世界一分かりやすいFXスプレッド講座|【コスト別】FX会社選び

スプレッドはFX会社を選ぶときのチェックポイントの一つです。様々なFX会社のホームページに「スプレッド◯銭」と大きく書かれているのを見てもわかる通り、FX取引においては特に重要視されています。

しかし、FX取引を始めようとしているほとんどの方が「スプレッドって何だろう?」と思ったのではないでしょうか。知らないところで損をしない為にも、スプレッドとはどういうものか、きちんと理解してから取引を始めましょう。

では、FXのスプレッドについて、できるだけ分かりやすく解説していきます。

FXのスプレッドとは?

スプレッドとは、「幅、広さ」という意味の英語です。FX取引では「売り値と買い値の幅」という意味で使われていますが、その幅がFX取引で利用者にかかるコストとなります。

スプレッドは1回の取引ごとにかかり、利用者にとってのコストですが、FX会社にとっては利益です。そのため、スプレッドの幅が狭いほうが利用者の取引にかかるコストが少なくなり、利用者側(投資家)に有利な取引ができるというわけです。

また、通貨ペアごとにスプレッドの幅が違うのは取引量が違うからです。ドル円などの取引量の多い通貨は取引される回数も多いため、スプレッドが狭くてもFX会社は利益がでます。

しかし、取引量の少ない通貨だと取引される回数も少ないので、FX会社が利益を出すためにスプレッドを広くしています。

FXスプレッドの基礎

テレビのニュースでこのような言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

「今日の為替の値動きは1ドル111円50銭から53銭の間で取引されています」

これは1ドルを買うときの値段が111円53銭で、1ドルを売るときの値段が111円50銭だということを意味しています。

この表示方法を「2ウェイプライス」と呼びますが、売買の透明性を向上するために通貨の売り値と買い値を同時に表示するのが習慣となっています。仮にどちらか片方だけの表示だと、少しぐらいごまかされても確認することができませんよね。

同じようにFXの取引画面では通貨ごとに2つのレートが表示されています。利用者から見て売り値がBID(ビッド)、買い値がASK(アスク)ということです。そして、各FX会社で表示されているBID(ビッド)とASK(アスク)の差がスプレッドと呼ばれます。

スプレッドをもう少しわかりやすくお伝えするため、以下をご覧ください。

  • 米/ドル円のレート:「BID 100.000 / ASK 100.003」
  • 100.003円−100.000円=0.003円
  • 1円の1000分の3でスプレッドは0.3銭

多くのFX会社では最低取引単位が1,000通貨か1万通貨です。そのため、実質的な取引手数料は「1,000通貨で3円」「1万通貨で30円」となります。

もしあるレートで買いエントリーをした場合、その時にはもうスプレッド分がマイナスです。そして、同じレートで売り決済をしたとするとスプレッド分の損失が出ることになります。これは売りエントリーをして、同じレートで買い決済をした場合でも同じです。

スプレッド分のコストが通貨ペアを買った瞬間、もしくは売った瞬間にかかってくるということです。

原則固定と変動制の違い

基本的に、参加者が金融機関に限定されるインターバンク市場では、スプレッド幅は常に変動しています。インターバンクレート(銀行間取引レート)を参考にしてスプレッドを設定しているので、相場の状況に応じてスプレッド幅が変動するのが一般的です。

しかし、FX取引利用者からすると、広がったり狭まったりするスプレッドではコストの計算が難しくなります。その上、利用者にとって不利な方へ変動することが多いのです。

そこで、利用者の利便性を考えたFX会社が市場の状況にかかわらずスプレッドを固定して提示するようにしたのが原則固定と呼ばれています。原則固定となっているのは、固定できないような状況もあるからです。

では変動制の場合はというと、市場の状況に応じてスプレッドを提示します。

変動制のスプレッドは取引参加者が多いときは狭く、少ないときは広がりやすくなります。そして、値動きが落ち着いているときは狭く、激しいときは広がりやすくなる仕組みです。

変動制のほうが不利に思えますが、原則固定のスプレッドは、FX会社がカバーできない場合の損失分を見込んで提示していますので、一概にそうとは言えません。取引参加者が多いときや、値動きが落ち着いている場合には変動性のスプレッド幅の方が狭くなることもあるのです。

時間帯や通貨の流通状況を選んで取引するという前提で変動制のFX会社を使ってみてもいいかもしれませんが、相場が大きく動くときはスプレッドも大きく広がってしまいます。

スプレッドが広がる仕組み

スプレッドの幅が広がる条件は、重要経済指標の発表や地震などの大きなイベントが起こったときです。また、取引参加者が極端に少ない状況で、大口の売り買いが入ったときにカバー先の銀行でレートが取れない場合となります。これは相場が急激に変化するためです。

相場が急激に変化するとレートが飛び、チャートに隙間が発生することがあります。たとえば、レートが1ドル=110円を想定しましょう。その時に、なんらかの理由でいきなり1秒後に111円に値上がりすると、強制ロスカットが間に合わない事態も発生するでしょう。

