です。一方で、その通信費の半分(2,000~2,500円)程度が家賃に上乗せされようとも、利用者は「無料」という言葉に敏感になりますよね。また、工事の手続きも要らないという利点も強調されます。

入居者が少なくて困っているという投資家の方は、ご自身の物件にインターネットを導入してみてはいかがでしょうか。

通信費を賃料に上乗せし利回りが良くなる可能性も

マンションやアパートの家賃は家主が自由に決められるので、月々のネット通信費に必要な4,000~5,000円をそのまま家賃に上乗せすることも可能です。しかし、全額をユーザー(入居者)に負担させるのはおすすめしません。それだと、入居者があまりメリットを感じにくくなってしまうからです。

月々の通信費は50%ぐらいを家賃に上乗せすることが一般的と言えます。おおよそ2,000~2,500円が家賃に上乗せされますが、その程度の金額であれば、周辺の競合物件より値段が高くても入居率は高くなるはずです。入居者はネット通信料が家賃に上乗せされることを知っており、2,000円前後の家賃上昇であれば、「無料(正確には無料ではないのですが)でインターネットを使える」という利点の方が上回ります。

家主にとってみれば家賃収入の上昇に繋がるため、通常よりも利回りが高くなるというメリットもあるのです。また、長期的に見た場合でも、物件の資産価値低下による「家賃値下げ」を行わずとも、「ネット無料」という利点だけで家賃の維持が可能となります。

郊外や地方物件などの不利を和らげることができる

駅前やショッピングエリアに近い、交通機関が密集しており便利など、基本的に不動産の需要は都市圏に集中します。反対に、郊外や地方物件、駅から遠い、不便といったところには人が集まりにくい傾向があります。しかし、人気が薄い地域ほど物件や土地をお得な値段で手に入れることができたりなど、不動産投資としては魅力的な面もあることは確かです。

もし郊外や地方物件に投資する場合は、インターネットを導入することで人気を高めることもできます。もともと郊外の地は都市圏の物件より家賃が低く、なおかつ一部屋が広い傾向にあるため、「無料インターネット」という利点と併用することで、価値に共感する多くの人を集められるでしょう。

インターネット設備を導入するコスト・費用はどれくらい?

アパート経営においてインターネット設備を導入するコスト・費用についてお伝えしていきます。仮に、月々の通信費の50%を家賃に上乗せする場合、残りの50%は家主が負担しなければなりません。また、有線LANであれば工事代金も発生します。

こうした費用は不動産投資の初期投資額として計算し、計画的なシミュレーションが必要です。以下で詳しいコストを紹介しています。

アパートやマンションにインターネットを導入するコスト

アパートやマンションにインターネット設備を設置する場合、ここから紹介するコストも注意しておきましょう。ただ、マンションの入居者として一部屋分の通信設備を契約する場合と異なり、不動産投資においては「一棟まるごと」などまとめて契約することで、各種費用を抑えることが可能です。

有線の回線を引くか、それとも無線Wi-Fiを利用するかで費用も異なるので、まずは以下の必要経費をご参照ください。

【有線LANのコスト】

  • 初期工事費用(機器設置):10万円前後/棟、もしくは2~3万円前後/戸
  • 保守費用(月額):8,000円前後/棟、もしくは500円前後/戸

【無線LANのコスト】

  • Wi-Fiルーター端末代:3,000円前後/台
  • 保守費用(月額):8,000円前後/棟、もしくは500円前後/戸

無線LANを利用する場合、通信機器を設置する工事費用が要らない代わり、無線ルーターを購入する費用が発生します。そのルーターはのちのち入居者の戸ごとに配るため、入居者が増えるほどコストが高くなるのです。

マンション経営向けの通信サービス会社もあるので、複数社で見積もりしてみることをおすすめします。

保守費用とは?

