急ぎの資金調達時も安心!法人向けカードでキャッシングを行う方法

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クレジットカードには法人向けと個人向けの2種類がありますが、利用限度額をはじめ付帯されるサービスや特典などが大きく異なります。そして、個人向けカードの多くで利用できるキャッシング機能が、法人向けカードのほとんどに付いていません。

ビジネスを行う中で急な資金調達が必要となる場合もあります。しかし、銀行の融資を受けるにしても審査で時間がかかって間に合わない可能性が出てくるでしょう。

そこで、「法人向けカードにキャッシング機能が付いていれば一時的な支払いに対応できる」「法人向けカードにキャッシング機能があれば良いのに」などと考えることもあるかと思います。

こちらでは最初に法人向けカードのキャッシング機能について解説し、それから法人向けカードでキャッシングをすることのメリットとデメリット、法人向けカードでキャッシングをするよりもメリットが大きい方法についてまとめています。

法人向けカードのキャッシング機能について

どの法人向けカードにもキャッシング機能が付くのが当たり前でなく、一般的でないと解釈する必要があります。

こちらでは法人向けカードと個人向けカードの違いを最初にチェックし、それから法人向けカードのキャッシング機能について詳しく解説します。

法人向けカードと個人向けカードの違い

法人向けカードと個向け人カードは同じクレジットカードではあるものの、キャッシング機能の付帯について大きな違いがあります。

まず、個人向けカードは私的利用、法人向けカードはビジネスという目的に違いがあり、利用する場面も異なってくるわけです。

そのため、利用限度額と支払い方法も異なります。個人向けカードの一般的な利用限度額が50~100万円程度なのに対し、法人向けカードは平均300~500万円です。支払い方法も個人向けカードでは分割払いにリボ払い、ボーナス一括払いなど自由度が高いですが、法人向けカードは一括払いを原則とするのが一般的です。

利用目的が違うだけで、同じクレジットカードでも大きく異なる点が出てくることがわかるでしょう。

法人向けカードでキャッシング機能は一般的でない

利用目的が異なることで見られる違いは利用限度額に支払い方法だけでなく、付帯する機能にも同じことが言えます。その中の一つがキャッシング機能で、先述のとおり多くの法人向けカードで利用不可です。

それは個人と違い、法人は倒産のリスクが高いことが理由になります。法人は個人のように毎月一定の収入を得られるわけではないため、どうしても個人以上に貸し倒れの可能性が高まりやすいです。カード会社としては回収ができないことを十分に懸念する必要があるでしょう。

しかし、すべての法人向けカードにキャッシング機能が付帯されないわけではなく、一部の法人向けカードではキャッシング機能が付帯されます。

キャッシング機能を利用できる法人

キャッシング機能は法人ではなく個人が対象です。

法人向けカードは企業だけでなく個人事業主などの主に経営者個人を対象としたカードが存在し、この場合はキャッシングが申し込めます。

企業が事業資金としてお金を借りる場合、金利の高いキャッシング機能よりも銀行から融資を受けるのが一般的です。

キャッシングを利用できない法人とは

法人向けカードでキャッシング機能を利用できるのは経営者個人であることを説明しました。しかし、経営者個人を対象にした法人向けカードでもキャッシング機能の枠が設定されなかったなどのケースもあります。

この場合、法人向けカードを申し込んだ方(会社代表)の個人信用情報に金融トラブルなどの問題があることがほとんどです。クレジットカードを発行するには審査が行われますが、その際に「この方には信用度はあるのか」という点を重視します。

支払い能力がない、返済してもらえないだろうと判断されればクレジットカードの審査には通りませんし、カードは発行されてもキャッシング機能の枠はゼロだったという可能性も出てくるでしょう。

キャッシング利用限度額

クレジットカードの利用限度額と同様にキャッシングも契約者ごとに設定されます。

また、利用限度額の範囲内となることから、クレジットカードの総利用枠よりも少額で利用できるのが一般的です。

「三井住友ビジネスカードfor Owners(クラシックカード)」の場合、以下のようになっています。

クレジットカード利用限度額:~150万円

このように高額設定されることはありません。

借り入れ額が少ないと利息が高くなる場合もある

借り入れる金額によって、利率が異なる法人向けカードがあります。

たとえば、オリコの「EX Gold for Biz S」のキャッシング利率は以下のとおりです。

借り入れ金額に対する実質年率

100万円:15.0%
90万円まで:18.0%

このように少額の場合は利率が高くなるケースが多いので、キャッシング利用を検討する場合は事前にチェックしておきましょう。

法人向けカードでキャッシングするメリットとデメリット

法人向けカードのキャッシングをするにあたり、いくつかのメリットとデメリットがあります。

それぞれに分けてまとめているので、詳しく見ていきましょう。

法人向けカードでキャッシングをする3つのメリット

法人向けカードでキャッシングをするメリットは主に3つあります。

・現金が必要になった際にすぐ準備できる
・ポイント優遇となるカードもある
・海外でもキャッシング可能

キャッシングを利用することで、一体どんなメリットがあるのでしょうか?