本来であれば、含み損が証拠金を維持できなくなるほど大きくなると、FX会社に強制ロスカットされて取引を終了させられます。しかし、強制ロスカットが間に合わないと口座残高を上回る損失が発生してしまいます。

そうなると利用者は証拠金の不足分を追証(おいしょう)として入金しなければなりません。一時的に借金状態になってしまうためです。FX会社にとっても多くの顧客で追証が発生してしまうと最悪の事態になりかねません。結果としてFX会社が破綻することもあるのです。

そこで、FX会社は最悪の事態を避けるために顧客の損失分を確実に回収しようとします。相場が急激に変化すると最初にスプレッドを広げて、早めに強制ロスカットに届かせるのです。レートが飛ぶ前に強制ロスカットをすれば、口座資金以上の損失がでないというわけです。

一部の顧客は大きな損失を出してしまいますが、FX会社は証拠金を回収できない事態を防ぐためにスプレッドを広げて会社を守ります。

他に、スプレッドが広がる原因には市場の流動性が低い場合があげられます。通貨を取引する人が少ないことや、通貨が流通している量が少ないなどの理由によって売買が成立しづらい状態になるのです。

取引量が少ない場合の例は日本時間の早朝などで、取引する人が少ない例は年末年始やゴールデンウィークなどの多くの人が休暇を取る期間などになります。

スプレッドと手数料の違い

スプレッドはFX取引では必ずかかってくるコストですが、手数料はFX会社によって変わります。ほとんどのFX会社では無料になっていますが、一部のFX会社ではスプレッドに加えて取引ごとに手数料が発生する場合があります。

手数料はスプレッドと違い、「取引数量×FX会社が定める金額」で決められます。

例えば、マネースクエアという会社のドル円では、「1万通貨単位以上の場合で1,000通貨単位当たり30円」となっています。計算した手数料とスプレッドを合わせた金額が実質の取引コストということです。

具体的なスプレッド計算式

米/ドル円のレートが「BID 100.000 / ASK 100.003」のとき、1回の取引単位が1万通貨だとします。

ASKで提示している100.003円で1万通通貨分のドルを買います。

  • 100.003円×10,000=1,000,030円

このレートで今度は、1万通貨分のドルを売って日本円に戻します。BIDで提示している100.000円で1万通貨分のドルを売って日本円に戻します。

  • 10,000×100.000円=1,000,000円

1,000,030円で買った1万ドルを1,000,000円で売ったので30円の損失が出ました。この30円がスプレッド分でコストということです。

取引通貨単位が1万通貨のときのスプレッド計算式は次のようになります。

  • (BID−ASK)×10,000=スプレッド

また、ユーロ/米ドルなどの外貨同士の場合は、上記の計算式で計算したあとに日本円に換算します。計算で出たスプレッドのドルに、米ドル/円のBIDの1ドル100.000円を掛けると、日本円でスプレッドコストが出ます。

FX会社を選ぶときのスプレッドの見方

スプレッドを比較する理由は取引のコストをできるだけ低く抑えたいためです。お金を増やすためにFX取引をするのに、無駄なコストをかけたくありませんよね。

多くのFX会社では原則固定になっていますが、原則固定でも取引数量によってスプレッドが変わるものがあったりするので注意が必要です。

また、FX会社が期間限定でスプレッドの縮小キャンペーンをしている場合もあるのでよく確認して下さい。縮小キャンペーンの期間だけ、その会社を使ってみるのもいいでしょう。

他にも、ドル円は狭いけれども他の通貨ではそうでもない場合や、相場が少し動き出すとスプレッドがすぐに広がる場合などがあります。見るだけでは分からない場合もあるので、少し使って試して下さい。

スプレッドは原則固定がおすすめ

トータルではやはり変動制よりも原則固定のほうが取引コストを抑えることができます

原則固定なので、まったくスプレッドが広がらないわけではありません。しかし、変動制だと相場が大きく動いたときにすぐにスプレッドが広がって余計なコストがかかることになります。

相場が大きく動くときこそチャンスなので、スプレッドは原則固定のFX会社を選びましょう。

スプレッド0.3銭以上のFX会社が理想的

最もメジャーで取引量の多いドル円のスプレッドが業界最狭水準で0.3銭です。ドル円のスプレッドが0.3銭より広いFX会社は、他の通貨のスプレッドも広い傾向にあります。

まず、ドル円のスプレッドが0.3銭より狭いFX会社から選ぶようにしましょう。そしてドル円以外のメジャーな通貨のスプレッドも確認して下さい。

期間が短いほどスプレッドの安さが効く

デイトレードやスキャルピングといった短時間に取引を繰り返す場合は、スプレッドの影響が大きくなります。一回の取引にかかるコストが高い場合と低い場合を比べると、何回も取引をすることでコストの差がかなり違ってきます。

期間の短いトレードを繰り返す人はスプレッドの狭さを特に重要視しましょう。ただ、スキャルピングを禁止しているFX会社もあるので、約款などをよく確認しておかなければなりません。