保守費用とは、主にプロバイダーと契約したときの月額利用料金のことです。毎月必ず発生する固定費となるため、不動産投資のキャッシュフローが悪化しないよう、事前にしっかりと計画を立てておきましょう。

この保守費用は、月々の家賃に上乗せして入居者に請求することもできます。しかし、ご自身の物件が「安さ」を売りにしている場合、少しでも家賃が高くなることで入居率が悪化してしまうリスクも考えられるでしょう。

そうした場合、「インターネット無料」という利点よりも、家賃を下げ、リフォームや修繕などアフターサービスでお得感を打ち出した方が入居者が集まりやすいこともあります。このように、物件の立地環境や周辺の入居者のニーズなどによって、必ずしもインターネットを導入したから入居率が高まるということではありません。

周辺環境など事前にしっかりと調査を行ってから投資を決断してください。

付帯サービスとの同時契約で導入コストを下げることもできる

アパートやマンション向けのインターネット導入サービスを提供しているのは、なにも通信会社ばかりではありません。ほかにもプロパンガスを供給する業者など、提携接続会社と連携してお得な開通サービスを実施していることもあります。

同時契約を行うことで工事費や月々の保守費用を大幅に抑えることも可能ですので、一度ご検討してみてください。

アパートの無料インターネット|導入する手順と具体的方法

アパートやマンションにインターネットを導入する手順や方法をお伝えしていきます。有線LANと無線LANでは少し方法が異なるため、それぞれ別で紹介します。

有線LAN導入の手順

有線LANを導入する場合は通信会社などと契約を結び、各部屋に設置する工事日を決定します。有線の場合は必ずルーターを設置しなければならないため、ルーターから各部屋までLAN配線を行います。アパート経営の場合、おおよそ5~7年程度で契約を結ぶことが多く、途中で解約する場合の「違約金」についても必ず確認しておきましょう。

有線LANのメリット

有線LANのメリットは通信品質が安定しやすいということです。ルーターとパソコンなどの電子機器とはLANケーブルで直接つなげるため、多少ルーターから距離が遠くても電波が悪くなるということはありません。また、混雑時にも安定した速度を保つため、回線品質を気にする入居者が多いときには有線LANが向いています。

有線LANのデメリット

有線LANの配線は、主に既存の電話線用の配管を利用します。そのため、思っていたよりも大規模な工事にはなりません。しかし、各部屋ごとに工事を行いルーターを設置していくため時間がかかります。ある程度時間に余裕のあるときに工事日を予約しましょう。

無線LAN導入の手順

無線LANを導入する場合は、Wi-Fiルーターを複数個購入し、それを入居者に配る方法があります。また、ほかにもアパートの共用部や外壁などにWi-Fi機器を設置し、入居者同士でインターネット回線を共有する方法もあります。

無線ルーターを購入する場合は電源を入れるだけでネット接続ができるため、特別な工事は必要ありません。しかし、共有部分などにWi-Fi設備を導入する際は工事が必要です。ただし、有線LANと比べて一部屋ずつ機器を設置するわけではないので、トータルの工事費は安く済むことが多いといえます。

無線LANのメリット

無線LANを共有部に設置する場合、工事の手間が削減されるため費用が抑えられます。しかし、無線ルーターを購入する場合は工事費が要らない代わり、端末代が高くなることもあるので注意しましょう。

また、共有部分に設置するメリットとして、メンテナンスの手間が省けることがあげられます。トラブルが起こったときも、共有部分の一か所だけを点検すれば済むので、時間効率が高まります。

無線LANのデメリット

無線LANは回線の混雑状況によって大きく通信品質に差が生まれるため、入居者が増えたことで「繋がりにくい」というクレームに繋がる恐れもあります。また、共有部分にWi-Fi設備を設置する場合、接続機器の距離や障害物によって通信品質が悪くなってしまうこともあるでしょう。

無線LANを利用する場合は、事前に通信環境や品質を十分に確認しておく必要があります。

不動産投資のアパート経営インターネット導入まとめ

不動産投資におけるアパート経営のインターネット導入は、入居者にとってもメリットが多く、うまく活用すれば入居率を格段に向上させることができます。月々の通信費は家賃に上乗せすることも可能ですが、「無料インターネット」などと謳うには、家賃が高騰したことによる入居者の離脱にも気をつけなければなりません。

近年ではマンションで無線LANを利用する人が全体の6割を超え、ますますインターネットが身近な存在になりました。当然、インターネットが無料で利用できる物件は、近くの競合物件よりも利点があるため、それだけ不動産投資が有利になるはずです。ただし、コストもしっかりと見極め、本当にメリットがあるか慎重に判断するようにしてください。

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