メリット1:現金が必要になった際にすぐ準備できる

ビジネスを行っている中で、急に現金が必要となることもめずらしくありません。しかし、タイミングが悪くて自由になる現金がないなどの場合もあるでしょう。

そんなときに法人向けカードにキャッシング機能があれば、現金が必要になった際にすぐ対応できます。あらかじめ設定されたキャッシング利用限度額の範囲内でATMなどからすぐに調達が可能です。

メリット2:ポイント優遇となるカードもある

キャッシング利用のできる法人向けカードの中には、利息がかかるもののポイントが優遇される場合があります。

「P-one Business MasterCard」ですとキャッシング利用可能額が最高300万円と高額なだけでなく、ポイントが通常の2倍付与という優遇がある点が魅力です。

法人向けカードを導入にあたりキャッシング利用が前提であれば、キャッシング利用限度額の大きいカードを選んでみるのも良いでしょう。

メリット3:海外でもキャッシング可能

海外でキャッシングを利用したい場合も対応が可能です。

ビジネス目的で海外に出かけている場合、思いがけないトラブルや予想しない出来事に遭遇する可能性もあるでしょう。そんなときでも現地のATMでキャッシングをすれば便利ですし不安も解消されます。

また、海外でお金を現地通貨に両替する際の手数料以上に、キャッシングを利用して現地通貨を手入れた方が安く済む場合があります。

流れとしては、まず必要なお金をキャッシングで入手。そして、日本に帰国した後に繰り上げ返済をするようにしてください。

法人向けカードでキャッシングをする4つのデメリット

法人向けカードでキャッシングを利用できても以下のようなデメリットもあります。

・利息が高い
・カードの選択肢が少ない
・審査難易度が高い
・支払い方法が少ない

これら4つについて解説していきましょう。

デメリット1:利息が高い

法人向けカードでキャッシングは長期的でなく、短期的で資金調達を目的とする機能です。

長期間の借り入れを想定した銀行融資と比較すると、どうしても金利は高めの設定になると思って良いでしょう。

三井住友銀行で比較してみると以下のようになることがわかります。

三井住友ビジネスカードforOwnersクラシックカード(一般)

利用限度額:公式サイトをご確認ください。
事務手数料:33,000円~三井住友銀行
利率:公式サイトをご確認ください。
利用限度額:1億円以下

また、法人向けカードのキャッシングでは、返済方法がリボ払いのみの場合があります。そのため、返済が長期間になると利息が相当な金額になり、その分だけ負担が増してしまいます。

デメリット2:カードの選択肢が少ない

キャッシングが利用できる法人向けカードが限定されており、選択肢が少ないこともデメリットになるでしょう。すでに述べたように、カード会社は貸し倒れを防ぎたいことを利用に法人向けカードにキャッシング機能を付帯させないことが多いです。

法人向けカードの導入を検討する際に、この国際ブランドでこんなサービスや特典があるカードが良いなどの希望もあるかもしれません。しかし、その希望のカードにキャッシング機能が必ず付帯しているとはかぎらないのです。

キャッシング機能の付帯が最優先のポイントであれば、自身が導入したいと思えるカードにならない可能性があることも覚えておかないといけません。

デメリット3:審査難易度が高い

法人向けカードにキャッシング機能を付帯させたい場合、審査難易度はより厳格化しがちです。

キャッシング機能を付帯させるのであれば、申し込み時の必要書類が増えることもあります。たとえば、オリコの「EX Gold for Biz S」の場合、公式サイトに「キャッシングを希望する際は確定申告書などの所得証明書の提出が必要」と記載があるほどです。

カード会社としては貸し倒れを避けたいと考えます。そのため、確実に支払いができるかどうかを重視し、厳しいと判断すれば容赦なく審査通過不可の結果を出すでしょう。

デメリット4:支払い方法が少ない

法人向けカードでキャッシング機能を付帯させる場合、あらかじめ支払い方法が決まっている場合があります。個人向けカードのように契約者側で都合の良い支払い方法を選ぶことができないため、融通のきかない点は大きなデメリットでしょう。

たとえば「三井住友ビジネスカードforOwnersクラシックカード(一般)」の場合はリボ払いとなります。一括繰り上げでの返済は可能ですが、分割払いなどに対応はしていません。

長期間になるとリボ払いの利息は大きな負担になるので、キャッシングはビジネスにおける運転資金にするのは不向きでしょう。少額を短期間で利用するための機能だと思っていた方が良いです。

法人向けカードでキャッシングするよりメリットが大きい方法

法人向けカードにおけるキャッシング機能は、大きな金額を長期間借りるのに向いていません。

こちらでは、法人向けカードでキャッシングを利用するよりもメリットが大きい方法について解説します。

銀行融資を利用する

ビジネス用の資金を調達したいのであれば、利息の負担も少なくて返済も計画的に行える銀行融資がおすすめです。

利率が10%以上になることも多いキャッシングと比較すると、銀行融資の場合は利率を1~2%程度におさえることができます。

300万円のビジネス用の資金を借りた場合、銀行融資は1年間で発生する利息は3~6万円程度です。それに対してキャッシング利用の場合、利率10%でも30万円をこえてしまいます。