FX会社のスプレッド比較

FX会社の営業努力によって最近ではどこのFX会社のスプレッドも狭くなり、差があまりなくなってきました。しかし、比べてみるとまだ多少の違いがあることが分かります。

FX会社によっては顧客獲得のために期間限定のキャンペーンでかなり狭いスプレッドを提示していることもあります。業界最狭水準のスプレッドからさらに狭くしているFX会社もあるので、一度使ってみて使いやすければそのまま使い続けるのもいいでしょう。

【主要なFX会社の通貨ペア別スプレッド比較表】(2019年4月5日時点)

FX会社 米ドル/円 ユーロ/円 ポンド/円 豪ドル/円 ユーロ/ドル
DMM FX 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 0.4銭
マネーパートナーズ 0.4銭 0.7銭 1.2銭 0.9銭 0.8銭
外為どっとコム 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 0.4銭
GMOクリック証券 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 0.4銭
SBI FXトレード 0.27銭

取引数量によって変化

0.39銭

取引数量によって変化

0.89銭

取引数量によって変化

0.59銭

取引数量によって変化

0.48銭

取引数量によって変化

ヒロセ通商 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 0.4銭
YJFX 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 0.4銭
外為オンライン 1.0銭 2.0銭 3.0銭 3.0銭 1.0銭
FXブロードネット 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.6銭 0.3銭
みんなのFX 0.3銭 0.4銭 0.9銭 0.6銭 0.3銭
アイネット証券 2.0銭 3.0銭 5.0銭 4.0銭 2.0銭

スプレッドから見るおすすめのFX会社

コストの安さからおすすめFX会社のBEST3を選んでみました。

  • 1位 GMOクリック証券
  • 2位 外為どっとコム
  • 3位 DMM FX

スプレッドだけを見れば同じ幅のFX会社が何社かあるので、どこを使っても良さそうに思えます。しかし、人気のあるFX会社にはそれだけではない理由があるはずです。

また、ドル円以外を見れば1〜3位のFX会社よりもスプレッドが狭い会社も見られますが、約定力やスプレッドの広がり方などで結果的にコストがかかる場合もあるのです。

以下では、スプレッド以外の理由も交えて特徴を紹介していきます。

1位:GMOクリック証券

GMOクリック証券は、取引高世界第1位を7年連続(2018年12月まで)で達成している業界最大手の会社です。取引高世界第1位というだけあってスプレッドが広がりにくく、100万通貨以上の大口注文でもストレスなく約定します。

スプレッドはドル円やその他の通貨でも業界最狭水準で提供されています。

多くの人に支持されているということだけを見ても安心感がある会社です。業界第1位の会社ということだけでも口座を開設しておく理由になるでしょう。

それに取引ツールも多機能で見やすく、特にスマホアプリの使いやすさは抜群です。

2位:外為どっとコム

外為どっとコムは今あるFX会社の中でも老舗の会社で人気があります。情報コンテンツは質・量ともに業界トップレベル。「外為情報ナビ」には圧倒的な情報量があり、それだけでも口座を開設する価値があります。

スプレッドも主要通貨だけではなくマイナー通貨まで全通貨ペアが狭いという特徴があるので、短期取引をする人には最適です。

スピード注文や多機能な分析機能を備えたハイスペックな取引ツール。

1,000通貨から取引ができるので初心者でも安心して取引を開始できます。

3位:DMM FX

DMM FXはFX口座数が国内第1位の実績がある会社です。その人気の秘密はスプレッドにあります。

DMM FXはスプレッドが狭いことで有名で、取引通貨ペア20種類全てで業界最狭水準を実現しています。

さらに、多くのFX会社ではスプレッドが原則固定になっていても相場が急激に動くと広くなりがちですが、DMM FXのスプレッド提示率は平均で98.41%となっています。(2018年の米ドル/円の提示率)

これは、急激な相場の変動があっても標準スプレッドで取引できる機会が多いということになります。

ただしDMM FXでは約款にスキャルピングを禁止するようなことが書かれているので注意が必要です。もし、禁止事項に抵触したと判断されれば事前の告知がなく口座を凍結されてしまいます。

FXスプレッドまとめ

FXのスプレッドについて、きちんと理解できたでしょうか。FX取引でのスプレッド以外の手数料は、例外を除いてほぼ無料になっていますので、スプレッドが唯一のコストだと言えます。

そしてスプレッドが単にコストというだけではなく、どういった時に変化するのかを把握しておくことがとても重要なことです。基本的にスプレッドが広がっているときはリスクが高いときです。エントリーをしてはいけません。

値幅が大きく動いてスプレッドも広がっているときにエントリーすると、ストップにかかる確率もかなり高くなります。レートが飛んでしまうと強制ロスカットにもなりかねません。

FX会社によって、相場が大きく動いたときのスプレッドの変化に特徴があるので、よく見て自分の取引に合ったFX会社を使うようにしましょう。

余計な損失を防ぐためにもFXの専門用語を学んで、日々のトレードに活かしていくことが大事になります。そうすれば着実に利益を積み重ねていけるはずです。

コメントを残す