この利息は借り入れ期間が長くなるほどに増えていき、気付いたら利息で支払いができなくなる可能性も高まります。ビジネス用資金を調達目的であれば、まずは利率が低い銀行融資からチェックした方が支払い負担の面を考えてもおすすめです。

急ぎで資金調達が必要な場合にキャッシングを利用

資金調達を急ぎで行わないといけない場合にのみ、法人向けカードのキャッシング機能を利用すれば良いでしょう。売上などの入金があるまでの一時的な利用であれば、利息の負担もそこまで大きな金額になりません。

もしも年利15%のキャッシングを利用した場合、50万円を7日で返済した際に発生する利息は約1,438円(500,000×0.15×7÷365=1,438円)になります。

1日あたり205円程度の計算であると考えれば、利用もしやすいでしょう。

繰り上げ返済すると利息の負担は軽減

キャッシングを利用した場合、繰り上げ返済を行えば支払うべき利息の軽減が可能です。

通常、キャッシングを利用した場合の利息は支払日までの日割り計算となりますが、繰り上げ返済すれば支払日までの利息で計算されます。

支払日まで約40日あるとして、50万円のキャッシング利用で発生する利息は約8,219円なのに対し、7日で繰り上げ返済すれば発生する利息は約1,438円です。

キャッシング利用した金額が大きくなるだけ利息も増えていきます。タイミングを見て繰り上げ返済を重ねるなどして、上手にキャッシングを利用してください。

キャッシングを行うための方法

キャッシング機能は現金が必要になった場合にもすぐに準備が可能なため便利ですが、支払うべき利息が高いなどのマイナスポイントも見られます。法人向けカードを導入した場合、どうしてもの事情や緊急性がないかぎり利用しない方が良いでしょう。

しかし、「何があるかわからないから、もしもの場合に備えてキャッシング機能を付帯させたい」と考える方もいるかと思います。そのような方に向けて、こちらではキャッシングを行うためにどんな方法があるのかを解説します。

カード発行でも追加可能

一部の法人向けカードではキャッシング機能が付帯されていることはこれまでに説明したとおりです。

キャッシング機能ですが、カード申し込み時だけでなく後から追加することもできます。もしもの場合に備えたいとなった場合は、一旦カードを発行して落ち着いてからキャッシング機能のみに申し込んでみても良いでしょう。

経費などの支払いを毎月スムーズに行って実績を積めばカード会社からの評価も高まりますし、キャッシング追加の際の審査にもスムーズに通過しやすくなります。

また、国内ではキャッシングの利用機会はないと思われる場合、海外でのみキャッシングの利用ができるように設定可能です。利用目的がある程度明確になってから、自社が一番使いやすい状態でキャッシング機能を追加するのも良いかもしれません。

キャッシング機能を追加するための手順

カードを作成した後でも、キャッシング機能を追加するのが可能なことを理解できたかと思います。

こちらでは、キャッシング機能を追加するために必要な手順について解説していきましょう。キャッシング機能を追加するには、以下の方法があります。

・カード会社の公式サイトからの申込みと登録
・カード会社のコールセンターへ連絡して書類を送付してもらう

方法はこちらの2つとなります。どちらの方法で申し込んだとしても、本人確認書類などは送付しなければなりませんから、あらかじめ準備しておけばスムーズでしょう。

キャッシング機能を利用できる法人向けカード

最後にキャッシング機能が利用できる法人カードをまとめておきます。

キャッシング以外にもどんなサービスや特典、または保険内容の充実度などをチェックしてから選んでみると良いでしょう。

P-one Business MasterCard

「P-one Business MasterCard」は利用限度額内であれば、最高300万円までキャッシングの利用が可能です。もしものときに備えたいという場合におすすめの1枚になります。

三井住友ビジネスカードforOwnersクラシックカード(一般)

「三井住友ビジネスカードforOwnersクラシックカード(一般)」は個人事業主を対象にキャッシングの利用ができる法人向けカードになります。

実際は個人事業主だけでなく法人代表者も申し込みは可能なので、安心できる1枚を探している場合におすすめです。

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まとめ

法人向けカードは個人向けカードと比べてみると、機能面が大きく異なることがわかります。しかし、ビジネスで活用することを考えたら、個人向けカード以上に法人向けカードを選んだほうがサービスや特典などの面でも便利ですし活用もしやすいです。

また、法人向けカードと個人向けカードではキャッシング機能も大きく異なり、法人向けカードでは利用はおろか付帯すらされていないこともあります。ビジネスを行っていると何があるかわからないので、もしもの場合に備えてキャッシングが利用できるようにしておくのも良いでしょう。しかし、ビジネスに安定が見られる場合はキャッシングが必要となる機会は多くないはずです。

法人向けカードを導入する際に、本当に必要な機能が何かを判断してから申込むようにしてください。

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